スーパーワギャンランド2
【すーぱーわぎゃんらんどつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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8MbitROMカートリッジ
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発売元
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ナムコ
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開発元
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ノバ
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発売日
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1993年3月25日
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定価
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8,300円(税別)
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書換
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ニンテンドウパワー 1998年8月1日/1,000円/F×2・B×0
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判定
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なし
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ポイント
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グラフィック・BGMなどを一新した新生ワギャン 『スーパー』の続編ではなくFCで出た『3』の続編 OKOSAMAモード消滅でやや不親切に ドクターデビルがツンデレに
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ワギャンシリーズリンク
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概要
初代ワギャンを主軸とするワギャンシリーズの最終作。タイトル的には前作『スーパーワギャンランド』の続編であるが、ストーリー的には『3』の続編である。
これまでのシリーズからコンセプトに変更はなく、音波砲で敵をしびれさせ足場にしてアクションパートを攻略、ボスとはミニゲーム勝負で決着を付けるという基本は同じである。
本作ではシリーズと通して存在する隠し面が隠しルートという形で存在しており、ステージ選択制となったシリーズをより進化させたものになっている。
しかしビジュアルやBGMなどは旧作から一新。ファミコン版から基本は変わらなかったワギャンや敵キャラのディティールが強化されている。反面SEの多くは従来通りである。
ストーリー
『3』においてヒソピソ達を救ったワギャンは、宇宙に帰るヒソピソを見送っていた。
すると突然雷鳴が轟いて、宇宙から謎の宇宙怪獣が出現。なんとほほえみの木を巣にしてしまった。
それを見たヒソピソは慌てて宇宙から帰ってきて、その怪獣が月の地下に封じられていた怪獣・ガルゴンであることを告げる。
ガルゴンには弱点がなく、もう一度封じるためには眠り草が必要であることが判明、ワギャンは地球を救うため再び立ち上がる。
評価点
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グラフィックの一新
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これまでのメカメカしさが目立ったグラフィックから、愛嬌を加えてパッケージ絵に近づけた外見になった。
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敵などもより愛らしくなってビジュアルもわかりやすくなり、「え、これって○○なの?」ということが前作よりは減少した。
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パスワードの簡略化
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ひらがなとアルファベットを合わせたものになったが、『スーパー』よりはまだわかりやすくなっている。
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『スーパー』以上の大ボリューム
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ステージは多種多様なうえ、ワギャンやステージを縮小した目線で見ながらプレイするステージなど、新たな試みも増えた。
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2のように強化アイテムが使用可能になった
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本作ではドクターデビルの協力により、前作では兄からもらっていたワギャンの強化アイテムを選んで使えるようになった。ただし本作ではいろいろ選んで使えるかわりにエネルギーが必要。
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ドクターデビルは所謂更なる脅威を前にして一時的に協力するという関係にあり、クリア後はワギャンランド征服を宣言しつつ去っていく。
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一応初対面時はこれまでのシリーズを彷彿とさせるように3連戦を挑んでくるが、クリアするとワギャンにパワーアップの力を授けてくれる。
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さぞそれで簡単になっているかと思いきや、アイテム装備前提のゲームバランスになっているのでむしろステージは骨太設計になっている。
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ミニゲームバトルの強化
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本作では従来の「しりとり」「神経衰弱」「数字探し」「モザイク当て」に加え、「早押ししりとり」「ローマ字当て」が追加され、バトルの幅が広がった。
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眠り草による難易度調整
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世界に4つあるという眠り草を集めた状態でいくと、ラスボスのミニゲーム勝負での難易度が下がる。多ければ多いほど楽になる。
賛否両論点
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ミニゲームの問題点
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これまでのミニゲームの問題点は基本的に改善されていない。良く言えば前作の内容をそのままにパワーアップしているとも言える。
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一番厄介なのが新ゲームであるローマ字当て。文字数とヒントから何のローマ字か当てろというもの。中にはノーヒントのものすらある。
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攻略法はと言うと、とにかくあてずっぽうにローマ字を選んで答えを探すしかない。一応母音から攻めていくとクリアしやすいという攻略法はあるが、それでも基本は何度か不正解を重ねるしかない。
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モザイク当ても『スーパー』と同じく何度も何度もプレイを行ってパターンを覚えるしかない。答えに関しても『スーパー』同様シチュエーションが謎過ぎるものが多い。
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本作の動物は何故か体の色がピンク色のペリカンなど、前作同様カラーリングが独特であるので、少なくとも初見ですぐに理解するのは難しい。
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シリーズの醍醐味であるしりとりの裏読みは本作でも健在だが、忍者の裏読みの「かげ」など、簡単に必殺に持ち込める裏読みがやや増えてしまっているため、覚えているとすぐに決着を付ける術を見い出せてしまう。
問題点
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OKOSAMAモードの削除
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本作も相変わらず難易度は高い方だが、『スーパー』のOKOSAMAモードが簡単過ぎたせいなのか、今回はHITONAMIモードとKAMISAMAモードしかない。
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HITONAMIモードは『スーパー』程度の難易度と思ってくれれば良い。つまり救済措置のないOKOSAMAモードで、生半可な覚悟ではクリアが難しい(特にアクションパート)。
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KAMISAMAモードは、当然ながらその名に恥じぬ鬼の難易度である。
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しかも隠し要素を全て達成しないと完全クリアにならない。「KAMISAMAモードクリアおめでとう!かんぜんクリアまであと一歩!」というED後の一文は、プレイヤーを絶望の底に叩き落とす。
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『3』をプレイしていることを前提としたストーリー展開
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本作は『3』で登場したヒソピソが、今度はワギャンのためにサポートを行なうのだが、『3』を知らないとヒソピソが誰なのかそもそもわからず、説明もされない。
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しかもヒソピソはさもレギュラーであるかのように冒頭から物語に関わってくるが、『3』を知らない人だと突然「ヒソピソ」という単語が出てきてよくわからなくなる。
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ファミコンの普及率から見て、『3』を購入しつつ本作を購入していることを想定したと思われるが、これ以外は一つ一つストーリーが独立しているため、何故本作だけ続編にしたのか不明。
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ヒソピソが関わる必要性はストーリー上は0でこそないが、今一希薄であると言わざるをえない。
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一部ステージのテンポの悪さ
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これまでのシリーズでも隠しエリアとしてミニゲームバトルを行なうことがあったが、本作では普通にステージの途中でミニゲームバトルを挑んでくる中ボスがいる。
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これによりミニゲームバトルの数も体感でやや増えているが、1ステージに2試合以上行なう場面もあり、ステージ攻略の波に乗ってきた時にこれが差し込まれると少し萎える。
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今作は残念ながらラスボス戦も通常ボスと同じBGMであり、専用BGMは用意されていない。
総評
ワギャンランドシリーズの集大成とも言える作品で、初代ワギャン最後の活躍にふさわしいクオリティではある。
自由度を高めた分難易度も高く、コアなゲーマーも満足出来る歯応えのある内容に仕上がっている。
しかし難易度の上昇はミニゲームパートにも波及。理不尽な高難易度に感じられる部分も多く、特にローマ字当てはシリーズ屈指の理不尽さがある。
既存のミニゲームの問題点も解消されているとは言えず、良いところは伸びたが、悪いところは据え置きと言える。
それだけにおこさまモードの存在が欲しいところだが、本作ではまさかの廃止となってしまっている。
完成度は基本的な面では十分に高いと言えるものの、バランスに目を向けると、これまでと比べてやや劣る部分が見えるのも確か。
最終更新:2022年11月27日 17:32