ディスガイア D2
【でぃすがいあ でぃめんしょんつー】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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BD-ROM 1枚
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発売・開発元
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日本一ソフトウェア
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発売日
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2013年3月20日
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定価
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7,140円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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PlayStation 3 the Best 2015年5月28日/3,800円(税別)
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配信
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PS Store:2015年5月28日/3,142円(税込)
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判定
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良作
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魔界戦記ディスガイアシリーズリンク
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ストーリー
強大な力とカリスマを誇った先代魔王の死後―
魔界は、その覇権をめぐる戦国時代に突入した。
くり返される戦いの果て、名だたる強者を退けて年若い悪魔が台頭する。
その悪魔の名前は『ラハール』。亡き魔王の一人息子であった。
ラハールは自由奔放な悪魔や、変わり者の天使、
人間までも仲間に加えて戦い―ついに『魔王』になった。
それから数年の時を経て
傍若無人な魔王・ラハールさまと仲間たちの、
あらたな冒険がはじまろうとしていた。
ラハール統治下の魔界に起こる異変!
予想の斜め上を行く人物の乱入!
反乱分子の台頭!
魔界をゆるがすアイドルライブ!?
彼らの進むところには、トラブルとドラマが巻き起こる!
驚きと興奮、笑いと涙の一大スペクタクル、開幕―!!
(ディスガイア D2 公式サイトより引用)
概要
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史上最凶のやり込みSRPG、ディスガイアシリーズの第5作目。日本一ソフトウェア20周年記念作品の1つ。
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第1作目のグッドエンド後を描く作品で、時系列では『1』の数年後。『2』よりも前とされている。
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裏面、キャラ(学級)界、魔チェンジなどが廃止され、『1』『2』の要素が復活するなど原点回帰を意識した内容になっている。
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アイテム界がアイテム“海”に改名された。
ゲームシステム
チート屋
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獲得経験値やマナの増減、敵の強さの変更、修羅と通常の切り替えなどを行うシステム。
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獲得ヘルを100%→0%と減少させるかわりに、獲得経験値を100%→200%と増やす、といった使い方ができる。
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マップ上のキャラクター全員がプリニー体質(投げられると爆発する)になる、コマンドキャンセルが不可能になるなど、面白い機能もある。
羅刹モード
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2013年7月のバージョンアップで実装された「修羅」を超える高難易度モード。
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パラメータの上限が増え、敵のステータスが大幅に強化される。
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ステータス1億超えは当たり前。最大強化時のアイテム神などは主要ステータスがカンスト(9億9999万)している。
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攻略難度は高いが、アイテムLvの上限増加(Lv999まで)、ステータス成長率強化など羅刹モードでしか受けられない恩恵もある。
修羅ボーナス
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転生、アイテム海の他に、修羅ボーナス稼ぎという新しいやり込みが登場した。
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凶悪なステータスを持つ修羅の敵を撃破すると、その敵のステータスを吸収できる。
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上限が設定されているため、修羅ボーナスだけでステータスカンストを達成させることはできない。
評価点
美麗なキャラクターグラフィック
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キャラクターグラフィックは『4』と同様に3Dで描かれているため、美しく見栄えが良い。
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本編におけるラハール達の面白おかしいアクションも見所。
ゲームシステムの改善
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アイテム海の仕様変更。最下層をクリアすると、アイテムLvを引き継いで1階から攻略し直せる。
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過去作でありがちな「レベルスフィアが出ない」「○○を倒し損ねた」などのトラブルが起こり得ない。ギプアップ&ロードの必要もない。
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剣の弱体化、槍の強化など武器バランスの見直し。弱い、役に立たないと酷評されてきた槍がようやく日の目を見た。
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ディスガイアシリーズにおける大きな不満点であった倉庫の使い辛さがついに改善された。
