ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤

【どらごんくえすと とれじゃーず あおきひとみとおおぞらのらしんばん】

ジャンル トレジャーライフRPG
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
発売日 【Switch】2022年12月9日
【Win】2023年7月15日
定価 【Switch通常版】7,990円
【Switch特別版】12,890円
【Win通常版】6,980円
【デジタルデラックス版】7,980円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 歴代ドラクエの懐かしアイテム盛りだくさん
純粋なゲームとしては微妙
ドラゴンクエストシリーズ


概要

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の仲間キャラクター、カミュとその妹マヤの少年時代を舞台としたスピンオフゲーム。ドラクエ定番の「仲間キャラが主人公の外伝作品」の一作である。
元々は『ドラゴンクエストモンスターズ3』として開発されていたが、諸事情あってモンスターズの名前を冠さない独立作品となった経緯がある。そのため、基本システムにはモンスターズに近いものがある。


システム

  • 本作の舞台は『XI』と同じロトゼタシア……ではなく、「はてしなき竜の大地」という浮遊大陸。カミュとマヤはミューシャとトンブーという不思議な生き物を助け出したことから、はてしなき竜の大地に迷い込み、お宝を探していくことになる。
    • はてしなき竜の大地には主に5つの島とお宝探し団としての本拠地がある。島間の移動は鉄道を使用する。
      • 「竜の大地」の名の通り、それぞれの島は竜の体の一部分を模した形をしている。
  • 疑似オープンワールド方式であり、島と島の間は鉄道を介さないと移動できないが、原則それ以外の移動制限はない(ごく一部マップ切り替えが存在する箇所もある)。
    • 各島には野生のモンスターと無数のお宝が眠っている。お宝の収集が本作のメインの目的となる。
      • 各お宝は基本的にシリーズの過去の作品に登場したアイテムや装備品、キャラクターやモンスターの像となっている。
  • 基本的にできるのは移動とジャンプのみ。仲間モンスターがいる場合、「探索れんけい」という形で仲間の力を借りることができる。
    • モンスターの系統ごとにどのような探索れんけいが発動するかは異なる。一度使用した能力はクールタイムが過ぎるまで再発動不可。
  • 各島に眠っているお宝を見つけ出すには、「お宝レーダー」を用いるのが基本となる。
    • お宝レーダーは遠すぎると大まかな方向しか示してくれないが、近づけば反応が強くなり、ギリギリまで近づけば「モンスタービジョン」というヒントを見られるようになる。
      • モンスタービジョンは連れているモンスターの系統ごとに異なる視点でお宝の隠し場所を示してくれる。隠し場所までたどり着き、掘り起こせば金枠の「トレジャー」という分類のお宝ゲット。
    • これとは別に「ジャンク」という銀枠のお宝もある。こちらはレーダーには反応しないが、隠し場所の付近を通るだけでマップに埋まった場所が示されるため、トレジャーよりは比較的簡単に見つかる。
    • 他、各島には弾丸や料理の材料となる素材や、固定配置されている木の宝箱、鍵がかかっている赤緑青の宝箱がある。
      • 木の宝箱と赤緑青の宝箱は一度取ると復活しない。鍵がかかった宝箱は必要な鍵がないと開かない。
    • お宝は仲間モンスターに運んでもらうため、持ち運べる数には限界がある。
      • 各モンスターには運べる数とは別にお宝のガード率も設定されており、ガード率が低いモンスターは攻撃を受けた際にお宝を落としてしまうことがある。持ち運べる数が多いモンスターほどガード率は低い傾向にある。
      • またモンスターが力尽きた場合もお宝はその場に落ちてしまう。いずれの場合も、他の団に回収される前に拾い直す必要がある。
    • お宝は拠点に戻ると鑑定され、資産として蓄積される。一定以上まで資産を貯めると団のランクが上がり、様々な恩恵がある。
    • 各島でどのようなお宝が手に入るかは「お宝占い」というもので決まる。占いはお宝を持って拠点に戻ると更新される。
      • 各モンスターにはそれぞれ「どの系統のお宝を探すのが得意か」が設定されており、占いの結果に合わせたメンバーで探索に挑むと多くのお宝が手に入る。
  • 仲間モンスターは3匹まで同時に連れ歩ける。編成は本拠地でのみ可能。
    • モンスターの増やし方はスカウト方式。後述のスリングショットで「スカウト弾」という弾を敵に当てると倒したときにスカウトしやすくなる、というシンプルなもの。
      • ただし、スカウトしただけではあくまで仲間候補になっただけであり、正式に仲間として迎えるには各モンスターが要求するアイテムを渡してやる必要がある。
    • 控えのモンスターは「派遣」に出すことができる。集めてくるのは主に素材だが、たまにお宝を持ち帰ってくることも……。
      • 派遣隊はゲーム内プレイ時間が一定以上経過すると戻って来る。
  • 戦闘はカミュとマヤの通常攻撃とスリングショット、仲間モンスターの力で戦うことになる。
    • スリングショットの弾は多数存在しており、使い分けることで有利になる。弾丸はショップや調合で手に入る。
    • 仲間モンスターはそれぞれの判断で自動行動する。
    • ボス戦及びダンジョン以外はシームレスかつ自由に逃走可能。
    • 攻撃でロマンゲージが貯まると、モンスターの力を最大限に発揮した「ロマン技」を使えるようになる。
      • モンスターの力を使わずカミュとマヤ単独でロマンゲージを使うと、「ビーストモード」となり素早さなどがアップする。
    • 装備品は各モンスターが落とす「コイン」というアイテムのみ。各モンスターごとに銅、銀、金、虹の4ランクあり、上位ランクほど効果は強力になる。
  • はてしなき竜の大地には、カミュとマヤのチーム以外にもお宝探しチームがあり、それらとお宝の奪い合いになることもある。
    • 遭遇方式は、「冒険中に相手に襲撃される」「本拠地を襲撃される」「相手チームの拠点を襲撃する」の主に3種類。
      • 相手に襲撃された場合は、先に相手を全滅させれば勝利だが、相手の攻撃でお宝を奪われるとそのまま逃げられてしまう。
      • 本拠地を襲撃された場合は、撃退に失敗すると展示しているお宝を奪われてしまう。その代わり、撃退に成功すると箔が付いたということか狙われたお宝の価値が上がる。奪われたお宝は相手の拠点まで行って取り返す必要がある。
      • 相手チームの拠点は派遣隊が見つけてくることがある。逃げ出す前に拠点を潰せば、逆にお宝を奪える。
    • 相手のチームのメンバーはスカウトこそできないが、倒した場合のコインドロップ率が高く、料理も頻繁に落とすためメリットはそこそこ大きい。
  • ストーリー進行はクエスト制。ある程度団ランクを上げないと発生しないクエストも多い。
    • メインシナリオ関連のクエストだけを進めてもいいが、各地の鉄道の駅を復旧したり、各地のサブクエストを達成したりすると、様々な恩恵がある。

