聖闘士星矢 黄金伝説完結編
【せいんとせいや おうごんでんせつかんけつへん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売元
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新正工業 バンダイ
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開発元
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トーセ D&D
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発売日
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1988年5月30日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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聖域十二宮編を忠実に再現 アナザーディメンションから帰ってこれない 蟹と魚の面目躍如 原作知識必須だがキャラゲーとしては中々出来が良い
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聖闘士星矢シリーズ
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概要
『聖闘士星矢 黄金伝説』の続編。前作は聖域十二宮編の途中という中途半端な所で終わってしまったが
本作はタイトル通り原作における聖域十二宮編(ジャンプ・コミックスにおける8巻~13巻)を完全に取り扱ったものとなり、白羊宮から教皇の間の戦いまでの全てが登場する。
なお、続編の位置づけにあるが、前作からシステムは完全に変更されている他、前作オリジナル設定は全て破棄されて大筋のストーリーも十二宮到達時から仕切り直しになっている。シリーズとしての関連性は薄い。
また、キャラや聖衣のデザインはアニメ準拠だがストーリーは原作(漫画)に準拠しており、アニメオリジナルの設定も採用されていない。
システム
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黄金の矢を打ち込まれた沙織(アテナ)を助けるために、12時間の間に聖域十二宮を突破して教皇と会うのが目的。
十二宮のマップと火時計が表示され、一つの宮(ステージ)を抜ける事に火時計は一つずつ消えていく。
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聖闘士は固有に「コスモ」と「ライフ」の2つのパラメーターを持つ。
「コスモ」はそのまま攻撃力となり、数値が高ければアクションシーンでの攻撃の飛距離が伸びたり、与えるダメージも増加する。
「ライフ」は生命力を示すが、「コスモ」か「ライフ」のどちらかのパラメーターが0になるとその聖闘士は戦闘不能となる。
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プレイヤーは星矢、紫龍、氷河、瞬の4人の青銅聖闘士から一人を選んで十二宮を突破していく。特定のステージでのみ一輝も使用可能。
聖闘士は選択画面でそれぞれセリフを喋るが、宮攻略のヒントが多いのでしっかり聞いておくこと。
聖闘士を選ぶと「セブンセンシズ」を「コスモ」と「ライフ」に割り当てた後、十二宮のアクションシーンへと切り替わる。
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「セブンセンシズ」は原作において重要な役割を果たすが、このゲームの中では聖闘士同士で共有する「コスモ or ライフ」という扱いである。
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アクションシーンは雑兵を倒しつつ、奥にいる黄金聖闘士の元へ辿り着くのが目的。
途中の雑兵を倒すと「セブンセンシズ」が得られる、「コスモ」や「ライフ」を増加(回復)させるにはある程度の稼ぎが必要となる。
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しかし、同じ場所で長時間留まると上空から隕石が降ってきて、最終的にはほぼ回避不能の攻撃となるので適度に進まなくてはならない。
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ステージ中にある穴に落ちると「ライフ」が減少し、最初からやり直しとなる。
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黄金聖闘士の元へたどり着くと、1対1の対決となる。
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ここで再度「セブンセンシズ」を「コスモ」と「ライフ」に変えてからコマンドバトルへと切り替わる。
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コマンドバトルは「たたかう」、「はなす」、「なかまをよぶ」、「データ」の4つから構成される。
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「たたかう」は必殺技を選んで攻撃を仕掛ける。
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「はなす」は黄金聖闘士に話しかけるものであり、特殊な会話が発生したり、「セブンセンシズ」が増加したり、敵の弱体化等の様々なイベントが発生する。しかし闇雲に話しかけてもダメで、突然襲われることも。
