Mass Effect

【ます えふぇくと】

ジャンル アクションRPG

対応機種 Windows XP~
Xbox 360
発売元 【Win】エレクトロニック・アーツ
【360】マイクロソフト
開発元 BioWare
Demiurge Studios
発売日 【Win】2008年5月28日
【360】2009年5月21日
価格 【360】7,140円(5%税込)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
配信 【Win】Origin/1,404円
【360】ゲームオンデマンド/3,024円
備考 Win版は英語版のみ
判定 良作


概要

カナダのデベロッパーであるBioWareが開発したSFアクションRPG。E3 2007ゲーム大賞において、最優秀RPG賞を獲得した。
広大な宇宙を股にかけ、様々な種族の仲間たちと共に銀河の滅亡を阻止するスタートレックを彷彿とさせる壮大なスペースオペラである。


ストーリー

2183年、超光速航行技術「マスエフェクト」を開発し、宇宙へと進出した人類は様々な異星人の連合組織「シタデル」を中心に繁栄していた。

連合軍に所属するシェパード少佐は昇任試験の一環として最新鋭の宇宙船「ノルマンディー号」に乗り、古代宇宙文明の遺産である「ビーコン」の回収任務が命じられる。
しかし、調査をしていたシェパードの脳裏にビーコンから発せられたビジョンが現れ、ビーコンは自爆してしまう。

シタデル評議会へと事の顛末を報告したシェパードは、銀河の存亡を賭けた機械生命体ゲスとの戦いに巻き込まれていく…。


特徴

  • 基本はサード・パーソンビュー方式で、武器を取り出すと戦闘態勢となる。
    • 右スティックでエイムして撃ち合うのが戦闘の基本。後述のタレントで習得したアビリティを魔法のように使うことも出来る。
      • なお、本作ではヘッドショット判定は存在しないため一般的なTPSより難易度は低め。
      • ちなみに、登場する武器は全てチャージ式であるため、本作にはリロードの概念が無い*1
    • 戦闘メンバーとして仲間の中から2人を選抜して連れていくことが出来、彼らはAIで自動的に戦うが、こちらからある程度指示する事が出来る。
    • 仲間のレベルはシェパードのレベルに連動している。
  • レベルが上がるとタレントポイントを獲得でき、好きなタレントに割り振ることでアビリティを習得できる。
    • 仲間にも同様に割り振っていく必要がある。習得できるタレントはシェパードのクラスや仲間キャラによって異なる。
  • 装備品にはパーツを装着することでアップグレードが可能。
    • 防具なら耐性を付けたり、武器なら弾を変更してスリップダメージを与えるように出来るなど。
  • 宝箱にあたるコンテナなどを開く際はハッキングのミニゲームを行う。
    • 指示されたボタンを素早く押していくゲームで、高レベルのロックほど押す回数が増えたり制限時間が短くなり難易度が上がる。
    • 特定のアビリティを習得すると難易度を下げることが出来る。
  • 続編に行動の結果が受け継がれ、『2』『3』の展開に大きく影響する。
    • 発売時から『2』以降への引継ぎが明言されており、本作での選択の結果が『2』『3』へと受け継がれる。
    • クエストの解決方法、種族の存続や和解、仲間の生死等が全て引き継がれ、ストーリーは勿論異星人たちの地球人に対する印象すらも変わり、イベントに影響する。
    • 周回プレイで何パターンもの選択を取ってきた場合、『2』の序盤でそれらのどれを選んだことにするか決めるイベントがある。
    • なお、データを引き継がずに『2』以降をプレイする場合、常に攻撃的に振舞い、殺せるものは殺し、見捨てられるものは見捨ててと全てにおいて最悪の選択を取ってきた扱いになる。

