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忍道2 散華

【しのびどうつー さんげ】

ジャンル 忍者ステルスアクション
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売元 スパイク
開発元 アクワイア
発売日 2011年12月17日
定価 パッケージ版:6,090円
ダウンロード版:4,900円(税込)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 PlayStation Vita the Best:2013年10月10日/3,400円
判定 バカゲー
ポイント PS2で発売された『忍道 戒』の正式な続編
もともとクオリティの高かったアクションがさらに強化
前作で好評だったが削られた要素もあり
念のため言いますが天誅のパクリではありません


ストーリー

時は室町後期――。
一条家の統べる小国・宇高多(うたかた)を巡り、隣国の赤目家、
新興寺社勢力の阿無璃他(あむりた)によって引き起こされた“宇高多の乱”。
あれから束の間の平穏を取り戻したかに見えた宇高多は、新たな戦火に包まれようとしていた。

一条家の譜代である風天(かざま)家の家督を継いだ風天寅三郎久秀が、
東の大国・芳穣(ほうじょう)家を後ろ盾として謀反に及び、
それに呼応するかのように、阿無璃他も再び決起したためである。

時を同じくして、ひとつの忍の里が消滅した。風華忍者――同胞の裏切りにより、一夜にして消えた忍衆。
その業火にすべてが焼失したと思われた中、ただひとり、辛くも命を取り留めた者がいた。
その忍び名を“火祭のゼン”という。

瀕死の状態で意識を失ったゼンが、次に目を覚ましたのは、かつて飛鳥と呼ばれた忍の里。

一条家を支え、宇高多の争乱により壊滅した飛鳥の里は、復興の最中にあった。

宇高多の地に再び起ころうとしている争乱の中に里を裏切った同胞の影を感じたゼンは、
命を救われた飛鳥への恩に報いると共に、仇敵への復讐を果たすべく、戦火の中に身を投じる。
ただ戦乱の影に咲き、人知れず散る覚悟を忍の宿命とするならば、
その血華の彩り、なんと苛烈で、なんと儚きことか――。

(公式サイトより引用)


概要

2005年に発売されたステルスアクションゲーム『忍道 戒』の正式な続編*1にして、PSVitaローンチタイトル。前作から半年後の宇高多を舞台に故郷を滅ぼした同胞の行方を追うのが目的となる。
ハラキリエンジンや血祀殺法といった前作の特徴的なシステムを継承しつつ、血祀殺法の複数同時攻撃とも言うべき「斬刻(ざんこく)」や雑魚なら一撃で葬り去る当て身技「見斬(みきり)」、空中を自在に滑空する「風黒羽(ふくろう)」など、アクションの幅が大幅に広がっている。
その一方で、前作で登場したマップが一部登場しない・ミッションエディター匠や裏庭が無くなっている・調合のシステムが一部変更及び簡略化されているなど、前作から退化していると取れる部分も見当たる。

  • ゲームの流れ
    • 宇高多を巡り争っている一条家・風天家・阿無璃他教から依頼される任務をこなしつつ、宇高多のどこかに潜む故郷を滅ぼした裏切り者「柏樹(はくじゅ)のシュウ」の行方を追っていく。また、ゲーム序盤でシュウが8枚の天魔鏡を集めているという情報を入手し、主人公もシュウをおびき出すために天魔鏡を集めようと奔走する。
  • 任務の遂行
    • 指定された対象を殺害する「暗殺」や敵勢力をすべて倒す「全滅」といった戦闘色の強いものから、荷物を特定の場所まで運ぶ「輸送」に敵の保管する荷物をこっそり盗み出す「泥棒」、さらには任務開始直後に出口に直行しても全く問題のない「偵察」など、さまざまな種類の任務が存在する。
    • マップ上に登場する人物にはそれぞれ可視範囲・可聴範囲が設定されており、プレイヤーの姿やプレイヤーの投げたアイテムなどを視認したり、物音や声を聞いたりするとその個所に接近して異常がないか確認する。
    • 敵の視界内のある程度近い範囲に入り、こちらの姿を完全に認識されると「発覚」状態となり武器を構えて攻撃を仕掛けてくる。この戦闘の音で周囲の敵が集まってくる他、一部の武士は法螺貝を吹いたり見張り台に駆け上がって警鐘を鳴らしたりして、より広範囲の敵にプレイヤーの存在を知らせてしまう。こうなってくるとすべての敵を自力で倒すのは困難になるので、こちらを見失うまで全速力で逃げて体勢を立て直す必要がある。

