ルパン三世 バビロンの黄金伝説
【るぱんさんせい ばびろんのおうごんでんせつ】
| ジャンル | ADV |  | 
| 対応機種 | PC-8801 | 
| メディア | 5インチフロッピーディスク 2枚組 | 
| 発売元 | 東宝 | 
| 発売日 | 1989年 | 
| 定価 | 4,900円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ルパン三世ゲームリンク | 
 
概要
ルパン三世の劇場アニメ『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』を題材にしたゲーム。
同作を題材にしたゲームは二つあり、どちらも原作のタイトルそのまま付けられているが、PC88で発売された本作はコマンド選択式アドベンチャーゲームとなっている。
シナリオ概要
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原作がアクション重視の映画だった為、ADVにする際にシナリオに変更が加えられている。
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大筋である「マンハッタンで発掘された粘土版」「バビロンの黄金とロゼッタ」「マルチアーノファミリーとの競争」といった要素はそのままだが、一部のサブキャラは登場しない。
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コワルスキーは登場するが部下は登場せず、オリジナルキャラである雇われた殺し屋がルパンを襲撃する。
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ミスコンで選ばれた婦人警官は登場せず、銭形は単独での行動(画面に出てこないモブ警官はいるが)。
 
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大筋は変わらないものの、シナリオ展開は大きく変わっており、当時のADVらしく探索してアイテムを集める事がメインとなっている。
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原作ではバビロンの黄金を求めた有名人の一人として名前が挙がっただけのアレクサンダー大王がピックアップされ、物語に大きく関わってくる。
 
 
評価点
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シナリオ全般
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ゲーム用に大きく変えられたシナリオだが、オリジナルキャラも含め非常にルパンらしいシナリオに仕上がっている。
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ロゼッタに関しても、間にアレクサンダー大王を関係させたシナリオを挟む事で物語に深みが増している。
 
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原作とは大きく変わったシナリオだが、「バビロンの黄金伝説を題材にしたルパン三世のADV」としては当時としては十分な出来。
 
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ADVとしての遊びやすさ
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当時のコマンド選択式のゲームとして必要な要素は一通り揃っており、プレイしていてUIで不便に感じる事は少ない。
 
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難易度も低めで遊びやすい
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行動によるゲームオーバーはあるものの、セーブデータを残しやすく、ゲームオーバーの原因も分かりやすいので詰まる事はない。
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キャラゲーとしてシナリオに集中しやすいのは利点と言える。
 
 
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BGM自体は良好
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流れない場面も多いが、BGMは良い雰囲気。
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タイトル画面などでは劇場版主題歌である「MANHATTAN JOKE」のBGMも使用されている。
 
賛否両論点
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原作から大きく変えられたシナリオ
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アクション重視の映画から動かないPCゲーム用の変更、ゲームシステムに合わせた改変等、変更理由は分かるし、前述の通り変更後のシナリオの出来自体は良いのだが、やはり原作から大きくシナリオが変えられてしまった事は賛否両論。
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元々原作自体がルパンとして大きく賛否の分かれた映画なのも意見の分かれる原因になっている。
 
 
問題点
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無音の場面が多い
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当時はそういうゲームも多かったが、やはり音のない場面が多いのは寂しい。
 
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行き詰った際のヒントがない
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大体は行ける場所を散策しつつ、求められたものを探してくれば先へ進められるのだが、何かが欠けている事に気づかなかった場合に、どうしたら進められるかを発見するのは少々面倒。
 
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アクションシーンのカット
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原作の魅力の一つであるアクションシーンだが、ADVになるにあたってほぼ全カットとなっている。
 
総評
原作から大きく変更が入れられた事には賛否も分かれたが、ADVというゲームに合わせた変更自体は上手くいっている。
独自要素も上手くシナリオに溶け込んでおり、ルパン三世のADVとしては無難ではあるが良く仕上がったゲームと言えるだろう。
最終更新:2021年09月24日 10:54