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依頼内容はジャンルの説明だけでなくもっと詳細なゲーム内容の追記です。
ボボボーボ・ボーボボ 奥義87.5 爆烈鼻毛真拳
【ぼぼぼーぼぼーぼぼ おうぎはなげー ばくれつはなげしんけん】
ジャンル
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ワードプレイングゲーム
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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ハドソン
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開発・企画元
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六面堂
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発売日
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2002年12月19日
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定価
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4,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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"ボゲー"第1弾 ゲーム的にはそこそこの佳作
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ボボボーボ・ボーボボシリーズリンク
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概要
何でもアリな世界観を不条理の嵐で駆け巡る、伝説のギャグ漫画『ボボボーボ・ボーボボ』のゲーム(通称"ボゲー")第1弾。
原作でいうところの「軍艦編」までのストーリー展開を、余すところなく(ほぼ)完全再現している。
クリア後はゲームオリジナルのストーリーと専用キャラの登場するマップ「花魔王城」で遊べ、そのクリア後にも少しストーリーは続く。
メーカーによる正式なジャンルは上記の通りだが、「ワールドマップやダンジョンを歩き回る」「住民に話しかけて情報を得る」「ランダムエンカウント形式で敵と遭遇する」「戦闘中に取る行動はコマンド形式(戦う、アイテム、逃げるの三択)で決める」など、基本的な部分はオーソドックスなコンピュータRPGである。
特徴
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ジャンル「ワードプレイングゲーム」とは?
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前述のように、本作の進行そのものはオーソドックスなRPGの文法に則ったものである。戦闘についても、原作の展開をなぞって主人公ボーボボを操作しマップ上を旅する中で、ランダムエンカウントした敵やイベントで遭遇した敵とのターン制コマンドバトルが都度発生するという、古式ゆかしいものである。
ゲームとして特徴的なのは、そのコマンドバトルでの攻撃コマンドにあたる「鼻毛真拳」のしくみである。恐らく、ジャンル名はこの風変わりな攻撃システムを表現したものと思われる。
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その内容は簡単に言うなら「敵を攻撃する際にスロットを回し、止めたときに出るワードを組み合わせ作った文章が攻撃に使う技になる」というもの。
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1回の攻撃につき一定の制限時間が設けられ、その間に最大5回までスロットを回すことができる。このスロットで出たワードを順に繋げた技名が記されたカットインが表示され、敵に攻撃が行われる。
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スロットに出現するワードは、一定の候補の中からランダムに決定される。
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普通に適当なワードを繋げただけの文章による技でも一応は攻撃可能だが、特定の組み合わせの文章を作れば全体攻撃や追加効果のあるより強力な技になる。
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例として「鼻毛」「追尾」と繋げ、3回目の「拳」で終了させると、秘奥義「鼻毛追尾拳」になる。
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むしろ決まったパターン以外の組み合わせでは良い結果は得られず、わざと適当に文章を作ることは実質無意味。基本的に特定の組み合わせの文章成立を狙ってスロットを回すことになる。
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この特定の組み合わせは原作に登場する技名の再現となっているが、この組み合わせとして繋がるワードはスロット内で赤く点滅表示されるため、覚えていなくても狙い目としてアタリがつく仕様になっている。
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なお原作通りの組み合わせがまともな文章かというと
原作の内容上全くそんなことはなく、
適当に繋げたのと区別がつかないような不条理な技名や、とても攻撃名とは思えないハジケた文言ばかりである。
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技の強さのランクは「奥義(組み合わせ失敗)<究極奥義<超奥義<秘奥義<最終奥義」となっている。
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ただし威力はランクに関係なく技ごとに固定で「序盤から使える超奥義≒後半で解放される最終奥義」なんて事も。
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スロットの制限時間は段位の上昇と共に長くなっていくが、最高にしても20秒。初期状態に至ってはたった10秒。中々にシビア。
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つまり多くのワードを繋げたい場合、1回1回のスロットを早めに止めないと時間が足りなくなって失敗する。
例えば初期状態で5つのワードを繋げた技を出すならば、スロット1回あたりを平均2秒以内に、それも狙ったワードの所で正確に止めることを5連続で成功させる必要がある。
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そのため、段位が低い内は「スロット2~3回で作れて有用な技」を狙っていくと安定する。
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段位が上がって制限時間が緩和された頃にはプレイヤー自身もスロットの目押しに慣れてきており、自然と長文作成の成功率が上がり大技が出せるようになっていくという仕組みである。
