ナンバークラッシュ
【なんばあくらっしゅ】
| ジャンル | アクション | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 発売元 | 阪神娯楽 | 
| 開発元 | PENI ORIGINAL SOFT | 
| 稼働開始日 | 1983年6月 | 
| プレイ料金 | 1プレイ 20~50 円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 伝説のレアゲー | 
 
概要
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このゲームは、いわゆる「改造パックマン」の一つであるが、利用されているのはハードウェアのみであり、ソフト的には全くの別物である。
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関西のディストリビューターが、陳腐化して商品寿命を終えた基板を再利用してROMを載せ替え、いわゆる「折半リース」で機械を設置していた店舗に「新作」と称して設置していたものである。
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このディストリビューターは、駄菓子屋など小規模なロケをメイン取引先としており、専業のゲームセンターやSC店舗とはほとんど取引がなかったことから、商圏が限られていたこともあり流通数は非常に少なかった。
 
システム
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フィールド上にある棚とはしごを上下左右に移動しながら、画面上に点在する「数字」を蹴り落とし、すべての数字を最下段に落とすことが目的。
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最下段左の「整理箱」に数字を並べると、並びに応じてボーナスポイント(最高99900点)。数字が揃わない場合でも、上2桁×10点のボーナス。
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画面左右端はつながっているが、数字を画面端にぶつけると跳ね返って落ちる。また、ジャンプで画面端を超えることもできない。
 
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1レバー2ボタン。ボタンでジャンプとキックができる。キックの威力は画面左下にゲージが表示されており、威力が強いほど蹴った数字が遠くに飛ぶ。
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はしごに掴まっている状態でも左右移動とジャンプができる。また、はしごに飛び移ることもできる。
 
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画面上には最大4匹の敵がいる。このうち、鳥のような敵は触れてもミスにならず、掴むことができる。
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蹴った数字をぶつけることで倒すことができる。倒れた敵は画面下に落ちたあと、得点表示になって右下の復帰ポイントに移動したあと復活する。
 
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画面上に落ちているハートを拾うと、一定時間敵が停止し、敵に触れてもミスにならなくなる。
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タイマー停止したり、高所から落ちてもよくなったりはしない。
 
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「敵に触れる」「一定以上の高度から落ちる」「時間切れになる」とミス。残機すべて失うとゲームオーバー。
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エンディングのないループゲーム。面数表示が何故か16進数である。
評価点
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全体としてコミカルで可愛らしい雰囲気。
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当時としてはやや斬新なゲーム内容。
問題点
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素人が作ったゆえのゲームバランスの悪さ。
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1面クリアにかかる所要時間が長く、更にステージのバリエーションが少なめで変化にも乏しいため単調で冗長感がある。
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その割に時間制限が厳しく(約0.25秒で1カウントで、初期値が1100カウント以上。なお、ステージが進むと初期値が増える)、行動時間に余裕がない。
 
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2文字幅しかない、ジャンプでしか乗れない難所があり、更に当たり判定がシビアで地形の端ギリギリに乗ると滑り落ちる為ここが主な死亡原因となっている。ここに数字が配置されるとクリアは非常に困難となる。
 
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操作性が今一つである
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ジャンプの挙動に癖があり、「一定高度飛び上がり、そのまま一定距離浮遊移動し、終点で着地を試み、足場がないとそのまま垂直落下する」といった挙動をする。
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キックで直接敵を蹴って倒すことができない。
 
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ボーナス狙いが困難すぎる
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例えば、最高点である99900点を取るには「009988776655」を揃える必要があるのだが、そもそも配置はランダムであるため達成不可能であることもあり、また落とすべき数字が多すぎて(17個以上、ステージが進むと更に増える)、ボーナスを狙っていたら制限時間が足りなくなるのは必然である。
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このため、「数字を揃える」というゲーム性が生かされていない。数字を揃えることの必然性を持たせればもう少し良くなったかもしれない。
 
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整理箱の左詰めできっちり揃えなければならず、融通がきかない。
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左2桁に空白があるとそれだけでボーナスが得られなくなる。
 
 
総評
当時そこそこの人気と売上があった(作者談)が、斬新でアイデアは良かったものの、作り込みが甘く(作者談)、荒削りな出来上がりで、すぐにゲームの底が見え、飽きられるのも早かった。僅かだが、中古基板が流通しているので入手できるならば手に取りたい一作ではある。
余談
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流通経路に起因する出回りの悪さ。
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商圏外ではもはや伝説級とも言えるほど出回りが悪かった。ただ、当時は商圏内では探せば見つかる程度の出回りであったため、プレイした人も少なくはない。
 
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ワープロ出力で作られたインストカード。
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いかにも素人が作ったとわかる、デザインもへったくれもない無味乾燥な代物。だが、ワープロ専用機が絶滅した現在では骨董品級の味があるとも言える。
 
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作者は、現在は組み込み機器(いわゆるワンチップマイコン)の技術者をしているらしい。
最終更新:2017年12月28日 18:43