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「なかまをよぶ」は戦う青銅聖闘士を変更する。交替前の青銅聖闘士は戦闘不能として扱われる。黄金聖闘士によっては拒否されて変更できない事も。
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「データ」は敵と自分のパラメーターを表示するもの。
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黄金聖闘士の「コスモ」か「ライフ」を0にする事で勝利となり、次の宮へと進むことが可能。
逆にこちらが倒されてしまった場合は、別の青銅聖闘士を選んでアクションシーンの最初からやり直すことになる。
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ただし、原作における組み合わせで戦った場合は一度倒されてもイベントが発生して復活する事がある。
基本的に黄金聖闘士はこちらよりもはるかに強い為、イベントを駆使しなければ歯がたたない事が多い。
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戦闘中に黄金聖闘士の必殺技によって異次元に飛ばされ、専用のアクションシーンに移ることがある。そこでも奥の黄金聖闘士に辿り着くことで戦闘が再開される。
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が、一部アクションシーンの難易度が非常に高いことが問題になっている(詳細は後述)。
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アクションシーンやバトルシーンで青銅聖闘士が全滅するとゲームオーバー。その時点でのパスワードが表示されて火時計が一つずつ消えていくシーンを見せられて終了となる。
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コンティニューは一切ないので、パスワードはこまめに記録する必要がある。
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基本的にこの繰り返しで十二宮を突破していく流れとなる。宮を突破する度に青銅聖闘士達のコスモとライフの上限が上がり(クリア時に使用していた聖闘士が優先的に上がる)、再開用のパスワードを確認する事も可能。
評価点
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原作の再現度は高い
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原作通りの行動を起こせば、展開も原作通りとなる事が多い。ゲーム的観点でも原作通り進めることでレベルアップのボーナスが得られる(アルデバラン、アイオリア、ミロ)など、原作を知っていることでトクをする場面も多い。
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前作は星矢のワンマンだったが、紫龍や氷河といった仲間達も選ぶ事が可能となった為、彼らの視点でも物語を見る事が可能。それぞれの技に個性付けもされている(ただし後述の通り紫龍のみ不遇)。
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例えば『双児宮』の場合、氷河でプレイすると天秤宮にいるカミュと戦い、氷の棺に葬られるイベントが発生するが、瞬を選択した場合はジェミニの聖闘士に倒された時に一輝が登場し、1度だけ復活できる。
このまま氷河以外の聖闘士で『双児宮』を突破するといつの間にか氷河がいなくなっており、彼らの視点での原作再現も行われる。 氷河で挑んだ場合氷河だけ『天秤宮』に飛ばされカミュに氷漬けにされるイベントも、システムに則った形できちんと用意されている。
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また『獅子宮』で身を挺して星矢を庇うイベントでしか登場しないカシオスまで専用のグラフィックが用意されている。
またそのバトルでは初期状態の獅子座のアイオリアはオーバースペックな攻撃力を誇るが、このイベントを介すると適正な攻撃力になるという点など、いろいろ細かい部分まで拘りが見える。
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前作ではラスボスのシャドーセイント撃破時でも単にザコのセイントを倒した場合と同じ「やったぜ!!」のみだったが、ちゃんとクライマックスらしい特別な演出が用意されている。更にバトルの中でも、もういないはずの仲間を呼ぶことで、これから始まる大消耗戦に耐えうるセブンセンシズを得られたりなど細かい所まで抜け目がない。
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このように、原作でのドラマがしっかりバトルシステムに紐づいて演出され、その出来は非常に秀逸なもの。
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宮が進むたびにだんだんと時間や仲間が減っていき、絶望感を煽られるのも原作通り。なお制限時間は原作通り12時間となっているが、リアルタイム制ではないのでじっくり稼ぐプレイをしても問題はない。
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また、星矢達、青銅聖闘士だけではなくカシオスといった脇役もしっかりと登場し物語を盛り上げてくれる。
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タイトル画面を放置するとプロローグが始まるが、原作で秒殺された矢座のシルバー聖闘士・トレミーが登場し、アテナに黄金の矢を打ち込むシーンが再現されているという凝りよう。
