ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

【らいざのあとりえ とこやみのじょおうとひみつのかくれが】

ジャンル RPG

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Windows(Steam)
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(ガストブランド)*1
発売日 【Switch/PS4】2019年9月26日
【Win】2019年10月29日
定価 8,580円(全機種・全メディアで一律)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 心機一転した意欲作
手軽にもディープにも出来る調合システム
戦略的かつ爽快なバトル
シナリオは最近のアトリエとしては短め
アトリエシリーズ


概要

1997年から続く錬金術RPG『アトリエ』シリーズの実質ナンバリング21作目。
売上の低迷が続いていた同シリーズの中で久しぶりのスマッシュヒットとなった作品。
システム面で調合・バトル共に過去作から大きく変化した一方、イラストレーターのトリダモノ氏がデザインした主人公ライザのルックスが発売前から大きな注目を集めた。

なお、2019年には『ライザ』に先立って20周年記念作の『ネルケと伝説の錬金術士達』と、『アーランド』シリーズの新作『ルルアのアトリエ』が発売されており、同年内だけで3本目のアトリエとなっている。


ストーリー

小さな島の農家の娘ライザは、閉鎖的な村の中で退屈し、 男友達と冒険ごっこをして遊んでいるような平凡な少女だったが、 島を訪れた錬金術士アンペルとの出会いによってその日常を大きく変化させていく。


