【あいどるますたー】
ジャンル | アイドルプロデュース体験ゲーム | ![]() |
対応機種 | アーケード | |
販売元 | ナムコ | |
開発元 | メトロ | |
稼働開始日 | 2005年7月26日 | |
稼働終了日 | 2010年8月31日 | |
プレイ料金 |
1クレジット200円 3クレジット500円 磁気カード(必須)1枚200円 |
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判定 | 良作 | |
アイドルマスターシリーズ |
ナムコによるアイドル育成シミュレーションゲームで、アーケードゲームとしてリリースされた。ギャルゲーとしての魅力を備えていると同時に、ネットワーク通信を用いた対人対戦にも重点が置かれている。
同社開発の「Rewritable Stage」筐体を用いたアーケードゲームの第二弾(*1)で、当時としては珍しいプレイデータを記録して続きを遊べるというコンセプトのゲームであり、それ以外にも様々な新機軸が盛り込まれていた。
+ | 個性的なアイドル候補生達。 |
インカムが芳しくなかったことから分かるとおり、アーケードゲームとしては取っつきが非常に悪かった。
特に難易度に関しては、一部の広告媒体で売り文句にされていた「サバイバル」という単語に違わぬ極端な高難度であった。
以上の問題から、人間同士の駆け引きを存分に楽しめる程度の強さを持つアイドルユニットを育てるためには、長期間のやりこみプレイと、合計総額1万円ほど(*31)のプレイ料金、そしてアイドルたちの個性をよく理解してやる愛情が必要となる。 そこまでしてなお、たった一度の敗北のために育て上げたユニットが事実上の再起不能に追いやられることもあるのだ。対人戦を行うために育て上げたユニットが、下手すると一度しか使えない。あまりにも過酷すぎる世界である(*32)。 そのため、バージョンアップのたびに少しずつ難易度が緩和されていくという、アーケードゲームでは希有な経歴を持っている。もしロケテバージョンのままの難易度を最後まで貫いていたなら、評価は今とは違っていた可能性すらあるだろう。
最終バージョンの1.3では以下の緩和が行われた。
アーケードゲームにギャルゲーの文法を持ち込んだこと、当時一般に大きく普及していた携帯電話サービスとの連動、大型モニター筐体(ライブタワー)を用いた芸能番組さながらのライブ演出など、野心的な仕様を取り込んでいた点が多くあり、ゲーム史の中でも異彩を放つ作品である。
ギャルゲーといっても会話イベントに相当するコミュニケーションは一周目のプレイではすべてを見ることができず、オーディションの展開もマッチング相手によって異なるため、メール連動とも相まって「プロデューサーとアイドルとの二人三脚感」を演出し、アイドルが実在するかのような感覚を生み出すことに成功していた。万人に勧められるゲームではないものの、数々のエポックメイキングな仕様はゲーム史においても貴重な一作といえる。
+ | しかしこれが物議を醸す事となる。 |
ジャンル | 育成シミュレーション | ![]() |
対応機種 | Xbox 360 | |
メディア | DVD-ROM 1枚 | |
発売・開発元 | バンダイナムコゲームス | |
発売日 | 2007年1月25日 | |
定価 | 限定版:20,790円 / 通常版:7,140円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ |
セーブ用:4.7MB 推奨HDD空き容量:6G以上(4.69G以上必須) |
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通信機能 | Xbox LIVE対応 | |
レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
コンテンツアイコン | セクシャル | |
廉価版 |
プラチナコレクション 2007年11月1日/2,940円 同・ゲームオンデマンド 2009年8月11日/2,000マイクロソフトポイント (2010年7月7日より1,760ポイントに改定) ツインズ(『ライブフォーユー!』とのセット) 2009年3月12日/5,040円 |
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判定 | 良作 |
新キャラ「星井美希」の追加、ハードウェアの性能向上に応じたキャラモデリング改善、難易度の更なる下方修正、そして新曲6曲追加などのさまざまな変更・改善が加えられた移植版。
+ | 新アイドル候補生。 |
+ | ネタバレ。 |
