金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル2
【こんじきのがっしゅべる ゆうじょうたっぐばとるつー】
ジャンル
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育成型・対戦格闘アクションSYSTEM
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対応機種
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ニンテンドーゲームキューブ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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エイティング
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発売日
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2005年3月24日
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定価
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6,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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技術ではどうにもならないキャラ性能の格差 ダウンしたら負け キャラゲーとしては優秀
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金色のガッシュベル!!シリーズリンク
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概要
週刊少年サンデーで連載されていた漫画『金色のガッシュ!!』。
『金色のガッシュベル!!』の名でアニメ化もされている。
本作はその内、アニメ作品である『金色のガッシュベル!!』をゲーム化した『友情タッグバトル』シリーズの3作目である。
システム
Aボタン+スティックの組み合わせで術を唱え(基本は飛び道具)、Bボタンで打撃攻撃を行うオーソドックスなシステムである。
攻撃術(空中術除く)にはそれぞれに1~3までのレベルが設定されており、レベルが同じ術同士はぶつかると相殺、違う場合はレベルが高い方が一方的に打ち勝って攻撃を当てることができる。ただし、レベルが高い術ほど発動前後の隙が大きく、回避されれば隙が大きくなる。なお、空中術は基本的にすべての地上術に打ち勝つ。
評価点
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新システムの追加・システムの変更
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前作は攻撃が来ていてもいなくてもCスティックで回避アクションが出来たのに対し、今作は相手の攻撃が当たる直前にタイミングよくスティックを上下に入れる、という方法に変更。
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これにより、前2作のように練習しなくても簡単に術を避けられるようなことはなくなった。
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ただし、プレイのハードルが上がったとも言える。
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また、必然的に防御呪文の価値が上がった。
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パートナーが魔物を投げ上げ空中から術を打つ「空中術」が追加された。
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空中術は発動が遅いものの、回避が不可能であり、防御呪文で防ぐしか無い。前述の変更と合わせ、防御呪文の価値の上昇に一役買った。
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新キャラの追加
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前作ではネタキャラだったウマゴンがパートナーのサンビームとともに参戦。
その他、レイラ、ビクトリーム等の人気の石版魔物、隠しキャラとしてゾフィス、マエストロが追加されている。
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原作の再現
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前2作でもストーリー等である程度原作を踏襲していたが、今作では一部の技及びヒット時の動作も原作を再現している。
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例えば、ティオの「投石」をビクトリームに当てると、「私の紳士をいじめるなぁ!」のポーズを取る(ただしボイスはない)。
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また、原作再現といえるかは分からないが、当時登場していた魔物の中で最高の術数を誇っていたキッドに「アムゼガル」「ゼルセン」「ラージア・ゼルセン」が追加され、多彩な術を使うキャラ、という性質を上手く引き出している。
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前作では最大術が「ギガノ・ゼガル」だったが、今作では新たに「ミコルオ・マ・ゼガルガ」が実装されている。原作でも屈指の見せ場を作った術であるため、ファンサービスとしても好評。
戦闘面での問題点
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キャラ間の格差