システム

  • 調合
    • シリーズお馴染みの錬金術によるアイテム制作。主人公が住んでいるクーケン島内や周辺地域を探索して素材を集め、戦闘用のアイテムや装備品を作り出す。
    • 調合は入手済みのレシピに従って素材を投入することで行う。
      • これまでと違い、効果がマテリアル環というポイント同士でつながったツリー状に広がっていく形となっている。
      • また、各ツリーにつき必要属性は1つに固定されており、隣り合うマテリアル環はこの属性を一定以上投入しないと解放されない場合がある。こだわる必要がない効果なら属性を気にせず投入してもいい。
      • レシピには特定の素材名が指定されている部分と、「植物」のように大まかなカテゴリ内なら何を使っても構わない部分とが有る。
      • 基礎的なレシピはイベントで入手したりショップで購入したりする。従来に比べると入手機会は少なく、閃く機会の方が多い。
      • 本作では既存のレシピでも使う材料によって新たなアイテムのレシピへと変化することが有り、この繰り返しによって徐々に作成可能なアイテムが増えていく。
    • 特性のシステムも変化しており、従来の特性合成に代わって変動レベルと特性枠の有効化が追加された。
      • 変動レベルはこれまで上位特性の合成元だった特性に設けられたもので、調合時に同じ特性の物を使うことでレベルが加算されていき、その分効果も増加していく。特性ごとに上限が決まっており、最大まで強化すれば上位特性を超える効果を発揮する。
      • 特性枠は、引継ぎだけならいつでも可能だが、その効果を発揮させるためにはツリー内にある特性枠を解放する効果を取得しないといけない。これを失念すると、品質アップの特性をセットしているのに品質が変わらないという事態に陥る。
    • 過去シリーズでは同じアイテムなら材料の投入数は固定されているのが普通だったが、本作ではライザの成長に合わせて同じアイテムでもより多くの材料を投じて調合することが出来るようになっている。
    • アイテムごとに設定された最低投入回数さえ満たせば、強制的に調合開始することも可能。よって「素材の消費を最小限に抑えたアイテム」から「無数の材料を投じた超高性能アイテム」まで作成可能という自由度の高いシステムになっている。
    • 作成したアイテムにさらにアイテムを投入する「アイテムリビルド」が存在する。
      • これにより、通常のアイテム投入回数で引き出せる領域を超えた効果を引き出すことができる。
      • 制限が2つあり、素材の質に応じて「ジェム」という専用リソースを消費する必要があることと錬金レベルによる上限があること。リビルドでアイテムを投入するとアイテムのレベルが投入した属性値分だけ上昇し、これが錬金レベルを上回る投入は不可。
      • 投入したアイテムの品質の影響はない一方、特性の引継ぎは有効。その為、高度なアイテムはひたすら品質を上げて作成し、リビルドで特性を追加してやると効率がいい。
      • 本作では各キャラに器用さという通常のレベルと異なるパラメータが設けられており、このレベル以上のアイテムを装備させることができない。
      • 器用さの初期値と上がりやすさはキャラにより異なり、概ね錬金術士>後衛>前衛の順。器用さの低いキャラは装備できるアイテムが必然的に限られてくるため、汎用的なアイテムは安易にアイテムレベルを上げるべきではない。
      • 調合段階で品質の低い素材を投入すれば当然品質は下がるが、アイテムレベルは上がらない。一方、リビルドでは逆に素材の品質の影響は受けないが、アイテムレベルは上がってしまう。したがって、「アイテムレベルを犠牲にしてでも品質を上げたい」という場合は品質の下がる素材しかないマスは無視してリビルドで埋めるという作戦が使えるし、それ以外の場合は調合で埋められるだけ埋めておけばアイテムレベルがむやみに上がるのを防ぐことができる。
    • 採取地が調合できる
      • 特定のアイテムを入手すると、アイテムを投入することで小規模の採取地を生成できる。
      • 内容によってはかなりレアなアイテムを大量に入手できる。ドンケルハイトに至ってはほぼこれでしか入手不可。
      • 採取するとエネルギー切れになってしまい、ジェムを消費して回復させるか材料を再投入するかしないと再実行できない。
      • 材料によって完成する採取地のレベルが決まる。採取地レベルが低いと、行き止まりだらけで狭い範囲しか行動できないが、高レベルになると広い範囲を移動できるようになる。
      • 採取地調合用のボトルは複数あり、「ボトルを引き継ぎ」することで、採取地のちゃんぽんが可能。これを繰り返すと単体では不可能なレベルの採取地が出来上がる。MAXの200まで上げると裏ボスよりも強いザコ敵と戦うことができる。
    • ジェムはアイテムを分解することで入手可能
      • 中和剤など手軽に作れるアイテムや特定の採取地調合で回収できるアイテム、調合数を増加させる効果によってジェムを大量に獲得することができる。
      • 従来のシリーズにもあったアイテム複製もこのジェムを消費して行う。
  • バトル
    • 『アトリエ』シリーズとしてはかなり珍しく、リアルタイムで時間が流れるシステムになった。
      • 時間経過によってターンが来たキャラから順次行動し、素早さが高いキャラは短時間で多くのターンが得られるという仕組みである*2
      • スキルやアイテムの選択に悩んでいるとその間にどんどん敵に攻撃されてしまうので、ある程度は事前に作戦を考えておく必要が有る。
    • プレイヤーは1人のキャラの操作を担当し、他のパーティメンバーは自動的に戦ってくれる。
      • プレイヤーの行動の選択肢は、通常攻撃・スキル・アイテム・移動の4種。移動と言ってもポジションを変えるだけであり、自由にバトルフィールドを動けるわけではない。
      • 他のメンバーの行動方針は、通常攻撃だけを行う「パッシブモード」と、スキルを任意に使う「アグレッシブモード」の2種類に切り替えが可能。
      • ターンに合わせて細かく操作キャラを切り替えれば、全キャラを自分で操作することも出来る。
    • パーティメンバーは各自でターンを持つが、APという共通リソースも持つ。
      • APは通常攻撃を行うと溜まり、APを消費することで、各キャラ固有の戦闘スキルの使用、「タクティクスレベル」のアップ*3、および「クイックアクション」*4が可能。
    • パーティメンバーがプレイヤーキャラに特定の行動を頼んでくることが有り、この「オーダー」に応えることで相手キャラが追加攻撃をしてくれるといった恩恵が得られる。
      • 使用キャラに応じて「ライザ、頼んだ!」「クラウディア、お願い!」といった掛け声と共に注文を受けるため、オンラインゲームのパーティの一員として戦っているような独特のプレイ感覚が得られるシステムである。
    • 使用アイテムは「コアクリスタル」というシステムにより、装備欄にセットすることになり、使っても消滅はしない。ただし、アイテム使用時はコアクリスタルのエネルギーであるコアチャージ(以下CC)という共通リソースを消費する。
      • CCは強力なアイテムほど消耗が激しい一方、最大値は初期で10。イベントで最大15まで増やすことができるが、かなり後半になる。
      • CCは自宅もしくはアトリエに移動することで自動的に回復する。冒険中にCCを回復するアイテムは存在しないが、「コンバート」を使用することで任意に回復することができる。
      • コンバートは、装備中のアイテム一つを封印することでCCを回復する。封印したアイテムは自宅・アトリエに帰還するまで使用することができない。この際、代償とするアイテムの質や回数などは関係なくCCの最大値まで回復する。戦闘中でも移動中でも可能だが、戦闘中はちょっと時間がかかる。
      • アイテムの装備枠は武器のランクに比例する。移動中なら控えメンバーのアイテムもCCに変換できるため、戦闘メンバーと控えメンバーともにアイテム装備を充実させればアイテムがほぼ使い放題になる。
    • 装備品の付加効果によってキャラクターに「ロール」と呼ばれる役割が付き、攻め・守り・サポートなどに性能を特化させることが出来る。
    • 敵はある程度追い込まれると強力な必殺技を繰り出してくる。これを防ぐにはブレイクさせるか倒すかしかない。
      • 対策として、この時限定でクイックアクションを選択すると特殊なオーダーが発生し、より大ダメージを与えることができるようになっている。
  • プレイ期間
    • 今作は『シャリーのアトリエ』『ソフィーのアトリエ』と同様にシナリオクリアのための時間制限がない。
    • 調合や探索、休憩で日数の経過はあり、シナリオ進行やサブクエスト発生等で日数の経過が必要な場面もあるものの、実際に何月何日であのイベントから何日・何か月経ったというような表記はない。あくまで「一夏」の冒険という扱いである。
  • BGMについて
    • 作曲陣のラインナップがほぼ一新された。
      • 水上、中村の2氏は「リディー&スール」にも部分的に参加していたが、本作で本格参入となる。また、コーエーテクモ所属の三武氏が新たに参加している。
      • 『アトリエ』シリーズで一躍人気を獲得したアサノハヤト氏(旧「浅野隼人」名義)が久々に起用された。ただし担当曲は戦闘曲とEDのみ。
      • アトリエシリーズで初代「マリー」から「ネルケ」に至るまでほとんどの作品に関わってきた阿知波大輔氏は、今作では不参加となった。
      • トトリ以降担当している柳川和樹氏は参加しているものの、イベント曲のみの担当。