評価点

  • 広大な宇宙探査と膨大な設定群
    • 銀河規模で展開する本作は非常に多くの惑星が登場する。銀河系>星団>星系>惑星の四重構造になっており、宇宙の広大さを感じさせてくれる。
    • 宇宙での移動は基本的にノルマンディー号から行き先を指定するだけで後はワープするだけなので、実際にやる事は惑星内の探査のみ。あまりにも広い宇宙を探検するうえで、無駄な移動を極力省いた形となっている。
      • 一部、生物の住めない星は探索できないが、惑星表面をスキャンして鉱床などの資源を発見する事が出来る。
      • 惑星に降り立つと、最初は武器を装備した探索艇で移動する。惑星のフィールドもかなり広めなので、移動の手間を軽減してくれる。ノルマンディー号に戻る際はボタン一発で戻れる。
      • 惑星には時として敵対する種族や宇宙海賊が出てきたり、巨大なワーム型の怪物が出現することもある。
    • 全ての惑星や種族には膨大な設定が用意されており、惑星の環境、種族同士の対立、戦争の歴史などゲーム中には様々な資料が開示されていく。SF好きにはたまらない要素となっている。
      • 仲間の中には敵対している種族同士のメンバーもいるが、彼らと共にパーティーを組んでいると、エレベーターでのロード中にお互いに関する会話を交わすことも。
  • プレイヤーに応じて変化する主人公
    • ゲームを始めると、まず主人公の設定から始まる。名前や性別はもちろん、『Fallout 3』のように顔をつくったり、生い立ちや経歴、コンバットクラスなどを選べる。
      • コンバットクラスは装備できる防具や武器の性能向上、アビリティなどに影響が出る。とあるミッションをクリアすると上位クラスにクラスチェンジ出来る。
      • この要素は後にBioWareが制作した『Dragon Age: Origins』にも強化された形で引き継がれている。
    • 主人公はプレイヤーの選択以外では一切喋らないものの、選んだ選択肢に応じてモラル値が変動し、性格が模範的で英雄的なパラゴン、冷酷なレネゲイドのどちらか変化する。
      • モラル値に応じてボーナスが付いたり、選べる選択肢が変わるといった変化が起きる。
    • クリアデータを引き継いでの2周目も可能で、いわゆる強くてニューゲームが可能。モラル値はリセットされる。
      • 続編への引継ぎのため、納得のいくまで手軽にやり直せる。強化状態なら一周10時間以下でのクリアも可能。
  • インタラクティブ性の高いゲーム展開
    • メインミッション、サイドミッション共に多数の選択肢が用意されており、選び方によって様々な会話が出来る。
    • もちろん会話によってミッションの展開が変化するうえ、最終的な結果にも影響してくる。
      • 選択肢は前述のように性格によって選べるものが変化する為、プレイするたびに異なる展開を楽しめる。
      • 進め方によって仲間キャラとの恋愛関係になることも可能。恋人候補の中には異種族のキャラもいるあたり、実にSFらしいと言えよう。
    • メインミッションではシタデルの存在を揺るがすような分岐もあり、プレイヤーの選択が大きく影響していく。
    • ストーリーも、骨子がしっかりした世界観を背景に壮大な物語が描かれ、SF好きならぐいぐいのめり込むだろう。
      • サイドミッションも種類が豊富で、中には宇宙を漂う宇宙船に侵入し、消えた船員を探索するというSFらしいものも用意されている。