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最大の問題点といわれる。強キャラ、普通、弱キャラにはっきりと分かれており、後述の理由からその差を埋めることも難しい。
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なお、ゼオンとティオに関して、「出荷時期が遅かったソフトではザケループと投石のノックバックが調整されている」という情報もあるが、詳細不明。
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強キャラ
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ゼオン
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恐らくある程度この作品をやり込んだプレイヤーのタイムアタックモードのランキング上位はほとんどこのキャラで埋め尽くされているものと思われる。それほどの強キャラである。もっとも、ラスボスの「クリア・ノート」が本作、およびその原作となるアニメ版に登場してない以上、ぶっちぎりの最強キャラなので、原作再現ではある。
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一番の問題は、今作中最強と推測される空中術「ザケル」。
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威力・発動前後の隙・弾速等、一見すると他キャラの空中術と変わらないように思えるのだが、この術には実は凶悪な追加性能が付いている。
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空中術に基本的に外れはないが、相手がダウンしている時に限り地面に当たって消滅する。しかし、ザケルの場合地面に当たると消滅する代わりに、その場所に一定時間、攻撃判定を持つ光の柱が発生するのだ。そう、ダウンしている相手の上に。
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もうお分かりいただけただろうか……そう、この状態で相手が起き上がった場合、起き上がった瞬間に光の柱でダメージを受け再びダウンする。そこにもう一度ザケルを打てば再び光の柱が立ち、起き上がるとすぐダウンし……以下無限ループとなる。通称「ザケループ」。難しい手順もなくお手軽であり、友人とのフリーバトルでやろうものなら友情タッグバトルどころか友情破壊ツールになりうる。
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しかし、前述の通り空中術は、発動前に空中に上がる動作があって隙が大きい。「空中術を打たせないように近距離で戦えば問題ないんじゃない?」と思った方は大間違い。もう一つの悪夢、「ラウザルク」の登場である。
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肉体強化術であるのだが、この性能が非常に強力。
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前作までは、心の力を大量消費する上、スーパーアーマーは付くがダメージは減らないため下手に特攻は出来ず、「相手よりも自分の残り体力が遥かに多い時に、無理やり押し切ってとどめを刺す」程度の技であったのだが、今作では大幅に強化されている。
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コスパが改善された上、被ダメージを大幅軽減する効果が付き、スーパーアーマーも健在。それどころか弱体化されている部分が見当たらない。効果が切れた後に息切れで硬直するが、ラウザルク状態の時に打てるアッパー(術コマンドがアッパーに変化する)は相手を大きく打ち上げるため、効果切れの前にアッパーさえ当てておけばこの隙を突かれる事もほぼ無い。
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また、遠距離からの牽制をしようにも、ガッシュとゼオンの防御呪文「ラシルド」にはレベル1の術を反射する効果があり、下手に打っても逆に自分が隙を作ることになる。
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この上、優秀な牽制用の拘束系飛び道具である「ジケルド」を持っていて、自分の方からの接近も難なくこなす。
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要するに、どの術も普通に使える性能を持ち、近づけばラウザルクで返り討ち、隙を見せて一度でもダウンを晒せばザケルで一発ゲームエンド。どうしろと。
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加えて、火力も非常に高い。特に空中ザケルは全空中術中でもトップクラスの威力を誇る。特殊効果を付けるならせめて威力を(少なくともガッシュよりは低く)下げるべきでは……?
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余談になるが、ゼオンの勝利ボイスが以下。
ゼオン「雑魚が...死んで魔界に帰るがいい!」
デュフォー「ザケル…!」
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このようにとどめにまで「倒れている所にザケル」を使っているところを見ると、もしかすると公式公認だったのかもしれないとも思えなくもない。
ティオ
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発売当時はレベル1の攻撃術「サイス」の地味さ、レベル2以上の攻撃術がない、火力が低くタイムアタックで好成績が出せない、前作まで弱キャラだった等の理由で弱キャラ扱いされていたが、実のところ上手く使えばゼオンすら凌ぐ強キャラである。ゼオンが多彩な攻撃術と高い火力で一気に試合を決める高速型なら、ティオは牽制技と回復技で粘る耐久型である。
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ティオを語る上で外せないのは、非常に強力な牽制術「ギガ・ラ・セウシル」。
