ASSASSIN'S CREED BLOODLINES
【あさしんくりーど ぶらっどらいん】
| ジャンル | アクションアドベンチャー |  | 
| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | ユービーアイソフト | 
| 開発元 | ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ グリプトナイト ゲームス
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| 発売日 | 2009年12月23日 | 
| 価格 | 5,229円 | 
| レーティング | CERO:Z(18才以上のみ対象) | 
| 廉価版 | UBI the BEST:2010年8月5日/2,940円(税5%込) | 
| 判定 | なし | 
| ASSASSIN'S CREEDシリーズ | 
 
概要
『アサシンクリード』シリーズのスピンオフで、日本では初の携帯機作品。
デズモンドと同じくアルタイルを先祖に持つ被検体17号がアニムスで本編のその後を追体験するという設定だが、一部設定に齟齬があるためパラレルワールドと看做されている。
また、現代パートも存在しないという違いがある。
PSPで発売されたこともあり、PS3版『ASSASSIN'S CREED II』との連動要素もある。
ストーリー
1191年、裏切り者であったアル・ムアリムを倒し、暗殺教団の導師となったアルタイルは、
新総長アルマン・ブシャールの下に再結集したテンプル騎士団を追ってキプロス島へ向かった。
アサシンとテンプル騎士団の秘宝を巡る新たな戦いが始まる。
評価点
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据置とほぼ同様のアクションを落とし込んでいる。
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シリーズの特徴であるフリーラン、イーグルダイブ、ステルスシステム、戦闘システムなどほとんどの要素は再現されており丁寧なチュートリアルも行われ、分かりやすい。
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特にフリーランで足場を自在に移動できる爽快感は損なわれていないのは評価できる。
 
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ただし、スリや乗馬など一部のアクションは削られている。もっとも、今作ではなくても特に問題ないようになっているが。
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システム面は『II』に近くなり、壁に登ってもソーシャル・ステータスが下がりにくいため行動の自由度は増している。
 
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投げナイフを回収できるようになった。
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前作では完全な消耗品だったので、補充の手間が緩和されている。
 
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現代編がないため、ストーリーも分かりやすい。
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話自体は短いが、前作に登場したキャラクターのその後も描かれるので前作プレイヤーなら楽しめる。
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ストーリーのほとんどは新キャラで進むため前作未プレイでも理解できないということはない。
 
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アップグレードを兼ねた収集要素。
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前作の旗探しのような要素としてテンプル騎士団のコイン集めがある。
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前作では集めても特に報酬はなかったが、今作では集めたコインを消費してアルタイルの各種能力をアップグレード出来るようになった。
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シンクロバー(ライフ)を増やしたり、攻撃力を上げたり、投げナイフの所有数を増やしたりとアップグレードできる内容も多い。
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なお、コインはミッションを達成した時にも貰えるので、ストーリーを進めるだけでもアップグレードに困らないくらいは貰える。
 
 
賛否両論点
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メインターゲットを暗殺するパートがボス戦になった。
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対峙するとボスのライフバーが表示され、バーを削りきるとムービーで暗殺を行う。より一般的なアクションゲーム寄りになったと言える。
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しかし、忍び寄って一撃で暗殺することが出来なくなったため、アサシンを題材としたステルスゲームとしては疑問符がつくことに。
 
問題点
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カメラワークと一部の操作性が悪い。
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特にカメラワーク。カメラが近いのは勿論、カメラを動かす時はLを押しながら○×△□ボタンで操作するが、歩きながらなどの操作が非常にやりにくい。
 フリーランなどで見易いカメラワークが重要な本作ではかなりのストレスになる。
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また、フリーラン中も角に引っかかりやすかったりと全体的な操作性は微妙。遊びにくいほどではないのだが。
 
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全体的にボリューム不足。
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携帯機であるため仕方のない部分ではあるが、街の広さやストーリーの長さ、サブミッションの数などが少なく、据置版をプレイしていると確実に物足りなく感じる。
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街にいるNPCの数も少なくなっており、据置版のような賑やかさは感じられない。マップも狭いのでオープンワールド的な楽しさは減っている。
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ストーリーは据置シリーズの半分以下しかないため一日でクリア出来てしまうほど短い。
 
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グラフィックが粗い。
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これも携帯機ゆえではあるが、街のテクスチャなどが汚く、シリーズの売りである美しい街並みは再現できていない。
 
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ステルス要素の薄さ。
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スリができなくなった代わりに「まぎれる」という行動が追加され、まぎれている最中はほぼ敵に見つからなくなっている。
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死体の傍にいる状態で他の敵が近寄って来ても走って逃げれば、まず見咎められない。それどころか2人いるうちの片方を暗殺しても気付かれないことがある。
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あまりにもアバウトなため、全体的にヌルくなっている。
 
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戦闘の単調さも変わらず。
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相変わらずカウンターを狙っていれば楽勝。ボス戦でも同様なので自分から攻める旨味は薄い。
 
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最初からマップが確認できるため、ビューポイントを探す楽しみは減った。
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音声バグなどのバグ報告も多く、地形すり抜けなども発生する。
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データとしては字幕、音声とも英語が収録されているがオプションで変更できないため『ASSASSIN'S CREED II』以降では可能な字幕と音声を別々の言語に設定する事ができない。
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PSP本体の言語設定を英語にすれば変更できるがテキストも全て英語となってしまう。
 
総評
『アサシンクリード』の雰囲気はある程度再現できているが、致命的なボリューム不足などから評価は低くなりがち。
決して面白くないわけではないものの、あくまで携帯機作品という範疇を出ることは出来なかった惜しい作品と言えよう。
最終更新:2021年08月18日 11:00