スーパーボンバーマン
【すーぱーぼんばーまん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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ハドソン
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開発元
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プロデュース ハドソン
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発売日
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1993年4月28日
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価格
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7,800円
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判定
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良作
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ポイント
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ボンバーマンシリーズにおける一つの金字塔 対戦モードは新アイテムでかなり白熱する ストーリーモードは難易度低め
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ボンバーマンシリーズリンク
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ストーリー
ボンバーマンが住むピースタウンから遥か北にある近代都市・ダイヤモンドシティ。
そこでは悪の権力者カラット・ダイヤモンドと科学者Dr.ムックがロボット達を改造して、ロボットトーナメントというバトル大会を開催していた。
ボンバーマンの高い戦闘力に目をつけたダイヤモンドは、メカボンバーマンを造り、ボンバーマンを捕まえるためピースタウンに向かった。
その計画を知った黒ボンバーマン(黒ボン)は単身立ち向かうが、メカボンバーマンに負け、ブラックボンバーマン城を奪われてしまった。
なんとか白ボンバーマン(白ボン)のもとに逃げ込んだ黒ボンはカラットの野望を打ち明ける。
そして、遂にかつては敵同士だった二人が、打倒ダイアモンドのために一致団結する時がきた!!
概要
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SFCで展開された『スーパーボンバーマン』シリーズの第1作にして、SFCで初めて発売されたボンバーマン。後にシリーズ化して『5』まで続いている。
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選べるモードはいわゆるストーリーモードである「ノーマルゲーム」と、CPU戦や対人戦ができる「バトルモード」の2種。
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ノーマルゲームは全6ワールドで、1ワールドは7面+ボス戦1面という構成になっている。
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時間制限のと残機のシステムが他作品と異なっている。
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中央に時計があり、そこから画面端まで14個の目盛りが1P、2Pそれぞれに付いている。時間の経過で針が時計回り動き、8カウントで1周。1周すると目盛りが1個黒くなる。全ての目盛りが黒くなるとアラームが鳴り出し、そこから一定時間が経つと時間切れで1ミスとなってしまう。
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後述するが目盛り1つが黒くなるまでの実時間はステージによって異なる。
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シリーズでは珍しく、やられてもその場で復活する。
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残機は初期が5。片方が復活や途中参加する場合は片方のプレイヤーの残機の半分をもらって参加する。また端数は切り捨てとなっているので、例として白ボンバーマンの残機が5の時に黒ボンバーマンが復活すると、お互いの残機が2となるので、偶数の時に復活すると損切りになりにくい。
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バトルモードは全12ステージ。新たにCPUの強さを10段階から設定できるようになった。ステージは仕掛けがない通常ステージのほか、ステージの内側から接近状態で開始、空から爆弾が降ってくる、大量のアイテムがステージに設置等、
バリエーション豊富。
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SFC処女作かつ、サクサク重視の影響か対戦にもかかわらず、リモコンやフルファイヤーといった、ハチャメチャ感が強いものになっている。
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「貫通ボム」「フルファイアー」「ドクロ」といった後のシリーズで定番となるアイテムが初登場した。
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後のシリーズでは乗り物の能力になる「ボムパンチ(ボムパント)」が使えるアイテム「パワーグラブ」も登場。
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今作では、ブロックからだけでなく、敵を倒してもアイテムが出現することがある。
評価点
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ハードの性能を活かした綺麗な立体調の色鮮やかなグラフィック。PCEシリーズとは異なる路線に進化した。
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ノーマルゲームで2人同時プレイが可能に。対戦だけでなく協力もできるようになった。
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2Pは黒ボンを操作。PCEシリーズでは敵だった黒ボンとの共闘という地味に熱い演出。
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ノーマルゲームで1ステージに出てくるアイテムが増えた。そのため、パワーアップややられた際の立ち直りがスムーズになり、テンポが向上した。
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ステージによってはリモコンや壁通過といった強力なアイテムがあるので、どのステージに出るかも覚えておくことも大事。
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ノーマルゲームの面数は実質的前作『ボンバーマン'93』より減った上に1画面になってしまったものの、敵がより手強くなったため、やり応えは変わらないどころか上昇した。
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特に一部の雑魚敵やボスは爆風を当てただけではダメージを与えられないことも。初見では苦戦必至。
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敵がどのように手強くなったかは、下の難点の項目に記載する。
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おなじみの隠し要素。
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特定の行動をとるなど条件を満たすと高スコアアイテムなどが出現したり、特定のパスワードによって様々な特典を得られる。
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条件自体も簡単なものから難しいものまで色々。例としてポーズをかけるだけ、出口に爆風を当てるだけで出現すれば、そのポーズを暫くかけたり出口の上で暫く待つことで出現するものや、出口・無敵スーツ・壁通過を出すことが条件、残機0の時といったものまで様々。
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隠しアイテムの内容も様々であるが、得点が999990点増えるケーキや残機が一気に最大9まで増える消火器といったアイテムはインパクト抜群ではなかろうか?