評価点

  • キャラクター
    • 主人公ライザは快活で行動力の有る人物であり、物語を引っ張っていく強さが有る。
    • 友人のレント、タオ、クラウディアらも善良な性格をしており、ライザと良いチームを形成している。
    • ライザ達の師匠になる錬金術士のアンペル、リラの両名も、「ユーモアの有るオトナ」であり、好感度が高い。
    • サブキャラクターの中ではボオスが特に人気を獲得している。物語の中で大きく成長する彼を裏の主人公と評する声も。
      • 高い人気からか、続編でもプレイアブル化こそはしなかったが、メインキャラクター並の扱いを受けるなどかなり優遇されている。
    • 妙なキャラ付けがされていないという意味で常識人が多く、シナリオにおいての展開は非常に安定しているものの、この点は賛否がある。後述。
  • ジュブナイル風のシナリオ
    • 周囲に軽んじられている少年少女らが外部の人間との出会いをきっかけに成長し、大人達にも次第に認められていくという王道の物語であり、手堅い面白さが有る。
    • シナリオ全体は「少年少女達のひと夏の冒険譚」というようなニュアンスでコンパクトにまとまっており、「世界を救う」ほどではないという、アトリエシリーズらしい内容になっている。
    • これまでサブイベントや個別エンディング止まりになりがちだったサブキャラクターたちがガッツリメインシナリオに絡んでくるため、ひとつの群像劇としてのまとまりがある。
    • 従来ではある程度一般化していて理解があった錬金術が、本作の舞台では一般的ではないため「胡散臭い妖術」と認識されており、ある意味新鮮な雰囲気となっている。
  • 進化したグラフィック
    • 本作ではキャラのモデリング・背景ともにかなり向上しており、特に背景はフィリスのアトリエ等と比較して非常に美しくなっている。
  • 入り易さとやりこみ性を両立させた調合システム
    • 本作の調合は極めて複雑だが、自動で材料を選んでくれる機能が有るため、初心者でもとりあえずゲームを進めることが出来る。
    • 他方、最高のアイテムを作り出すには複雑な手順が要求され*5、過去シリーズには無い大仕事のやり込み要素となっている。
    • 特に「品質」に関しては最大999まで上げることができ、品質100と品質999では装備品の性能が数倍の差になるため、最強アイテム錬金にはまず最高品質の素材の錬金を行う必要がある。
    • クリアまでなら最高レベルの装備を錬金せずとも十分進めることが可能だが、クリア後の世界では敵の強さのインフレがすさまじい事になるため、「手間暇をかけて錬金した最強装備を使う場所がない」と言う事態にはならない。と言うより最強武器・最強防具・最強アクセサリ・最強アイテムで固めたパーティーですら戦略ミスで簡単に全滅しかねないボスや ザコ も待ち構えている。思う存分高火力をブチかますことができる。
  • 戦略性と爽快感の有るバトル
    • 本作の戦闘は自キャラのターンが来たら○ボタン(PS4の場合)を連打するだけでアクションゲームのように攻撃が出せるため、キャラごとにコマンド選択をするという煩わしさが無い。
    • パーティメンバーのロールの割り振りや、オーダーに応えられるアイテムの事前準備などは頭の使い所であり、戦略性が有る。
    • 敵の大技の前あるいはブレイク中にクイックアクションでスキルを使うと、パーティ全員の連携攻撃が発動する。ここでタイミングを合わせて敵をブレイクさせることが出来れば、敵の大技をキャンセルしつつ更に続けてタコ殴りにすることが出来るため、大きな爽快感が得られる。
  • 快適に整備された各種システム
    • ファストトラベルはほぼどこからでも利用可能で、一度訪れたエリアなら即座に行き来出来る。
    • 戦闘用のアイテムは使っても無くならないシステムになっており、「貴重な材料をふんだんに投じた自慢の調合アイテム」を気兼ねせず使いまくることが出来る。
    • ゲーム後半では調合品の複製が気軽に行えるようになり、高度な調合を行うための中間素材の確保が容易になっている。
  • BGMは全体的に良質
    • 「故郷の島」「果てしなく続く道」「かつての夢の集まる場」など印象深い曲も多数あり、曲の評価としては高め。
      • ただフルオーケストラの生演奏を多用しており、小編成の楽曲が多かった過去作との差が大きい点も含め、控えめな曲調で印象に残りづらいものも多い。