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「アナザーディメンション」や「積尸気冥界波」や「六道輪廻」で異次元に飛ばされる描写を、アクションステージで表現するといった演出も意表をついていて良好。
アクションステージには専用の敵(亡者や修羅)や専用のBGMも用意されており、原作の雰囲気は十二分に出ている。
ラストステージの教皇の間(薔薇の葬列)も魔宮薔薇の毒で徐々にライフが減っていくという形で再現。
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一輝は六道輪廻(餓鬼界)と特定のボス戦のみのスポット参戦だが、グラフィックや技は星矢達と遜色無く作り込まれている。
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黄金聖闘士のモーションが豊富。喋る時、防御時、被弾時などに豊富にアニメーションする。
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必殺技も「オーロラエクスキューション」や「積尸気冥界波」等の独特なポーズがしっかりと再現されている。
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黄金聖闘士を倒した時も、聖衣の角が折れる、聖衣がバラバラになって元の形に戻る、黄泉比良坂に落ちていくといった専用のモーションが用意されており、再現度は高い。
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苦戦を覚悟でキャラを鍛え上げ、原作に逆らうことも(ある程度)は可能。乙女座のシャカや獅子座のアイオリアを星矢たちだけで倒してしまうといったことも出来る他、ifイベントが用意されている場合もある。
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バランス面の問題はあるがプレイヤーキャラ4人の個性付けがなされている。
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当時を含めファミコンではグラの違いのみで性能差がないことなど日常茶飯事ではあるが、バトルシーンの技だけでなくアクションステージでも4人それぞれが固有の特徴を持っている。
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しかも、それぞれがコスモ値によって威力や射程の長さが変わるなど細かい所まで練られている。
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ラスボス専用のBGMこそない(これは前作も同じ)もののBGM自体は秀逸。
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どの場面でもその非常に雰囲気が的確に表現されている。
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単発使用でしかない死人が徘徊する黄泉比良坂や餓鬼界の不気味さ、異次元空間の宇宙のようなイメージなど細かいところまで抜かりがない。
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エンディングで星矢と仲間たちの会話はゲーム中で使われる聖闘士選択画面の使いまわしでしかない簡素なものにもかかわらず感動できるのは、そのBGMの力が大きい。
問題点
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難易度も高い
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基本的に黄金聖闘士の必殺技はみな高威力であり、直撃するとライフやコスモをごっそり削られる。
一応、避けることも可能だが、回避方法は自キャラが防御動作(腕をあげる)を起こした瞬間に左右どちらかにキーを入れるというわかりづらいものであり、しかも確実ではなく、避けに失敗するとフルにダメージを受ける。
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黄金聖闘士はこちらの必殺技を頻繁に避けるので、バトルにはかなりの運が絡む。
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敵の攻撃でコスモが減ると与えるダメージも減ってしまうので、更に勝率が下がる。開幕早々に敵からキツいのを貰ってしまった場合、回復可能なタイミングが分かっていない限り絶望しか無い。
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一部の黄金聖闘士は原作通りの組み合わせで戦わなければ攻撃が一切当たらないか途中で無敵化する為、間違った組み合わせで戦ってしまった場合、犬死にするしかない場合もある。
無駄に相手のコスモを減らしてしまった場合は微量のダメージを死ぬまで受け続ける事になる…なんてことも。
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前半ならば「なかまをよぶ」事で無傷で聖闘士を交代できるが、中盤以降は必ず敵黄金聖闘士に拒否される(その上攻撃される事もある)ので戦う聖闘士を間違えると負けるしかなくなる。
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バトルの最中のフラグ立てに失敗すると即座に「詰み」となる場合もある。
