真・瑠璃色の雪~ふりむけば隣に~
【しん るりいろのゆき ふりむけばとなりに】
ジャンル
|
ラブラブ雪女同居AVG
|

|
対応機種
|
Windows 95~8 |
メディア
|
CD-ROM 2枚組
|
発売・開発元
|
アイル【チーム・Riva】
|
発売日
|
2000年4月14日
|
定価
|
8,800円(税別)
|
セーブデータ
|
50箇所
|
ディスクレス起動
|
可能 |
レーティング
|
アダルトゲーム
|
配信
|
2009年4月3日/4,960円
|
備考
|
初回限定版には8cm音楽CD付
|
判定
|
良作
|
概要
PC98で発売された18禁ADV『瑠璃色の雪』のWindowsリメイク版。
グラフィックの一新やシステムの改善、CD-DAの採用など基本ストーリー以外はほとんど別物と化している。
PC98版はセガサターン(発売・開発:KID)へ移植されたが、今作はプレイステーション(発売:プリンセスソフト/開発:ゼロシステム)へ移植された。このため、家庭用版も機種によって大幅な違いが生じている。
+
|
主な登場人物
|
-
真鍋 博士
-
主人公。幼い頃に母親を、物語開始前に父親を亡くしており、幼馴染の陽子の父親が経営するアパートに越してきた。
-
科学部の部長を務めており、おかしなアイテムを作成したり改造するのが趣味。メガネを取るとイケメンらしい。
-
瑠璃
-
博士が見つけた壷から出てきた金髪の雪女。記憶喪失で行き場もなかったため博士と同居することになる。
-
体温が人間に触れると火傷してしまうほど低い他、空中浮遊ができる特殊能力を持つ。基本は天然ボケぎみの癒しキャラ。
-
永輪 陽子
-
博士の幼馴染。科学部副部長を務める。メガネ巨乳で少々ツンデレぎみ。基本は面倒見の良い性格。
-
博士のことは昔から好きだが現在まで告白などはしておらず、瑠璃や恵の登場で少々焦っている節がある。
-
星野 恵
-
博士たちの後輩。占い部に所属する不思議ちゃん系美少女。小柄でスレンダー。
-
博士が飛ばしたペットボトルロケットが頭にあたり、なぜか博士を運命の人と呼んで慕うようになる。
-
奥里 雪那
-
シングルマザーで純血の雪女。世話好きで快活な性格。娘のことを大事にしている。
-
雪女の先輩として瑠璃の面倒を見てくれる。
-
日野宮 綾霞
-
巫女服に身を包んだ退魔師の美女。瑠璃を祓おうとするが…。
-
博士とは出会いが最悪だったため当初は険悪な態度をとるが、徐々に打ち解けていく。
-
今日野 香織
-
博士たちの担任教師。超常現象研究部の顧問をしているが、信じてはいない。
-
卒業した美弥のことを心配するなど基本的には良い先生。
-
三ツ矢 美弥
-
博士がアルバイトを始めるアイスクリーム屋の店員。
-
香織の教え子。彼氏がいるが、悪い噂がある。
-
園村 双葉
-
若葉の姉で実家の花屋を手伝っており、成績も優秀な優等生。
-
一方で自由奔放な若葉にコンプレックスを抱いている。
-
園村 若葉
-
双葉の妹で博士の同級生。活発な性格で、博士とはケンカ友達。
-
以前は女子バスケットボール部に所属していた。
|
ストーリー
幼い頃に母親を‥‥そして今、父親までも失った天涯孤独な主人公、とりあえず一人暮らしを始める事に。
幼な馴染みの陽子のツテで借りたのは、なんと、『幽霊が出る』という曰く付きの部屋。
科学信仰者の主人公、そんなものを信じるハズも無く、格安のその部屋に入居する。
そして‥‥主人公はその部屋で謎の壺を発見。
その壺の中から現れたのは‥金髪の雪女、【瑠璃】だった!
