ソルスティス 三次元迷宮の狂獣

【そるすてぃす さんじげんめいきゅうのきょうじゅう】

ジャンル アクションパズル
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 EPIC・ソニーレコード
開発元 SOFTWARE CREATIONS
発売日 1990年7月20日
定価 5,900円
判定 良作
ポイント クォータービュー
曲とグラフィックは逸品もの


概要

  • 元々海外のNES用ソフトとして発売された『Solstice:The Quest for the Staff of Demnos』の日本版である。
  • ちなみに開発は『シルバーサーファー』『ブラスターマスター2』などでお馴染みのSoftware Creationsによるものである。

特徴

  • 魔術師シャダックスを操作して古城に隠された杖の欠片を集め、黒魔術師モルビスを倒しさらわれたエレノア姫を救い出す、という筋書きの、クォータービュー方式の擬似3Dアクションゲーム。
    • このゲームはアクションゲームではあるが、基本的には攻撃方法がないため、探索ゲームやパズルゲームとしての性格が強い。
  • 操作方法は十字ボタンで4方向に移動、Aでジャンプ、Bで足元にある台や箱などのアイテムを拾ったり置いたりするというもの。

評価点

  • まずプレイヤーが驚くのが、ファミコンの電源を入れていの一番に流れる異次元的なBGM。何と3分以上にものぼる。
    • と言うのも本作は当時20歳のTiM Follin氏が音楽を担当しているのだが、元々は欧米のファミコンであるNES用ゲームとして開発された作品という事もあり、何と拡張音源を一切使用していない。*1
      • 4か月後にも同社から『シルバーサーファー』が発売されており、そちらの曲も評判が良いただしゲーム性はこの限りではない
  • グラフィック
    • ゲームタイトルは綺麗で、特にゲームスタート直後のオープニングはBGMも相まってダークでファンタジックな印象が強く残る。
    • フィールドの立体感、メニュー画面、アイテムには巨大な一枚絵と細部まで作り込まれている。ブロックもさることながら木々の表現も素晴らしい。
  • ゲームの舞台はクォータービュー視点で構成。非常に広大でありエリア毎に繋がっている。全て1画面スクロールなし。前後左右はもちろん、上下に繋がって構成されて立体感がある。
  • 表現技術もかなり凝っており、ワイヤーフレームで構成されたブロックの陰に隠れたり、リフトに足場を乗せて組み合わせるギミックなど、高度な処理が施されている。
  • 敵キャラも、スライム、目玉、クモ、鉄球など多彩である。
    • 敵キャラの名前が非常に個性的で、いわゆるスケルトンが「進軍頭蓋骨」*2上記の目玉が「魔性鳩脅し」他にも「邪悪烏賊飯」「猛臭偏平足」など。

賛否両論点

  • 制限時間は無い
    • モルビスは今夜の宴にエレノアの魂を地獄の魔王に捧げると言っているが、プレイ時間に応じて展開が変わる事はない。
    • もっとも、本作は探索に重きが置かれているため時間を気にせずに探索が可能という点では初回プレイでも安心の設計といえる。

問題点

  • 難易度がやや高めで、一部ステージは「死んで覚える」ことをしなければならない。
    • 謎解きは数部屋にまたがるものも多くあるため、ノーヒントで解くのは困難を極める。
    • また、ステージは広大ながらもセーブもパスワードもないので難儀である。
  • ボス戦がない。
    • アイテムを揃えてモルビスに辿り着けばイベントでクリア、となる。
      • ただし一枚絵は豊富に用意されている。

総評

日本で発売されたファミコンのゲームソフトとしては異色の、思考力とテクニックの両方が求められるクォータービューアクションパズル。
ゲーム内容、グラフィック、サウンドいずれをとっても最高峰とされる逸品ではあるが、皮肉なことに発売元がソニー系故にバーチャルコンソールで復活する事はほぼ不可能だろう*3


余談

  • 続編にあたる、『ソルスティスII』*4が1993年11月12日にSFC用ソフトとして発売された。日本版の発売元は前作同様EPIC・ソニーレコード。
    • 前作の主人公、シャダックスの息子であるクレンダールが主役で、監禁されている父親を救うために試練の旅へ出るというもの。
    • プラットフォームがSFCに変わったことから画面スクロール、ボス戦、フィールドはSFC特有のMODE7で描かれており、前作とは違い武器による攻撃が可能となり、システムにもRPGライクな成長要素が加わるなど別物のような作品となっている。
    • ちなみに、GBで発売された『アルタードスペース』*5は舞台こそSF世界ではあるが、本作のゲームシステムを踏襲しているため、差し詰め「SF版ソルスティス」とも言われている。
  • 細かい話なのだが、外部端子につなげるジョイカードなどの連射コントローラでは操作が不可能。

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最終更新:2020年09月08日 15:19

*1 後の解析では内蔵音源を全て駆使しているわけではなく、DPCMを使っていないことが判明している。

*2 「しんぐんずがいこつ」と読むのだが説明書では「しんぐんずが''く''こつ」と誤植されている。

*3 ちなみに元となったNES版の発売元については北米地域がCSG IMAGESOFT(こちらもソニー系列の会社)。一方、欧州では任天堂が発売元となっている

*4 北米では『Equinox』のタイトルで発売された。しかも、発売されたのは日本版が出た翌年である。

*5 こちらも開発はSOFTWARE CREATIONSが担当