Need for Speed: Carbon
【にーどふぉーすぴーど かーぼん】
| ジャンル | レーシング |  
  
  
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| 対応機種 | Windows プレイステーション3
 プレイステーション2
 Xbox 360
 Xbox
 Wii
 ニンテンドーゲームキューブ
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| 発売元 | エレクトロニック・アーツ | 
| 開発元 | EA Black Box | 
| 発売日 | 2006年12月21日 | 
| 定価(各税別) | 【PS3/PS2/360/Xb】6,800円 【Wii/GC】5,800円(各税別)
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| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| 廉価版 | 【PS3】EA BEST HITS 2007年10月25日/2,980円
 【PS2】EA:SY1980!
 2008年8月21日/1,980円
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| 備考 | 必要容量:465KB | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 前作から正当進化 一方で画質の変化に対応できず
 カスタムパーツ数の多さは好評
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| Need for Speedシリーズ | 
 
ストーリー
ロックポートの街で警察のブラックリストの頂点に上り詰めた主人公は、古巣パルモント・シティに戻ってきた。
2年前、何者かにハメられ、無実の罪を着せられてこの街を追われた主人公。
再び戻ったパルモントで、昔の仲間サイラスの誘いに乗り、過去の事件の謎を解明するため、街を牛耳るストリートレーサー軍団とのバトルに身を投じていく…。
まずは、次世代チューニングシステムを使って全てのパーツを自由自在に変形させて自分だけのオリジナルマシンを作成! チームメンバーと集団で走り、市街戦での“チームバトル”に勝利して縄張りを広げ、ライバルチームのボスとの決着は1対1の“峠バトル”! 全てのレースを制してストリートの頂点に立て!!
(メーカーより)
概要
本作は正規シリーズとしてはちょうど10作目となり、前作の『Most Wanted (2005)』の続編となる。
愛車のBMW・M3 GTRを取り返しロックポートから逃げ出し峠を走っている所からゲームが始まる。
なお、この際に警察を懲戒免職になったクロスが、賞金稼ぎとなって新たにシボレー・コルベットZ06に乗って主人公を追跡している。
峠を越え着いた街・パルモントシティが本作の舞台となり、同時に2年前に主人公が住んでいた街であった。
2年前、ダリウスのチームに属しており、彼からスープラを借りて各チームのリーダーとバトルをしている最中に警察が現われ、仲間であったニッキーから掛け金が入ったバックを渡されて逃げるも中身に大金は入っていなかった。
その後、主人公は警察に捕まらないためにオリンピックシティ(『Underground』の舞台)へ移ることとなった。
そしてM3が事故で大破し、クロスに捕まる寸前のところをダリウスが助けに入り、自由の身となった主人公は2年前の一件で仲間から裏切り者と思われている。
信頼を取り戻すために消えた大金の行方を追うとともに、街のテリトリー争奪戦に参加することとなる。
特徴
主な流れ
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マップにある4つの島でレースを繰り返し、すべての島のボスを撃破するのが目的。
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各島はいくつかのエリアに分かれており、それぞれにボスがいる。各エリア内には2~4つのレースがある。エリア内のレースで半分以上勝利するとそのエリアは自分達のチームの統治エリアになる。
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ウィングマン(チームメンバー)が同時に走る際は、プレイヤーが順位を落としてもウィングマンが1位をとれば勝利となる。なお、ウィングマンが参加できないレースもある。
 
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島の中のレースで勝利を修め、島全域を自分達の統治エリアにすると、その島のボスから連絡が来てボスレースに招待される。
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各島のボスレースは、通常のレースとキャニオンレースの2回で構成されている。この二度のレースで勝利を修めることでその島を完全に統治エリアにできる。
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しかし全エリアを残らず制圧し、ボスに勝利して「完全に」統治エリアにしたところで何も変化はない。あくまで、ストーリーの進行条件として存在している。
 
 
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ランダム発生の緊急イベントとして、統治エリアで他のチームが自分達の統治エリア略奪目的でレースを開始することがあり、その時はプレイヤーに通知が来る。
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そのレースで勝利を収めると、自分達の統治エリアは守られることになる。
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通知をスルーしたり、レースに敗北すると、そこのエリアは相手チームの統治エリアになる。
 
