真・ガンダム無双
【しん・がんだむむそう】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ
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メディア
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【PS3】BD-ROM 【PSV】PS Vitaカード 各1枚
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
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発売日
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2013年12月19日
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定価
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【PS3】7,980円 / 【PSV】6,980円
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プレイ人数
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1~2人
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通信機能
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【PS3】PlayStation Network対応 【PSV】Wi-Fi通信対応 |
レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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コンテンツアイコン
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恋愛・犯罪・暴力
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判定
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なし
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ポイント
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アクション性とボリュームがアップ 単調さと参戦コンテンツの偏りが目立つ MA「ザコ敵の群れが」戦艦「ゴミのようだ」
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ガンダムシリーズ
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無双シリーズ
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概要
『ガンダム無双』シリーズ4作目。「真」を冠し、過去最高の爽快感と過去最大の参戦作品数を誇る。
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参戦作品一覧
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参戦済み
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機動戦士ガンダム
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MSV(機体のみ)
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機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(機体のみ)
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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
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機動戦士Ζガンダム A New Translation
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機動戦士ガンダムΖΖ
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
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機動戦士ガンダムUC
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機動戦士ガンダムF91
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機動戦士Vガンダム
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機動武闘伝Gガンダム
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新機動戦記ガンダムW
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機動新世紀ガンダムX
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∀ガンダム
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機動戦士ガンダムSEED DESTINY
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ガンダム無双オリジナル
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初参戦
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新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
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機動戦士ガンダムSEED HDリマスター
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劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-
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機動戦士クロスボーン・ガンダム
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模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG
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システム・特徴
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基本的なゲームの流れは変わらず、マップ上に存在するフィールドを制圧していき、最後に出現するエースを撃破すること。
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前作とは異なり、戦力ゲージ制ではなくなったため、撃墜された後に再出撃することは不可能となった。
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前作ではジンのみの参戦だった『機動戦士ガンダムSEED』が本格的に参戦。前作のDLC機体もはじめから収録されている。
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大型MS・MAがプレイアブル化。前作まで敵として立ちはだかってきた圧倒的火力を、今度は自分が使えるように。
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搭乗時には視点バランスが自分基準になる関係上群がる敵がウロチョロするチビキャラ集団のように見えるので、さらに自機の巨大さが実感できる。
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一定時間自分を強化できる「バースト」とタメ射撃攻撃「チャージショット」の導入。
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バーストモード
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バーストケージを消費して機体を一定時間強化するシステム。ビームサーベルの攻撃範囲・攻撃力が上昇し、キャラ毎のスキルも発動する。
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前作まではSP攻撃の副産物だった機体強化(トランザムなど)は、全てバースト時の強化として纏められた。
