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SILVER SURFER
【しるばーさーふぁー】
| ジャンル | シューティング | ASINが有効ではありません。 | 
| 対応機種 | Nintendo Entertainment System (※海外版ファミリーコンピュータ)
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| 開発 | Software Creations | 
| 発売 | Arcadia Systems | 
| 発売日 | 1990年11月 | 
| 備考 | 日本未発売 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 最高峰のサウンドとグラフィック 一撃死による最凶のゲームバランス
 見ている分には面白い内容
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| Marvel Comics関連作品シリーズ | 
 
概要
マーベルコミック作品の一つ「SilverSurfer」を題材としたシューティングゲーム。色々な意味で非常に飛び抜けたゲームとして知られている。
ちなみに開発は『ソルスティス』『ブラスターマスター2』などでお馴染みのSoftware Creationsによるものである。
オープニングで、SurferはGalactusから呼び出され、宇宙はMagik Domainが率いる集団に脅かされている事を告げられる。
ゲーム内容
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マジックという敵が侵略してきたので、撃退のためにコズミックデバイスを完成させる必要がある。
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6つのパーツのうち5つはマジックドメインの部下が持っているが一つは探してくれとの事。
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これらはOPのテキストと付属の漫画に書かれている。
 
 
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ステージセレクト方式
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初期状態では5つのステージから選択式でステージを回る事になる。
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それぞれ、1st→2nd→FINALの3つのセクションで構築されている。
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縦、横スクロールが1ステージずつと、ボスエリアのFinalセクションとなっている。
 
 
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アイテム
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Bはボムアイテム、Fはショットのパワーアップアイテム、Sはスピードアップ、全方向に弾を撃てるオプションなどがある。
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基本的に静止しているが、動き回っている場合も。スクロールで流れる前に爆散する仕様。
 
登場人物
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SilverSurfer
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本作の主人公で、惑星ゼン・ラに住むノリンという青年にしてGalactusの元斥候。マーベルコミックのヒーローでも屈指の高潔とされる。
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原作では驚異的な能力を持つが、本作ではその設定は全く活かされていない。
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元々はヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」の敵キャラとして登場したが、後に正義の心に目覚め、コミック・アニメ・ゲームで単独作が作られるほどの人気ヒーローとなった。
 
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Galactus
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ファンタスティック・フォーの悪役で有名なキャラだが、本作では宇宙を守るために力になってくれる。
 
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Magik Domain
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宇宙を脅かし「Reptyl」「Fireload」「Possessor」「Emperor」「Mephisto」を従えてコズミックデバイスを狙う。非常に残酷な一面を持つ。
 
評価点
BGM・サウンド
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作曲者は同社の「PICTIONARY」「ソルスティス 三次元迷宮の狂獣」などで有名なティム・フォリンによるもの。
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NESという拡張音源が使用できない環境であるのにもかかわらず、高速アルペジオによって音に厚みを出したり、差し音によって音数の制限を感じさせない密度を生む技術が詰め込まれている。
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非常に高品質な曲はファミコン音楽史でも語り継がれる程。
 
 
シナリオ
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ステージ前にSurferとGalactusのやり取りが行われ、シナリオが説明される
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クソゲーにありがちな、シナリオがそっちのけで理解できないということはない。
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もっともあまりに単純なシナリオだから理解出来ないわけがないのだが……。
 
 
グラフィック
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ステージクリアした際は力強い一枚絵が表示されヒーロー然としている。
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FAILEDした際も一枚絵が表示されるが、どちらも細部まで良く書き込まれている。
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難易度のあまり何度も見る事になってしまうのだが……。
 
 
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各ボスや主人公たちのグラフィックも細部まで書き込まれ良質である。
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サーファーの戦闘グラフィック、他マップの背景、ザコ敵のドット、細かいエフェクトまで、ファミコンのクオリティとしてはトップクラスだろう。
 
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サーファーが水地形に入るとちゃんと飛沫があがる。水中に滞在する時間制限はない。
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雑魚敵の動作
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飛び出してきた敵が天井の棘に刺さったり、向きを変更する際に正面のアニメーションが作られていたりと細かい配慮が多い。
 
その他
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チートコード(裏技パスワード)入力可能
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海外ゲームではよく見られたが、本作でもタイトル画面から1コン・2コンの上を同時押しするとパスワード入力画面に移行出来る。無敵モード、フルパワーアップ、ステージセレクトなど様々な設定で遊べる。
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二周目、三周目が遊べるコードもあるが、敵が異常に強くなる程度のものでエンディングに変更などはない。後述するが一周目の時点でかなりの難易度を誇るため、二周目をクリアできる人はほとんどいないだろう。
 
賛否両論点
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ラストステージの最後に惨たらしい場面があるのは好みが分かれる。
問題点
一撃死を全く考慮していないゲームバランス。
これが本作の評価を一気に低下させた最大の要因である。
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敵の弾や敵本体に接触するとアウトなのは当然だが、地形に触れるのもアウト。
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『グラディウス』などの名作STGと同様の仕様ではあるが、その他の要素がことごとく一撃死を考慮していない。
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戦闘機でもないシルバーサーファーが地形に触れるとアウトなのはあまりにひ弱でキャラクターゲームにはふさわしくない。
 