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所有アイテムをカテゴリ別に分割して表示することができる。ソート機能ももちろん健在。
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他にもアイテム保護機能、まとめ売り、倉庫と携帯袋が統合などの細かい追加・変更点がある。
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デールの無料配布(アイテム海入口でもらえる)、チート屋の導入、ゲームオーバーの廃止など初心者向け要素を強化。
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経験者からも「面倒な要素が減って楽になった」と好評。
ステータス上限の増加
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HPSPは4000億、他は9億9999万9999まで強化可能。
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果てしなく遠い道に思えるかもしれないが、転生、ウェポンマスタリー、アイテム強化、修羅ボーナスなどを極めればちゃんと到達できるようになっている。
ヤリコミノサイハテ
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最後に攻略するステージで、超魔王バールとの決戦の舞台。先手必勝・一撃必殺が基本のディスガイアにおいて、まさかの長期戦が繰り広げられる。
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育成が完了したキャラクターが居ても、操作ミスで安易に逆転されてしまう。SRPGらしい緊張感の中で遊ぶことができる。
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1000億を超えるダメージの応酬は必見。普段は出番のない斧、弓、銃もここでは活躍する。
ラハールについて
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過去作と比べると俺様至上主義は相変わらずなものの、立派な魔王になるために努力したり、事態解決に自ら動いたりするなど責任感が強くなった。また、本作で初登場した自称妹のシシリーについては表面上きつい態度をとりつつもなんだかんだで気に掛けるなど、今までになかった
シスコンとしての
一面が現れるようになった。総じて過去作の経験で立派に成長しているといえる。特に、第七話と最終話での
一人の魔王もとい兄として戦うラハール
の姿は純粋にカッコイイ
のでファンならば一見の価値がある。
賛否両論点
必要とされる時間の長さ
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ステータスカンストまでにかかる時間が非常に長い。その長さ故に、やり込む前からやる気を失くしてしまうプレイヤーが少なくない。
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アイテム育成にかかる時間(パラメータカンストまで)が1つあたり約25時間。キャラ育成(転生とレベル上げの繰り返し作業)にかかる時間が1体あたり約4~5時間。
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1体のキャラが装備できるアイテムは4つなので、全ての装備を完成された物で埋めようと思ったら100時間以上はかかる。
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更に、今作には『3』や『4』のような、効率的なアイテム増殖技が無い事も、必要時間の長さに拍車をかけている。育成人数を増やせばその分だけ所要時間が正比例することに。
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ただ、やり込みは自己満足であり強制されるものではない。あくまでステータスカンストに拘るプレイヤーにとっては酷い仕様というだけで、気にしないプレイヤーにとっては全く問題にならない点である。
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「長く遊べる」と評価するプレイヤーもいるが、以下の点より、問題点に近いと言える。
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もともとディスガイアはやり込みプレイヤー向けのゲームであるが故、やり込みプレイヤーの割合が他ゲームより比較的多いこと
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上記の1人あたりの育成時間(100時間)×キャラ人数が、現実的に確保可能なプレイ時間をはるかに凌駕すること
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過去作にあったアイテム増殖技など、育成効率を上げるシステムが賛寄りの評価であったこと
ゲストキャラクターの選出
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本編と関わりを持たない、いわゆる隠しキャラクターのこと。
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日本一ソフトウェアの作品では、本編クリア後のオマケ要素として、過去作や他作品(稀に他社)のキャラクターが登場するのが定番となっている。
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ドット絵だった過去作のキャラクターグラフィックがどのように進化したのか、期待を寄せるプレイヤーは多かった。しかし……
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詳細 ※ネタバレ注意
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『魔界戦記ディスガイア2』から アクターレ
『ファントム・キングダム』から ペタ、アサギ(※)
『魔界戦記ディスガイア4』から ヴァルバトーゼ、フェンリッヒ、エミーゼル、アルティナ
『絶対ヒーロー改造計画』から 田中デスダーク(仲間にはできない)
見れば分かる通り、『4』のキャラクターが大半を占めている。
どのキャラクターも『4』の時点で既にグラフィックが完成しており、目新しさに欠ける。
新しいキャラクターの登場を期待していたプレイヤーは肩透かしを喰らった。
もちろん、これらのキャラクターが好きな人にとっては嬉しい要素である。
ただ、まさかの田中デスダーク出演には多くのプレイヤーが驚かされた。
※厳密には『魔界ウォーズ(仮)』というゲーム(未発売)のキャラクター
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DLCキャラクターの選出
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こちらもゲストキャラクターと同様に、日本一ソフトウェア作品の定番と言える要素である。1体(+小イベント)につき300円。
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極上のサルバトーレ、アレク、エクレールなどの新規参戦でファンを沸かせた一方、それ以外のキャラクターが『4』からの流用で、期待を寄せていたプレイヤーをガッカリさせた。