主な機能
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プレーヤーはレースに勝利すればテリトリーを獲得することができ、パーツショップや新たなチームメイトなどを見つけることができる。
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ゲームは『Underground』のようなドリフトレースと、新たに登場した峠道で敵車と1対1で勝負するキャニオンレースを特徴としている。
 
    
    
        | + | レース一覧表 | 
| 種類 | 概要 | ペア |  
| ストリート | 公道を周回するレース。 | 参加 |  
| スピードトラップ | コースの至るところにある速度計測ポイントを猛スピードで駆け抜け、合計の速度で勝敗を決めるレース。着順は影響しないが、1位がゴールすると遅れているプレイヤーは1秒毎に合計速度が減らされていく。 |  
| スプリント | 公道の一部を使い、スタートからゴールまで走るレース。%で残りの距離がわかる。 |  
|  | (峠) | 峠バトルはスプリントレースだが、街中は8台に対し、峠はプレイヤー含め4台でのレースとなる。ウィングマンは参加できない。 | 不参加 |  
| ドリフト | ドリフトのポイントを競う。専用コースでは特定ライン内はポイントが貯まり易くなり、カウンターを当てることで効率よくポイント倍率が上がる。峠では長くドリフトすることでポイント倍率が上がるが、黄色いガードレールになっている場所は激突すると落ちるため注意が必要。因みに最高難易度にしても『Underground』とは比べ物にならないほどCPUが弱い。挙動のクセは大きいが、最初に稼げば後はラクである。 |  
| チェックポイント | コースの途中に多数のチェックポイントがあり、制限時間内に全てのチェックポイントを通過してゴールすればクリアとなるレース。「ストリート」のようにコースを周回するものもあれば、「スプリント」のように目的地へ向かうものもある。 |  
| キャニオン | 1対1で、二本勝負のレース。1本目は後追いでできるだけ相手に近づき、ポイントを稼ぐ。2本目は先行となり、1本目で稼いだポイントがなくならないように走る。相手に近づかれるとポイントの消費が早くなる。このルールでのキャニオンは最も補強しなければならないカーブ付近などが何故か脆いガードレールになっており、そこを飛び出ると敗北となる。1本目で相手を抜く、もしくは差を110メートル(362フィート)以上離し、10秒間その状態を保つ、幅寄せなどでライバルが崖から転落すると勝利となる。ちなみに、1本目では相手に接触すると5000ポイント減点、2本目では相手に接触すると5000ポイント加点となる。 |  
| バトルウォー | 最大20台のレーサーと「ストリート」の条件でバトルする。ライバルレーサーはPS3/360版は20台、Win版は12台。他のイベントより比較的長距離である。 |  
※「ペア」とは、ウィングマンのことである。
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このゲームは『Most Wanted (2005)』の続編であり警察追跡、スピードブレイカー、パースートブレイカーなどの前作で使われた要素が取り込まれている。
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ただし警察追跡については前作より簡易化されている。
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警察ヘリが追跡には参加しない。
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詳しい違反内容が表示されない。
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クールダウン中はパトカーの位置がレーダーではなくマップ中に表示される。
 
 
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他に自分の車のスクリーンショットや統計を公式サイトにアップロードする機能も備わっている。
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Win及び次世代機版(PS3/360)と旧世代機版(PS2/Xb/GC)の違いとしてオンラインの「Be the Cop」があるが、ゲームプレイにはあまり関係なく、グラフィックの違いが主である。
チームメンバー
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本作ではチームでの抗争が中心となっており、ストーリーを進めるごとに主人公チームのメンバーになる人物が増えていく。プレーヤーはクルーの中から特定の人物を指名し、共にペアとしてレースに参加する事ができる。
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スカウト - コース中のショートカットを発見してくれる。
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ブロッカー - ライバルチームの車両をプレイヤーの任意のタイミングで妨害してくれる。
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ドラフター - プレーヤーの前を走行し、スリップストリーム状態を作りだしてくれる。
 
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また各クルーメンバーは上記以外に2つ目のスキルを持っている。
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ファブリケーター - Autosculptでカーパーツをモディファイできる。
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メカニック - パフォーマンスパーツや車を安く購入できる。
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フィクサー - ヒートレベルを減らしたり、レースに勝利した場合に金を多めに貰うことができる。
 
