俺の妹がこんなに可愛いわけがない。HappyenD
【おれのいもうとがこんなにかわいいわけがない はっぴーえんど】
| ジャンル | 思い出作り奮闘Liveシミュレーション (アドベンチャー/シミュレーション)
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| 対応機種 | プレイステーション3 | 
| メディア | BD-ROM 1枚/ダウンロードソフト | 
| 発売元 | バンダイナムコゲームス | 
| 開発元 | ガイズウェア | 
| 発売日 | 2013年9月26日 | 
| 定価 | 通常版/ダウンロード版:7,480円 限定版:10,980円(税5%込)
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| プレイ人数 | 1人 |  
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| セーブデータ | 5個(ヒロイン1人につき1個) | 
| レーティング | CERO:C(15才以上対象) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | シナリオ、シミュレーションともに手抜き ファンアイテムとして見ても残念
 (悪い意味で)色々おかしいアイドル生活
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| 電撃文庫シリーズリンク | 
 
概要
俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルの流れを組むバンナムによる俺妹のゲーム作品。プラットフォームがPSPからPS3へ変更されている。
ひょんなことからアイドルオーディションを受けて合格した妹・桐乃や周囲の友達ヒロインを、主人公の京介がマネージャーになりプロデュースする。
前2作の出来が良く高評価を受けたことから、本作にも期待が寄せられていたのだが…。
ゲームシステム
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SNS
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ヒロイン育成は主にここで行うことになる。ヒロインは固有の3つのパラメータを持っており、この合計とフォロワー数を総合評価してアイドルレベルが上昇する仕組み。
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1週間でヒロインはSNSで4つほど発言を行うので、マネージャーである主人公はどれかを読み、さまざまな反応をする又は写真撮影をすることになる。
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選択肢の結果に応じてヒロインのパラメータ属性が変動していく。最も高いパラメータ属性がシナリオ分岐の鍵になる。
 
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基本的にどれかの発言を捌くことで日にちが進むというシステム。全体的な期間は8月から1月までの6ヶ月間。
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シナリオで上昇させたアイドルとしてのレベルは、周回プレイをすることで引継ぎ可能。
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攻略とは関係ないが、本ラノベのサブキャラがSNSにコメントを入れることがある。
 
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撮影モード
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カメラは十字キーで「寄り引き・回転」、スティックで「カメラ移動」、○ボタンで「カメラ目線要求」といった操作がある。
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制限時間がくるか特定枚数を撮影することで撮影パートは終了となる。
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撮影者のテクニックを底上げするスキルの使用や装備が可能。
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良いできの写真をブログにアップするとフォロワー数が増加する。
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クリティカルショットを3つ以上撮ると場の雰囲気が高まる。逆に恥ずかしいNGショットを3つ撮ってしまうと、ヒロインのモチベーションを壊してしまい撮影モードが中断されてしまう。
 
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その他オプション
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既読のテキストのスキップ、文字表示速度の調節、カメラのリバーシブル操作の切り替えが可能。
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バックログ機能は存在し、ボイスが当てられているところではボイス再生機能もある。
 
問題点
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ひたすら単調なシステム群
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分量自体は少ないとも言い切れない部類ではあるが、選択肢は殆どすべてが無声のSNSで繰り広げられるため、ヒロインの反応を楽しみにくい。ゲームの6割はボイス無しといっても過言ではない。またこのSNSの文字が妙に小さく、表示環境によっては字が潰れて読めないこともある。
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攻略ヒロインが5人(桐乃、黒猫、あやせ、加奈子、麻奈実)に減少。
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5人だと一般的なADVではとりわけ少ないという部類でもないのだが、前作で攻略できた沙織・バジーナと赤城瀬菜が除外されている。アイドルというコンセプトに合わなかったという理由で除外したというなら当然麻奈実も該当するので違和感がある。
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一応、沙織はマネジメントの指南役として登場はする。
 
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シナリオ構成の薄さ・不親切さ
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作れるセーブデータが各ヒロインルートにつきたったの1つだけ。セーブ自体も(セーブの機会が非常に少ないわけではないが)チェックポイントに到達しないと行えないので中断が困難。さらには撮影パートをスキップする機能はないのでルートのやり直しの際に煩わしい。
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エンディングもヒロインごとTRUEからGOODまで6つ(計30つ)用意されているが、移行するための選択肢もやや分かりにくい。シナリオに山場は存在するにはするが、そこに至るまでが体感的に長い。
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また、EDに至るまでに繰り広げられる会話に俺妹らしさはあるものの、芸能関連に話題が固定されがちなためか様々な起伏やロケーションに富んだPSPに対してひたすら平凡。繰り返すが大半のシーンにボイスはあてられていない。
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バックグラウンドを彩るその他登場人物は登場するがその絡みは圧倒的に減少している。時期的にはアニメ2期終盤あたりの設定で話が進むが、このゲーム内容と脇役薄という状況にかみ合っていない。
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ロード時間と頻度がやたらと高く、ゲーム時間の1割はこれにもっていかれると言っても過言ではない。内容自体にロードが必要となる要素はあまり見当たらないのだが…。
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さらに連射撮影することでフリーズバグが発生することも報告されている。
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圧倒的な作業に対してイベントCGも30枚ほどとやたらと少ない。
 
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こんな過酷な環境の中、アイドルレベルを高くする、全EDを見る、カメラスキルを揃える、といった網羅プレイがトロフィーの開放条件になっていたりする。最早苦行の域。
 