評価点

  • マニアックかつ充実したお宝の数々。 本作の最大の評価点。
    • お宝の総数は驚きの 777種類 。メジャーからマイナーまで、とにかく「ドラクエ」関連のありとあらゆるものが網羅されている。
    • もちろん、単にマイナーなだけではなくメジャーなアイテムもしっかり網羅されている。ロトシリーズ及び天空シリーズの装備はしっかりあるし、歴代シリーズおなじみの装備品も多数登場。また、各シリーズの主要なキャラクターや魔王なども像として登場している。『V』の双子に至ってはしっかりと金、青、黒の3種類の髪で別のお宝扱いされているというこだわり。
      • 特に、この手のお祭り作品だと何かとハブられがちな『VII』『IX』もしっかりと他のシリーズ作品と同じ程度の枠を割かれているのはファンからすると嬉しいところだろう。
      • ただし、時系列的におかしなことになるためか、肝心の『XI』のお宝はほとんど登場しない(主要人物の衣装がぼやかした表現で登場するのみ)。時系列を考えたら『I』『II』『III』のお宝がある方がおかしいのだが……
      • 外伝作品である『モンスターズ』『スライムもりもり』『ビルダーズ』もしっかり登場している。
    • 面白いのが、「がんさく」というジャンルのお宝。ロトの剣ならぬ トロロ芋でできたトロロの剣 や、メタルキングの盾と見せかけて 安っぽい銀紙製のメタルがんぐの盾 など、シルエットだけは本物と同じなのにしょうもない力が抜けるダジャレアイテムのオンパレード。
      • 本作のお宝は発掘時点でシルエットだけは判明する。そのため、ドラクエをしっかりやり込んでいてシルエットだけでアイテムを判別できるレベルのマニアほど「お、いきなり激レアアイテムか!?」と期待してしまい、鑑定したら偽物でガックリ……となる。しかし、それだけに「どうせまた偽物だろう」と期待していないタイミングで不意に本物を掘り当てたときの興奮も増すという上手い構造になっている。
    • また、デジタルカードゲームである『ライバルズ』のカードや、 現実世界で販売されたドラクエ関連グッズ など、非常に細かいところまでサーチされている。
      • これだけ漏れなく網羅されているため、惜しいのが『不思議のダンジョン』『ヒーローズ』関連のお宝がないこと。ただ、両者ともスクエニ単独開発ではないため、おそらく版権関連で引っかかった事情は察せられるため仕方ないところである。
      • また、流石にゲームではない漫画やアニメ関連のアイテムまでは触れられていない。
  • 難易度バランスは、それなりにお宝を集めつつ仲間も増やしていけば普通にクリアできる程度。極端に難しい場面は少なく、サクサク進められる。
    • とはいえ、あまりレベルを上げずにメインクエストを進めていくと流石にきついためヌルゲーではない。簡単寄りだがほどほどの難易度と言える。
      • オープンワールド式なので、序盤から強豪モンスターがいる場所に突っ込んで強引にスカウトする荒業もある。失敗したら死にかねないリスクは有るとはいえ、大量の経験値も稼げるためリターンも大きい。
  • 序盤こそチュートリアルを兼ねているため自由度は低いが、オープニングイベントを終えてしまえば一気に自由度が跳ね上がる。最初から全ての島を探索可能で、好きな順番でイベントは進められる。
    • クエストの目的はいつでも確認でき、マップにも表示されているため迷うことはない。
  • モンスターのアクションはよくできており、いかにも「生活している」感がある。
    • 槍を使って器用に食事するオーク、木に止まって休むドラキー、見張りをするかのように佇むさまようよろいなど、生き生きとしている。
    • また、本作では全てのモンスターに声優がついており、 その面子も地味に豪華 となっている。
      • 個体ごとにどの声優のボイスがついているかはランダム。特に 若本規夫ボイスのスライム を拾った際は爆笑必至。

賛否両論点

  • BGMは なんと全てシリーズ過去作品からの流用 。本作オリジナルのBGMはお宝発掘時のもののみ。
    • 使われている場所や使い方がマズイということはなく、懐かしさもあるため決して不評一辺倒ではないのだが、「いくらなんでもオリジナリティがなさすぎる」という形で批判されることも。
      • ただ、あまり客演の機会が多くない『VII』のBGMが多く使われているのはファンには嬉しいところだろう。