「360」というマイナーなハードでありながらもアーケード版の良い所を伸ばし、新キャラ・新曲の追加などあらゆる面でパワーアップした良作である。
『LIVE FOR YOU!』と共に「シリーズ最高傑作」「原点にして頂点」の呼び声も高く、一部の古参Pから「『アイマス』はこの頃が一番良かった」と回顧されることも多い。
アーケード版と共に『アイドルマスター』という作品がどのようにして広まっていったのかが分かる重要な一作であるといえるだろう。
*1 第一弾は『ドラゴンクロニクル』、第三弾・最終作は『みんなで鍛える全脳トレーニング』。ゲームデータは専用磁気カード(有料)に記録される。またカードの表面に文字やCGを単色印字でき、さらにそれを書き換える機能を取り入れたのが同筐体の特徴である。このこともあって、新規カードの発行・販売機能も内蔵されている。
*2 なお、アイマスシリーズにおける「プロデューサー」とは、「作品制作の最高責任者」という本来の意味ではなく、「ある特定のアイドル等をスケジュール管理したり活動方針の指標を決める人」と言ったマネージャーに近い役割を担っている。実は開発初期は本当に「マネージャー」とする予定だったが途中でプロデューサーに変更となり、一部音声の撮り直しもやったそうである。
*3 双子の亜美と真美は二人一役でアイドル活動を行うため、ゲーム上では実質9人。
*4 最初期の作品だからか、アケマス特有の個性も見受けられる。例を挙げると、「亜美・真美の趣味はゲームボーイアドバンス」「千早とあずさの髪色は黒」「律子は実在の企業『秋月電子通商』を応援している」など。一応律子が工作や発明が得意という描写が残ってたり、千早とあずさは後発作でも「ゲーム・アニメの表現として色味がかるようになっただけで設定上は黒髪」という説もあるが。
*5 1人でユニットを名乗るのもおかしな話だが、ゲーム上は「ソロユニット」と呼称される。なお一周目のプレイではソロしか選択できず、デュオ・トリオのユニット結成は周回プレイでプロデューサーランクが上がった際に可能となる。
*6 正確には「イメージレベル」。アイドル自身が発揮する能力に加えて、世間からの人気ぶりも加味した包括的な概念を数値化したパラメータ。
*7 アイマス世界に於けるビジュアル=Vi値とは単に容姿が美しいだけでなく、それをより良く魅せる表現力なども含めた概念らしい。例えば最大のバスt……美しいプロポーションを持つあずささんのVi値が、上位陣ではあるがトップではないのはこのためと推測されている。この事情を知らず首を傾げたあずさPもいるとかいないとか。
*8 複数のユニットが単一属性を同時に押すと審査員の興味減衰が激しくなるという仕組みも含まれるが、自分以外のユニットが実際にどの属性を撃っているのか直接確認する術はない。逆説的に、やたら興味減少が激しい審査員がいた場合、相手ユニット達はみなその属性をメインにアピールしているのでは?というような推理・情報戦もオーディションの駆け引き要素であった。
*9 一部のファンが、それを逆手にとって「黒春香」「春閣下」等と呼ばれる声優ネタ込みの別人格を捏造したところ、妙に人気が出てしまったという逸話がある。当然、目くじら立てるものもいなくはないのでこのネタは取り扱い注意。
*10 一例:朝の挨拶失敗でテンション低下→衣服変更でテンション低下→低テンションのせいでオーディション敗北→翌日ドタキャン
*11 大きな和風のお屋敷に住み、多くの「お弟子さん」がいるらしいのだが…。そう言った事もあって「ヤクザではないか?」という説もあったが、のちの『2』内で雪歩自身がほぼ否定した。現在は建設業という説が有力であり(穴掘り癖もその影響と解釈できる)、実際公式は雪歩に関して建設業を髣髴とさせる歌やDLCを公開している。ちなみに後の『シンデレラガールズ』にて本当にヤクザ出身(としか思えない)アイドルが出てしまうが、それはまた別の話である。
*12 テンションが低い時にまれに発生する、朝アイドルが事務所に現れず1週無駄になる上にパラメータやファン数が減少するアクシデント。これで減ったファンは取り戻せるが、下がったパラメータは取り戻すことができない。
*13 弟が3人、妹が1人いる。
*14 後述の「コミュ」でも頻繁に片手を差し出してくる。
*15 強すぎると判断されたためか、Xbox360版では美希と並んで放置時のテンション低下が最も大きくなっている。例えばコミュニケーションで相手に選ばなかっただけでテンションがゲージの1/2本分下がってしまう。
*16 但しコネの力を使ったのはプロダクションに入るまで。それ以降はちゃんとPと一緒に努力を重ねていく。
*17 3人とも、テンション管理こそ難しいが高いキャラ性能を持ち、対人オーディションで無敵を誇ったことからこのあだ名が付いた。ただし3人とも早熟型で、総プロデュース期間の半分である30週目を過ぎたあたりで減衰が始まるため、無敵ぶりを発揮できるピーク期間は短い。