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リリエル、メタリカなど他作品からの出演もありこちらは好評。
問題点
一部キャラクターが未登場
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『1』の重要人物であった地球勇者一行が登場しない。名前すら出ない。ラハール達が彼らのその後について言及することもない。
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地球勇者一行とは、ゴードン、ジェニファー、サーズデイ、カーチスの4人。魔界と天界のわだかまりの解決に貢献した。
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公式HPのあらすじの項で述べられている「人間」は彼ら地球勇者のこと。にもかかわらず公式HPのダイジェストムービーでは活躍を丸ごと省略されている。
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エトナやフロンほどではないが、彼らも一定のファンを持つ人気キャラクターである。せめて魔王城から居なくなった理由ぐらい、説明されても良かったのではないだろうか。
新キャラクターの大半がコンパチキャラ
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ほとんどの固有キャラクターが、汎用キャラクターの流用または改変で作られており、オリジナリティに欠ける。
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純粋なオリジナルキャラクターはシシリーのみ。
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詳細 ※ネタバレ注意
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固有キャラクター
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流用・改変元
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ランサローテ
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アーチャー
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バルバラ
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重騎士(女重騎士は本作が初登場なので、オリジナルと言えなくもない)
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レーニア
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氷棲族(同上)
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ガルングン
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ゴーレム族
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グロッソ
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魔獣族
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コガネスキー
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魔界貴族
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ゼノリス(通常ver、変身verの2パターン)という新キャラクターもいるが、こちらは敵としての登場のみで仲間にはできない。
「ゼノリスを仲間にしたかった」「DLCでも良いので配信して欲しい」という意見は多い。
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演出面の劣化
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『ディスガイアインフィニット』『4』『3Return』に搭載されていたバストアップアニメーションが本作にはない。
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ステータスウィンドウに表示される顔グラフィックが、専用のものではなくキャラクターグラフィックのアップになっている。
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ステータス画面に表示されるキャラクターのイラストが、『4』の使い回し。
一部のステージが再戦不可能
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一度クリアすると、周回するまで二度と挑戦できないステージがいくつかある。
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そのステージでしか入手できないアイテムを取り逃してしまうと、その周回でアイテム図鑑を埋めることができなくなってしまう。
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同様に、そのステージに居るボスしか使わない特殊技演出を見逃すと、特殊技記録を埋めることができなくなる。
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どちらもトロフィー取得に関わる要素であるため、そうとは知らずにステージクリアし泣きを見たプレイヤーが多く居た。
一部の新システムに利便性があまりない
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オンブは人型ユニットが魔物型ユニットに乗って戦うシステムなのだが、オンブをしているという状態のため魔法やオンブ専用技以外の特殊技は使えなくなってしまう。そのオンブ専用技も上記の問題点を帳消しにするほど優れているわけではないのでありがたみがない。このありさまのため正直オンブの存在意義は全くないものになってしまう。そこは過去作の魔チェンジを採用すればよかったのでは?
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新たな武器である本も、正直いって全体的な性能は魔法技の劣化になりがちであり不遇気味である。確かに魔法に比べて火力面は優れているのだが、それ以外の要素は魔法のほうが優れているためである。その火力面においても、ターゲットを単体に絞れば魔法も火力が出るのでその点においても不遇である。
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あまりに不評だったのか、次回作からは上記の新システムは廃止されることになった。
総評
「外伝でもない、リメイクでもない完全新作!」というキャッチコピーでリリースされた本作であるが、その割にはグラフィックの使い回しや過去作からの流用が目立つ。
とは言え、ユーザーの意見を取り入れて調整されたシステム、ボリューム満点のやり込み要素などゲームとしての出来は良く、遊び易さの点では据置機のシリーズ最高級とも言える。
シリーズ初心者・経験者、双方にオススメできる作品である。
最終更新:2024年06月02日 08:30