賛否両論点

  • キャラクター
    • 前述の通り、キャラクターとしての評価は高いものの、キャラ付け自体はかなり薄い。アクの強いキャラが多い『アトリエ』シリーズにおいては異端。
      • もちろんどのキャラも個性がないとまでは決して行かず、物語を動かすにおいて最低限のキャラ付けはされている。キャラゲーとしての性格が強かった近年のアトリエから脱却し、感情移入しやすい等身大のキャラによる群像劇という方向に転換するために意図的にこのような設定にしたものと思われる。
      • デザイン画がやさぐれているように見えるアンペルが今作の登場人物の中でも超が付く程のまともな常識人なのは逆に衝撃を覚えるだろう。
    • 特定のキャラの奇抜な行動に振り回されるといった、恒例のギャグイベントがほとんどなく、メインイベントもサブイベントもトラブルはあれど基本的には淡々と進む為、退屈に感じやすい。
  • 閉鎖的な島民の描写
    • 本作の舞台となるクーケン島はかなり閉鎖的な環境であり、未知の物に対しては拒否感が強い。島の権力者による島外との交易についてすら島外の物を招き入れる事に対して老人が強く否定する程。錬金術に対しても「わけのわからない呪い」として程度の差はあれ否定的な人ばかりである。
      • そうなるだけの理由はしっかりと作中で描写されており、その環境を良く思ってないライザ達によって意識改革は進む為、閉鎖的な島を舞台にした物語として評価する声もある。
      • 一方で、島外へ出て新しい事へと挑戦する主人公や仲間に対してやたら否定的な展開が多い為、うんざりする事も多い。特にレントとその親に関してはこういった閉鎖的な田舎の負の側面を思いっきり受けている。こういった展開を理解は出来てもやはり好きになれなかったという声も聞く。
  • バトルシステム
    • 今までにないリアルタイム制のバトルシステムとなった弊害か、練り切れておらず様々な問題点が見られる。後述。
    • 「マナケミア」から続くタイムカード制のバトルシステム=アトリエシリーズのバトルシステムという認識、さらに「リディスー」「ルルア」のバトルシステムの評価が非常に高いという点もあるが、単純に「『アトリエ』シリーズに合っていない」という声も多く、賛否が真っ二つに分かれてしまっている。
    • 「味方が勝手に動く」「味方が3人しか戦闘に参加出来ない」などの点も賛否が分かれやすい。
    • 「様々な行動で戦闘中にポーズをかけるorポーズがかかるため、そもそもリアルタイムである必要性がない」と言われる事も多い。
      • 新たに生まれた時間の概念も、今までではウェイトタイムなどで明確に表されており、実質的にやっている事は今までのアトリエと大差ないのに、思考する時間が少なくなったなどの意見も少なからず存在する。
    • 総じて、「リアルタイムバトルシステムでしか出来ない事」が今作のシステムには殆ど見られない事が、賛否が分かれる最大の要因となっていると思われる。
      • アイテムのコンバート、フェイタルストライクなどは明確にリアルタイムバトルシステムでしか出来ない事ではあり、今作のバトルシステムの都合上、通常攻撃を乱発するのでその分スピーディで爽快感のある戦闘にはなっており、一概に賛否どちらが正しいとは言えない。
    • 特に中盤以降、敵の攻撃が総じて強力なため、「ヒット数を上げブレイクさせてとにかく行動させない」という、攻撃は最大の防御を地で行く無双的なワンパターン戦法になりやすい。
  • 高画質故の限界
    • シリーズ自体がPCに展開してきていることもあり、画質のクオリティは現行ゲーミングPCや次世代機(PS5)のレベルを基準にしている様に見受けられる。
    • そのため、現行コンシューマ機のPS4版でも30fps動作であり、60fpsでプレイするならPC版を購入する必要がある。また、PC版でも60fps天井が設定されているため、GPUのグレードを上げても60fps張り付きにはならない。
    • PS4のGPUと同グレードのPCでFHD45~60fps程度の動作なので、proの4K出力も含めるとコンシューマ機での60fps対応は難しいことは推察できるが。
    • Switchでは、30fpsを維持するために画質面で妥協が大きい。動作に不具合があると言う様なレベルではなく、他機種と並べて比較すれば気になると言う程度ではあるが。
  • オープニングムービーが恒例のアニメではなく3Dになっている
    • 『メルル』で強く批判された点を再び行ってしまっている。
      • 特に昨今の『リディスー』『ネルケ』『ルルア』の3作はアニメOPの評価が非常に高かった事もあり、この批判は「メルル」よりも更に強くなってしまっている。
    • とはいえグラフィックのクオリティはそれを補って余りあるものではあるので、評価する声も有る。
  • 時間制限がない。
    • アトリエシリーズでは度々話題になる点だが、1作目から存在する「調合や移動にかかる日数も含めたマネージメント要素」「時間の流れに伴う細やかな人間描写」等を重視するプレイヤーからは不評。
    • 一方で1作目の時点で「時間制限を気にせずのんびり時間をかけて採取・調合を楽しみたい」という声もあり、本作でゆっくり、じっくりと調合や採取を楽しむことができるのを評価する声もやはりある。
      • この時間制限についてはシリーズでも継続してそういう要望がある為か、シリーズによって時間制限があったりなかったりする。
  • 戦闘の難易度が高め
    • 中盤で戦うボスが特に強敵で、詰まってしまうプレイヤーも現れた。
      • 一応明確な攻略法があり、そこに気付けば問題なく倒せるのだがシステムの難解さの都合上、気づかずに進めてしまうプレイヤーが続出した。
    • ラスボスに至ってはパーティ全員に大量の状態異常を付与してくる攻撃を行ってくる。
      • こちらもシリーズ経験者なら難なく突破出来るのだが、慣れていないプレイヤーにとっては非常に厳しいものとなっている。
    • ただし、金欠と縁遠い*6・時間制限なし・アイテム増殖や強化の縛りが緩い・消費制アイテムがなく、何回でも行使できるなどトライ&エラーしやすいシステムであるため、「目に見える色々な要素に興味を持つ」「とにかくあれこれ試す」「がむしゃらにやれるだけのことをやる」という、主人公のライザらしいスタイルで挑むのが適切といえる。
      • 時間制限がない事もあってこういったトライ&エラーを楽しめる人にとってはやりごたえのある難易度ともいえる。
    • アトリエシリーズは伝統的にレベルより装備の質の方が圧倒的に重要なバランスであることが多く、本作もその例に漏れず、そこを無視するとどれだけレベルを上げてもボスに全く太刀打ちできない。
      かと言ってその時点で作れる最高の装備を模索し始めるとどれだけ難易度を上げても攻撃連打だけでラスボスを殴り殺せるようなヌルゲーになる。これをアトリエらしいと受け取るかRPGとしてバランスが崩壊していると受け取るかはプレイヤー次第。
  • 町中のNPCについて
    • 町中にNPCは数多くいるのだが、あくまで背景、モブという事で会話できるのは一部のみ。大半はライザが当たるとすり抜けてしまい会話も出来ない。
      • しっかり判定があるゲームでは邪魔に感じる時もあるので動きやすさという面ではこの方が良いのだが、これでは幽霊みたいだと感じる人もいる。