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爽快感のあるノーマルゲーム。
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今作のノーマルモードは開始直後・復活後に約10秒の無敵時間があるため、やられにくい。これを利用してボムを連続爆破すれば、雑魚敵はおろかボスであってもこれだけで倒せてしまうことも。
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キックやパンチで飛ばしたボムを敵にぶつけるとダメージを与えられるため、遠距離から安全に攻められる。流石にボスは無理だが、ラスボスはパンチによるボム当ては有効。
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しかもスコアは倍々で増えていくので、エクステンドも狙える。また、アイテムを十分に集めてから行なえば、敵を瞬殺してどんどん先に進めていける。
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バトルモードの出来はさらに良くなった。本作のバトルモードを支持するファンは多い。
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ステージと登場アイテムのバリエーションが一気に増えた。後のシリーズには無いような奇抜な構造のステージが多いのもポイント。
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ソフトブロックが復活するうえにボムを撤去するマシンが登場する「ゾンビフラワー」、ジャンプ中の制御が一切きかない「ボヨヨンジャンプ」など。
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ボムをブロックの向こうに飛ばせるパワーグラブの存在は大きく、これによりバトルモードの戦略が膨らんだ。
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移動速度が上がる「ローラーシューズ」がバトルモードで初登場。これにより、ボムを素早く沢山置くなど速度を生かした戦法を取れるようになり、ゲーム自体のスピードも上がった。
制限時間は2分固定。
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BGMは『ボンバーマン (PCE)』のアレンジやピアノ調のおしゃれな曲など、バラエティ豊かな構成となっている。中でもボス戦の曲の評価は高い。
賛否両論点
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ノーマルゲームの難易度について。
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評価点のとおり、今作のノーマルモードは開始直後・ハートを含む復活後に約10秒の無敵時間があるのですぐにはやられにくい。
そのため初心者でもやられにくく中級者以上となれば爆弾を連続爆破することで開幕直後から雑魚敵やボスも剥ぎ払える。キックやパンチによるボム当て倒すことによるでスコアは倍々システムにより爽快感重視のゲームバランスになっている。サクサクとステージ進行する光景は圧巻であろう。
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しかし、無敵時間10秒というのはかなり長く、ボムを連続爆破して敵に突撃する作戦や、キックやパンチで攻撃する戦法が多用できてしまう。爆破しすぎてアイテムを燃やす。うっかり出口を爆破して敵を復活させてしまうといったリスクはあるが、それでも惨滅するリターンのほうが大きするためステージ道中が消化試合と化してヌルゲーとなりがちである。
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これら難易度調整のためなのか、歴代のシリーズの中でも特に固い敵が多い。
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雑魚敵は序盤から体力2~3の敵が登場する上に、後半ステージに登場するメタルプロペンは体力5、ヨロイズは体力8と、ボス並みの体力を誇る。しかも、ヨロイズに至っては盾でボムの爆風を防いでしまう。
ボスも前半ステージに登場するものは体力がかなり高い。ピエルマスクに至っては体力が18もある。後半ステージのボスはそれほど体力が高くないが、その分攻撃が激しくなる。
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体力以外でも、壁抜けをしたり、プレイヤーを追ってくる敵がやや多い。特にキンカルは高速で壁を抜けながらプレイヤーを追ってくるので、無敵時間内で倒せないと面倒なことになる。
爽快感重視のためゲームバランスはあまり良くないはやむ無し。とはいえ、ストレス無くサクサク進めるのとアイテムを集めると楽になる爽快感は幸いにも受け入れられているため、ゲームとしては成功しているといえよう。
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実はバトルモードは途中参加が可能。
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対戦設定でOFF(不参加)にしてもOFFにしたプレイヤーのコントローラーのボタンを押せば途中参加できるのだが、説明書には未記載(攻略本にてその存在が明らかになった)。フェアなバトルをしたければリセットすればいいだけのことではあるが。
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この仕様は今作のみとなっている。
問題点
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対戦は最大4人までとなっており、PCEシリーズより1人少ない。
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リモコンと貫通ボムが併用できる。その性能はあまりにも凶悪で、ステージクリアが数秒で可能になるほど。
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リモコンが登場するバトルステージがある。リモコンを得たプレイヤーは当然ながら無双に近い状態になる。
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後のシリーズでは『スパボン5』のコンフィグモードでしか登場しなくなった。
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ラスボスについて
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ラスボスの体力は5で、先述の雑魚敵であるメタルプロペン程度しかない。しかしこのボスは、パンチで飛ばしたボムでしかダメージを与えられない。そのためパワーグラブ未所持だったり一度やられるとボスがばらまくアイテムからパワーグラブが出るまで粘らなければならない。