車種
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収録されている車種は全53台。機種によって差異はあるが、区分上は三つの種類に分かれる。
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スタンダード(チューナー) - 日本車を中心としたコーナリング特化のクラス。スピードがやや低いため、ストリートや終盤のレースには向かないが、峠を得意とする。
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マッスル - アメリカ車を中心とした加速特化のクラス。キャニオンデュエルの一本勝ちに向いたマシンだがアメ車ばかりらしくハンドリング性能に難があるため安定させにくい。
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ハイエンド(エキゾチック) - ヨーロッパ車を中心としたバランスの取れたクラス。スピードの伸びが良く大抵のレースをこなせるが、キャニオンデュエルにはあまり向かないという弱点を持つ。
 
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レクサス・マツダ・三菱・日産・スバル・トヨタの車が多く収録されており、シリーズでも日本車の収録台数はトップクラス。
評価点
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カスタマイズすることが出来るパーツがシリーズでも一二を争う多さ。
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パーツの種類も豊富。一部については変形させることも。
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バイナルも複数貼り付けたうえで、位置や大きさなど微調整可能。
 
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チューニングもパワー重視・トルク重視、グリップ重視・ドリフト重視と、マシンを手軽に好きに仕上げることができる。
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引き継がれた警察とのカーチェイスが熱いという意見は多い。
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次世代機では限定的ではあるものの、十数台一斉でのレースが出来る。
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本作は夜限定なので、峠など多少は走りにくいが、常に綺麗な夜景や車の光沢が見られる。
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警察無線は、台詞がやや少ないが迫力満点。
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プレイ中の臨場感の上昇や、状況の把握、カーチェイスが熱く感じられるのに役立つ。
 
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ムービーの演出の評価は高い。
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主要ライバルの他、端役チームとのレースなどで作業感の減少が図られている。
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やりこみ要素「チャレンジシリーズ」の進化。
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数は減ったものの、タイムアタックと追跡のみであった前作からバリエーションが増加。
 
賛否両論点
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BGMの善し悪しは人を選ぶ。
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前述の通り車の分類により流れる音楽の系統が変わる。(メニューやテリトリーを賭けたバトルの音楽・音源まで変わる)ただしこの制約上特定の音楽や様々な音楽を聴きたいならば、プレイヤーが性能も挙動も全く違う車に乗り換える必要がある。
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また、通常のレース等では専用の音楽が流れ、その回数も当然少なくない。専用曲も凝った作りではあるが、「あれ?」と思ったプレイヤーもいるかもしれない。
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さらにレース中やチェイス中にEAトラックの音楽(要は普通の収録曲)をかける方法が無い。
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前作では警察とのチェイス中にトラックを流すかどうかの設定ができたが、これも無くなっている。
 
 
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カメラワークが荒々しく、人によっては非常に酔いやすい。
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マッスルカーがあからさまに運転しづらい。
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前述の通り確かに凄まじく速いが、ほとんどの車は旋回性能が低く、横滑りも激しい。スタンダード・ハイエンドと同じ感覚で乗るとまともに走れない可能性が高い。
 
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出動台数の低下など、警察の弱体化。
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前述したヘリの追跡廃止に加え、スパイクベルトを踏んでもある程度のスピードで走れるようになったため逃走が容易に。
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本作はあくまでレースがメインで、警察に関連したイベントが一切無くなっている。弱体化は容量削減と、必要以上に警察を強くする必要が消えたためと思われる。
 
 
問題点
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画質が悪い。
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もともと次世代ハード向けに開発した訳ではないと思われるので、グラフィック(車の造形)は前作とほぼ同等。ただ「解像度を上げました」「大画面テレビでストレス無くプレイ可能です」…といったところ。PS2の『バーンアウト』シリーズの方が良かったという声も。
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PS3版は720p/480iにしか対応していない。
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通常時は60fpsだが、何かとすぐに30fpsに落ちる。
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レース対決で他の車が割り込んで来た時、ドリフトなどの曲がりをかます時、パトカーとのカーチェイス、180km/h以上加速した時、障害物に激突した時等においては必ず30fpsに落ちる。
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480i/pに設定すると60fpsを維持しやすくなる。
 