問題点

ストーリー面

  • メインシナリオが短め。
    • クリア優先でほぼ真っ直ぐ進めれば20~30時間程度でクリア出来るくらいで、加えて本作は完全に一本道のシナリオで分岐エンディングも存在しない。
      • 本作単独で見れば探索や調合、レベル上げで時間を掛けつつ進めるシナリオとして全然ないわけではないし、前述のとおりシナリオ自体の評価は決して悪くはないのだが、シリーズ過去作でメインシナリオがもっと長かっただけにシリーズ経験者から特に指摘されている。
    • 年単位の冒険が通例となっているシリーズにおいて、「一夏の些細な大冒険」という要素を際立たせるために敢えてボリュームを少なくしたとも考えられるが、それならそれでサブイベントの充実が欲しかったところ。
    • それと合わせて、イベントスチルの数も過去作より少ない。
      • メインシナリオの要所要所に差し込まれる程度なので、メインシナリオの短さの影響を思いっきり受けている。
  • ゲーム的な事情もあるが一部シナリオにはツッコミどころが存在する。
    • 親に内緒で使われてない小舟を使って3人で島の外へ…まではともかく、その頻度が高く場合によっては家屋修繕用の素材まで持ち運びしているのに、それらへの言及はない。
    • ゲームを少し進めると島外の元廃屋がアトリエとなるのだが、以降はそちらで寝起きも可能になり、家へ戻る機会がほぼなくなる。
      • 初期のシナリオでは家業の農家を手伝わない事から手伝わないなら罰を与えると言われ渋々手伝う、といった場面もあるくらいにはかなり厳しく手伝わせようとする母だが、長期家を不在にして農作業も全くしていないのにその事への言及がない。以降も、錬金術のおかげで農家としても役立つ良い視点を持つようになったというような話と共にじゃあ手伝え、という流れになる等、農作業させる事を諦めているわけではない。
      • こうなった原因はゲームシステム上の日数の経過はあるが、シナリオでの日数経過がかなり曖昧なのも一因と思われる。シナリオの条件を満たすまではシステム上で何日経過させてもシナリオが進まない形式である為、実際のプレイ感覚とシナリオ上の時間経過のずれが感じられてしまう。かといって、実は毎日帰宅しており、怒られない程度には農作業を手伝っていると取れるような描写もない為、違和感は感じやすい。
    • いつもの事ではあるが、時間経過で朝昼夜と変わり、夜にはちゃんと暗くなるのだが、見た目だけ変わってシナリオに影響がない為、夜にイベントを進めると暗い時間に道端でこんな話をするのか?といったちぐはぐな描写になってしまう事もある*7。時間限定にすると不便になるのでこの方がプレイしていて楽なのは楽だが…。
    • ライザたちは当たり前のように島の外に出入りするようになるのだが、村の人間からは完全に黙認されてしまっている。最後まで相変わらず小舟で移動するのは前述の通りである*8。最初の島の外に出るか出ないかという話は一体なんだったのか。
  • ボイスが少ない
    • メインシナリオ以外は基本的にノーボイス。DLCの追加シナリオもボイスは一切ない。
      • これまでのアトリエシリーズではフルボイスがほぼ当たり前だっただけに、「アトリエシリーズの良さが失われた」と嘆くファンも少なくない。
  • フレーバーテキストの減少・不親切設計
    • 過去作のアイテム図鑑は主人公やパーティキャラがコメントする形式で書かれており、キャラの性格掘り下げやショートコントのようなものが有ったのだが、今作では廃止されてしまった。
    • 各マップのランドマークを全て発見することで指定したキャラのコメントが付記される「メモリーマップ」というシステムが追加されたが、指定したキャラ以外のコメントは見ることが出来ない*9
  • DLCについて
    • 1ヶ月ごとに追加要素が小出しで配信されるが、肝心の追加シナリオはノーボイスかつ、やや長めのアンペル・リラストーリーですら2時間もあればクリアできる分量しかない。追加シナリオ分だけでも全部買うとそれなりの額になるが、割に合わないとの声も。
    • ただし追加ダンジョンについてはザコ敵ですら裏ボスを倒したパーティでも苦戦しうるレベルである上、ボス戦では連戦を強いられるため、クリアにはかなりの困難が伴う。