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この場合原作キャラでも倒せなくなり、残りのキャラはいわずもがな。ゲームオーバーが確定する。
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開始時の聖闘士選択画面では有利になる聖闘士(原作で戦った聖闘士)は教えてくれるものの、行動まではヒントがない為、知識が必須となる。
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ネタバレ
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例えば天秤宮の場合、最後に氷の棺に閉じ込められた氷河を助けるイベントが発生するが、紫龍以外で挑んだ場合、即座に戦闘不能扱いにされてステージの最初からやり直しとなる。
一応、開始時に紫龍を示唆するようなヒントはある。だが、今度は氷の棺を開く武器の選択を求められる。 これに関してはゲーム内で一切ヒントがない。間違った武器を選んでしまった場合は老師の叱責とともにステージの最初からやり直しである。 原作知識がないプレイヤーの場合は4分の3の確率でやり直しとなる為、非常に手間がかかるものとなっている。 ただしここで提示される武器は「ツインロッド」「スピア」「ソード」「シールド」の4種で、ソード以外の3種は明らかに「氷の棺を開く」という用途に不向きな武器であるのでなんとなく察しはつく。 また、この「やり直しさせられる」は「挑戦する聖闘士選び」からなので再び初期状態からコスモ・ライフともマックスにしてリトライできる。つまり逆手に取ってセブンセンシズ稼ぎに使うという手で有効活用もできる。
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強敵ぞろいの黄金聖闘士の中において水瓶座のカミュだけが顕著に弱い。またイベントでの原作再現も不十分。
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山羊座のシュラがコスモ・ライフとも799、魚座のアフロディーテが699に対し水瓶座のカミュは599であり、終盤の黄金聖闘士としては低い。
普通に原作に即して進めると氷河は799になる(ミロを氷河で倒すだけで満たせる)ので、一度倒されて『オーロラエクスキューション』を会得するまでもなく、『オーロラサンダーアタック』だけで案外ラクラク倒せてしまうことが多い。
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他の黄金聖闘士はシュラやアフロディーテも含めて誰でもダメージを与えられる(誰でも倒すことができる)のに対して、カミュは氷河でしかダメージが与えられない上、氷河は前半でほぼ使用できずにあまり成長しない展開もあるので、その配慮とも考えられるが、それでも氷河は最低でも599にはなるので、一度倒されて『オーロラエクスキューション』を得て倒すのはだいぶラク。ここまで弱くては黄金聖闘士の威厳もクソもない。
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また、オーロラエクスキューション習得イベントは原作では氷河の母が絡んでくるのだが、その代役がムウというのはかなり無理矢理感がある。
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「一度倒されて復活するイベント」も多い。まともに戦うと、コスモとライフを大量に消耗し無駄にしてしまう事になる。
その為、倒されるまでは「コスモ」と「ライフ」を目一杯「セブンセンシズ」に変え、消耗を避けておくというプレイになりがち。
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復活イベントの際には「セブンセンシズの増加」、「必殺技の追加」、「イベントフラグの成立」等、プレイヤーにとって有利になる展開が起こるので、発生させないと損する。
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たまに復活せずに本当に敗北(=ゲームオーバー)というフェイントも混じっているので注意。
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一部敵が非常に強く、原作通りの行動をとっても苦戦をする
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このゲーム最初の強敵として挙げられるのは、巨蟹宮のデスマスク。コスモの値が(この時点では)399と高いうえ、「積尸気冥界波」の基本威力がそれまでの敵の中で一番高く設定されており到達時の青銅聖闘士達に比べて非常に強い。しかもコスモに偏重のダメージなので尚更一撃が痛い。普通にプレイしている場合、「セブンセンシズ」をしっかり溜めて挑まないと全滅させられる。
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彼と原作で闘った紫龍が、後述のキャラ性能もあって弱いのも痛いところ。さらに前の宮まで原作通りの行動をとっていた場合、紫龍のステータスはコスモ・ライフとも最大299なので、この点も難易度を押し上げる一因となっている。
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乙女座のシャカは巨蟹宮のデスマスクを上回るステータス(コスモ、ライフ共に599)、技威力を誇る。原作通り進むにはこの難敵相手に本当に全滅、しかも最後の一人をシャカに倒される形にしなければならない。星矢達だけで倒す事も不可能ではないとは言え、通常のプレイでは難しい。