この術はカウンター技に近い術で、術の発動後相手の周囲の地面が一定時間輝き、この間に相手が攻撃術を出した場合、その術を相手に跳ね返す、というもの。 相手が術を打たなければ発動しない上、打撃に対しては完全にノータッチであるため、術を使わずに殴ってこられると隙だらけで攻撃を受けることになるのだが……
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この術、発生が非常に速い。プレイヤーの反射神経や出された術にもよるが、相手の術発動の予備動作を見てから発動しても十分に間に合う。
特にレベル3術はほとんどに分かりやすい予備動作がついており、ティオを使っている以上、レベル3術を喰らうことはまずない、と言っても過言ではない。
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それなら打撃……と思っても、ティオには特殊打撃コマンド「投石」がある。
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名前の通り石を投げる技なのだが、意外と飛距離がある上、石が大変見えにくい。また、飛び道具でありながら術でないので、防御呪文が発動せず普通のガードになるのだが、石は一度に複数個投げられるので大幅にノックバックさせられる。
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投石を何とかかわして近づいても、ティオの打撃は決して弱い部類には入らず、必ずしも殴り合いで勝てるとも限らない。
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数々の牽制をくぐり抜け、徐々にダメージを与えていってもティオには今作唯一の回復術「サイフォジオ」がある。
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回復効率はさほどではないのだが、この作品では相手に攻撃を当てなくとも、Lボタンを長押しするだけで心の力を溜める事ができ、戦わずとも何度も発動できるのが問題である。
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おまけに前述の通りティオは牽制が大得意。阻止しようにも近づくこともままならない。また、サイフォジオは発動中でもキャンセルが可能であり、発動した隙に殴り込もうにもそれすら許されない。
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それ以外では、サイスは威力こそ地味だが他のキャラの術と違い吹っ飛ばさずにひるませるため格闘に繋げられたり、防御呪文「マ・セシルド」の防御力が作品中最大であったりと、細かい芸が光る。
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反射神経の高さ、牽制を仮に抜けられても格闘で迎え撃てるだけの慣れが必要なやや玄人向けのキャラではあるが、間違いなく強キャラの1体であると言える。
ゾフィス、マエストロ
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前者は弾速が非常に速いレベル2術「テオラドム」と近距離戦に強く多くの術を一方的に相殺する「ロンド・ラドム」を持ち、後者はレベル1ながら一度に5発放つためにレベル1術を相殺でき、弾速が非常に速く優秀な「マグネルガ」を持つが、この2キャラを強キャラたらしめているのはそこではなく、「浮遊」という特殊空中術である。
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他のキャラの空中術(キャンチョメ、ビクトリーム除く)は、空中に上がる→術を打つ→地上に降りる で一括りであり、途中で止めたりタイミングをずらす事ができないが、この二人はB+上(空中術コマンド)を入力すると空中に浮遊し、その状態でコマンドを入力する事で空中術を打つ、という特殊な仕様になっている。
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言葉だけ聞くと大したことが無いように聞こえるかもしれないが、これは要するに一言で言えば「地上に降りずに戦える」ということ。
つまり、近接系涙目。キャンチョメが特に悲惨である(キャンチョメの項を参照)。
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また、空中にいても空中術以外の普通の地上術も打てる。基本的にブラゴ以外を相手にしている場合はデメリットはない。
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また、こちらが空中に浮いている性質上、相手が空中に上がってきた時に距離が非常に近くなる。すなわち、相手の空中術に対処するのは容易であり、浮遊したが最後、相手は空中術を使えないと言ってもあながち間違っていない。よって、自分だけが一方的に空中術を打てるようになる。
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さらに、任意のタイミングで地上に降りられるため、格闘を仕掛ける権利もこちらが一方的に有している事になる。
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以上のように、非常に相手の動きを制限する力が強いキャラである。また、ラウザルクを発動されたとしても逃げることが可能であることも、この2体が強キャラ扱いされている理由の一つといえる。
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+
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普通
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ガッシュ
空中ザケルの特殊性能の有無とそれ以外の若干の違い以外はゼオンと同じ術を持つ。ゼオンの項を見てもらえばわかるように空中ザケル以外にも使いやすい術が多く、初心者、経験者共に使えるスタンダードなキャラである。