システム

  • ハラキリエンジン
    • 前作から継承されている、遂行した任務やその成否によって大名の兵力や大名からの依頼を変動させるシステム。例を挙げると以下のような変化が起こる。
      • 任務を成功させる事により依頼した大名からの御蓮(プレイヤーに対する信頼度)が増加して、より重要度の高い任務を依頼してくる。
      • 兵糧を奪われた大名の兵が飢餓状態に陥り、通常より食べ物に釣られやすくなる。・・・だけでなく、明らかに食用でない物(手裏剣など)も食べる。
      • 金欠や飢餓に陥った大名が、それらの苦境を打開するための任務を重点的に依頼してくるようになる。
      • 例え御蓮が低くてもプレイヤーの実力の高さを評価している場合、気に入らなくても仕方なく難易度の高い任務を依頼してくる。
      • 大名の機嫌が悪いと、意味もなく中身が不明な敵の荷物の強奪を命じたり、憂さ晴らしに敵陣営の侍大将暗殺を依頼したりしてくる。
    • 前作では御蓮のみが数値で表示されていたが、本作では大名勢力の体力を表す「軍事力」、極限まで減らすと飢餓状態になる「兵糧」も数値化されている*2
  • 殺気アイコン
    • 画面の右端に表示される目玉を模したアイコンで、対象となる人物との距離・警戒度などを表す。敵か味方か、強敵かどうかでアイコンの形状に差があり、トゲのない「味方」・トゲのついた「敵」・トゲが多い「強敵」の3種類に分かれる。
    • アイコン中心の瞳に当たる部分の色が対象の警戒度を表し、無警戒状態の時は白、怪しい物(者)や音に反応して敵の存在を疑っている時は紫、一度プレイヤーを見つけて見失ったときや仲間の死体を見つけた時はオレンジ、プレイヤーを含む敵勢力を完全に捕捉した時は赤く表示され、後に紹介したものほど血祀殺法を決めるのが難しくなる。
    • また、アイコンの色が同じでも警戒の度合いに違いがあり、音や物体に反応した時とプレイヤーの姿を遠くで確認した時(紫)、オブジェクトや忍具などでダメージを受けたり仲間の死体を見つけた時とプレイヤーを見失った時(オレンジ)、プレイヤー以外の敵と戦っている時とプレイヤーを捕捉して戦っている時(赤)とでは、どの色でも後者の方が警戒度が高い。
  • 調合
    • 前作でも存在した、素材を壺に放り込んで強力な効果を持つオリジナルの忍具(煙玉・飲み薬・武士騙し)を作るシステムだが、以下の変更点が存在する。
      • 成分値の文字色(黄色と緑色)の違う素材を放り込むと、足される素材の成分値が逆転するシステム「ノドゴシの掟」と、壺の中身をすべて他の壺に入れる「壺の調合」コマンドの廃止。これにより、この2つのシステムを利用した「相反する効果の忍具を簡単に作る小技」が廃止となる。ただし特定の素材で同様の現象を再現することは可能。
      • 前作では壺ごとに性能差はなかったが、本作では同時に付与出来る効果の数や容量の初期値が壺ごとに設定されている。これにより、特定の素材を放り込まなくても複数の効果を持つ忍具を作り出すことが出来る。それらの壺は値段がべらぼうに高いが
      • 実用性は低いが混乱と治癒、増強と衰弱など、相反する効果を1つの忍具に同時に付与させることも可能。これは前作では出来なかったことである。
      • ほぼすべてのヤモリ系の素材が、成分値の入れ替えや均等化など特殊な効果をもたらすものに変更される*3
      • 空の玉や空の瓶といったアイテムが廃止され、忍具として抽出する際にこれらのアイテムを用意する必要が無くなった。
  • タッチパネル操作
    • 後述する注視・斬刻のほか、主観視点にてアイテムを投擲する狙い撃ちモードなどの各種アクション、忍具装備画面の呼び出しや地図の表示などをタッチパネルによる操作で行える。
    • 地図の呼び出し以外の操作は通常のボタン入力でも実行出来るが、タッチパネルでの操作の方が使い勝手が向上するアクションが存在する。
    • 例えば斬刻の場合、△ボタンを押しっぱなしにしても発動するが、液晶タッチによる操作の場合は押しっぱなしによるタイムラグが発生せず、しゃがみ状態で入力してもしゃがみ状態が解除されない*4という大きな利点がある。