*18 アーケードでは亜美が姉、真美が妹。Xbox360では真美が姉、亜美が妹。定着したのは後者。
*19 初期ステータスが低いためにオーディションでの勝利が難しい超上級者向けのユニット。ただし3人とも晩成型で能力減衰の影響が小さく、加えてやよいと亜美のテンション管理は比較的楽で、雪歩もサブならば放置耐性が高くテンションを管理しやすいので、ステータスを充分に育てあげて後半まで持っていければ無敵艦隊をも超えられる可能性が出る。
*20 ただし、育成が不十分であればせっかくの檜舞台で歌詞忘れや転倒などのアクシデントを起こす場合もある。
*21 もっとも、ナムコは以前より『ダンシングアイ』『ゆめりあ』などの作品でアニメ調の3Dグラフィック技術を蓄積しており、本作はその成果であるとも言える。
*22 特に亜美真美からの間違いメールにはビビること請け合いだった。
*23 ただし、同プロデューサーにおいて、同一アイドルを同時に別のユニットに加えることはできない。
*24 ただし、お別れコンサートにはある仕掛けが施されており、その情報を得ているかどうかではっきりと明暗が分かれる。ある意味、少し感動的とも言える展開となる。
*25 これは本作だけでなく、『ダービーオーナーズクラブ』や同じナムコの前作『ドラゴンクロニクル』など、数多くの育成型対人アーケードゲームで採用されている仕様である。
*26 「ハイスコアランキングでは名前を見るのに、誰も対戦したことがない幻のプレイヤー」の意味。
*27 ロケテスト時はサービスクレジットがなかったため、600円でカード2枚と1週目、+400円で作曲家挨拶とチュートリアルオーディションで計1000円かかった。
*28 「休み」とは、本来は一週間分の活動期間を犠牲にしてテンションを大幅に回復させるコマンドだが、これを選択するとクレジットは消費されず、週が一つ進むことになる。
*29 一応、数度は負けても不可能ではない。
*30 会話パートの成績に応じて、オーディションでの特別なアピール1回につき1つ消費される「思い出」が手に入っていた。
*31 出荷時標準である1プレイ200円設定の場合。
*32 この過酷さの例えとして「''お互いの万札を破りあうゲーム''」などと揶揄されることもあった。
*33 通称Zエンド。製品版の最低ランクである「F」を遥かに超え、リザルト画面でも「Z」と表示されることから。
*34 ちなみにこの「世界観の後付けリンク」はディグダグ・バラデューク→ミスタードリラーといったUGSFシリーズを代表として、80年代末期のナムコで頻発されていた。中には当時のキャラクターの設定を変更するようなものもあり、当時の作品のファンには快く思わない人も多い。
*35 公式サイトでは“ゼノグラシア=妖精”と注釈されており、古里尚丈プロデューサーは「妖精や精霊または超自然的な存在の言葉を理解する巫女を指すもの」と言っている。
*36 同じバンダイナムコグループで展開されていた『舞-HiME』シリーズの世界観に基づいた物語にアイマスキャラが役者として参加している、というコンセプトであったとのことで、同シリーズの過去の製作陣が引き続き『ゼノグラシア』にも関わっている。
*37 かつての『ゼノグラシア』に向けられたエアプ批判の激しさを知らず、数ある「アイマス歴史ネタ」のひとつとして受け取っている若いPの増加など。
*38 後年の殆どの資料ではオリジナルアイドル3人はその存在に言及されておらず、アイドルマスター公式ウェブサイトのアイドル名鑑にも登録されていない。
*39 のちの『アイドルマスターSP』では美希曰く「(美希の学校では)校則とか自由」らしい。
*40 AC版では死活問題であった「千早スパイラル」も、360版では容易に立て直しが可能である。
*41 「通算100勝」は実績に存在するが、オフライン用のオーディションも含めての通算勝利数が対象である。
*42 オンライン状態であってもオフ扱いになり、他のプレイヤーとエントリーが重なる事はない
*43 オンラインマッチングのための待ち時間が、その必要のないオフラインプレイでも発生してしまう。
*44 Sランクの前提である「SUPER IDOLでの勝利」は実績として用意されている。
*45 『シンデレラガールズ』のメアリー・コクランもプロデューサーを常に「ダーリン」と呼ぶ。
*46 360版発売当時はAKB48もまだ無かった為へたをすれば三次元にまで影響を与えた可能性すらある。
*47 アイドル1人につき100MSP。全員分では標準価格で約1,500円相当。アケ版でもメールをもらうには月315円必要だが、360版はリアルメールの来るアケ版と違いゲーム内のメールが来るものである
*48 作品の顔を担うユニット枠の俗称。いわゆる御三家。