インディ500
【いんでぃふぁいぶはんどれっど】
| ジャンル | レース | 
| 対応機種 | アーケード(MODEL2B-CRX) | 
| 販売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 稼働開始日 | 1995年7月15日 | 
| プレイ人数 | 1人~8人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | セガ屈指の堅実な挙動 インディ500を再現
 良くも悪くも地味
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概要
セガがリリースした、アメリカ最大のモータースポーツイベント「インディ500」を題材にした公認レースゲーム。
実際にロゴマークごと「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」が収録されており、使用するマシンもインディカーとなっている。
基本的に『デイトナUSA』等をベースにしているが、それとは違って豪快なドリフトはできず、無茶な走行をしても大袈裟にスピンする事もない。
この為セガのレースゲームにしては素直で堅実な出来栄えとなっており、リアル寄りなレースゲームとしてしっかり楽しめる。
ゲームの流れ
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1.まずコインを入れると英文の注意書きが表示され、暫くするとコース選択になる。そこからコースを選択する。
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2.最後にシフトタイプを「AT」か「6MT」を選択しレース開始。ここでの操作次第で小ネタを披露する事ができ、更にある操作をすると…。
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3.完走出来ればそのままリザルトになるが、1位でゴールすればリザルトが終了した後にエンディング。
登場コース
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INDY 500
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アメリカに実在する「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」のオーバルをそのまま収録。
 
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HIGHLAND SPEEDWAY
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山中のサーキット。コースの形状や所々のギミックで「ラグナ・セカ」を意識した要素が散見され、雰囲気は抜群。勿論「コーススクリュー」を意識した「Hard Trance Screw」なるコーナーも登場する。
 
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BAYSIDE STREET
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海沿いの市街地の特設サーキット。直角コーナーが多く見通しも悪い。スリップストリームや進路妨害など、あらゆる手段を尽くして前に出ないと上位入賞は難しい。
 
評価点
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リアル寄りを目指したあまりマゾゲーになってしまいがちであったセガのレースゲームにしては、比較的素直な操作性となっている。
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先述の通りドリフトが使えない為、兎に角グリップ走法に徹して走行するスタイルではあるが、過剰な表現も無くその手のゲームとしてはリアルを十分模擬体験可能。時折クラッシュする車が出る等といったリアリティも再現されている。
 
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グラフィックも「MODEL2」のゲームにしては粗を感じさせず、しっかり作り込まれており及第点。上手く画質を利用しており見栄えも良好。
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味のある音源から奏でられるBGMも場の空気に合わせた曲調となっており、良曲との評価は多い。
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特にアドバタイズデモ時のBGMとそのフルバージョンである「HIGHLAND SPEEDWAY」のBGMは、とてもアツくなれるギターサウンドもあって屈指の高評価。
 
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今作でもピットインの概念がある。タイヤの磨耗でグリップが落ちる等といった現象も体感可能なレベルで再現されており、特にLONG設定にしている場合はどの周回数でピットインするかを戦略に組み込む必要がある。ピットインしなくても完走自体は可能だが、操作は難しくなってしまう。
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小ネタや隠しコマンドも複数用意されている。
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シフト選択画面でブレーキを踏むと、トラックから降ろされようとしているインディカーがまたトラックに収納される。ブレーキを離すとまた降ろされる。
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クレジット投入後、ズームインボタンを押しながらスタートボタンを押してゲームを始めるとミラーモードになる。
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シフト選択画面でブレーキを踏み、更にその状態でズームアウトボタンを押しながらスタートボタンで決定し、次の画面になるまで踏んだまま&押したままの状態を維持すると、自車をペースカーにすることも可能。
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他に自車以外が別車になる等もあるが、残念ながら詳細不明。
 
問題点
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厳しめの難易度。
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上位のライバルカーはセガ制レースゲームのお約束とでもいうべきか相当に速く、テクニックを駆使しないと上位を狙うのは無理に近い。特に1位を目指すのであればスリップストリームの活用は必須である。もう少し簡単にしても良かったのではないだろうか。更には制限時間も結構厳しめである。
 
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最速タイムのランキングがあるのに、何故かタイムアタックが無い。タイムアタックで遊びたいなら他車を避けつつ好タイムを狙う必要がある。
総評
「ドリフトしてナンボ」な風潮が激しかった当時のレースゲーム界ではやはりその肩身は狭かったらしく、人気と言える程ユーザーに受け入れられる事は無かった。
そのせいか多くの筐体が同社の『セガツーリングカーチャンピオンシップ』にコンバージョンされてしまい、市場からひっそりと消えてしまった不遇の作品。
しかもそのコンバージョンされた筐体も、一部は更に同社の『ルマン24』にコンバージョンされてしまう等踏んだり蹴ったりである。
それでもゲームの出来自体は地味ながらしっかり作られており、遊ばないまま放っておくのは実に勿体無い。
リアル寄りの挙動で遊べるレースゲームに興味を持っているのならば、是非一度触れてみてはいかがだろうか。
余談
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家庭版はセガサターンに移植される予定があったが、立ち消えになってしまった。色々と不遇なのは間違い無い。
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北米ではTiger Electronicsから携帯型ゲーム機『R-Zone』と『game.com』向けの移植版がリリースされている。
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サウンドトラックも発売されていない。初級コースのBGMが2001年発売の「セガコン ~THE BEST OF SEGA GAME MUSIC~ VOL.1」に収録されたのみである。格好いいBGM揃いなのに勿体無い。
 
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筐体はジャレコの『オーバーレブ』『Super GT 24H』にもコンバージョン可能となっている。使用基板は前者はアップグレード版の「MODEL2C-CRX」、後者は「MODEL2B-CRX」を採用している。
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しかし、残念ながら両者とも評価はクソゲー寄りとなっている。
 
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「インディ500」の公認を得た他のレースゲームに、1997年に発売されたトミーの同名レースゲームがある。
最終更新:2025年09月08日 06:07