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この仕様で初心者向けにもかかわらず、ノーミス突破が運絡みになりやすくなったのがワールド5。このワールドはステージ1が始まってから制限時間がリセットされず、ぶっ通しでボスのステージ8クリアまで進む。ブロックがないステージで敵との1対1が続くという構成なので、1ステージにかかる時間は短いがそれでも大変。
それだけでなく、このワールド5をやった多くの人が思うのが「気がついたら時間があっという間に無くなっている」ということである。
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それもそのはず。このワールドはメモリが1つ当たりたった約6秒ほどという尋常でない早さで黒くなるからである。その制限時間、なんと約84秒(約1分24秒)しかない。
そのうえボス含む敵全てが約6秒もの無敵時間を開始直後に持っているため、実質的に戦える時間は36秒……と思いきや、敵を倒した時に歓声が上がるので、そこで更に約2秒も時間を取られるので実質に22秒。あまりにも時間が足りない。
なので、初戦は無敵時間でごり押しで倒し、以降は敵が出現する場所にボムを置いて封殺して押しきるつもりでないと時間切れによるミスは必至。
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一応、一定時間ごとにランダムにアイテムが出現する。中には、黒目盛りが全てリセットされる「タイム」が出てくることがあり、救済措置になっているのだが、必ずしも出現するとは限らないので、ノーミスクリアには運が絡む。
一応、上記のように速攻で倒しきれば「タイム」無しでも突破は可能だが、それでも白目盛りが3つ残るかどうかのシビアさ。
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なぜか1Pと2Pで時間は別々に数えられているため、制限時間が回復するアイテム「タイム」の奪い合いとなってしまう。
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反面、復活直後の無敵時間が長い点は、救済措置として非常に効果的に機能している。
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「不発弾」の存在。
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置いた爆弾の火がランダムで消えてしまう。時間が経つと再点火するものの、開始直後の爆弾が1個しか置けない状態で不発弾が出ると事実上何もできなくなり、大幅なタイムロスになる。
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不発弾は誘爆するため、爆弾が2個以上置けるようになれば大した問題にならないが、ただテンポが悪くなるだけの無意味な要素である。なお後のシリーズには登場しない。
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ステレオ/モノラル切り替えが困難。
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本作にはシリーズでは珍しくサウンドテストがあり、ステレオ/モノラル切り替えもここで行うのだが、これを出す条件がなんとタイトル画面で5PのRボタンを押すこと。つまりマルチタップが必須。
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バトルモードのステージ「ボヨヨンジャンプ」のギミックについて。
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ステージ内に設置されたトランポリンに乗ると画面外に大ジャンプして一定時間後に地面に落ちるというものだが、この滞空時間中はどういう訳かポーズの影響を受けない(ポーズをかけていてもお構いなしに地面に落ちる)。着地点に爆風が伸びていようものならポーズを解除した瞬間に焼死する。
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CPU戦ならともかく、対人戦ではまず間違いなくリアルファイトの原因となるのでこのステージでのポーズは出来るだけ控えたほうがよい。
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ボス・ピエルマスク。
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パッケージにもいる、巨大な顔だけのピエロだが、眉や口がやたら動く。他のボスのようにメカっぽさがまるで無い分、
かえって気持ち悪い
。ダメージを与えると大口を開けた泣き顔で追ってくる。はっきり言って
怖い
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総評
SFC進出作として様々な面でパワーアップしたボンバーマン。まだまだゲームとしての粗も見られるが、後のシリーズで洗練されていく。
余談
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パワーグラブは実は十字ボタンの入力方向によって正面以外にもボムを飛ばせる。
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正確には入力判定のゆるさで、「パンチ後に別方向に動きたいのでパンチ中から十字ボタンを押していたら、ボムがその方向に飛んでしまった」という事態になりやすいということである。ただしこれを利用するプレイヤーもいる。
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ボムパンチ自体は後のシリーズにも登場するが、飛ばす方向を変えられるのは本作のみ。
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海外版では3面に登場するモグラの敵「モグチャン」が茶色から緑色に変更され、グラフィックも僅かに書き換えられている。黒人差別に対する規制であると思われる。
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パスワード入力画面で「5656」と入力すると、ボンバーマンが小さくなる裏技がテレビ朝日のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』(2019年8月25日放送)で紹介されたことがある。
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ネットで検索しても出てこない情報として紹介されていたが、実際は発売当時から有名な裏技でネットで検索してもいくらでも出て来る情報である。
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放送当時パスワード入力画面には何故かモザイクがかけられていた。
最終更新:2024年08月27日 10:04