デッドヘッドフレッド ~首なし探偵の悪夢~

【でっどへっどふれっど くびなしたんていのあくむ】

SIMPLE2000シリーズ Portable!! Vol.3 THE ホントに頭を使うアクション ~デッドヘッドフレッド~

【しんぷる2000しりーず ぽーたぶる ぼりゅーむ3 ざ ほんとにあたまをつかうあくしょん でっどへっどふれっど】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 D3パブリッシャー
開発元 Vicious Cycle Software
発売日 2008年3月27日
定価 4,800円(税別)
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
廉価版 SIMPLE2000シリーズPortable!!:2010年8月26日/2,000円(税別)
判定 なし
ポイント スタイリッシュ頭チェンジアクション
いかにも洋ゲー的なイカれた世紀末世界で暴れまくり
寄り道は割と豊富、ゲーム性にはやや練り込み不足の部分も
SIMPLEシリーズリンク


概要

D3パブリッシャーの子会社で、後にアメリカ版地球防衛軍『EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON』や、
EAT LEAD マット・ハザードの逆襲』などを製作することになるアメリカのVicious Cycle社が製作した、
3Dアクションゲーム『Dead Head Fred』を日本向けにローカライズしたもの。
文字通り「首」を失った探偵・フレッドの爽快な首(頭)アクションが特徴。

後に、「THE ホントに頭を使うアクション」と露骨に脳トレをパロったメインタイトルを付けられ、
廉価作品レーベル『SIMPLEシリーズ』で廉価版として再販されている。
改題されているが、ディスクの内容は一切変更はない。タイトル画面に至るまでそのまま。


ストーリー

研究所らしき場所で目覚めた主人公。そこに研究所の主であるマッドサイエンティスト、ドクター・スタイナーが現れる。
フレッド(フレディ)という自分の名前こそ教えてもらったが、記憶がなく何も思い出せない。街にやってきた実業家、ピットという男が関わっているようだが……
「副作用じゃろう。その姿ではしょうがない」と妙なことを言うスタイナー。どういう事かと鏡を見てみると……
なんと、フレッドの頭には自分の頭の代わりに、脳と目玉の入った大きなビーカーが乗っかっていたのだった!
どういうことだと詰め寄るフレッド。聞けばフレッドは既に死んでおり、捨てられた死体からパーツを取り出しこんな姿にしたらしい。

そうこうしているうちに、ドクター・スタイナーは研究所にやってきたピットに拉致されてしまう。
フレッドは自分の頭を取り戻してまともな身体に戻るため、そして事件の真実を知るため復讐に向かうのだった。