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機体によってはアクションも変化する。前作同様ユニコーンガンダムはデストロイモードになる他、ストライクガンダムはパーフェクトストライクガンダムに変化する。
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バースト中にSP攻撃を発動すると、戦闘前に予め設定したパートナーと順にSP攻撃を繰り出す「コンビネーションバースト」が発動する。
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コンビネーションバーストはMSはおろかMA・戦艦までも登場する。とくに戦艦の一斉射撃は面単位の制圧力を発揮。
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チャージショット
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△ボタンを長押しすることで発射できる射撃で、この攻撃によりHPがゼロになった敵機は通常よりも範囲の広い誘爆を起こすようになる。
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オフィシャルモード復活
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初代・前々作で好評を博していたオフィシャルモードが「1st(劇場版)」「Ζ(劇場版)」「CCA」の他、本作では「UC」「SEED(HDリマスター)」「SEED DESTINY」の3作を追加し過去最多の6作品が収録された。
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新規モード、アルティメットモード
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前作までのミッションモードにあたるが、かなりの変化がある。
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複数のチャプターがあり、1チャプターは複数のミッションで構成されている。チャプターをクリアすることで新しいチャプターが出現する。
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ただミッションをクリアするだけではなく、チャプター内には分岐があり、難易度の高いミッションにチャレンジするか否かなどの選択を強いられ、それによってチャプターごとのシナリオにも変化がある。
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また、各ミッションには「7分以内にクリア」「1000機撃墜してクリア」「ガンダムに乗ってクリア」などのサブミッションが設定されている。
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これをクリアすることで、ボーナスの強化プランの入手や新キャラ獲得等ができる。
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また、特定条件を満たすことで、★1~8まであるミッション毎の難易度も変更できるようになる。先述のサブミッションにも難易度関連のものが存在する。
評価点
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爽快感の向上
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チャージショットと前作の誘爆の融合はかなり高い爽快感を実現している。
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どれだけ爽快かと言うと、しっかりと機体とパイロットを育てておけば敵機の群れにCSを撃ち込むだけで敵が壊滅状態になるほど。
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特筆すべきはCSのチャージは攻撃動作中でも可能であるため、あらゆる動作をCSでキャンセルできること。このためマグネティックハイで敵機を引き寄せた後にCSで〆ということも可能であり、アクションの幅が大きく広がった。
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このチャージショットと誘爆、さらに上述したコンビネーションバーストが合わさる事で気付けば撃墜数が4ケタに乗ることもザラであり、正に「一機当千」を味わう事ができる。
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前作と比べて攻撃の当たり判定が大きくなっており、また後述の強化システムでサーベルの攻撃範囲も強化できるので、前作の不満点であった格闘機不遇の点もある程度改善されている。一部の機体は攻撃速度も見直された。
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オフィシャルモード
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従来作では常に主人公機視点だったが、本作ではミッションにより機体が切り替わる仕様に変更された。
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たとえばDESTINYのオーブ防衛戦では、最初アカツキ搭乗のカガリで出撃し、原作通りシンが登場すると、そこに登場したキラのストライクフリーダムに変わるといった具合。このためそれぞれのミッションに特徴が生まれマンネリを感じづらくなった。
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原作再現のムービーもクオリティが高く、要所はしっかりまとめられている。
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SEEDやUCなどの機体数が大幅増加
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チャージ攻撃により換装しながら戦うストライクやインパルス等、今までの機体とは一風変わったものも多く、動かしていて非常に面白い。
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ソレスタルビーイングは前作のDLC機体も含めしっかり4人揃い、SEED系に至っては「三馬鹿」まで網羅している。
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グラフィックが、前作のセルアニメ調から前々作までのリアル路線のグラフィックに戻った。
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勿論ただ戻っただけではなく、テクスチャの改良におりグラフィックは大幅に向上している。
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機体強化システム
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同じMSで別性能の機体を表現できるようになっていたのはそのままに、武装個別にパラメータが設定された。
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ミッションの報酬として得られる合金やジェネレーターなどの素材を消費してサーベルやビームライフルなどの武装を強化できる。
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強化された武装は攻撃力だけでなく、リーチが伸びたり、ビームが太くなって攻撃範囲が広くなったりと恩恵は大きい。
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またSP攻撃についても、強化プランのレベルではなく強化した回数によりゲージが伸びる方式に。
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最初はゲージが2つ以上あっても普通のSP攻撃しか出せないが、パイロットのレベルを上げるとゲージを2本以上消費するが攻撃力が上昇した強化SP攻撃が出せるようになる。
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強化できる回数は強化プランのランク毎に固定で、前作では回数はレベルに関係なくプラン毎にランダムであったが修正された。
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また、今まで強化したプランを他のプランに移植することもできるようになったため、これを繰り返せば機体のパラメータを極限まで高めることが出来るようになった。
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カスタムサントラの導入。
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何気に『ガンダム無双』シリーズでは初の要素で、原作の原曲を自分で流して雰囲気を高めることができるなど評価が高い。
問題点
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参戦機体が偏りすぎている。
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新規参戦機のほとんどがSEED系MS、その数実に全体の4分の1。正にSEED無双である。ザクウォーリアやネオ専用ウィンダムなどの脇役機体まで網羅した結果こうなってしまった。