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ちなみにシャカを一輝なしで倒したとしても、最終決戦の会話では「一輝はシャカと共に死んだ」という扱いにされる。
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また、ラスボスとなる双子座のサガは「敗北」「はなす」以外にもある行動を取らなければ倒せない。一応ヒントはあるし、演出としては盛り上がるのだが、何も知らない状態ではすぐには思いつきにくい行動である。
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アクションの操作性が悪い
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ジャンプはワンテンポ遅れて実行される他、ジャンプ後の軌道の自由度も低い為、足場の悪いステージは非常に苦戦する。
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聖闘士によっても操作性に違いがあり、星矢は操作しやすく弾の射程が長く敵を貫通する、紫龍は弾が連射できる、氷河はすべてにおいて性能が低い、瞬は移動速度が速く弾がヨーヨーの動きをするチェーンになっていて敵を倒しやすいがジャンプ距離が長く調整しにくいため穴に非常に落ちやすい。瞬でクリアしなければならず、狭い足場が多い双魚宮は最後の難関として立ちはだかる。
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双児宮の「アナザーディメンション」は序盤のステージながら難易度が非常に高い。
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そもそも前半は足場が非常に少なく、後半になると『天井が低く、ギリギリで前を押しながらジャンプしないと頭を打って落とし穴に落下して最初からやり直し』という場所が連続して続いたりと、操作性の悪さも相まって苦戦する事になる。
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他のステージはそう難しい構造ではないため、『スーパーマリオ』でいう「1-3」にあたるステージがいきなり最終面並に難しいという状況になっている。
パターン化出来る為、慣れれば問題なく突破できるが慣れないと絶対に突破できない。
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さらには無事に突破してもその後のバトルで敗北してしまうと、別の聖闘士でもう一度「アナザーディメンション」を通らなければならない。
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フラッシュが激しい
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バトルシーンで必殺技を使った時などは非常に激しくフラッシュする。特に敵の黄金聖闘士と相打ちになるイベントの場合、
お互いに長台詞を喋りながら文字ごと画面が絶えずフラッシュするので頭が痛くなる。
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回復が面倒
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「セブンセンシズ」以外で「コスモ」と「ライフ」を回復させる手段は存在しない。
「セブンセンシズ」はイベントで貰う以外ではひたすら雑兵を倒すしかない為、道中で雑兵をひたすら倒す作業を強いられる。
雑兵の攻撃や落石でダメージを受けると稼いだ分が台無しになる為、慎重なプレイが求められる。
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また、戦闘不能になった聖闘士は次の宮で復活するが、「コスモ」と「ライフ」はそのままなので「セブンセンシズ」を割り振らないと即死である。
その為、戦闘不能キャラが続出すると「セブンセンシズ」もすぐに枯渇し苦戦することになる。
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必殺技の格差
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必殺技によっては「コスモ」をより減らすか、「ライフ」をより減らすかの特性がある。コスモを減らすと相手の攻撃力を減らして弱体化させる事が出来るがライフではそういった旨味がない
そのため、ライフをより減らす技はほとんど意味のないものとなっている。その為、「ペガサス流星拳」の方が「ペガサス彗星拳」よりも強いという逆転現象が起きている上、技のエフェクトが逆になっている。また敵のアイオリアに関しても「ライトニングプラズマ」(ライフ重視のダメージ)より「ライトニングボルト」(コスモ重視のダメージ)の方が強いという逆転現象が起きている。
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紫龍はほぼ最後まで「廬山昇龍覇」しか技がない。その為他の青銅聖闘士に比べて選択の幅が少ない上、相手のコスモとライフを均等に削る技であるため、効率が悪く結果的に弱い。
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パスワードの仕様
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ゲームの進行中にパスワードを表示させるとその場でプレイ終了となり、一切復帰できなくなる。パスワードは31文字と結構な長さなので再開するのも一手間である。