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ワード自体は「段位を上げる」「ボスを倒す」「オブジェクトを調べる」「人からもらう」などで集めていくことでスロットでの出現候補に追加される。
これにより作り出せる技が増えていくほか、集めたワードが少ないと、スロットにおいて実質的なハズレ目の「閉店」というワードが出現する割合が上がり不利である。なるべく埋めていきたいところ。
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また戦闘には1人だけ仲間を選択しパートナーとして参加させることができる。
パートナーがいるとランダムで自動的に攻撃や支援を行うほか、スロット内に緑に光る「融合技」のワードが出現する事もある。こちらは5ワード繋げきらないと成功しない。
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自動的なレベルアップの概念はなく、キャラクターの成長は戦闘で手に入る「マメ」を手動で使って行う。効果は以下の通り。
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普通のマメ:100個につき全ステータスを1上昇
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銀のマメ:1個につき任意のステータスを5上昇
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金のマメ:1個につき任意のステータスを10上昇
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なぞのマメ:1個につき任意のステータスをランダムに上昇。10以上になる事もあれば1しか上がらない事もある。
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ちなみに「普通のマメ」は通貨でもあるので、買い物にも使う。
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ステータスの項目名はボーボボの世界観に合わせたものになっている。各ステータスの最大値は999で、内容は以下の通り。
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ハジケ:HP
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ツッコミ:攻撃力
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ボケ:防御力
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ダッシュ:素早さ(行動順に影響する)
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奥義:ボーボボならルーレットの制限時間が伸び、閉店が出にくくなる。仲間なら融合技の威力が上がる。
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「おわりから」
が存在する
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ゲームを始めるときの選択肢に「つづきから」「はじめから」に並んで「おわりから」がある。
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ただし内容はいわゆる
嘘エンディング
。これはボゲーの伝統となっている。
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本作のものは原作コミックス2巻の
「エナジーバスター」
が元ネタ。
評価点
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概要の通り、原作の展開を(ほぼ)完全に再現している。
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ストーリーは、基本的に「軍艦編(原作1~5巻)」をそのままなぞっており、イベントもほぼ全てそのまま。
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それに加えて「読み切り版のネタ」「ゲーム版オリジナル要素」も豊富。
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スロットで作れる奥義も同様であり、原作の印象深い台詞は大抵入っている。それこそ「咲いちゃった」から「クリスマス ジャンプ団の ハガキを 書いていた 作者」などまで。
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グラフィックもキチンと落とし込んでおり、違和感は無い。首領パッチが背景にデカデカと現れる融合技などは必見。
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BGMも何気にかっこよく、それでいて『ボーボボ』ワールドのハジけた感じを上手く織り込んでいる。
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同じステージを何度も遊ぶことができ、ボスも同じように出現する。原作有りのストーリー仕立て型キャラゲーとしてはどちらかと言えば珍しく、また良い点であると言える。
賛否両論点
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ストーリー展開があまりにも原作そのまんまであるため、テンポがかなり悪い。
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原作のやりとりを会話で徹底再現しているため、会話シーンが大半を占めるのがその原因。延々読むのは疲れる上、既に知っているファンだと退屈なだけ。
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Rボタン押しっぱなしで自動早送り出来るのが救い。これが無かったら、冗談抜きに苦痛だった事だろう。
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それをネタにしたのか、エバータウンでのイベントではビュティが「ボタン押すの疲れるんだよ しかもデータのムダだよ」と述べている。
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スロットの決定方法が「同時押し」ではなく「ボーボボの指す十字ボタン+Aをスライド入力」。
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このため、慣れない内は3ワード以上の奥義が全く出せない。結果として「ひたすら2ワードの奥義に頼る」といった事になりがち。
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一応、慣れればポンポンとテンポ良く繋げて出せる様になり、滑る様に決まっていくので中々気持ち良いのだが……