忍者アクション

  • 注視
    • 画面内に写っている一定範囲内の敵に対して行うアクションで、一言でいえば「ロックオン」である。
    • 注視中の移動は対象のいる方向を向いた状態を維持しながら移動するので攻撃を当てやすく、さらに正面からの攻撃を自動で防御するようになる。
    • また、煙玉などの道具も相手を狙って投げる様になり、手裏剣に至っては注視した対象を追尾するのでまず間違いなく命中する。
    • 本作からは殺気アイコンをタッチすることで画面に写っていない敵を注視出来るようになっている。これを活かせば、見つかる前に敵の配置を予測することも可能となる。
  • 血祀殺法
    • 敵に気付かれぬように忍び寄り敵を葬り去る一撃必殺技。本シリーズでの攻撃の要ともいえるアクション。
    • 「後ろから近付いて一刺し」「敵の真上に飛び乗って顔面を地面に叩き付ける」など、敵との位置関係や敵のいる場所・状態により様々なバリエーションが存在する。
    • 一部のボスキャラを除いてどんな強敵だろうとこの技で仕留める事が出来るが、それらの強敵は殺気アイコンが紫になっているだけでも失敗する事がある。
    • プレイヤーを見つけて戦闘状態になっている時でも、体力を減らし弱った敵を無理やり血祀ったり、特定の技を避けて背後に回った際に血祀殺法を決められるが、やはり強敵相手だとそれも成立しにくい。これらは必然的に武士などの雑魚敵との戦闘で使うテクニックとなる。
  • 斬刻
    • 本作で新たに使用出来る、画面下端の斬刻ゲージを消費して行う血祀殺法の複数版ともいうべき技で、簡単に言えば「コマンド入力で複数の敵を同時に仕留める技」である。
    • 視界内に敵がいるときに発動が可能で、複数いる場合は任意で倒す対象を選び発動する。敵が1人だけの場合でも発動出来るほか、複数いる中で1人だけを対象とすることも可能である。
    • 通常の血祀殺法では対象のすぐ近くまで近付かなければならないがこちらはその必要はなく、時間を止めてモノクロになった背景をアクロバットな動きで跳び回って敵の懐に入り込み、一撃どころか二撃三撃と致命傷を叩き込んで順番に血祀っていく。
    • また、敵を全て仕留めた後は大ジャンプをして斬刻の発動地点に戻っていくが、斬刻を仕掛けている間に×ボタンを入力すると、敵を全て倒しても発動地点に戻らずその場にとどまることが可能。単純に移動の手間を省けるだけでなく、密集した敵を1人だけ残して斬刻で仕留めてその場にとどまり、最後の1人が驚いているうちに通常の血祀殺法で始末するという風に、斬刻ゲージの節約にも役立つ。
    • ここまで書くと血祀殺法の純粋な強化版のように思えるが、以下の欠点も存在する。
      • 完全な無警戒状態にある敵にしか斬刻を仕掛ける事が出来ない。
      • 血祀殺法とは違って音がするのか、周囲にいる敵が反応して集まってくる。
      • 上記の様にゲージを消費しなければ発動しないので、ゲージが足りない場合は発動出来ない。
      • 強敵が相手だと発動に必要なゲージの数自体が多く、ゲージの最大値や現在値が低いとそもそも斬刻を仕掛ける事が出来ない。また、大名の影武者など一部の敵は周囲にいる護衛の数だけ必要ゲージが増えてしまう。
      • 敵の種類に関わらず、一度の斬刻で仕留められるのは4人まで。
    • 警戒してない時に近付きさえすればどんな強敵だろうが必ず一撃で仕留める血祀殺法と、密集した敵を接近せずに安全かつ同時に仕留める斬刻。それらの使い分けがコツとなる。
  • 風黒羽
    • 高所から飛び降りた際に背中に隠した布をムササビのように広げ、空中を自在に滑空する移動術。これにより、鉤鎖では出来なかった長距離の空中移動が可能となった。ただし、飛行ではなくあくまで「滑空」なので少しずつ高度は下がっていく。そのため、DLC任務で入手できる忍術を使わない限り無限に飛び続けるのは不可能である。
    • 一瞬でも広げればパラシュートのごとく自身の落下速度をリセット出来るので、通常なら大ダメージを受ける高所から落下した時も無傷で着地することが可能となる*5
  • 見斬
    • 注視した状態で行う、正面からの攻撃を受け流して強力な一撃を叩き込む当て身技。強敵でなければ血祀殺法と同じく一撃で葬る強力なシステム。同社が制作した『侍道2』の捌き・一撃必殺を1セットで行うものと考えると良い。
    • 近接攻撃ならばどんな攻撃でも受け流しが可能で、こちらの防御を崩したり無視したりするタメ技・投げ技に対しても効果を発揮する。おまけに成功した時は攻撃モーションが終わるまで無敵なので周囲の敵に邪魔されない。
    • ただし、見斬が成功する時間帯自体は長いものの、モーションの終わり際はもちろん見斬を使い始めた瞬間では受け流しが成立しないという弱点を持つ。
      • そのため、防御出来ている・いないに関わらず、攻撃間隔が短い敵の連続攻撃に見斬を使って割り込むということは不可能。やった瞬間にこちらが斬られてしまう。

