WipEout 2048
【わいぷあうと とぅえんてぃふぉーてぃーえいと】
| ジャンル | 反重力レースゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ヴィータ | 
| メディア | PlayStaion Vitaカード ダウンロード
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| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 
| 開発元 | SCE Studio Liverpool | 
| 発売日 | 2012年1月19日 | 
| プレイ人数 | 1人 (オンライン/Wi-Fiアドホックモード:2~8人)
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| レーティング | CERO:A (全年齢対象) | 
| 定価(税抜) | 【パッケージ版】4,980円 【ダウンロード版】3,900円
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| 判定 | 良作 | 
| PlayStation Studios作品 | 
 
概要
反重力システム(Anti Gravity System : AG System)が確立した近未来を舞台にした、PS時代から続く歴史あるレースゲームシリーズ『WipEout』シリーズの第9作目。
反重力を生かした超高速や独特の挙動、変化に富んだコースが特徴。
体験版もある。
基本システム
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クラフト
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使用できる機体、「クラフト」は 5つのチーム × 4タイプ の20種類。
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タイプは最高速に秀でた「スピード」、ハンドリング性能が高い「アジリティ」、攻撃力が高く強力なウェポンが使用可能な「ファイター」、そして特殊仕様の試作機である「プロトタイプ」がある。
 
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XPとランク
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XPはいわゆる経験値。シングルプレイやオンラインのキャンペーンをクリアしたりすることで貰え、それに従ってランクが上がる。
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ランクが上がることで、使用できるクラフトが増え、また特殊なイベントがアンロックされることもある。
 
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スピードクラス
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最高速度の低い方から、C、B、A、A+の4つのクラスがあり、同じコースでもクラスが異なると感覚が大きく変わることもある。
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後述の「ゾーン」では、これ以外にもDクラスや、A+クラスより上のクラスも存在する。
 
その他、アイテムパッドからのアイテムの入手、エアブレーキ、バレルロールなど、レース中のシステムは基本的には他のWipEoutシリーズと同じである。
ゲームモード
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シングルプレイ
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画面上にあるノードを選択し、そこに設定されたレースイベントを攻略していく1人用キャンペーンモード。2048、2049、2050年の3つのシーズンから構成されている。
 各ノードのクリア条件は「パス」と、より難しい「エリートパス」の2種類があり、どちらを達成しても次のノードがアンロックされるが「エリートパス」を達成すると前述のXPがより多く貰える。
 また、特定のノードでエリートパスを達成することでトロフィーを獲得できる。
 イベントには以下の4種類がある。また、下記のものだけでなく、特殊なイベントとして「スピードラップ」「プロトタイプチャレンジ」「A+チャレンジ」というものもある。
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レース:通常のレース。特定の順位以内に入ることが目的。
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コンバット:アイテムで対戦相手を攻撃したり破壊することで得点が入る。一定時間内に既定の得点を得ることが目的。
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タイムトライアル:コースを一定時間以内に2周するのが目的。対戦相手は居ない。
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ゾーン:ゾーン1からスタート。一定時間毎にゾーンが上がっていき、それに伴ってスピードクラスも上がっていく(つまりどんどん高速になる)モード。エナジーが無くなるまでに特定のゾーンまで到達することが目的。
 
 
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オンライン
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シングルプレイと同じくノードをクリアしていくモードだが、対戦相手はCPUではなく自動でマッチングした世界中のプレイヤーとなる。また、以下の特徴がある。
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ノードにはクリア条件が設定されているのみで、レースイベントの内容はプレイヤーの投票で決まる。(初回のみはランダム?)
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イベントの内容はレースとコンバットのみ。コンバットには時間制限は無く、プレイヤーの誰かが既定の得点に達した時点で終了。
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クリア条件は後半のノードになる程厳しくなるが、同じノードを3回プレイするとクリアしなくても次のノードに進める。なお、プレイヤーが4人以上にならないとクリア条件は達成不可。
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イベント開始直前にプレイヤーの顔をカメラで撮影可能。撮影されたものはイベント中表示される。もちろん拒否も可能(拒否した場合は相手の写真も表示されない)。
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アドホック
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アドホック通信で近くのプレイヤーと対戦するモード。
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クロスプレイ
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発売後のアップデート(Ver1.01)により選択可能になったモード。PS3の『WipEout HD』との対戦が可能。クラフト及びコースはWipEout HDのものに準拠する。
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HDキャンペーン
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DLC(有料)により追加されるモード。WipEout HDのキャンペーンモードと同等の内容をプレイすることができる。コースや使用クラフトなどは全てWipEout HDと同じだが、クラフトの挙動などが若干異なるようでメダルの入手が難しくなっている。
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フューリーキャンペーン
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DLC(有料)により追加されるモード。WipEout HD Furyのキャンペーンモードと同等の内容をプレイすることができる。こちらも原作と比べて若干仕様が異なる模様。
評価点
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WipEoutシリーズの特徴でもあるが、独特の操作感かつ高速のクラフトで多彩なコースを疾走することは、難しい一方で慣れると大きな爽快感を得られる。
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A+クラスなどで速度を維持しながら走れるようになると特にそれを感じるだろう。
 