特徴

  • 戦闘は基本的に□ボタンによるパンチと×ボタンによるコンボ、あとは○ボタンによる特殊攻撃で攻撃を行う。
    • 体力が僅かな敵は動きが止まる。この敵に近寄って△ボタンで、その敵の首をもぎ取りながら倒すことが可能。
    • また、体力が減ってきた敵は、威力の高い技を使ってくる(赤いオーラが目印)。
      • 相手の弱点となるヘッド(後述)を使っていると、△ボタンでこの時逆にカウンターを決めてやることができ、コマンド入力に成功すると一撃で倒せる。
    • ガードに使うRボタン+□or○ボタンで、必殺技にあたる「レイジアタック」を使用可能。レイジアタックは雑魚に直撃すればほぼ即死の威力だが、「怒ゲージ」を1消費する。
      • 怒ゲージは首もぎ取りで1つ、カウンター成功で2増える。最大値はストーリー経過で増えるが、初期値は4。
    • まとめると、□・×・○ボタンで攻撃を行いながら、カウンターが可能ならカウンター、機会がなかったらそのまま倒す。ゲージが溜まっていたらレイジアタックで一撃必殺も可、という流れになる。
  • 本作を象徴するのが、フレディの頭(ヘッド)の取り換えによる能力の切り替えである。
    • ヘッドによって使えるアクションが異なるほか、雑魚と戦う場合は適切なヘッドを装備しないとカウンターが決められない。
    • 移動時のアクションも異なる。特定のヘッドを切り替えて進む謎解き要素も存在する。
    • ヘッドは全部で9種類。特定の場所のみで使うヘッドが1種類あり、その他8種は任意に切り替えられる。
      • ビーカーヘッド……スタイナーが乗せたビーカーの頭。自然回復力が高いほか、一時的に透明化で敵から隠れられる。
      • ゾンビヘッド……何でも吸い込むことができ、水や油を吸って吐いたり軽い空気を吸って浮いたりできる。毒ガスも吐ける。
      • ストーンヘッド……水に入っても溺れない。体当たりや叩き付けでギミックを動かしたり破壊したりできる。
      • マネキンヘッド……文字通りマネキンの頭。戦闘能力は皆無だが、これを付けて話さないと一般市民は怖がって会話できない。
    • ヘッドによって、レイジアタックやカウンターなどの演出や、戦闘スタイルも異なる。
      • ビーカーなら拳から電撃を出して殴ったり、ゾンビなら相手に噛みついたり、ストーンなら相手を叩き付けて地面に埋め込んだり。
  • 途中手に入る「金のミミズ」を使うことで、それぞれのヘッドを各2回ずつ選んで能力をパワーアップ可能。
    • 攻撃範囲や回数が増えたり、追加攻撃ができるようになったりと強化の方向は様々である。
    • なお、金以外に赤・青などのミミズもおり、これは特定の地面から捕獲して、回復薬「ミミズジュース」の材料や、後述の釣りの餌などに使われる。
  • ゲーム進行はミッション制。メインストーリーに関するメインミッションのほか、街の一般人などからサブミッションも受けられる。
    • ミッションとは別に一部のサブキャラは特定の場所で拾えるレアアイテムを求めており、「トレード」として渡せば大金が手に入る。
    • 街などの特定地点にはマンホール型のワープポイントが設置してあり、一度到達すれば自由に行き来できる。
  • 各地の街では、「ピンボール」「闘鶏」「ビリヤード」といったミニゲームが遊べる。
    • どれも本編を忘れてのめり込めるほど本格的なものではないが、最低限の体裁を保っており息抜き程度にはなる。
    • ピンボールは台が2種類あり、それなりにギミックもある。ビリヤードも正式なものが遊べる。
    • その他、一部の場所では「釣り」で魚を釣ったり「パイ食い競争」に参加したりできる。
      • パイ食い競争では、隣の参加者の皿にゲロを吐き掛け、もらいゲロを誘発することが可能。ゲーム自体は粗雑だが、そのひどい光景は必見。
  • セリフの翻訳は字幕のみだが、本作の洋ゲー的なノリからして間違った選択ではないだろう。
    翻訳以外にも、ローカライズでいくらか変更は加えられている。
    • パッケージや説明書などのイラストは、いかにも洋ゲー的な元の絵から日本向けに変更。
      • 日本版公式サイトには、イラストを担当したtogatsuko氏による4コマが掲載されている。
    • 血の色は赤から緑に変更され、敵の出血量と効果音も抑えられている。街の至る所にある死体もグロテスクさを抑えるため少し隠されている。
      • それでもCERO:Dになっているところを見ると、おそらくCERO:Zの境目ギリギリのところで調整したのだろう。
      • 人外の敵が多いせいか、血が緑でもそこまで違和感はない。鶏などの血は赤のまま。
      • 一部の処刑モーションも日本版では変更されている。(海外版では頭部を木っ端微塵に吹き飛ばすところを日本版では奪ったショットガンを腹に向けて撃つなど。)