前作からのその他の変更点

  • キャラクターの成長
    • 前作では特定の薬「力薬」「命薬」による、攻撃力と生命力の強化しか出来なかったが、本作では左に挙げた2つのほかにも「防御力」「鉤鎖の長さ」「斬刻ゲージの最大値」も強化出来るようになった。
    • その強化の仕方も、「任務をこなすことによりレベルアップし、獲得したSPを各種ステータスに割り振って強化していく」という方式に。
      • これにより、遠くの地形に引っ掛けて移動・上昇する鉤鎖は、アイテムではなくアクションの1つという扱いに変化する。
  • 任務中の道具の扱い
    • 前作「戒」のシステムは、L2かR2ボタンを押しっぱなしにして忍具ホルダーを開き、そこにセットされている忍具(2つのホルダーに4つづつ、合計8種類)を対応したボタンで使用し、忍具ホルダーの中身は予備の道具入れと入れ替え可能というもの。
    • 本作では方向キーだけで忍具を使用出来るようになったもののホルダーは1つしかなく、そのうちの1つ(方向キー下)は鉤鎖で固定されているため、任務中に即座に使用できる忍具は3つのみになっている。
    • その代わり、予備の道具入れというものはなくなり、任務準備画面でのアイテム選択を任務中でも出来るようになった。初期のバイオハザードにあったアイテムボックスを常に持ち運んでいるようなもの、と言えば分かりやすいだろうか。
  • ムービー付き矢文(通称ビデオレター)の廃止
    • 大名から送られてくる近況を記した矢文で、喜怒哀楽豊かなリアクションを見せてくれる*6物であったが、本作では音声付き矢文(ボイスレター)へとダウングレードしている。