とはいえ、やはりゼオンがあまりにも強いため、主人公であるのに影が薄い不遇なキャラとなっている。
ウォンレイ
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「普通」と言うと、特に突出した性能が無いような印象を与えるが、このウォンレイはある点で全キャラNO.1の性能を誇る。それは「初心者に対するハメ性能」である。
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まず、今作にも前作に引き続き、攻撃によって一定の高さに打ち上げられた時にAを入力すると、空中で体勢を立て直して術を放って反撃する「受け身」のシステムが存在するのだが、ウォンレイの格闘は一発一発の間隔が短く、反撃する前に次の攻撃が当たるため受け身が取れない。
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一応、相手が起き上がってすぐに格闘コンボを開始した場合のみ、通常よりも高く打ち上がるシステムになっているため、連続して格闘コンボを当てることはできないが、逆に言えば「相手が起き上がってすぐ」のタイミング以外なら抜けられないので一呼吸空けてもう一度攻撃すれば同じことである。
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ただし、今作ではガードがあるため、前作ほどの無双は不可能。
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完全な初心者が相手の場合、これだけで勝ててしまうこともある。
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それ以外にも、多少練習は必要だが「壁ドン」「起き読みガンズ・バウレン」等のハメコンボが存在する。
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が、それ以上に初心者にとって脅威なのは「ゴウ・レドルク」である。
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相手を蹴り上げる術なのだが、発動が異常なまでに早い。一応格闘扱いでもあるのでガードできるのだが、ガードしても体力がゴリゴリ削られる。ウォンレイの心の力が最大の状態から連発した場合、全てガードしても体力が尽きる。
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要するにどういうことかと言えば、「心の力を最大まで溜めて、後はゴウ・レドルク連発してれば削り切れる」。
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実際には、ゴウ・レドルクの後には若干の隙があるため、そこに打撃を入れれば止まるのだが、これを見極められずに術で止めようとしてしまうと泣きを見ることになる。
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ちなみに、CPUは抜け方が分かっておらず、ずっとガードするため、この方法で確実に倒すことが可能。
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完全な近接キャラの上、高速で接近する「レドルク」を持っているため、強キャラであるティオに有利を取れる。が、逆に飛び道具がなくなったことによる弱点も多く、特にキッドの「コブルク」に弱いという弱点は前作から改善されていない。また、ハメコンボも見極めれば対処できないものではないため、あくまで「初心者キラー」であり強キャラでは無い、という意見が多い。
ウマゴン
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ウォンレイと同じく接近戦用のキャラだが、こちらは変身によって姿を変えながら戦うキャラで、運用はやや異なる。
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変身しない状態は、唯一パートナーアタックができる形態。心の器を溜めたい局面では優先されることもある。また、空中攻撃前の隙が他の形態より少ない。
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「シュドルク」形態は格闘が強化される。ガードブレイク技が無いのが玉にキズだが、移動速度が上がるため、中距離を保って隙があればダッシュ攻撃、という戦い方が強力。
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「ゴウ・シュドルク」形態はシュドルクよりもさらに移動速度が上がる他、コマンド入力によって様々な方法の打撃攻撃(一部にはガードブレイクあり)が可能である。ただし、常時消費する心の力の量がシュドルクよりも更に多いので、ゲージをよく見て切り替えをしっかりすることが大事。
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また、未変身以外の形態は「相手の術を避けた時に相手に接近する(相手に接近するように斜め向きに避ける)」という特殊性能がある。下手に攻撃すると近づかれて手痛い反撃を受けるので、飛び道具を多用する相手にとってはなかなか厄介である。
レイラ(アルベール覚醒)
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アルベールが覚醒していないレイラもいるが、レイラ(覚醒)の完全下位互換であるため、こちらのみを解説する。
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レベル3術の「オル・ミグルガ」が全レベル3術中でもトップクラスに位置するほどの高性能。発生が早く弾速も平均以上、強力な空中誘導(相手が空中術で空中に逃げた時にそれを追いかけて当たる性能)にブーメラン性能まで付いている。
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また、「ミベルナ・マ・ミグロン」が非常にいやらしい動きをする術で、出されてしまうと大変厄介。
