Silhouette
【しるえっと】
| ジャンル | 不思議な女の子が贈る純愛アドベンチャー |  
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| 対応機種 | Windows 98~2000 | 
| 発売・開発元 | CDPA | 
| 発売日 | 2004年10月1日 | 
| 定価 | 通常版:8.800円 ネットワーク接続版:6.800円
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| レーティング | アダルトゲーム | 
| 配信 | 2007年1月26日/2,468円(税別) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 前半と後半の落差 姉ゲー・泣きゲーとして好評
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‐意識の壁‐
それは前に進もうとする者をさえぎる魔物……
 
概要
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CDPAの3作目。
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本作を最後にブランドが解散したため知名度は低いが、姉ゲー、泣きゲーとして愛される作品である。
 
ストーリー
柴野浩輔(しのこうすけ)は私立美琴学園に在学中の少年。
幼い頃事故で両親を失った為、今は姉が唯一の家族。いつも浩輔を支えてくれる「大切な人」。浩輔にとってただ一人の心を許せる「大切な人」。
両親を亡くした過去の痛手で、大切なものは突然無くなるものと恐れ、それがトラウマとなり、「大切なもの」を未だに作れずにいる。そのため、クラスの中でも人を近付けない雰囲気があるためか、「氷の魔王」と呼ばれ浮いた存在である。
そんな浩輔の心の中に、幼い時出会った1人の少女がいる。両親が死んだ日に出会った名前も知らない少女。今でもふとした時に思い出す……。
いつもと変らぬ冬のある日……少年は少女と再会する事になるのだった。
(公式サイトより抜粋)
登場人物
    
    
        | + | クリックで展開 | 
柴野 浩輔
主人公。両親を亡くしたトラウマから人付き合いがうまくいかない。
クラスメイトからは「氷の魔王」と呼ばれている。
 
柚月 麻弥
パッケージのヒロイン。主人公のクラスメイト。
成績優秀、スポーツ万能で一目置かれている。
何故か主人公に興味を持っている。
 
鈴原 耀子
主人公のクラスメイト……だが、中等部の娘がいる人妻。
やや天然ボケ気味。
 
神月 明日菜
主人公の担任。恋愛に対してコンプレックスを持っている。
 
水無瀬 唯
主人公の先輩。名家でメイドとして働いている。
誰にでも敬語を使う大人しめの性格。
 
大滝 玲美
主人公のクラスメイト。
主人公より口数が少なく、あまり感情を表に出さないタイプ。
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特徴
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選択肢で分岐して展開やエンディングが変わる。
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全て二択。基本的に片方を選ぶと個別ルートに入る形式。
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選択肢一つで個別ルートに入るため、ゲーム性はかなり低いと言える。
 
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攻略対象が年上に偏っている
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ヒロイン6人のうち、4人が年上である。
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発売前から分かっていたことではあるが、耀子の娘など年下のヒロインも攻略したかったという意見も。
 
評価点
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後半のシナリオ
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日常に見受けられた不自然な点や怪しげな点が解明される。
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何気ない部分に伏線が張ってあり、それが明かされるカタルシスは大きい。
 
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主人公を想う姉の佳純ルートは特に評判がよく、本作が泣きゲー扱いされる由縁である。
 
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ヒロインの魅力
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年上に偏っていることもあり、どこか一人前でない主人公を受け止めてくれる包容力がある。
 
賛否両論点
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前半3人の個別ルート
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それぞれ孤立しており、本筋に関わってこない。そのため、後半3人のシナリオの邪魔と言われてしまうことも。
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ただしタイトルの「Silhouette」に関わる内容であり、本題から逸れてはいない。
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ヒロインの過去が掘り下げられることで、彼女らの魅力は伝わってくる点は好評。
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例えば、色物ヒロインに見える耀子の個別ルートでは「夫が亡くなっているので、娘を養うために良い職に就きたい。そのために主人公と同じ学園に通っている」という事情が明らかにされる。
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このようにヒロインの苦悩や生き方を知ることで、違った見方が出来るようになるだろう。
 
 
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主人公
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氷の魔王と呼ばれているが、クールというよりただ単に性格の悪いように感じられる。
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彼の心情描写や行動に好意は抱きにくい。
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ただし、この性格付けにはシナリオ上の重大な意味がある。
 
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絵
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パッケージはそれほどでもないが、作中のCGは癖がある。
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具体的には目の塗りが怖いという意見が多い。
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体格のバランスなどは大きな問題が見られないため、好みの問題と言えるだろう。
 
問題点
3行のテキストウィンドウに収まっていない文字が多い。
後述するテキストの問題もあり、非常に読みにくくなっている。
このように1、2文字だけがウィンドウに入りきらずにはみで
る。
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テキスト
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「小走りに走り去っていった」「九の字に体を折り曲げ」
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上記のような重複表現や、意味が通じない文章がある。
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原因に関しては後述。
 
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ボイスなし
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このブランドでは恒例だが、ボイスがないのはやはりさびしい。
 
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演出の類があまりないため、画面の動きが乏しい。
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アドベンチャーゲームの利点をあまり生かせていない。
 
総評
伏線回収で全てが繋がる後半3人のシナリオの評価は高い。
特に姉の想いが伝わってくる佳純ルートは珠玉の一品。
文章の校正不足やシステムの不備が本作の評価を落としているものの、泣きゲーをやりたいという人にはお勧めである。
余談
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原画家とライターは韓国人である。
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有限会社codeXのHPに「テキスト監修」とあるので、おそらく本作のテキストは日本人の手で翻訳されたもの。
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3行に収まっていないテキスト等は翻訳の過程で生じたものと思われる。
 
最終更新:2020年07月07日 20:59