評価点

  • 前作と比較して大きく向上したキャラグラフィック
    • PS2からPSVitaへとハードをチェンジした結果、キャラクターの顔はもちろんの事、着ている服のパーツのディティールや生地の質感が大きく強化。
  • 追加されたアクションにより、幅がさらに広がった移動・戦闘の自由度
    • 発覚した後に身を隠し、警戒を解いた瞬間の敵集団を斬刻で一網打尽にするも、敵の死角である真上まで風黒羽で飛んで奇襲するも、腕に覚えがあるならあえて敵の前に姿を現して、侍道のごとく見斬でバッタバッタと斬り捨てるのもよい。
  • 前作以上に初心者に優しい難易度設定
    • 難易度が普通以下の場合、任務中や任務失敗時にその場でリトライが可能。例え敗北すればゲームオーバーになるイベント戦でもリトライ出来るので、よほどステータスや力量が低くない限りはペナルティなしでクリア出来る。
    • 任務に失敗してもアイテムを紛失しなくなったため、仮にリトライをしなかった(出来なかった)としても、通常の任務ならば報酬や御蓮以外のペナルティは実質存在しない。
    • また作成にはかなりの金額を要するが、攻撃アクションをとらない限り約五分間姿を消せる「忍法・影透かし」と血祀殺法を確実に成功させる「達人の了承」を併用すればラスボスさえ駿殺可能。ゲームバランスを崩しかねないが初心者救済の意図が強いものであり、DLC追加忍務ではこの組み合わせが通じない敵が登場している(そのままでは血祀殺法が通じず、高価な専用手裏剣を当てて血祀殺法が効くようにするか真正面から倒すかする必要がある)。
  • より豪華になった声優陣
    • 本作で登場した新規主要キャラ達(主人公含む)を演じるのは、三木眞一郎(火祭のゼン)、檜山修之(風天寅三郎久秀)、中原麻衣(季判)、子安武人(柏樹のシュウ)など、そうそうたる顔ぶれが出揃っている。
  • ゲームクリア後の追加要素「モデルチェンジ」
    • 任務選択画面にて選択することで、隠し衣装やゼン・楓以外のキャラクターを使って任務をこなすことが可能になる。
    • 2周目からの時点でいくつかのモデルを選択出来るが、特定の任務を達成する・特定のエンディングや難易度でゲームをクリアする・任務中に敵の死体を担いで飛鳥の里へと帰るなど、様々な条件を満たすことで新しいモデルも開放されていく。
    • なお、姿形は変わるが立ちポーズや攻撃などの各種モーションはゼンと楓のものをそのまま使用しており、そのアクションの種類は中身に左右されずモデルにより決定する。つまり、操作キャラをゼンにしつつ女性キャラのモデルを選択した場合は、モーションもしっかり楓と同じものになる。
    • 特筆すべきは、飛鳥忍者の面々や大名などの固有の名前のあるキャラクターのモデルを使用した場合、任務開始から終了するまでの全てにおいて使用したモデルの声でしゃべる。ちゃんと口調もそのままで、である。モデルを使用して任務を遂行している時にしか聞けないものもあるので、任務をこなしつつ色々なモデルを試す楽しみが生まれている。