バトル関連

  • 通常攻撃回数を増やすために毎回の戦闘で決まってまずタクティクスレベルを上げなければならないが、ここにはあまり戦略性が無く、単に面倒臭い要素になっている。
    • 強いて言えば、タクティクスレベルを上げるとAPが0になること、フェイタルドライブ(必殺技)を使用するとタクティクスレベルが1になることに起因するタイミングの調整か。
    • また、タクティクスレベル上げ、クイックアクションのストックなどに重要なため、APはなるべく蓄積した状態にして置くのが基本となっており、そのためAPを勝手にどんどん消費してしまうアグレッシブモードは使い所がわかりづらい。
      • タクティクスレベルが一定以上上がるとスキルに新たな効果が付与されるか、スキルの効果が強化されるため、タクティクスレベルをMAXにして潤沢なAPを確保してからアグレッシブモードにするとバフ・デバフ祭りとなりかなり戦闘を有利に進められる。特にアンペルのスロウは発動すれば非常に強力で、敵の行動を封じることができる。
  • リアルタイムでキャラごとにターンが回るため、クラウディアのようなモーションが長いキャラは1行動に余計に時間がかかる分、不利になっている。
  • 「逃げる」コマンドの存在に気付きにくい*10
    • 本作では、マップ上にLサイズモンスターと呼ばれる中ボスクラスのシンボルが配置されており、初見で突っ込むと返り討ちになることがある。味方のターンが来れば逃げるコマンドで確実に逃げられるのだが、それまでに逃げるコマンドに気がついていないと全滅するハメになる。
      • まぁ、全滅しても拾った素材の一部を失う以外デメリットもないので、そこまで困る事もないが。
  • アクションオーダーの問題
    • 操作キャラ以外からのアクションオーダーは、数パターンからのランダム指定で敵や手持ちのスキル・アイテムを考慮しない。例えばレント、タオと組んでライザを操作している場合、レントからライザ宛のオーダー数パターンの内1つとタオからライザ宛のオーダー数パターンの内1つがそれぞれランダムで発行される。
      • そのため「氷属性が効かない相手への氷属性攻撃」だの「強化アイテムを装備していないのに味方強化のオーダー」だの戦術的に意味の無いオーダーが連発される事もある。
      • 特に、主人公であるライザは錬金術師としてアイテムを使い分ける事を前提にオーダーが設定されており、本人のスキルは無属性攻撃魔法しか無いのに、オーダーでは各種属性攻撃と強化・弱体化を頻繁に出される。
      • ただ、前述の通りある程度パターンは決まっている為、現地で頻繁にパーティメンバーを変えるでもなければ一緒に組む二人のオーダーに合わせてアイテムを装備しておけばある程度の対応は可能。それでもやはり無効属性での攻撃オーダーの問題は残るが、オーダー成功できるだけマシではある。
    • 身も蓋もない言い方だがアクションオーダーの存在意義も微妙。最大ダメージの追求でもしない限りはオーダー達成をする事で戦局を左右するほどの効果があるわけでもないしピンチを回避できるわけでもない。戦闘が華々しくはなるだけで雑魚戦ではむしろテンポが悪くなるだけなのであえてオーダーを外してとっとと戦闘を終わらせる方がいい場合の方が多い。但し今作では操作できるのが1キャラのみなのでアクションオーダーを完全無視すると他のPTキャラのスキルシーンが見られないという寂しい戦闘シーンになってしまう。見栄えを重視するか効率を重視するかで使うかどうかを決めてもいい
  • フェイタルドライブの存在意義
    • 前述のとおりタクティクスレベルを5まで上げると必殺技であるフェイタルドライブが発動できるがその威力が微妙。最大ダメージ追求の戦略ややブレイク中にブレイク特化の装備で発動でもしない限りは攻撃1~2セット分や威力高めのアイテム程度の威力しかなく必殺技というには寂しすぎる。しかも発動すればタクティクスレベルがリセットされるので以降のダメージ効率が一気に落ち、発動するよりも大量のAPで攻撃継続する方がダメージを稼ぎやすく実質トドメ専用技となっている*11
  • CCとアイテムコンバートのシステムは戦闘に緊張感を与えることに貢献しているが、クイックアクションの行動選択画面でなんと時間が止まった状態でコンバートできる。
    • さすがにキャンセルすると元に戻る仕様になってはいるが、そのままスキルやアイテムを使用すればコンバートは有効になる。APが一定数あればクイックアクションは何回でもできるため、これを知っているのといないとでは戦闘の難易度が大きく変わってしまう。
  • 固定カメラの都合で味方や敵が何をしているかわかりにくいという声が多い。
    • 画面の情報量が多いのに映っている範囲が限られているのも問題。巨大な敵との戦闘において特に顕著にこの問題が生じる。
    • リアルタイムバトルシステムになった都合か、ダイナミックなカメラワークが高く評価された「リディスー」「ルルア」に比べるとやや物足りなく感じる場面が多い。
  • 昨今の作品においては比較的少なくなっていたホワイトアウトの乱用だが、今作で再び「フィリス」以前のように、事あるごとに戦闘中にカメラがホワイトアウトする演出が復活している。
    • 必殺技を使うたびにホワイトアウト ⇒ カメラリセット、戦闘終了もゆっくりホワイトアウト、などとにかく乱発され単純にクドい。
  • 戦闘のボタン配置がハードにかかわらず共通で固定されており、変更ができない。
    • PS4英語版およびSteam版のデフォルト設定では決定ボタン(×、A)が下、キャンセルボタン(○、B)が右で固定されており、よく使用する通常攻撃が決定ボタンではなくキャンセルボタンになっている。
      したがって、Xboxコントローラーで本作を遊んでいる場合「通常攻撃をしようとしてAを連打したら間違えて移動してしまう」「スキルやアイテムの選択画面からキャンセルを間違えて2回押してしまった結果通常攻撃に入ってしまう」といった事態が起こる。
    • Steam版は近年のPC移植に増えてきた「メニュー決定操作をA・Bボタンのどちらかにするかの選択」が実装されているため一応の解決は可能。