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本作が発売された頃にSEED/DestinyのHDリマスターが放映されていたことはSEED系優遇の一因と考えられなくもないが、(本作発売以前に完結した)TVシリーズ最新作の『AGE』はDLCですら登場していない。
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システム類の向上や新モーションの追加などはあるものの、SEED系以外の参戦機体は前作とほぼ変わらず。前作でリストラされた機体の復活やUCにバンシィやデルタプラスの追加がある程度。
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例の如く、SEED系を除く平成ガンダムシリーズにおける準主人公の機体や主人公の初期機体、ライバルなどはほとんど参戦していない。
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『Vガンダム』のクロノクル機、『G』のシャッフル同盟4人や『W』のアルトロン・サンドロック、『X』のエアマスター・レオパルド、そしてフロスト兄弟などは未参戦。前作まででキャラだけで参戦していたシュバルツやセシリーの専用機は本作でも未参戦。
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これら平成ガンダム作品は、本編でも1対多数をこなすシーンがあり、無双向きな機体が揃っているだけに勿体無い点である。
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そして待望の新機体である「ウイングガンダムゼロ(EW版)」「ダブルオークアンタ」「クロスボーンガンダムX1改」「ガンダム試作3号機ステイメン」「フルアーマーユニコーンガンダム」の5機は全て有料DLC。これには多くのプレイヤーが肩透しを食らった。
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このDLC機体のキャラは既に参戦済みのキャラ用の機体である。DLC自体を否定するつもりはないが、せめてこの内の2~3機くらいは初期収録してくれてもよかったのではないだろうか…。
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『UC』『SEED系』以外に新登場されたキャラがいないばかりか、前作の騎士ガンダムやシリーズおなじみの武者ガンダムといった無双オリジナル機体も今回は最終ミッションをクリアするまで使用できない。
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騎士ガンダムは機体自体は登場するものの、以前の武者ガンダムがそうだったように声優が当てられなくなった。物語の中心ではないからという理由もあるとはいえ、前作における台詞の凝りようはSDガンダムファンから非常に高い評価を受けていただけに勿体無い仕様。
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一応、前作のオンラインプレイの問題点だった「双方がダウンロード済みでないと使用できない」という点は改善されている。
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SEED系優遇、非SEED系冷遇と見られがちなガンダム作品には、他には『SDガンダム Gジェネレーション SEED』がある。もっとも、本作はタイトルに「SEED」が入っていないにもかかわらずSEED系が優遇されている。
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オフィシャルモード
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シナリオがある作品は『1st』『Ζ』『逆襲のシャア』『UC』『SEED』『SEED Destiny』の6つ。
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機体が参戦しながらもオフィシャルシナリオがないのは『0083』『ΖΖ』『F91』『V』『G』『W&EW』『X』『∀』『00』の9つ。
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『UC』はEP5まで収録されたはいいが、見どころの一つであるシャンブロとの戦闘はミッションではなく会話シーンのみで済まされている。せっかくMAが本格参戦しただけに残念な事となってしまった。
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『ΖΖ』はそれなりのキャラと機体が揃うもののストーリーは収録されず、逆襲のシャアのナレーションで済まされている。
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これは『Ζ』が劇場版準拠になったことやプルやプルツーの担当声優である本多知恵子氏が亡くなられてしまったことが関係していると思われる。
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『SEED Destiny』では、前半はシンが主人公でインパルスを操作してストーリーを進められるが、後半はキラなどアークエンジェル陣営に操作キャラを移行され、一度もデスティニーガンダムを操作出来ずにストーリーが終了する。ある意味では原作再現と言えなくもないが…。
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ちなみに、このストーリーは最終話をザフト視点でプレイできるミッション「新世界へ」が有料DLC配信されてカバーされている。
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アルティメットモード
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さまざまな作品が入り乱れるクロスオーバーシナリオを謳っているが、クロスオーバーの質は前作3同様非常に薄く、ミッションの間にある会話イベントもテキストのみでボイスがまったく無く、盛り上がらない。
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ミッションでもシナリオに関連した会話イベントはミッションの出だしの一言か二言のみで、ボイスイベントも一部を除いて過去作品の使いまわしで構成されている、さらに敵も味方もランダムで設定されるため、戦闘が単調な流れになってしまう。
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ミッション20個が全てこの状態なので、モチベーションが保てず飽きてしまいやすい。会話イベント自体は中々個性があるだけに余計に残念に思えてしまう。
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機体解禁方法
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今作での機体解禁方法は、「敵を○○機撃破する」「アルティメットモードのミッションのサブミッションを全クリア」などの条件を満たして手に入るカードによって解禁される。
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しかし、機体やキャラクターのアンロック対象は非常に多く、結構な作業をこなさないと解禁されていかない。
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演出などでステージを楽しめればいいのだが、前述したようにアルティメットモードの単調さも相まって、目当てのカードを手に入れる前に飽きる可能性が高い。
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オンラインプレイ
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オンラインで協力できるミッションが「既に互いにクリア済みのステージ」限定であるため、クリアを手伝ってもらうといった遊び方ができない。
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BGMのバリエーションの少なさ。
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カスタムサントラ機能を導入した結果、特にアルティメットモードなどで流れるBGMがほとんどパターン化してしまい、不満の声が。
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前作で人気の高かった「儚くも永遠のカナシ」のアレンジも削除されてしまい、惜しむ声が上がっている。
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他にもオフィシャルモードで扱われていない作品の版権BGMは軒並み不採用となってしまっている。
総評
SEED系列に偏った新規参戦作品や戦場を盛り上げるイベントの少なさからくる飽きやすさ、機体解禁仕様の面倒くささなど気にかかる点が多く、全体で見るとまだ良作と呼ぶのは難しい出来となってしまった。
その一方ボリュームや爽快感は間違いなく『ガンダム無双』シリーズ最高で、一機当千をまさに地で行くものに仕上がっている。
最終更新:2025年02月09日 22:41