ふぃぎゅ@メイト
【ふぃぎゅあっとめいと】
ジャンル
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置物改造SLG
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 初回版
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 廉価版
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対応機種
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Windows 98~XP
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メディア
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DVD-ROM
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発売・開発元
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エスクード
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発売日
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2006年11月24日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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廉価版
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2013年2月28日/3,800円(税別)
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配信
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2012年3月23日/3,909円
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判定
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バカゲー
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ポイント
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印象的なテーマソング ニコニコ動画勃興期の立役者 実はゲーム難易度は結構高い バカゲーと経営SLGの融合
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概要
アダルトゲームブランド「エスクード」の14作目に当たる作品であり、同ブランドの代表作。
同ブランドは基本的におバカでエロく、しかしゲーム自体は堅実な作りで一定の評価を得ていた。
本作もその例に漏れなかったのだが、それが後に強烈な主題歌によってアダルトゲームに普段興味の無い層にも広く知れ渡ることなど誰が想像できたのだろうか…。
ストーリー
『阿騎馬町(あきばちょう)』
…
全国のオタクたちが聖地として巡回することを望む場所。
通称アキバロード
ごく一般的なオタク『渡馬景護(とば けいご)』は毎日のようにアキバロードに入り浸り、
同人誌を値踏みし、エロゲーを物色し、美少女フィギュアを買い漁る
充実した日々を送っていた。
中でもお気に入りは現在絶賛放送中のアニメ
『恋するシルクハット~マジ狩る怪盗メメ子~』関連のグッズ。
そんな彼が手に入れたメメ子フィギュアは……
本物の魔法少女が乗り移ったメメ子フィギュアだった。
禁断魔法を使ったせいでこの世界に来たという魔法少女は、
問答無用に自己中心的に話を進め、しまいには元の身体に戻るために
「その“セイエキ”とか言う液体を私にかけて」
と言ってくる始末。
大好きなキャラクターに生では言われたくない言葉に、
困惑する渡馬はどうするのか?
そして二次元にしか存在しない魔法少女が、
オタクの集まる町阿騎馬町に降り立てば、一体どうなってしまうのか!?
奇妙なフィギュア魔法少女とオタクの、熱く濃い夏が始まる。
(公式サイトより抜粋、一部読み仮名の部分など改変有)
特徴
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おバカなシナリオ。
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同ブランドの『メタモルファンタジー』の系譜に連なる、おバカでエロいシナリオ。
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本作の主人公、渡馬景護はフィギュアの魔改造に関してかなりの腕を持つ。その渡馬が手に入れたフィギュアに魔法少女「炎道イフリナ」が宿ってしまうのだが、イフリナは渡馬がフィギュアにかけた精液により力が戻っていくことに気づく。渡馬はイフリナを助ける為に、フィギュアをエロく改造することに心血を注ぐのだった…という話。
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所謂「抜きゲー」ではないゲームだが、ここまでエロに振り切ったシナリオはなかなか珍しい。
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経営SLG的要素。
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本作はADVだが、ジャンル名が「置物改造SLG」となっていることからも分かるように、かなり経営SLG的要素が強い。
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渡馬はイフリナとHすることでイフリナに「エーテル(魔力のようなもの)」を充填していくのだが、同じシチュエーションで何回もHしていくと次第に効果が薄くなっていく。その為ゲームをクリアする為にはフィギュアを魔改造し、イフリナの新しい身体・衣装をどんどん作成し、新鮮なHをしていく必要がある。
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しかし魔改造に使う素体・改造パーツ等は全てガチャガチャで引き当てなければならない。その為プレイヤーは必要のないフィギュア等を売り、資金繰りを行っていくことになる。
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作中の時間はゲームの進行度と関係なく進み、イベントが発生していくので、例えば何日までにエーテルがどの程度溜まっていないとゲームオーバー、という形でゲーム進行が強制されていく。その為ゲーム進行を優先させつつも資金繰りとのバランスを考える、というゲームになっている。
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テーマ曲「
ガチャガチャきゅ~っと・ふぃぎゅ@メイト
」。
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現在、本作で最も有名な部分。電波系に定評のある音楽ユニット「MOSAIC.WAV」が、自身のエッセンスをふんだんに取り入れて作った所謂「電波曲」である。
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この曲は2006~2007年ごろにニコニコ動画等でブームになり、本作を一躍有名にすると同時にニコニコ動画勃興期の立役者となった。