評価点

  • 戦闘はテンポが良く、特にヘッドの切り替えはスピーディー。
    • 「Lボタンを押しながらアナログパッドの方向でヘッドを選び、Lボタンを離す」で切り替え。慣れれば1秒もかからない。
    • カウンターやレイジアタックを決め、敵を一撃で決めていくのはそこそこにスカッとする。
    • ただ相手の弱点のヘッドをずっと使えばいいというものではない。体力が多い敵には他のヘッドを使うなど、ある程度の融通も必要になる。
  • マップが切り替わるとチェックポイントとなり、ゲームオーバー時はそこから復帰できるためリトライは容易。
    • あくまでチェックポイントでセーブは別にする必要があるが、セーブも場所を選ばず比較的短時間でできるため気楽。
  • グラフィックはPSPとして十分な水準であり、背景もよく描き込まれている。
    • 舞台も豊富で、森・墓場・沼・地下・教会・研究所・発電所……など、色々なところに行くことができ、光景に飽きることはあまりないだろう。
  • 退廃的で世紀末な独特の世界観。
    • 舞台となる都市・ホープフォールド周辺(名前からして「潰えた希望」)は敵役となるピットのせいでひどい有様。
    • ひとたび街を出れば、ゾンビや骸骨・殺し屋までもがうろついている無法地帯ぶり。公害汚染も深刻である。
    • 人物面でも、大半の名ありキャラは倫理観がどこか壊れている。
      • 死人のパーツで整形を繰り返すブティックのオーナー、安全は保障しないと言いながら奇天烈な寿司を平気で売りつけるスシ屋などなど。
      • 主人公のフレッドは毒舌家で気に入らないことには容赦ないが、基本的にはまともな部類。
    • 放射能汚染関係のネタは特にひどい。
      • 通行人がいきなり緑色のゲロを吐いて倒れたり、放射能でミュータントになった人間が雑魚として登場したりする。
      • ゲーム後半で行く原子力発電所の、ド適当な運営とブラック企業ぶりも凄まじい。『シンプソンズ』とタメを張れる。

賛否両論点

  • ストーリーの本筋は、良くも悪くも想像の域を出ない内容。
    • 平坦ということはないものの、かっちりした伏線や意外な真相などを期待すると確実に拍子抜けする。
    • 人物もユニークなものが多いが、多くは使い捨て同然の扱い。出番は少なく、本筋に関わってくるキャラも僅か。
    • あくまで、気に入らない奴をふんじばって行く痛快アクションとして捉えるべきだろう。
  • 戦闘はよく言えば単純明快だが、悪く言えば非常に大味で戦略性に欠ける。
    • 新しいヘッドや敵が出てくることでいくらか追加される要素はあるが、最後まで基本的な部分は全く変わり映えしない。
    • 戦闘が大味なせいか、雑魚敵もバージョン違いを除くと10種類くらいで少ない。
  • サブミッションはそれなりに多いものの、どれも完全なお使いイベントでそれ自体の面白味には乏しい。
    • 「○○を取ってこい(集めてこい、倒してこい)」といったものばかりで、終わったら一言お礼を言われて終了。
    • 報酬も大小の差が激しく、「金のミミズ」や大金が貰えるものもあるが、安い換金アイテムを1個貰って終わりという例も多い。
    • サブミッションをやらなくても十分クリアできるバランスであり、ミッションは何個でもキープできるため、暇なときやついでで十分なのはありがたいが。
    • ミッションの説明文は、色々と狂ったものが多く若干楽しい。

問題点

  • ミニマップの類が一切ないため、しばしば道に迷う。
    • 場所自体はどこもそこまで複雑な造りではないのだが、やはり迷うときは迷う。
    • 暗い色調やグラフィックの描き込みが、やや物を見つけづらくしている一面もある。
  • サブミッションなどで、ノーヒントすぎるものがいくつかある。
    • どこに落ちているか一切の範囲指定がないものを、いくつも探して持って来いというミッションがいくつか出てくる。
    • レアアイテムを渡す「トレード」ミッションも、落ちている場所は全くのノーヒント。ゲーム中すべてを探さなければならない。
    • やり込み要素の完全なコンプリートは、攻略サイトでも見ないと厳しい。
  • マップ切り替えの際にほぼ毎回ロードが挟まるため、移動が煩わしい。
    • ロード時間自体も5秒程度と、頻度が高い割にはそこまで短くない。
    • 前述のオート簡易セーブとマップの描き込みの弊害なのだろうが、せっかく戦闘はテンポがいいのに勿体無い。
    • ドアを開ける際にいちいちモーションが挟まるため、建物への出入りや内部での移動はさらに面倒。

総評

悪趣味な世界の中で、敵の頭をばっさばっさと狩っていくやはり悪趣味なゲーム内容。
一方で、そのイカれた世界は一種の魅力になっており、戦闘も単純な分爽快でストレスにはなりにくい。
洋ゲーらしい割り切った感覚と、まごうことなきB級作品っぷりを楽しめる作品である。

全体的に造りが大雑把で、頻繁なロードやあまり良くないインターフェースなど、良作というには問題点もやや多い。
もっとも、今は2,000円の廉価版も出ており、そちらを買う分には少なくとも値段に対しての不満はさほど出ないだろう。