記憶を無くし、行くあても無い瑠璃。結局、主人公と同じ部屋で暮らす事に。
まったく世間を知らない瑠璃と、瑠璃の事を無かった事にしようとする主人公。巻き起こるドタバタと、それに巻き込まれて集まった人たち‥‥。
今、それぞれの冬の物語が始まる‥‥。
(公式サイトより)
システム
-
約一ヶ月を通してマップの行きたい場所へ移動し、ヒロインの愛情値を高めていく自由移動タイプのADV。
-
クリスマスイヴの日に一緒に過ごしたヒロインのルートへ突入するが、愛情値が一定を超え、なおかつ必須イベントを通っていないと断られてしまう。
-
また、メインヒロインの瑠璃に関しては特定条件を満たすことで進めるトゥルーエンドが用意されている。
-
主人公の自宅に戻るとアイテムを開発する事が出来る。
-
開発したアイテムは特定のヒロインのルートに入るために必要だったり、ルート限定のもの、そもそもヒロインと出会うのに必要など種類が多い。
-
98版でも存在した要素だが、リメイクに際して大幅に種類が増えている。
評価点
-
システムの快適化とゲーム性の向上。
-
ヒロインのいる場所へ行き、愛情値を稼ぐよくある恋愛ADVではあるが、単に特定のヒロインを追いかけるだけではなく計画的にアイテムを開発する事が必要となるため、プレイヤーのスケジューリング能力なども重要となってくるゲーム性はなかなか良く出来ている。
-
一度でもエンディングを見ると次周から愛情値を視覚化したウィンドウを表示するオプションが追加されるため、周回プレイをやりやすくなっている。
-
選択前に選択肢による変化も確認できるようになっているため非常に便利。一部ヒロインはストーリー展開上、一時的に愛情値が減るイベントが用意されているのも面白いところ。
-
実は本作のヒロインたちは特定の相手とライバル関係にあり、これによってどのキャラの愛情値を上げるとどのキャラが下がるかが分かりやすくなっている。
-
うまく立ち回れば一周で複数のヒロインを攻略することも可能となっている。もっとも、全ヒロインの行動やイベントを把握する必要があるので中々難しいが。
-
一定以上の愛情値を稼ぐことでHシーンに選択肢が追加されたり、アイテムを完成させておくことで専用Hシーンが追加されるおまけも。
-
回想、CG鑑賞などのオプションも一通り揃っている。アンダーヘアの有無を変更できるオプションもある。
-
攻略ヒロインが10人となかなか多い。
-
なおかつ、上記の通りヒロインごとにライバルヒロインが設定されており、終盤の個別ルートでも絡み合うようになっているのでストーリーを盛り上げてくれる。
-
シナリオ自体も大幅に書き直されており、追加シーンも豊富。逆に性犯罪関係のシーンは削除されているため、より純愛度が高まっている。
-
トゥルーエンド後にはさらにおまけシナリオが用意されており、博士たちが駆けずり回っている裏で起きていたラブ(?)ストーリーやトゥルーエンドの後日談が楽しめる。
-
BGMはI'veが作曲しており、CD-DA対応の高音質で楽しめる。
-
一応midiも収録されており、ディスクレス起動するとこちらが使用されるがCD-DAに比べるとイマイチ。主題歌もインストゥルメンタルになる。
-
パッケージの初回特典版には主題歌2曲と劇中で瑠璃が歌うこもりうたのフルコーラスを収録した8cmCDが付属した。
問題点
-
トゥルーエンドに至るまでが難しい。
-
全ヒロインを登場させ、なおかつ瑠璃ルートに突入し、ヒロインごとの特定のイベントを全て発生させるのが条件。ノーヒントだと辿り着くのは困難。
-
筆者は某雑誌に付属した攻略冊子を参考にクリアしたが、とにかくイベントが多数絡み合うため攻略情報があってもトゥルーに辿り着くのは一苦労である。
-
どのエンディングでもいいので一度クリアするとAILエロゲー伝統のヒントモードが解禁となり、愛情値表示も可能になるため、トゥルーエンドへは行きやすくなる。
-
追加ヒロインであるこるりの登場が非常に遅い。
-
そもそも登場するのが個別ルートが確定するクリスマス以降、瑠璃ルートに入った時のみ。ED分岐もこのルートからとなっている。
-
このため重要キャラなのに非常に存在感が薄い。
-
エンディングが減っている。
-
PC98版では各ヒロインにノーマルエンドとハッピーエンドが用意されていたが、エンディング分岐があるのは瑠璃と園村姉妹の二股エンドだけになっている。
-
エンディング自体はPC98版のハッピーエンドが採用されているが、中にはノーマルエンドが採用されたキャラやオリジナル展開になっているキャラもいる。
賛否両論点
-
キャラクターの名前やデザイン、設定が旧版と変更されている。
-
名前に至っては読みは同じで漢字が違うという変更である。
-
レイプルートの削除。
-
旧版は恋愛ゲームに含まれた鬼畜要素も話題であった。
総評
システム面の改善、グラフィックの改善、シナリオの追加変更と理想的な良リメイク。
当時のエロゲーでもなかなかの高水準でプレイヤーからの評価も高い一作である。
余談
-
定額で30日間ゲームを遊び放題の「DMM GAMES 遊び放題」に本作が提供されている。
最終更新:2023年03月07日 19:44