問題点

  • 似たような惑星が多い
    • メインストーリーに絡まない惑星は大抵が荒野に同じ構造の施設が存在する共通デザインのため、見飽きてしまう。
      • 一応、マップ構造自体は変更されている。中には緑豊かで固有生物が住んでいるような変わった惑星も存在する。
  • メインストーリーは短め
    • サイドミッションもあるが、全てやっても30時間程度。
    • 周回プレイがある事を考えれば決して短いとは言えないが…。
  • 一部操作性とUIに難あり
    • 探索にやや比重の寄ったRPG寄りの作りであり、段数やリロードの概念が無い、ジャンプが無い、グレネードがセレクトボタン、接近攻撃が自動発動などTPSとしては独創的な仕様。
    • 仲間のタレントポイントの振り分けと装備の変更はパーティに入れている者のみ。パーティの編成が出来るのはノルマンディーを出るときのみで、ノルマンディーに戻ると解散してしまう。このため仲間の装備を船外に買いに行く際は装備の状態を暗記していなければノルマンディーとショップを往復する派目になる。
    • アイテムの売買がカテゴリー別に分かれていないうえ一行表示なので売りたいアイテムを探すのが大変。
  • 戦闘はイマイチ
    • ピストル、ショットガンなど多数の種類がある割に最終的な強さに違いが少ない。
    • 敵の種類が少ない。また、味方は援護程度しか役に立たないので結局は主人公無双になりがち。
  • ロードが長い
    • 特に惑星間のワープ移動やシタデルのエレベーター内でのロードなどは非常に長く感じる。
    • 一応、ノルマンディー号のワープムービーや仲間同士の会話があるため、退屈させないように配慮されているが。
  • 一部のバグ
    • フリーズや処理落ち等、多数のバグが存在するためこまめなセーブは必須。
  • 日本語版では全てのストーリーを体感した状態で『3』まで引き継げない
    • 本作の日本語版は360でしか発売されず、『2』の360版では追加の仲間や『3』への繋ぎとなる重要なストーリーDLCが全て未配信に終わったため、『1』『2』で全ての仲間と出会い、全てのストーリーを体験したデータを『3』へ継承することは不可能。
    • 特に『2』のDLC未配信が痛い。追加の仲間2人は仲間にしたデータを引き継がなければ『3』には登場せず、繋ぎとなるDLCは未プレイでも出来事は起こっており『3』の序盤から触れてくるため置いてきぼりになる。
    • 対して『1』の重要な選択肢は『2』PS3版収録のデジコミ(詳細後述)で大体保管できるため、完全に近い状態で遊びたければ『2』以降はPS3版をプレイするとよいだろう。
    • 2021年、3部作を全て収録したリマスター版『Legendary Edition』の発売でようやく実現が叶った。オリジナル版にこだわりが無ければこちらを推奨。

総評

緻密かつ壮大な世界観と膨大な会話と選択肢により大きく変化する物語が好評を博した良作RPG。
その世界観に魅せられたプレイヤーは多く、3部作の第1部として続編への期待を高めることに成功している。
360でしか日本語版は遊べないものの、SF好きならぜひ手に取ってほしい一作である。


余談

  • 国内360パッケージ版のみ追加ミッションDLCを収録したボーナスディスクが付属する。
  • メディアミックスの中で様々なグッズがリリースされている『Mass Effect』シリーズだが、2021年7月にはシリーズに登場する女性型エイリアン「タリゾラ」と男性型エイリアン「ギャレス・ヴァカリアン」の抱き枕カバーが公式で発売された(参照)。

続編・派生作品

  • 『Mass Effect 2』(360 2011年1月13日発売 PS3 2011年6月23日発売)
    • ナンバリング第2作。開発元のBioWareが2007年にEAに買収され傘下に収められた為、発売元がEAに変更された。日本では360版は本作同様マイクロソフトが発売元だが、半年後に発売されたPS3版はEAが発売元となっている。
      • 360版では本作の物語を引継ぐことが出来るのだがPS3では本作が発売されていなかった為、PS3版ではデジタルコミックで本作のストーリーを補完する形になっている。コミック中の選択肢を選ぶことでメインストーリー部分の変化だけは引継ぎ可能。
  • 『Mass Effect 3』(PS3/360 2012年3月15日発売 WiiU 2012年12月8日発売)
    • ナンバリング第3作。シリーズ3部作の完結編。シリーズ初のマルチプレイモードが搭載されている。
      • WiiU版である『Mass Effect 3 -特別版-』はWiiUのローンチタイトルであり、PS3/360版で配信された有料DLC「エクステンデッド・カット」が最初から収録されている。ただし、一部DLCはWiiUでは配信されていない。
  • 『Mass Effect: Andromeda』(PS4/One/Win 2017年5月21日発売)
    • 日本未発売。シリーズ4作目。前3部作とは別の銀河を舞台とした新章。前作までの資源探査パートがメインとなったような作品。
  • 『Mass Effect Legendary Edition』(PS4/One/Win 2021年5月14日発売)
    • 旧3部作のリマスター版を次世代機向けにまとめて移植。長らく360版にしか収録されていなかった本作の日本語字幕も収録されており、PSハードでも本作を日本語で遊べるようになった。
      • このHD版には3部作で配信された40種類以上のDLCが収録されている。ただし、本作で配信された「Pinnacle Station」のみソースコードが失われてしまった為に未収録となっている。また、『3』のマルチプレイモードも収録されていない。
最終更新:2023年01月13日 15:00

*1 『2』以降の武器はリロード式となっている。