問題点
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表ラスボスの「軍艦」撃破後に行ける「花魔王城」が、やたら鬼畜。
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雑魚ですら、いきなりステータスがそれまでの倍近く。ボスに至っては、一番の下っ端で既に軍艦の3倍近い攻撃力。
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ステータスをカンストさせてなお「ボボドリンク」によるゴリ押しを強いられる。
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カンストさせるにも半端ない量のマメが必要で一筋縄ではいかない。「普通のマメ」だと全ステータスとはいえ1ずつしか上がらないため、マメ屋のスロットで「金のマメ」など入手していった方が効率はいいが、それでも凄まじく面倒。
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ちなみに軍艦の撃破には全ステータス400もあれば足りるが、花魔王城を突破するにはカンストまで行かなくとも
800
前後は欲しい。(奥義は安定して出せるなら400止まりでも良いが)
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単なるエクストラダンジョンという訳ではなく、話の流れで攻略する場所。なのに、ここまでインフレさせる必要は……
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奥義は150以上あるが、習得後は実質的に最終奥義「聖鼻毛領域」一択。というのも、以下の様に至れり尽くせりであるため。
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威力400。ボーボボ単体どころか、融合技まで含めても最大。
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しかも全体攻撃。おまけに「ノリ悪」の追加効果まで併せ持っているので、尚更この技1つで事足りる。
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加えて、ボーボボ単体の奥義は最大3つまでスロットに登録(=出現確定)できるため、確実に出せるのも大きい。
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一方の融合技は、出るかどうかすらランダムであり、しかもどの技も5ワード。この時点でかなり不安定。
その上、苦労して完成させてもハジケ(体力)の合計値が低いと"ノリきれねぇ"で失敗する事がある。ピンチの時ほど使えない。
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一応「発動すれば必ずヒットし、全ての技が全体攻撃」という利点はあるのだが、上記の通り発動するまでが運。
威力自体も、低い物だと140程度……明らかに、割に合っていない。
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仲間が不安定で、あまり役に立たない。
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何故なら、攻撃が完全にランダムだから。序盤に加わる仲間ほど技の平均威力が低いため、この弊害を受けやすい。
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一応、攻め手が増えるので全く役に立たない事は無い。段位を上げれば目に見えて強くなり、露払いはこなせる。
しかし、そもそもボーボボを育てるのさえ大変なこのゲームで、仲間で育てる余裕があるかというと……。
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ビュティだけは回復技を有しているが、良くて50%、弱い技では10%しか回復してくれない。焼け石に水の上、そもそも使ってくれるかも運。
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ステータスは「マメ」を食べて上げるのだが、ハジケをカンストさせると何故か普通のマメが使えなくなる。
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分からん殺しな上、分かっていてもかなり不便。軍艦以降のボスは普通のマメしかくれないので、なおさら面倒。
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一応「マメ屋」という施設で銀のマメ、金のマメ、なぞのマメを入手出来るので成長出来なくなる訳ではない。
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戦闘アニメの演出が冗長
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序盤は大した事ないが、中盤からはかなり長い。早送りしたり、設定でオフにしたり出来ず、本作のテンポの悪さに拍車をかけている。
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先述の花魔王城では雑魚戦でも数ターンかかる上に、軒並み演出が長いためストレスになりがち。先攻を取って「聖鼻毛領域」で一掃できるようになれば気にならなくなるが、そこまでの強さに至るまでは膨大なマメと時間が必要。そのマメを稼ぐためには花魔王城の雑魚戦を重ねるしかない訳で……
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攻略済みエリアの移動が面倒
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エンカウント率がやや高く、逃げようにも強さに関係なく失敗することが多々ある。
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しかし「エンカウントの無効化」や「一度行った土地にワープ」などの
移動を快適にする手段がない
ため煩わしい。
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クリア前なら必要性は薄いが、花魔王城の攻略後はスタート地点の「イナフ村」に戻されて最終エリアの「プップーシティ」まで行かなければならないので、移動だけでも相当な手間である。
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「花魔王城」は再入場不可
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クリアしてしまうと入れなくなる。雑魚から得られるマメの量が多いので、(やり込みの域ではあるが)後からボーボボや仲間の育成をしたくなるとキツい。
総評
良くも悪くも、原作を忠実にゲーム化した"ボゲー"。内容はおおむね既知であり、見逃せない問題点もある。
しかしそれを差し引いても、原作の雰囲気をしっかり再現し、そこに違和感なく+αを入れ込んだのはお見事。
ハジケリストなら、一度はプレイしてみて欲しい。
余談
最終更新:2024年06月08日 11:36