その為、本作をプレイしたことのない人でも本作のテーマ曲だけは知っている、とまるで有名映画のテーマ曲のような・エロゲー業界では殆ど起こり得ない現象を発生させた。
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エロゲーのテーマ曲故に当然とも言えるが、歌詞は本作のゲーム内容を暗示しているので、しっかり聞くと隠語など下品なフレーズが多い。
評価点
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バカに振り切ったシナリオ・小ネタ。
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「フィギュアになった魔法少女に精液をかける」という話以上でも以下でもないが、清々しいまでにバカに振り切っている。
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上記の概要を見れば分かるように、本作にはオタクばかり登場する。ただし表層的なオタク理解に留まっている訳ではなく、かなりディープな部分での「オタクあるある」ネタが仕込まれており、侮れない。
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「コミケに確実に一定数出没するネタコスプレイヤー」の話など、他では全く類を見ないネタも多数登場する。
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多様なガチャガチャ。
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本作のシステム上の要となるガチャガチャ及びフィギュアは膨大な数が用意されており、しかも一つ一つにゲームやアニメの小ネタが仕込んであるので、ガチャガチャを引くだけでも楽しい。
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作中に登場するガチャガチャ名を挙げると、例えば『K.G.F』『ローゼンメイド』等。
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フィギュアには「麻倉あてね」「日津賀谷冬史郎」といった、(当時の時点で)やや古いネタから新しいネタまで幅広く仕込んである。
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CG水準は一定。
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光姫満太郎氏の絵柄は好みに合えば、実用性があるレベル。
賛否両論点
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Hシーンは「フィギュアもの」ではない。
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幻想世界でイフリナと渡馬が同サイズになって行為に至る為、小さいサイズのまま行為するタイプの「人形・フィギュアもの」だと思って買ってはならない。
問題点
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経営SLG要素の難易度が高い。
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初めて本作をプレイした人間はまず間違いなく資金繰り・ゲーム進行のどちらかの要素で詰むと思われる。
本作は膨大なフィギュアを管理していく必要がある以上、知識の有無が難易度を決定する。そして、本作は手探りでプレイしていてクリアできる程甘くはない。
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問題はSLGという「それまでの行為の積み重ね」が成否の結果に関係してくるゲーム形態を取っている為、気軽にやり直しが利かないという点である。資金繰りに困ってしまっても、一日二日前のセーブデータに戻ったところで修正が利く訳でもないため、詰んだら殆ど最初からやり直さざるを得ない。
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ルート攻略の難易度も高い。
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メインルートはまだしも、サブヒロインのルートの攻略の難易度はかなり高い。気に入ったキャラから攻略しようと思ったら莫大な資金が必要になって詰んだというケースは初心者にありがち。
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特にハセガワルートはフラグが複雑な上に必要となるフィギュアやパーツが多いため、計画的に進めていかないとまず攻略不可能。攻略情報無しでクリアした人はどれほどいるものか…。
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攻略上使用するガチャガチャが限られてくる。
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本作には多様なガチャガチャが登場するが、実は攻略上の最適解が存在する。上記のようなシビアなゲーム性から、やり込んだ人間ほど一定のフィギュアしか購入しないようになっていく。
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更にフィギュアの配列は固定されている模様で、慣れてくると残数をコントロールしてパターン化できてしまう。
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様々なフィギュアに込められた小ネタを見るのも楽しいゲームなので、難易度をもう少し下げた方が良かったのではないかと思われる。
総評
テーマ曲の印象が先行しがちだが、SLG要素のあるバカゲーという、中身もかなり特徴的な作品。
それでいて設計自体は堅実・小ネタの仕込み様も緻密であり合う人には合うといったところだが、難易度がやや高い為にプレイの幅が狭いのが残念。
現在では廉価版も出ているので、テーマ曲で興味を持った方は手にとって見てはどうだろうか。
余談
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ファンディスク『ふぃぎゅ@謝肉祭(カーニバル)』が2007年4月27日に発売されている。
改造フリーモードの搭載など本作のプレイ幅を補完する内容となっており、ファンディスクとしてはなかなかの出来。
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ちなみにファンディスクにも「MOSAIC.WAV」は電波ソングを書き下ろした。「ガチャガチャへるつ・ふぃぎゅ@ラジオ」という曲名通り、ラジオ風の曲になっている。
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定額で30日間ゲームを遊び放題の「DMM GAMES 遊び放題」に本作が提供されている。
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定額クラウドゲームプラットフォーム「OOParts」対応タイトルの一つ。PCだけでなくスマートフォンにも対応している。
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よほど有名なのか、「ガチャガチャきゅ~っと・ふぃぎゅ@メイト」と「ガチャガチャへるつ・ふぃぎゅ@ラジオ」の二曲はDAMに入り、カラオケで歌える。
最終更新:2023年09月01日 20:37