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当たり判定が見た目通り。
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多くのSTGはキャラクターの当たり判定はグラフィックより小さい傾向にあるが、今作は自機がやたらに大きい割に見た目そのものが当たり判定となり敵の弾が躱しづらい。
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キャラクターゲームと考えれば自機の見た目が大きいのは悪いことではないが、とにかくSTGとしての配慮が足りない。
 
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人形部分だけならまだしも、彼の乗る
ボードにも当たり判定がある。
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特に縦スクロールでは、縦画面に対し2割を占める長さにもかかわらず、
ボードに当たっても一発
アウト。
 
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画面を横切る敵弾が苛烈なのにボードに当たり判定を用意しないでほしい。
 
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見た目の分かりづらい地形
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どこまでが触れてもいい背景かわからないのに、
全体的に狭い
。
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にもかかわらず斜めにすり抜ける精度を要求されるなど苦痛。電流イライラ棒をやらされている気分になる。
 
 
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弾が見づらい
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背景があまりにも書き込まれすぎているため、敵も味方も弾が見づらい。
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グラフィックの問題でもあるのだが弾がにじんで背景に溶け込みやすいのでなおさら。
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判定にあるマップは弾が打ち込めるかどうかで判断したいのだが気づいてから回避も難しい。
 
 
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攻撃手段が乏しい
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ショットのみ、オート連射無し。派手なパワーアップもない。
 
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雑魚敵が強い
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耐久力も高く高速で複雑な軌道を描く上、出現タイミングも前触れがない。出現パターンに関しては死んで覚えるしかないのだが、後述の通りコンティニュー回数は有限である。
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「耐久力は殆どなく、狙い撃ちしやすい」という雑魚敵のセオリーが全く存在しない。
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円運動や曲線運動を描きこちらの攻撃がはずれやすい。
 
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硬い、弾が当たらない、動きが速いの三重苦で簡単に押し負けるため、倒し損じた雑魚が突っ込んできてミスというパターンも非常に多い。
 
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弾幕の濃淡のバランスが悪いステージ
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縦スクロールで画面中央に陣取ると集中砲火を浴びる。画面端なら多少はマシだがマーベルヒーローがコソコソ端を通るというのも…
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横スクロールは初見殺しのオンパレード。
 
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簡単なボス
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ステージの極悪さが一転、ボスは特に工夫の凝らしたギミックはなく鈍重で簡単。
 
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ラスボスも弱い
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左右に歩き回りながら銃を打つだけ。弾速も遅く、自機を狙わず明後日の方向、相殺可能。
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グラフィックもキャラの見た目と異なる。
 
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その場復活出来ない
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ミスするとチェックポイントまで戻される。残機を犠牲にゴリ押しができない。
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パワーアップアイテムが豊富であればリカバリーのための措置と言えるがそこまで考えられているようには思えない。
 
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コンティニューが有限で4回
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被弾率が高いこのゲームで有限はシビア。
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裏技でコンティニュー無限があるのだが、知らなければ難易度が高いことに変わりはない。
 
 
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ここまで来ると、バランス面では欠陥だらけであり、テストプレイが不十分としか言いようがない。
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せめてライフ制にしておくだけでも、大幅に難易度が緩和されたはずだが…
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前述のチートコードの使用を前提としてテストされていたのではないかと疑いたくなるが…
 
その他問題点
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原作とかけ離れたシルバーサーファーの弱さ
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本来は物質を分解しエネルギーに出来る、気温を問わず活動できる、ほぼ光速で移動できる、100トンぐらいならば持てるとなっているが、このゲームでは雑魚を一撃で倒せないぐらいに非力。
 
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楽曲の絶対数が少ない
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ボス戦の曲がなく、ステージ曲も2曲。OPとゲームオーバー、エンディングで5曲。
 
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会話シーンが少ない
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本作の会話がSurferとGalactusのみ。
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ボスが撤退し、倒されずに生かされても何も喋らない。
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原作にいたヒロイン、シャラ・ヴァルの存在がなく花がない。
 
 
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エンディングが非常に簡素
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美味しいところだけ持っていく上司にキレる会話で終わり。
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簡素なままエンドマークとエンドロールに突入する。
 
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ファミコンのドットという都合もあるのだろうが、a、d、oの区別が付きにくい。
総評
楽曲もグラフィックも素晴らしくビジュアル面はファミコンレベルでパーフェクト。
されど一撃死が頻発するバランスの悪さはとてもじゃないが許容できず、STGゲームでは致命傷。
ゲーム作品としては褒められず、「クソゲー」と言わざるをえない。
このゲームに一度でも触れたたら「Surfer」ではなく「Suffer」じゃないかと叫んでしまうことだろう。
余談
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日本では1969年に『ファンタスティック・フォー』で事前に登場している。
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脅威レベルは原作同様のものであったが、アニメ化に当たりアレンジされた上で、さらに魔翻訳されており、作品全体、引いては原田一夫とコロムビア・トップ(下村秦)の演技などから無法地帯と呼ばれている。
 
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また2007年の『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』の映画や、2022年にもマーベル・スタジオが新作で登場させる意向を示すなど、半世紀に渡って愛されているヒーローとなっている。
最終更新:2025年08月18日 12:11