賛否両論点

  • 慣れるまでが大変な操作方法。
    • 忍具使用の簡略化やタッチパネル操作の導入などにより、操作性の良好さを維持しつつプレイヤーへの負担が軽減されてはいるが、任務中に出来るアクションの豊富さ故に、前作同様全体的な操作を覚えて慣れるまでに時間がかかる。
    • また、タッチパネル操作の大半は扱いやすい物となっているが、唯一背面タッチパネルのタッチで操作する「狙い撃ちモード」に限っては、誤って背面タッチパネルに触れてしまった結果、任務中に暴発する・ボタン入力で発動した狙い撃ちモードが解除されない等の操作ミスを誘発してしまう。
      • ただし、背面タッチパネルの反応はゲーム内のオプションで、感知範囲を狭めたりそもそも感知しないように出来るので、どうしてもプレイしづらい場合はそれらの設定を変更するのが得策である。
  • 忍者・和風といった世界観に合わないデザイン。
    • よく槍玉に挙げられるのが主人公の「火祭のゼン」。腰には赤い彼岸花が描かれた白い布、そして首から左腕にかけてあしらわれているのは柄の入った深紅の生地と、明らかに忍んでいない*7
      • 前作から登場している多羅場忍軍も、「全身重装甲+背中に大筒装備」という忍とは程遠い出で立ちだが、一応こちらは「戦闘行為を専門とする忍衆」という説明がある。
    • 任務開始・成功・失敗時のほか、任務中に開いたマップに書かれた地名、任務を受ける前のメニュー画面左上にある「飛鳥の里」など、随所に英語やローマ字が使われている。主人公のキャラデザ同様、こちらも前作から雰囲気を変えるためだったのかもしれないが、やはり戦国時代の日本という世界観にはマッチしていない。
  • 単なる珍現象からゲームの難易度や進行に関わる重大なものまで、前作同様バグが多い。宇高多ではよくあること。
    • クリアデータを使って最初から始める時に引継ぎを行わなかった場合、ゲームクリア時に入手・購入した調合用の壺が二度と手に入らなくなる。
      • 最悪の場合、2周目以降は最初から持っている性能の低い2つの壺しか使えないことになる。
    • ゼンの攻撃力を上げ過ぎると、一部の修行を達成出来なくなる。
    • アプリケーションエラーで強制終了する。(一言でいえばフリーズ)
    • レア任務を達成しても、それに関連したトロフィーが取得出来ない。
    • 任務内容とマップが合っていない。
    • 特定のシリーズ物の任務にて、自分に縁のある姫の名前を間違える一条信輝。
    • 特定の薬品を手に入れると、自分で調合して作る一部の薬品の売値が高騰する。
    • 薄い壁越しの敵を斬って攻撃出来る。(当然発覚状態になる)
    • 任務が始まってもBGMが流れない。
    • テクスチャーの異常でマップがレインボー・モノクロになる。
    • 任務中に目的地や対象となる人物や物品の方向を示すコンパスが表示されていない。(枠は表示されるが中身がない状態)
      • 一部のバグに関しては、ゲームのアップデートを行うことで修正出来るが、難易度に直結するであろう壺のバグが修正されることはなかった。

問題点

  • 登場するマップの使い回しに加え、本作では没になったマップの存在。
    • 舞台が同じである以上、大半のマップが使い回し同然になるのは仕方ないとしても、新規マップが1つだけしか増えず、逆に廃止されたマップが3つもあるのは如何なものか。
  • 裏庭・ミッションエディター匠の廃止。
    • 敵からの襲撃に備えて裏庭を改修したり、そのシステムをそのまま用いて自分の考えた任務を自由に作成するといった要素がことごとく削除。大いに好評だったが為に、本作では実装されていない事に涙をのんだプレイヤーも。
  • 御蓮低下のデメリットがない。
    • 前作では、御蓮を下げ過ぎると裏庭に武士が集団で押し寄せる襲撃イベント*8が発生し、負けると蛮族の場合はアイテム、武士や忍者の場合は所持金を奪われる。
    • 本作では裏庭に代わる物がない為に、襲撃イベント自体がそもそも発生しない。裏切る・荷物を着服するなどして御蓮を下げ過ぎると脅迫状じみたボイスレターが送られたりはするが、逆に言えばそれ以外にめぼしいデメリット・イベントの類はない。
  • 一部の任務達成後の評価がおかしい。
    • 「敵側商人に裏取引の金を届ける」任務で、「誰も殺してはいけない」という特約*9があるにもかかわらず、殺害人数が少ない・0人だと任務達成後の評価が低くなる。
    • 「町に行って素材を採取してくる」任務で、町を警備しているのが依頼した大名の兵なのに、殺害人数が少ない・0人だと(ry。
    • 敵密偵団を全滅させる任務で、「敵に見つかってはいけない」という特約があるにもかかわらず、自分を発見した敵兵を全員口封じにしたうえで任務を成功させても特約は非達成扱いになる。
    • 通常の敵ならばともかく、一部誘拐任務での誘拐対象や人間ではない熊に見つかった場合、そのまま任務を達成しても敵大名に目撃される扱いになる。前者ならば後に身柄を解放されたとも取れるが、ただの獣に目撃証言が出来ると言うのだろうか?*10