問題点

  • 意図的な仕様ではあるが、移動関連が不便過ぎる。
    • オープンワールド方式でありながら、ファストトラベルは駅間の移動しかできない。また、拠点に戻るにも原則駅まで戻らなければいけない。いつでも拠点に戻れる「だっしゅつ」コマンドこそあるが、 手持ちのお宝を全て放棄 しなければならないため、リスクが大きすぎる。
      • ルーラやリレミトがないため、お宝を持ったまま拠点に戻るには駅から戻るかキメラの翼を使うしかないのだが、本作のキメラの翼は 原則的にデイリークエスト消化時に2枚だけしか手に入らない 貴重品。一応他の入手手段もあるが、一回しか貰えないクエスト報酬だったり、クリア後の販売だったりと難があるため、いずれにせよ気楽には使えない。
    • お宝の奪い合いなどのシステムを成立させるために意図的に不便に作っていることは察せられるが、それでも不便過ぎるとして不評な点である。
    • 細かいことだが、列車の出発ムービーや帰還ムービー、お宝サーチ発動時のデモなど1つ1つはごく短いとはいえ飛ばせないシーンが多めなのも地味にストレスが溜まる。
  • 仲間モンスターの種類が少なすぎる。
    • 正確に言うと、種類自体はそこそこ(といっても、モンスターズシリーズと比較しても圧倒的に少ないが)いる。少ないのは系統数で、なんと たったの17系統 しかいない。つまり、17種類の骨格に大量の色違いがいるだけ。
      • 系統的にも、シリーズおなじみの「大体どの作品でもいるよね」という定番の面子ばかりであり、あまりパッとしない。ほとんどの系統が『III』までに登場した古参ばかりで、新しいのは『X』のビッグハット系統ぐらい。 本作オリジナルの系統は仲間にならないボスモンスターを除いたら1系統しかいない という寂しさである。
      • また、色違いは非常に多い割にタホドラキー、スライムベホマズン、ストーンマンなどの古参のメジャー亜種モンスターをほとんど出さずにマイナーな色違いばかりを狙って出す、という人選も謎である。
  • モンスターの使い分けが難しい。
    • 探索れんけいはよほどの理由がなければ、「地面にもぐる」「かっくう」「ハイジャンプ」の3種類での構成一択。残る2つの「サーチ」「ダッシュ」はいずれも探索を便利にするだけで無くてもなんとかなるが、前述の3つは無いとたどり着けない場所が非常に多く、連れて行かないと探索でのストレスが高まるばかり。
      • ダッシュは本作の広いマップでは便利なのだが、地面にもぐるでもそこそこの高速移動はできてしまうため代用可能。
      • サーチは未発見の宝箱を見つけたりしてくれるのだが、見つかった場所にいくための能力を連れていないと結局二度手間になってしまう。
    • 拠点でしか編成を変更できない事もあって、最初から移動関連の能力だけで枠を埋めたほうが楽な場面が多い。一応、探索を行わないダンジョン攻略などなら使い分けもできるのだが……。
    • モンスタービジョンも地味に使い勝手の差が激しい。プリズムのようなエフェクトがかかってまともに見えないピクシードラゴン系統や、視界がやたら狭いエリミネーター系統はデメリットばかり目立ってハッキリ言ってほぼ使い物にならない。
  • 戦闘システムが単純過ぎる。
    • カミュとマヤにできるのは通常攻撃とスリングショットと回避、あとは自己回復と力尽きたモンスターの蘇生のみ。通常攻撃は強敵相手には心もとないため、スリングショットがメイン武器となる。
      • スリングショットは多彩な弾丸を使い分けることで、攻撃も補助も回復もできる万能武器だが、事前に十分な弾丸を用意しておかないと機能しない。幸い中盤以降は弾丸代ぐらいは余裕で確保できるが。
      • オートエイムが強めかつ、攻撃系は敵のみ、サポート系は味方のみに当たるため使い方は難しくない。しかし、弾丸切り替えの操作は(切り替え中は時間が止まるとはいえ)やや煩雑。
    • 仲間のAIはかなりバカであり、基本MPの限り特技を使いまくってすぐにガス欠になる。 しかも作戦の指示はできない 。効かない相手に効かない属性の技も平気で使う。本作に属性吸収系の敵がいないのは幸いだが……。
      • また極めて好戦的であり、探索中も敵を見かけると勝手に突っ込んでいく。