その他システム面

  • 一部システムの説明不足
    • システムの複雑さの割にマニュアルもチュートリアルも大雑把で不親切であり、特に調合システムは理解するのに時間と努力を要する。
      • 特に「レシピ変化」については、ゲーム内では「新しいアイテムを錬金できるようになります」程度の説明しかされず、実際に調合でレシピ変化させるとその時点で「調合を実行しますか?」と聞かれるため、それをキャンセルして調合を継続できることに気がつきにくい。
      • 実際はレシピ変化させるとアイテムの投入回数が回復する*12のに加え、変化前に解放したマテリアル環の効果が継続したままになり、さらにアイテムレベルは最終的に変化したアイテムの基礎値で錬金されるため、レシピ変化後のアイテムを直接作成するよりも強力で拡張性にも優れたアイテムを作成できる。
      • このように、本作の調合においてある意味最重要システムであるのに、それについてまったく説明がないのは、新規プレイヤーに対してはもちろん、上述の通り既存シリーズとは調合の仕様が大幅に異なるためシリーズプレイヤーに対しても不親切である。
  • パーティ編成が不自由
    • 戦闘パーティは最終的に仲間6人の中から3人で編成するのだが、キャラによって前衛・後衛という割当が決まっており、しかもパーティの入れ替えは前衛同士・後衛同士でしか出来ない。
      • 一旦メンバーを外してパーティを2人以下にすることでこの縛りを解除出来るのだが、これが気付きづらく、知らないでプレイすると「前衛3人中2人+後衛3人中1人という組み合わせしか出来ない」と勘違いさせられ易い。
      • 本作では全員前衛はもとより「全員後衛」のパーティでも、スキルで搦め手から攻めることで十分実用的に戦うことができるため、余計に最初は前衛後衛固定のUIになっているのが惜しいと言える。
  • 採取道具の使い分けが少々煩雑
    • 本作では同じ採取ポイントでも使う採取道具によって入手出来るアイテムが変化するのだが、最大6個の道具をいちいち手動で切り替えて使うため、少々面倒臭い。
      • 採取用アイテムの装備枠5つに対して装備可能なアイテム全15種あるが、内5種は2つの効果を備えた複合アイテム。つまり複合アイテムを作ってしまえば装備枠5つに全効果を乗せることが可能になるが、それを作るまではいくつかの取捨選択は必要になる。また、極一部だが複合アイテムでは採取不可能なアイテムもあるので、すべての複合アイテムを作った後でも使い分けが必要な場面もある。
    • また、この使い分けもあって、ある程度は採取場所の情報も自分で覚えておく必要がある。
      • 特に入手場所については図鑑を見れば採取可能な地名は確認できるものの、その地名の内のどのマップのどこに採取場所があるかは自分で覚えておかないと一通り回る事になりかなり手間がかかる。
      • どのアイテムを使えばいいかは図鑑を見るか、効果を付与した幻視ルーペ(及び複合アイテム)を装備していれば確認できるが、後者の手段はかなり高レベルの錬金が必要になるので、やはりこちらについてもある程度は覚えておく必要がある。
  • ファストトラベル関連
    • 本作には「クーケン島内の各所へのFT」と「周辺地域全域へのFT」とが有るのだが、全域FTが解禁されるまで若干時間が掛かる。
    • また、全域FTはどこからでも使えるが、クーケン島内のFTはその都度島内に点在する掲示板の前に行かないと利用出来ない。
    • 加えて、このある程度自由に行き来可能なFTがあるおかげでフィールドに配置されている「休憩ポイント」の存在意義が薄い。
      • 探索場所でHPのみ回復可能なのだが、一回アトリエに戻った後FTで帰ってくるのにそれほど時間がかからないので、ほとんどの場合において一度帰った方がCC回復やカゴを空に出来る分得なのである。敵が強すぎるエリアに入ってしまった時にもう少し探索したい場合や、大型ボスの手前で回復したり等有用な場面もないではないのだが、役立つ場面の方がレアである。
  • 調合でのおまかせ材料投入の落とし穴
    • 調合初心者向けに材料を自動で選択してくれる「おまかせ材料投入」があるのだが、高品質にするか低品質でもいいかの選択しかなく、深く考えずにいつまでもこのシステムに頼っていると一個しか持ってないアイテムや入手手段が面倒なレアアイテムも勝手に投入されて気づいたらなくなっていた、なんて事態にも陥る。
    • 基本的なアイテムの調合にもレア素材を使って高性能の基本アイテムを作れるようになっているのはこれはこれでいいシステムなのだが、結果的に、採取時についでに拾った雑多なアイテムで基本アイテムを作るのに使おうと思っても、おまかせには頼りづらい。
  • BGMに関する問題
    • 一新の意味もあってかシリーズ過去作で人気のBGMを作った作曲家が特に人気の高かったジャンル(柳川和樹氏の戦闘曲やフィールド曲)を担当していない点にはシリーズファンからは残念な声が聞かれた。
    • ボーカル曲もかなり少なく、全体的な収録曲数も歴代に比べると少なめ*13となっている。
    • バトルでは複数のキャラが同時に忙しなく動くため、ボイスとSEにBGMが掻き消されがちである。
  • その他細かい点
    • 夜間の戦闘中にキャラの目の色がおかしくなるなど、一部グラフィックの異常が有る。
    • キャラグラフィックが丁寧に作り込まれている反面、平面的なアニメ顔が若干浮いてしまっている。角度や光のあたり具合によって、「お面を貼り付けている」ように見えることも。
    • ショップの店員に話しかけた際、店員側の「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というリアクションが無い一方、「何が有るのかな」「また来ますね」とライザ側だけが話すため、人形相手に喋っているような違和感が有る。
    • Steam版をキーボードでプレイするとPCとの相性によっては移動中にロードが入るなど極端に動作が重くなることがある。 ゲームパッドを接続した状態で起動し、切断すると改善する。この問題は次作でも依然として残っている。

アップデートで改善された点

  • 一定の条件を満たすとハマりが発生する
    • 全滅すると数個の所持アイテムが消滅しアトリエに戻されるという仕様なのだが、このとき装備品と重要アイテム以外は全て失う可能性がある。
    • 問題はこのとき入手法がイベントしかないレシピブックを失うことがあり、これをロストすると詰み(事実上のゲームオーバー)になりかねないこと。
    • アップデートによりレシピは全て重要アイテム扱いになったため、この問題は発生しなくなった。

総評

常にマンネリ化に悩んできた『アトリエ』シリーズに新たな風を吹き込んだ意欲作である。
新システムにはシリーズ経験者でもすぐには把握し切れないような複雑な部分が有る。
だが、逆にシリーズ経験の蓄積があまり関係無いので、『アトリエ』シリーズ初挑戦にもお勧め出来る作品だと言えるだろう。
一方で少なからず問題点が存在し、やや短めのボリュームの割に高価な点は否めない。
シリーズにつき物のバグや強制終了なども相変わらず存在している点は注意が必要。