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撮影パートの必要性の薄さ
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プレイヤーのカメラアングルによってリアクションはしてくれるのだが、カメラアングルも決して広くはない。ヒロインの衣装やポーズ、背景のバリエーションがやたらと少なく1ルートで事前に撮ったような写真を何度も撮らされてしまうこともありうる。
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それだけでなく、ヒロインの間で同じポーズをするといったモーションの使い回しも見られる。
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そもそも顔さえ入っていれば高評価を出せてしまうので、写真撮影シミュレーションとしても面白みがない。
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それでいて、アングルが狭くNGショットによる制限もついているため、そっち方面の写真を撮るという楽しみ方も出来ない。
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ゲームの本場を楽しみたいなら確実に周回プレイをすることになるのだが、一度通過している写真撮影シーンをスキップできない。
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ゲーム攻略上の都合のためだと考えられるが、主人公の持つカメラは写真を20枚しか記憶できない(一応、PS3本体のHDDメモリに容量が許す限り保存は可能)。
 
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アイドル育成シミュレーションとしての薄さ
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もともと、素人である京介にマネージャーをさせているのでこうならざるを得なかったとはいえるが、それにしてももう少しやりようがあった筈である。
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このテのゲームでは定番となっている歌唱力や体力、ダンスなどの要素を鍛えるのでもなく、言ってしまえばひたすらヒロインたちの写真撮影とご機嫌取りをすることでアイドルとしてのパラメータが変動するという、面白味のないシミュレーションとして仕上がってしまっている。
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『アイマス』を冒頭で登場させるなど、「意識している」のは伝わっているが本場のアイマスにも至らない点が多い。
 
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主人公とヒロインの立場関係
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あらすじや設定からすでに色々とブッ飛んでいるが、それを考慮しても主人公である京介はあくまでマネージャーでヒロインはアイドルという関係なのにもかかわらず、彼女たちと普通にデートができてしまうのは芸能界での影響を考えるとかなり問題である。
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何よりヒロインたちが所属することになる芸能会社は、素人上がりとはいえ抱えるヒロインのマネジメントを一般人に殆ど丸投げしている。一般人にアイドルのマネジメントをさせるなどリスクを考えれば冗談であっても発想すらしないもので、無責任もいいところである。
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現実のアイドル事情に忠実に…とまでとはいかずとも、少なくとも製作陣は一般人が抱くアイドル像を履き違えているのではないだろうか?少なくともこの辺は、たとえフィクションであってもある程度現実に忠実にするべき箇所である。
 
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DLCのコスパが悪すぎる
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バンナムゲーの恒例となってしまっているが、10分で終了できる短シナリオ5本と追加コスチューム・アクセサリを全キャラに着せられるという特典がある。
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この価格が1,000円と割高。しかも短シナリオに至ってはコスチューム・アクセサリと異なりヒロインに対して均等に用意されていないので、揃えるには5回分(=5,000円)支払う必要がある。
 
賛否両論点
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ポリゴンモデルの変更
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これに関しては前作の使いまわしではなく、いろいろな角度からも眺められるようになっている。
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キャラモーションは良いのだが、ややバリエーションが少ないかもしれない。
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前作のキャラの顔は全体的に横に広がっておりのっぺりとして印象を受けていたが、近作はそれなりに丸顔に近づいてはいる。
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しかしまつげのラインが変に太いのでジト目をさせるとややマヌケに映る。また驚いてこちらを覗き込むモーションの際、瞳孔が小さくなったりはしないためただ寄り目をしているようにしか見えない。
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あやせは目のパーツが立ち絵と比較して中心により過ぎているので、人によっては別人な印象を受ける。
 
 
評価点
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OPアニメは(一部アニメの使いまわしでもあるが)良くできている。しかし、本作であまり活躍できない赤城瀬菜をはじめとしそのほかのキャラも登場してしまうので、ゲーム内容を盛っているともいえる。
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シナリオの分岐自体は豊富。SNSをゲームシステムに取り入れているのは他ゲームではなかなか見られない特徴。上記の無声や山場に至るまでの冗長さといった問題点もあるが、シナリオの土台から崩壊しているわけでもなくキャラたちの会話劇はそれなりに楽しめる。
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SNSや写真撮影などの新システムは意欲的に取り組んでいるので、前2作に対して完全なる劣化とはいえない、かもしれない。
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ヒロインのポリゴンモデルにポーズを取らせて撮影できるというのは前2作にはない長所ではある。
総評
個別で見れば我慢できなくもない問題点を、全方面にて手堅く揃えてしまっているというタイプのクソゲー。
とにかくゲーム性が単調であるが、それならまだしもADVとしてもロード・ノーボイス地獄につき合わされ、アイドル育成シミュレーションとしても大半は一般人が素人アイドルと他愛ない会話をする程度であり、何もかもが中途半端・手抜きな本作は前2作からの継続プレイヤーの期待をどん底に叩き落したことだろう。
SNSシステムやキャラモーションは前作に対して辛うじて胸を張れる評価点ではあるが、それを踏まえてもよほどキャラが好きで彼女らが動いているところを見たい等の理由がなければ、購入はあまりお勧めできない。
余談
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本作のDL版及びDLCの配信は既に終了している。
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上記の通り『アイマス』シリーズを意識した箇所がある作品だが、2024年の『学園アイドルマスター』において原作者の伏見つかさ氏がシナリオチームの1人として関わることとなった。
最終更新:2025年01月20日 20:07