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シングルプレイやオンラインのキャンペーンにはかなりのボリュームがあり、やり応えがある。
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ただし、オンラインキャンペーンのボリュームの多さは、後述する問題と合わさることで批判対象にもなっている。
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なお、『WipEout HD』ではシングルプレイのCPUが強いせいでかなりの難易度があったが、今作はそれに比べれば全体的に難易度は下がっている。
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ただし、「A+チャレンジ」だけは難易度がかなり高く設定されている。
 
 
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グラフィックが非常に綺麗で、なおかつコースの風景や建物のデザイン性も高い。
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そのため、独特のフォルムを持ったクラフトや近未来の都市をモデルにしたコースは、携帯機とは思えない程精密に描かれ、非常に格好良い。
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レース中及びレース後にカメラモードでクラフトを様々な角度から撮影することも可能。
 
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有名アーティストも多数参加しているテクノサウンドのBGMもシリーズの魅力の1つだが、今作でもそれは健在。
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収録曲の中には過去のシリーズ作の曲が新たにリミックスされたものがあったりとある種のファンサービスもある。
 
問題点
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ロードが長い
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前述した通りグラフィックが非常に綺麗だが、その分レース開始前のロードが非常に長い。
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具体的な発売当初のロード時間は
約一分弱
にも及び、レースの度にこれだけ待たされてしまうゲーム仕様を問題視する声は少なくなかった。
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ただし、一応アップデートの度に少しずつ(発売当初の半分以下に)改善されてはいる…が、元のロード時間が時間なので、改善後の現在でも十分長い。
 
 
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オンラインプレイ時にネットワーク不調による切断が頻繁に起きる
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今作の最大の問題点。レース中に突然ネットワークが切れ追い出されるなどは日常茶飯事であり、酷いときはそもそもレースが開始できなくなる。
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また、オンラインキャンペーンの進行状況がリセットされる不具合も過去にあり、多くのプレイヤーが被害にあった。
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こちらも少しずつ改善されてはいるが、まだまだ安定しているとは言えない状況である。(2012年5月現在)
 
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オンラインキャンペーンの攻略に非常に時間がかかる
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前述の通りオンラインキャンペーンのボリュームは非常に多く、ノード数は200程度ある。
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各ノードに設定されたパス条件は「特定のプレイヤーにウェポンを当てる」など、
 コンバットでなければ困難な条件が多いためレースよりコンバットが選ばれやすいが、後半のノードでは「上位半数に入る」、「1位になる」という条件が多くなるためランダム要素の強いコンバットでは厳しくなる。
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レースだったとしても相手は世界中のプレイヤーであるため、安定して1位を取ることはやはり難しい。
 
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前述のネットワーク不調の問題もあるため、オンラインキャンペーンオールクリアのトロフィー獲得のためには、多くの時間と、折れない心が必要となるだろう。
 
総評
2012年に発売&携帯機とは思えないグラフィック、操作感は簡単かつ独特でスピード感満載で他のレースジャンルと比べるとかなりの爽快感が得られるのはレースゲームとしてはかなりの高ポイントと言える。このグラフィックで30fpsを基本的に維持できているのも評価点。
レースゲームは薄いボリュームになりやすいジャンルの傾向にあるが、攻略に時間がかかる事や難易度が高い事を省けば今作品は良くも悪くも十分なボリュームになっている。
但しその十分なボリュームやグラフィックの犠牲になったのかどうかは不明だが、ロードがかなり長くなっている。参考時間としてレース前に約30~45秒ほどのロード、リトライでも約10秒ほどロードが入ってしまうのはマイナス点と言えるだろう。
今までのワイプアウトシリーズのBGMの評価の高さも今作品でも健在している。
余談
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本作とWipeoutHD(+Fury)を纏めてPS4にリマスター移植した「Wipeout Omega Collection」が2017年6月8日に発売された。HDに追加機体が2機ある一方で2048はベタ移植だが、グラフィックがさらに高精細化されフレームレートも60fpsになった。30fpsと60fpsの差は一瞬の判断が結果を分けるレーシングゲームにおいて大きく、またゲームパッドが使用できることと合わせてレスポンスは大幅に向上している。「グラフィックは映像としては綺麗になったがゲーム画面としては見辛い(特にゾーンモード)」という新たな問題点も生まれたが、2048の完全版と呼べる出来になっている。
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ただしキャンペーンモードの難易度は2048は
Vita版よりもかなり難しくなり
(パスすら取らせる気がない)、HD(+Fury)は難易度設定があるので逆に引き下げられている。
 
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旧シグノシス時代からシリーズ作に携わってきたSCEE Studio Liverpoolだが、2012年8月22日にスタジオを閉鎖したことがSCEEの公式発表にて報じられた。しかし、リバプールにはSCEEの他の開発スタジオの多くが拠点を構えており、そちらの運営は継続する形となった。一方、スタジオ閉鎖時に残っていた開発メンバーたちは、スタジオ閉鎖と同じ年にリバプールにて新たな独立デベロッパーであるFirespriteを立ち上げている。
最終更新:2024年11月18日 06:03