    • これらのシステムから、基本強敵相手の際は仲間をひたすら突っ込ませて遠距離からチクチクスリングショットで削っていきながら相手の攻撃をかわす展開が基本となる。最初から最後までほぼずっとこれ。カミュとマヤのアクションが増えたりはしないため、単調である。
  • デスペナルティーがかなり重い。
    • ドラクエの伝統に反して、ゲームオーバー時はセーブ箇所からやり直し、という重いペナルティがある。幸いセーブ自体はどこでもできるが、セーブを忘れていると大惨事になりかねない。
      • オートセーブもされているのだが、基本回復ポイントである焚き火での休息時しか行われない。せめて拠点への行き帰り時にも行われても良かったのではないだろうか。
  • ストーリーは極めてあっさり。登場人物の造形も非常に浅く印象に残らない。メインシナリオクリアだけなら20時間程度。一応やり込み要素はあるため、全体のボリュームが薄いわけではないが。
    • そもそも登場人物の総数自体が非常に少ない。元々人の少ない地域である事情があるとはいえ、メインシナリオに絡むキャラクターはそれこそ10人に満たないほど。
      • ライバル的存在であるギンギーラ空賊団は序盤思わせぶりに登場しながらシナリオには全く絡まない。キーアイテムである「7つの竜石」を集めたら突如現れて強奪していく、という雑な急展開でいきなりシナリオに絡んでくる。
      • ギンギーラ空賊団の幹部2名も、終盤ちょろっと出てきて戦うだけ。一応サブイベントで多少キャラクターは掘り下げられるが。
    • 元々世界征服とかの野望が絡むシナリオではないので仕方ないのだが、盛り上がりどころもほとんどなく非常に淡白なストーリーである。
      • 『XI』のシナリオに絡む要素もごくわずかに思わせぶりなイベントがあるぐらい。
  • 仲間モンスターの厳選難易度が極悪。モンスターズシリーズと比較しても、最悪レベル。
    • 本作のモンスターは、特技、特性、お宝探し適性、名前などの要素が 全てランダム で決まる。一応種類ごとに候補があるとはいえ、理想個体を捕まえるのは極めて困難。
      • 配合などのシステムはないため、スカウトした時に狙いの個体であることを祈るのみ。戦闘時に特技を判断することもできなくはないが、かなり難しい。
    • さらに厳選難易度を跳ね上げるのが「おしゃれ個体」「宝石化モンスター」である。
      • おしゃれ個体は通常のモンスターとは異なるちょっと変わった装備をしたモンスター。出現率はかなり低いが、 通常モンスターとは異なる特技を覚えている 。この特技が優秀な種族だった場合、厳選難易度がさらに上がる。
      • 宝石化モンスターは、宝石のような体をした亜種。特殊なお宝を持っている他、この宝石化モンスター自体も仲間にできるが、 メタル系ばりによく逃げる ため、出現率の低さもあって捕獲は困難。
      • もし 宝石化モンスターのおしゃれ個体 を狙おう、などと考えた場合……。
    • 本作には対人戦などの要素はないため、無理に厳選する必要性自体は薄い。正直、最初の仲間モンスターをそのまま連れ回しても十分ラスボスまで倒せる程度の難易度なので、厳選自体はやりこみの範疇である。
  • 意味の薄いダブル主人公制。
    • カミュとマヤを拠点で切り替えることができるが、性能面での差異は一切ない。ボイスと一部モーションが異なる程度。また、どちらかでしか進められないイベントなどもない。
      • 自由に好きな方を使える、とも言えるが2人いる意味が薄すぎる。オープニングでは協力して仕掛けを解除するいかにもなシーンが有るにもかかわらず、本編では同じようなギミックは皆無。
    • 操作している方はドラクエ伝統の喋らない主人公になるため、それまでペラペラ喋っていたキャラが切り替えた途端に掛け声以外では無口になるという怪現象に見舞われる。違和感が強い。
  • メインシナリオに絡む7つの竜石以外のお宝は全て単なるコレクション品である。
    • 装備品であっても、装備することは一切できない。単に合計資産に加算されるだけ。特定シリーズのお宝を集めると起きるイベントが……などということもない。
  • 各島の鉄道クエストをコンプリートするとマップが自動で埋められてしまう。
    • 探索済みエリアと未探索エリアが区別できなくなるため、厄介な仕様である。また、マップにマーキングする機能などが無いのも探索の際は非常に不便。