 
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オンライン回線がかなり不安定。接続切れも相当な頻度で発生する。
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レース勝利の賞金が初回はまだしも、2回目以降は極めて少額なため、お金の入手が難しくなっている。
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クリア後は効率のいい稼ぎが存在せず、パーツや車の購入がシリーズ中でもかなり難しい部類に入る。が、いたずらに車を買い込むなどしなければ、攻略に充分な余裕はできる。
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なお、360/Win版ではDLCがあるため、DLC車両をガレージに加える → DLCバンドルをHDDから削除する → DLCマシンを売却という手順で金策ができたが、現在マーケットプレイスからはDLCが削除されている模様なので、この方法が使えるかは微妙。
 
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ストーリーが歴代『NFS』の中でもかなり短い。
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しかも、ゲームのムービーはオープニングムービーを除き、新たに島のボスを倒した時にしか発生しない。
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筋の通ったストーリーはレースゲームの脚本としては比較的良いが、ムービー数が絶対的に少ないため、初見でストーリーを把握することは困難。
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実際、「ストーリーがよく分からなかった」という意見も評価サイトには多く見られた。
 
 
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オートセーブに非対応なので、ゲーム終了時に毎回セーブすることを確認される。
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公道上では一般車が車線をまたぐなど、少々雑な動きが目立つ。
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交差点を突然減速なしで90度近く旋回など、公道を舞台にした他作品の中でもかなり動きが怪しく、そして邪魔。
 
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やたら文字が小さい。特に旧世代機では文字が潰れる。
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警察車両以外のダメージ描写が少ない。
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容量の都合やゲームの内容上『NFS』シリーズはこの傾向が強かったが、次作以降は大幅に改良。
 
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ボスが鬱陶しい。
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ボスとは峠でのキャニオンレースをするのだが、プレイヤーがガードレール・壁等に当たったり、失速したりすると、画面端に相手のボスがゲスに微笑む顔が表示される。
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ゲームの雰囲気作りとしては一役かっているのだが、気分を悪くするプレイヤーも少なくない。
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ただ、オプションでこの演出を消すことができるのだが、気づいていない人が多い。
 
 
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夜限定なのにネオン管やライト関連のパーツがない。
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シリーズの1つ『Underground』系ではこういった面も改造できたため、残念に思う人は多い。
 
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報酬カードの獲得条件の難易度が高すぎるものがある。
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例えば「マッスルカーだけでガレージをいっぱいにする」というもの。
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前述の通り本作のレース賞金はべらぼうに少ない。そのため金欠状態だと不可能ではないが、嫌になるほど時間をかける羽目になる。結果一部新車・パーツのアンロックの難易度まで高くなるといった弊害も…。
 
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オフラインモードで最も困難なのは「ディフェンスバトル20勝」で、ディフェンスバトルの発生自体運任せで、かつ全レースイベントに勝利すると発生しなくなる。
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一部プラットフォームでは一度ゲームオーバーにして新しくキャンペーンモードをやり直して達成という荒業が使えるが、PS3などではセーブデータを作り直さないといけないため使えない。
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オンラインモードで最も困難なのは「EAのスタッフを倒す」や「8人でレースを行う」である。これは完全に運任せで、発売当時ならまだしも、何年も経ってから達成しようとすることは不可能に近い。
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もちろん報酬カード獲得条件には「島のボスを倒す」などの普通のものも存在する。
 
総評
システムにおいては正当進化を成し遂げられたものの、旧世代機へのタイトルとして開発されたせいか、次世代機では画質で他のソフトに大きく劣る。
PS3/360初期作として画質の良さを期待しているプレイヤーにとってはこの画質は期待外れと感じる。
しかしゲーム性としては良いもので、粗は多いもののゲームの軸はしっかりしている。動画公開やMOD配信など、今でも熱中するファンは多い。
余談
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マップの大半は前作の使いまわしで、そこに反転などを加えたところが多い。
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Win版において、Vista以降はパッチを当てる事でプレイできるが、日本語版は公式サイトからアクセスできなくなっている。
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前作にて無事に取り戻したBMW M3GTR。しかし本作最初のバトルで巨大なパイプに潰され一発廃車となる。しかも今回は改造できない。EAはM3に何かうらみでもあるのか。
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Win版はHD非対応。公式に対応するのは『Pro Street』からである。
最終更新:2024年04月25日 10:00