おバカな点

  • かなりアクの強い登場人物
    • 前作での赤目家の代わりに登場するのが一条の家臣だった風天家なのだが、そこに仕える武士&侍大将が「どう見ても蛮族*11です。本当に(ry」な顔の持ち主。実際裏設定でも元々蛮族であったことは判明しているのだが、「(前作から)半年の間に何があった」と言いたくなる程の進化を遂げている。
    • なお、風天家が台頭してきた結果、赤目家は配下の武士もろとも本拠地の不動城を追われて山賊に身をやつすという何とも悲しい結果に。
    • 本作の阿無璃他教は初代教祖の貞女が消息不明となり、阿無璃他様を本気で崇拝している二代目教祖へと代替わりした。その結果武士・侍大将共々梵字のようなマークが描かれた布で顔を隠すという(主に見た目の)明らかにカルト色が強まった出で立ちへと変貌した。その二代目教祖季判の風貌はというと、口元を隠すヴェールの様な布に加えて無駄にゴージャスな着物、そして後光を象った髪飾りを付けた頭の上には小型の阿無璃他像を乗せているという、信者たちの数段上を行く胡散臭さを醸し出している。
    • 前作から続投し、相も変わらずイベントシーンの節々で間の抜けた一面を見せる支えてあげたい系*12毛伸衆首領の渦虫。その配下である毛伸忍者も十字手裏剣マニアからマザコンへと謎のクラスチェンジ*13を果たしている。
  • 書物アイテムのパロディ要素
    • 前作同様、本編で入手できる書物の題名は実在する書籍を元ネタとしている物がほとんどなのだが、アイテムの種類・扱うネタの範囲の両方がパワーアップしている。
    • 某テレビ番組を基にした「その時牛車が動いた」から、当時ベストセラーとなった書籍をもじった「もし孫」、果ては「薄い本」「デラくのいち」などというかなりギリギリなネタの本まで登場する。
  • 大名以外からも送られる矢文
    • 大名からのお礼や警告以外にも色んな人から矢文が届いてくるのだが、誤配送される物も含めてその内容は若干カオス。
    • 「付録付きの雑誌形式で米や地雷が同封されたもの」や「主人公に一目惚れした町娘からの、レアな忍術のレシピが一緒に書かれた求婚の手紙」等といったなかなか有用なものから、「キノコが同封された赤の他人への母の仕送り」「他の忍者勢力が忍術の輸送用に出した手紙」などの(とくに後者は敵にとってシャレにならない)誤配送されてきたもの、果ては「龍王寺なる差出人から『宇高多の半分をお前にやろう』との条件で勧誘される」「熊から手紙*14とともに鮭が送られてくる」などというかなりぶっ飛んだものも。
    • また、飛鳥の里への矢文配送を担当している「牛田トメ」という人物からも矢文が送られてくるのだが、その内容を要約すると「誤配送は私のせいではありません。」・・・お前以外に誰がいるか。
  • レア任務
    • 矢文同様、任務においても大名以外から依頼が来ることがあり、その種類は町民からの依頼や忍者からの果たし状といった物が主なのだが、その中にはどこかおかしな物も存在する。
    • 前作にて阿無璃他教を率いていた貞女は本編開始時点で消息不明となっており、阿無璃他教内部では「一条信輝に殺された」との見方が一般的になっているが、なんとその貞女から「阿無璃他教の様子を見て来てほしい」という任務の依頼が届いてくる。
      • 任務を達成すると続きの任務が出てくるシリーズ物で、最終的には「今の阿無璃他教にはもう自分の居場所はないと悟り、宇高多を去る決断を下す」という何とも物悲しい結末を迎えるのだが、その発端となった自身が行方をくらました理由というのが「たまには息抜きがしたいと考え、信者に何も言わず長旅に出ていたから*15」。修行に出ていたとかならばまだ示しは付いたのやもしれないが、これではほとんど自業自得である。
    • 任務の中にはマップ内に一人だけいる対象を殺害する「決闘」というものがあり、辻斬りの成敗を依頼する形や他勢力の忍者や追い詰められた大名からの果たし状という形式でプレイヤーに依頼が来るのだが、その中にはなんと熊から届く果たし状という一際異彩を放つ物*16が存在する。
      • この任務は一頭を倒すと別の熊からまた果たし状が届くという流れで合計3回続くシリーズ物任務で、最初に届くものは熊が送って来たという異常さに目をつぶれば文面・実際に戦う相手ともにさして特筆すべき点はないのだが、2頭目以降を相手にする任務は明らかにぶっ飛んでいる。
      • 1頭目を仕留めた後に届く2頭目からの果たし状なのだが、その任務名が「がう(お兄ちゃんを倒した人へ)」で内容も題名同様ツンデレ妹キャラ風というもの。そんなキャラ付けであることから多少は可愛げのある熊が出てくるのかと思えば、実際に現れるのはなんと全身傷だらけというイカつさMAXな熊。なにこの妹こわい。
      • そしてラストとなる3頭目の熊は、インパクトにおいてはツンデレ熊を超えるカラーリングでプレイヤーを待ち受けている。ネタバレになってしまうので明記は避けるが、いわゆる 動物園の人気者 である。本作をプレイするのであれば、ぜひ自身の目でその姿を確認してほしい。