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また、星矢をひいきして育て続けると正常なパスワードが作られないバグが存在する。星矢の「コスモ」と「ライフ」が最大の999になると発生するため、尖ったプレイをする際には注意。
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キャラ絵が似ていない
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ストーリーは原作通りだがキャラの顔絵が似ておらず、名前が出てこないと誰だかわからないキャラもしばしば…
また、バトルシーンでの黄金聖闘士のグラフィックも顔が真っ黒に塗られているため、全員がジェミニの聖闘士化している。
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プレイの仕方によっては完全に詰みになる状態に陥ることもある。
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ネタバレ
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双魚宮を星矢でクリアしてしまうと、薔薇の葬列を越えられずにクリア不能となるもの。
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直前の磨羯宮、宝瓶宮は紫龍と氷河以外ではクリア出来ないようになっているが、双魚宮に限っては何故か星矢でもクリア可能となっており、
クリア時に星矢とアフロディーテが相打ちになって果ててしまう。その後、残された瞬で薔薇の葬列を通ることとなるが 最後まで到達した所で魔鈴が現れずイベントを起こせないため、そのまま倒れる(=ゲームオーバー)しかなくなるというもの。 実は、双魚宮で一度でも星矢を選んでしまった時点でアウトである。双魚宮の途中で星矢が倒されて、瞬で双魚宮をクリアしても条件を達成してしまっている バグにより瞬の代わりに星矢が死んでいる為、結局は詰みとなる。 操作性の厳しい瞬で一気にクリアするしかないので、原作での扱いとは裏腹に双魚宮と薔薇の葬列は非常に脅威である。
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また、薔薇の葬列でもパスワードを取れるが、この状態になった場合は全くクリアできないので取る意味が無い。
直前までのパスワードを残していない場合はここまで来てゲームの最初からやり直しである。
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本作でも最強ステータスでプレイできるパスワードは存在するのだが、この場合は正しいパスワードを取得できない為、瞬で双魚宮をクリアできる腕がなければ詰んでしまう上にやり直しも出来ない。
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「磨羯宮を紫龍以外」更にバグ技で「宝瓶宮を氷河以外」でクリアする事が可能だが、この場合はしっかりと紫龍と氷河がいない状態になる為、この仕様は意図的に盛り込まれていると考えられる。ご丁寧にも、アフロディーテと相打ちになった時の星矢の台詞や、薔薇の葬列前のキャラ選択画面の瞬の台詞は、その場合にしか聞けない専用のものとなっている。
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因みにパスワード改造で薔薇の葬列に紫龍や氷河を向かわせた場合、星矢同様スリップダメージはゆるやかで魔鈴もちゃんといる(台詞がかなり問題ありだが)ので薔薇を吹き飛ばして(廬山昇龍覇・ダイヤモンドダスト・カリツォーで)教皇の間に行くことができる。このことから意図的と見てまず間違いない。
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総評
消化不良に終わった前作を引き継ぎ、ストーリー的にも一区切りつく処までは進められるようになった。
当時のゲームとしてはストーリーの再現度が高く、原作の空気を味わう演出が随所に存在するのもファンにとっては嬉しいポイントとなっている。
黄金聖闘士の強さもしっかりと表現されており、勝てない相手に奇跡を起こして勝っていくというカタルシスもバッチリ再現されており、当時のキャラゲーとしては良作とも言える。
しかし、原作の知識があるのを前提とした作りとなっており、原作から逸れる行動を取った場合は一気に難易度がはね上がる。
その他にも詰みポイントの存在や、アクションゲームとしての出来が悪い部分も目立つので、ファン以外にはあまりお勧めできない、キャラゲーである。
余談
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直接登場はしないが瞬の師匠がダイダロスになっており、これは現在では非常に珍しいことである。
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ゲームなどではアニメで登場したオリジナルの師匠「アルビオレ」が使われていることが多い。片や氷河にも「水晶聖闘士(クリスタルセイント)」というアニメオリジナル師匠(カミュはそのまた師匠なので氷河にとっては祖父師にあたる)がいるがこちらは大抵カットされている。
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なおこのような二次展開でアルビオレが優先されるのはアニメの方が既存のアクション等を持っており流用がしやすいためで水晶聖闘士がカットされているのは登場キャラを過剰に増やす必要が薄いため。以後のゲーム等の二次展開作品では大体は瞬の師はアルビオレ、氷河の師はカミュとなっている。本作でダイダロスが採用されたのは基本的に原作準拠であることとダイダロス自身のグラが不要だからと思われる。
最終更新:2024年11月24日 00:34