余談

  • 2023年3月19日に、本作のテレビアニメ化が発表された。2023年7月に放映開始され、全12話が放送された*14。アトリエシリーズのアニメ化としては『エスカ&ロジー』に続く2作目。
    • 内容は『1』をベースにしており、『2』『3』の内容は含まれていない。シリーズ構成・脚本も原作シナリオを手懸けた高橋弥七郎氏が手掛けている。
    • アニメ独自の描写として魔法が一切登場せず、これによりクラウディアが「2」より先に弓を使用している。

その後の展開

続編について

  • プロデューサーの細井氏はインタビュー記事の中で次回作について意欲的な態度を見せていたが、「ライザが次の主人公の師匠になることは無い」と明言している。
    • その後、2020年12月3日に続編『ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~』が発売された。
      • 結果として続編の主人公はライザ自身が続投することとなった。過去作主人公が続編にも登場する例は多かった*15が、携帯機のスピンオフを除けば主人公キャラが主人公として続投するのは『アトリエ』シリーズ初。
      • ただし、今作のシナリオを把握している事が大前提となっており、序盤から今作の用語やキャラ名、仕舞には今作のラスボスに関する単語まで登場するため、『ライザ2』のプレイの前に今作をプレイすることが推奨されている。
    • なお、2022年9月には3作目『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』が発表。対応機種はPS5/PS4/Switch/Winで、2023年3月23日に発売された。
  • 今作はストーリーにおいて作中で経過する時間が非常に短いため、歴代主人公と比べてライザの錬金術士としての成長速度が凄まじいことになっている。
    • 具体的に言うと、初めて錬金術の存在を知ってから古代の錬金術の秘儀ともいえる物を錬金するまで数ヶ月と言う早さである。作品内の錬金術師や別作品の主人公と比較しても、掘り出し物とか言うレベルではない逸材である。(ゲーム的な都合もあるだろうが)錬金術を知る前から戦闘で魔法連発とかしてるので魔術の知識はあったようだが。
  • 2019年では3つ目の『アトリエ』シリーズとなっており、納期を間に合わせるためにメインシナリオのボリュームが少なくなってしまったのではないか、と推測される事が多い。
    • 有料DLCなどで追加ストーリーが配信された事、そのDLCもボリュームが圧倒的に不足している事もこの批判を強めている。

コラボ

  • 歴史シミュレーションゲーム『三國志14』とのコラボが行われており、ライザを始めとした本作のキャラクターをおまけ武将として使用できる。
    • 強力な独自個性や固有戦法を持ち、能力値も高めと全員が優秀な武将として設定されている。 古代中国という舞台からは浮きまくっているが。 また、本作のファンに配慮してか、「処断することができず、寿命で死ぬこともない」という特殊な仕様の武将となっている。
    • 逆に言えばそれ以外の制限はないので、ライザたちが民からの略奪や都市への放火を提案・実行したり、文官や姫などの非戦闘員に一騎討ちを仕掛けて殺害など、キャラ的にも絵面的にも色々と酷いことができてしまう。
  • 『零 ~濡鴉ノ巫女~』リマスター版の早期購入特典としてライザの衣装が付属する。
  • 『BLUE REFLECTION TIE/帝』にコラボ衣装・DLCダンジョンが登場している。
最終更新:2023年09月18日 22:50

*1 現在のガストはコーエーテクモゲームスの社内開発部門兼ブランド名となっているためこの様に表記している。

*2 基本的には『FF』シリーズのATBに近いが、本作ではターンが同時に来た場合も順番待ちにならず、同時に複数のキャラが動くことが出来るためテンポが良い。

*3 AP上限と通常攻撃回数が増え、アイテムなどの演出と効果が増加する。

*4 ターン待ち時間を無視して操作キャラが即座にアイテムやスキルを使うことが出来る。

*5 単に最上級アイテムのレシピをそのまま使うのでは足りず、レシピ変化ツリーの一番下の最弱アイテムのレシピを選択して、事前に準備した大量の素材を組み込んで一度の調合中に連続的にレシピ変化させていく必要が有る。また、これまでは比較的簡単に作れた「蒸留水」に当たるアイテムが若干手間が必要になっている。

*6 金が潤沢に手に入るというより、参考書販売が少なく在庫の補充も遅め、武器防具の錬成強化もすべてアトリエで完結するなど金を使う場面がさほど多くない。

*7 周りが真っ暗な夜中なのに「昼間から飲んでいるのか?」と発言するなど明らかにおかしな場面が発生することもある。

*8 ゲーム上はマップで瞬間移動することが増えるのでプレイヤーが意識することは少ないだろうが

*9 一応、予めランドマークを発見した上でキャラを指定することですぐコメントを見ることが出来るので、そのデータのロードを繰り返せば全キャラのコメントを見ることが出来る。

*10 まず「移動」コマンドを選び、移動先の指定位置を最後尾にすることで「逃げる」コマンドに変化するという仕様になっている。

*11 あくまで攻略時の話でありダメージ追求のやり込み要素としては優秀。

*12 一定値まで回復ではなく残り回数に錬金レベルに応じた回数が加算されるため、高位レベルのアイテムを基礎レシピから調合すると最終的に50個近くのアイテムを投入することができる。

*13 これまではボーカルコレクションを含めてCD3~4枚が通例だが、今作は2枚のみ。

*14 1話のみ1時間のため実質13話構成。

*15 毎回舞台が変わった『イリス』シリーズやシリーズ最終作を除けば次回作で仲間にならないのはエリー・ユーディ・ヴェイン・アーシャの4名のみ。その内エリーとユーディに関しては時代背景的に登場が不可能なので実質2名のみ。