総評

基本的なゲームシステムを踏襲しつつ様々なアクションを追加した結果、アクション部分の自由度はさらに進化した物へとレベルアップを果たしている一方で、前作をプレイしているからこそ目に付いてしまう欠点・問題点も存在する。
それらの問題点を踏まえた上で忍道の世界を楽しみたい、あるいは純粋に自由度の高いアクションゲームで遊びたいというプレイヤーには是非手に取ってもらいたい1本である。


*1 PSPのソフトで『戒』のその後を描いた作品『忍道 焔』が発売されているが、それと本作との繋がりはないと思われる。

*2 ただし、各大名の機嫌や軍資金など、プレイヤーの行動で影響を受けにくいパラメータは数値化されていない。

*3 これらの効果を持つ素材自体は前作にもあったが、きのこや草系素材の一種として存在していた。

*4 △ボタン入力の場合、押した時に一瞬だけしゃがみ状態が強制的に解除される為、敵に感付かれやすい。

*5 もちろん奈落(一言でいえば落とし穴)に落ちればタダでは済まないが。

*6 自分の戦略がうまく行かず大泣きする、怒りの余り自身の崇める仏像に跳び蹴りをかますなど。

*7 前作の主人公から雰囲気を変える、地味になりがちな和物の風景に彩りを与えるなどの開発側の意向が反映されたが為のデザインである。

*8 蛮族や忍者たちも襲撃するが、こちらは条件などはなくランダムでやって来る。

*9 任務を遂行する上での大名との特別な約束。守らずとも任務達成は出来るが評価に影響する。

*10 ちなみに、証言する熊とも言うべきこの現象は前作の時点で存在していた。その意味ではこれも前述の「宇高多ではよくあること」なのかもしれない。

*11 前作に登場した人里離れた森や峠に住む民族(?)。前作では片言の日本語混じりの独自の言語で話す。

*12 無警戒状態での毛伸忍者のセリフより。ちなみに前首領だった蛇蜻蛉(へびとんぼ)は人望がなかった模様。

*13 こちらは混乱状態に陥った時のセリフより。

*14 「がうがう」という熊語(?)と、日本語での通訳文が同時に記載されている

*15 なお、一条に殺された事になっているのは、阿無璃他教を戦わせるためにラスボスが行った情報操作である。

*16 ご丁寧にも上記の矢文と同じく、熊語と日本語の同時収録である。