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心の力を最大値の半分程消費して発動する。発動した瞬間からレイラの周囲に小さな三日月が10個浮かび(2個ずつ消費していくため、「5組」ということになる。)これを使って様々な効果を起こす。
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「攻撃(ファイア)」は三日月2個を飛ばして飛び道具にして攻撃するアクション。威力こそ控えめだが、弾速と相殺性能が非常に高く、レベル3相手でも一方的に打ち勝ち、空中術を相殺することが可能。つまり、「空中術と同じ相殺性能を持つ」。ミベルナ・マ・ミグロンを出したら、発動時に大量に消費してしまった心の力を溜めながら相手の動きを待ち、これで返り討ちにするのが基本となる。
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「回転&連結(ロール&コネクト)」は残っている三日月全てを相手に向けて飛ばし、それで相手を拘束するアクション。こちらもファイアと同じ相殺性能を有する。拘束時間は三日月の数に依存するが、ある程度の数があれば相手を固定して一方的に最大呪文を食らわせることが可能である。
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さらに、三日月が残っている限り、相手の攻撃を受けても三日月2個でダメージを肩代わりする。つまり、三日月が尽きない限りはレイラは無敵である。(ただし最大呪文を出す時は消える。)
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強力に思えるが、三日月がなくなるまでは格闘と回避反撃と上記2つのアクションしかできないため、パターンが読まれやすくなる弱点がある。
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とにかく強力な性能の2つの術を有するが、逆にそれ以外の性能が微妙であり、術に依存する性質上ティオに弱い。
ブラゴ
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ゼオンやガッシュと同じく、バランスよく術が揃っているスタンダードタイプ。
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この二人との違いとしてゾフィスとマエストロの項で述べたように、「ビドム・グラビレイ」を有するため、浮遊に負けないという特徴を持つ。
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ラウザルクに相当する術を持たないが、代わりに飛び道具が器用で、発射後の隙が大きいぶん発動前の隙が小さい「ギガノ・レイス」、その逆の「アイアン・グラビレイ」、超弾速の「リオル・レイス」、吹っ飛ばさないため格闘に繋ぎやすい「レイス」といった具合に幅広くカバーしている。
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ビドム・グラビレイのタイミングや、アイアン・グラビレイの射程に慣れるまでは使いづらい印象を受けるかもしれないが、使いこなせばどんなキャラとでもそれなりに渡り合える可能性を持つ。
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弱キャラ
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キッド
連射するので慌てて早めに防御術を発動してしまうと防ぎ切れない「ガンズ・ゼガル」、ガッシュやゼオンの「ジケルド」と違い、地面を這うため相殺されない拘束術「コブルク」等の優秀な術は揃っているのだが……
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キッドの術は体の一部の変形が伴い(例えば「ゼガル」は口から砲身が出る、「ゼルセン」は腕がロケットパンチになる等)全体に発動前後の隙が非常に大きい。
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ティオのギガ・ラ・セウシルの格好の標的になるのは勿論のこと、それ以外でも普通に当たらないので話にならない。
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特にゼガルは全レベル1術中マエストロのマグネルガに次いで二番目の発動後硬直時間の長さを誇り、その隙の大きさたるや、ラシルドで反射されると全く抵抗できずに直撃するほど。
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前述した通り、前作まではコブルクを絡めた近接戦闘が強力だったのだが、今作ではラウザルクがお手軽に出せるようになったり、ティオに投石が実装されたりと、ほとんどのキャラの近接戦闘が強化されてしまったためあまり目立てない。
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特殊打撃コマンドとして「アムゼガル」「ゼルセン」が追加されたが、これらもほとんど役に立たない。
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まずアムゼガルだが、これはただ一発殴るだけ。
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やり方次第でお手玉に持ち込めるのではないか、と研究されたが、連続で当てるのはタイミングが非常にシビアなせいでせいぜい3回が限界、おまけに結構心の力を消費してしまう。
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一方ゼルセンはといえば、特殊打撃コマンドでありながら、ティオの投石と違い術としても扱う。つまり、防御呪文でもガードでも防ぐことができる。発生も弾速も大したことはなく、もはや何のために追加したのかすらわからない始末。
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その上、実はキッドはA+上のコマンドに空きがあるため、わざわざ特殊打撃コマンドにする必要はなかった。開発スタッフはロケットパンチに何か恨みでもあるのか?