総評

やり込み要素こそ豊富だがやり込もうとするとゲーム性が単調すぎる という点でちぐはぐ感が強い一本。
基本的にはライトゲーマー向けの作品なのだが、その割には用意されているお宝のネタがマニアックすぎるのも妙な印象を受ける点である。
全体のクオリティとしては、お宝集め自体はザクザクと稼げて楽しい部分はあるし、オープンワールド風のフィールドも探索要素が豊富で歩き回りがいがある。
が、際立った魅力は薄く印象としては、 ドラクエを題材に教科書通りにお宝探索オープンワールドRPGを作ればまぁこうなるよね という大方の予測からほぼ全く外れていない作品。
平均点以上のクオリティこそしっかり確保されてはいるが、色々と物足りない点も多数存在し、独創的な要素もほとんどないなど寂しさが目立つ感も否めない。


余談

  • 『VII』の「飛空石」が「飛行石」名義のトレジャーとなっているが、これが誤植なのかどうかは意見が分かれるところ。
    • というのも、実は原作の時点で表記がブレブレであり、「飛空石」と呼ばれるシーンと「飛行石」と呼ばれるシーン両方があるため。
      • ただし、公式ガイドブックなどの表記は「飛空石」で統一されているため、どちらかというと誤植寄りだろう。
最終更新:2025年03月12日 11:05