キャンチョメ
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「イタリアの英雄」「鉄のフォルゴレ」の異名を持つスーパースター パルコ・フォルゴレをパートナーに持ち、シリーズ通して最強のパートナーアタックを持つキャンチョメだが……
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ゾフィス、マエストロの項で説明したように、浮遊されると非常に弱い。キャンチョメの術には飛び道具はおろか、地上で打てる対空攻撃が一つもないのである。
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空中術は紙飛行機に変身してフォルゴレを連れて飛び上がり、任意のタイミングでフォルゴレを投げつけるかタイヤに変身して急降下する「ポルク(飛行機)」であり、完全に戦えないことはないのだが、ゾフィス達と違い浮遊中はフォルゴレ投げとタイヤ変身以外の打撃、術が使えないため、彼らと空中で戦うことになれば不利は避けられない。
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また、パートナーアタックは確かに強力なのだが、何度も使う内にフォルゴレの位置がずれてきてしまい、きちんとヒットしないというシリーズ通しての弱点は今作でも解決されていない。また、何度も言うように今作は近接戦闘自体価値が下がっているため、近距離攻撃以外の攻撃方法を持たないこのキャラはやはり弱キャラと呼ばざるを得ないだろう。
ビクトリーム
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原作のストーリーの進行に大きな関わりは無かったが、その圧倒的な人気から『金色のガッシュ(ベル)!!)』のゲーム化作品に軒並み出演したビクトリーム。「マグルガ」の空中からの全方位放射、光っている玉の数が威力に大きく関係する「チャーグル・イミスドン」等、原作を忠実に再現できているのは良いのだが……
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マグルガは溜めでレベルが1~3まで変動するのだが、逆に言えばマグルガを最大まで溜める以外に、ビクトリームがレベル3術を打つ方法は存在しない。
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キッドの「ゼガルガ」よりも隙が大きい。勿論、ギガ・ラ・セウシルの的にもなり、まともに当てられる機会も殆ど無い。
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「マグル・ヨーヨー」は攻撃判定が先端にしか無い上、先端の届く距離が微妙。「ビクトリームに接近する」「ビクトリームから距離を取る」のどちらでも回避が可能で、避けられた場合の隙も大きい。
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空中術の「アクセル」からのマグルガは威力は非常に高いのだが、周囲にめちゃくちゃに放つため、当たるかどうかは完全に運次第。運が良ければ連続ヒットしてゲージ1本以上を一気に削り切れる事もあるのだが、殆どの場合は心の力が切れるまでに相手のいる方に数回飛んで行く程度か、ビクトリーム自身に当たって撃沈する。
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原作でも当たっていないとはいえ、そんな所をここまで忠実に再現して欲しかったファンはいないだろう。
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とはいえ、あらゆる隙が大きい反面、打撃にしろ飛び道具にしろヨーヨーにしろ持続が優秀で、練習しなくても起き攻めが可能なこと、一発一発の火力はトップクラスに高いことなどの長所も持っているため、初心者同士であればむしろ強キャラと成り得る。
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技術が反映されにくい
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この作品では、ガードと防御呪文の使い分けを始め、ダウンからの起き上がり、術の照準等全て自動で行われる。
どういうことかというと、近接戦闘を仕掛けてくる敵を防御呪文で生み出した盾で阻んだり、攻撃術を体で受け止めたり、術をわざと外したりすることは出来ない。
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中でも最も困るのが、ダウンからの起き上がりのタイミングが固定であること。起き上がらずに寝転がり続ける、心の力を一定量消費して即刻起き上がる、と言った機能もなく、結果としてゼオンのザケループが生まれてしまった。
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ただし、経験者と初心者の差が出づらいので、初心者でも取っ付き易いという風にも捉えられる。
それ以外の問題点
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キャラクター選出
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ストーリーの都合上、石版魔物編の登場キャラクター中心の人選となり、バリー、ワイズマン、アカツキのペアはリストラされてしまった。
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劇場版の登場キャラ達はともかく、原作のライバルキャラの一人であるバリーが未登場は惜しい。時期の関係で出番がなかったため、優先度が低くなることは仕方ないことではあるが。
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石版魔物編からの魔物は、レイラ、ビクトリーム、ゾフィスの三名。ストーリーの重要性や人気の面から妥当な人選ではあるが、印象的な石版魔物が多かっただけに最低限すぎるという印象もある。
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結局のところ、「フルパワー」からプレイアブル枠が一つ増えた12枠というのはシリーズ3作目にしては少なすぎたと言わざるを得ないだろう。
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Cスティックが寂しい
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前作までは文字通りの「フル活用」であったため、一部のプレイヤーからは悲しみの声が上がった。
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会話パートで表示されるイラストの出来が少々悪い
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大方のバストアップ絵などはそこまでひどくないが、輪郭や顔のパーツがくずれていたりと作画崩壊気味なものがいくつか存在する。
総評
ポイントでも述べたように、キャラゲーとしては優秀。
元々このシリーズは、劇場版のキャラクターを登場させたり、どうしてもゲームが苦手な人や時間がない人のために各キャラの育成ポイントがMAXになるパスワードが用意されていたりと、ライトユーザーへの配慮は行き届いている。
パワーバランスはある程度は受け入れるとしても、せめて無限コンボや、キッドとビクトリームの遅すぎる技の出をどうにかできていればゲーマー達からの評価も少しは上がっていたのだろうが、大変残念である。
最終更新:2024年02月08日 10:13