FEDA2:White surge the Platoon

【ふぇーだつー ほわいとさーじ ざ ぷれとぅーん】

ジャンル ロールプレイングシミュレーション
対応機種 プレイステーション
発売元 やのまんゲームズ(やのまん)
開発元 マックス・エンターテイメント
発売日 1997年4月18日
定価 5,800円(税別)
判定 良作
ポイント 豪華声優陣
3Dフィールド化
称号システムは不評
FEDAシリーズ - 1 / 2


概要

『FEDA:The Emblem of Justice』の続編。ハードがPSに移ったことにより演出面も強化された。
舞台は前作のルクソドール革命から8年後の世界。年月が進んだためかハイテク要素が強くなっている。


特徴

世界観、ゲーム性は前作を踏襲している。章の始めでは銀河万丈によるナレーションから始まる。
極端な事を言えば前作を知らなくてもゲームは進められるが、複雑なストーリーを理解するのは難しいため面白さは半減するだろう。

世界観

  • 個性豊かな兵士団
    • ハーベイ(CV 塩沢兼人):特別行動隊38部隊:ホワイト=サージに所属
    • トム(CV 緑川光):前作から成長して本格的に戦闘に参加。魔術を活かした兵装が得意。前作のタスクの声をされていた
    • マーシャ(CV 小山茉美):格闘技を得意とする女性
    • ミネルバライラック(CV 萩森侚子):シェルファーというドラゴンを乗りこなす女性、性格は非常に真面目。
    • デバイス(CV 青野武):重火器の扱いが得意とする。彼の力が必須となるミッションもある。酒好き。
  • 本作では称号に応じた加入離脱はなく固定である。
  • 他にも前作で登場したキャラクター達も参戦
    + 更に登場 ネタバレ注意
  • バートバルテュークス(CV 江川央生)
    • ハーベイ達を簡単に返り討ちにした後、支配下に置く。
  • M2(CV 銀河万丈)
  • アイン(CV 郷里大輔)
    • 前作で主人公格の剣豪。トムとの再会を大いに喜んだ。
  • エリナ(CV 寺瀬めぐみ)
  • シンシア(CV 山崎和佳奈)
    • マーシャとは長い付き合い。
  • アミィ(CV 金田沙織)
  • ザハルト(CV 江川央生)
    • ダーレスの首都を支配する。戦闘面では本作最強の物理防御を誇り、アインの必殺技でさえまともに通じなかったほど。
    • デバイスからは、かなりしつこい人物とされ、続編が出ていれば再び牙を剥いて来たと思われる。
  • ダーク卿(CV 曽我部和恭)
    • 前作ではトールマンとしてサポートしてくれてたが、本作では牙を剥いて来る。
  • アルジョンソン(CV 島田敏)
    • 元老院直轄の治安執行部隊。ザハルトとは同盟を結んでいたが…
  • フェルトアデリアライラック(CV 神谷浩史)
    • ミネルバの兄。
  • ステファン(CV 野島健児)
    • ミネルバとは非常に激しい敵対関係になる。
  • ステファンの父(CV 青野武)
    • ハーネスエイの実権を持つ。病状に臥せっているが、国の事を大事に想っている。
  • トビカゲ(CV なし)
    • 前作でも活躍していた忍者。本作で活躍するのは終盤になってから。
  • レジーナ(CV 桑島法子)
    • ヘッグマイヤーの人間、前作のみ登場したロイスの血縁。ルークを倒された事を逆恨みしている。ステファンを誑かしダイダロスのスタートコードを奪う。
  • 余談だが、本作にコノリーは登場しなかったが、丹下桜の名前も出ている。
  • クレジットに完全に記載されているわけではないが、声優は他の役も兼役されている。
  • 通貨
    • 通貨は前作同様シェル。であるのだが本作では申し訳程度に出て来るだけで、買い物も一切ないので使う機会がない。
    • 代わりに「OPM」が導入。ユニット出撃や支給アイテムの所持などに必要。本作の通貨と言う位置づけ。
    • ミッションをクリアすればOPMが取得される。
    • 余談だが、デバイスは一銭にもならねえ哲学と言っており、シェル以外の通貨もあるかと思われる。
  • 豊富な一枚絵
    • ナレーションでは一枚絵が併用されて分かり易い。更に他の場面でも数多く用意されている。
  • 勝利条件の追加
    • 「敵全滅」「あるターンまで持ちこたえる」「地点到達」などの状況、更には「ゲストユニットが目的地に到達するまで護衛」というミッションが追加。

戦闘

  • フィールドは3Dポリゴンで構成されるようになった。
  • BGMの仕様
    • 前作ではフィールド音楽とキャラ毎の行動に応じたシーンでBGMが流れていたが、今作では敵と衝突した際にフィールド曲を変更、以後終了まで同じ曲が流れ続けるようになる。
  • 兵装
    • キャラクター毎に色々な兵装が用意。これにより同じキャラでも色々な役割をこなす。細かいところまで解説文が用意されている。
    • 出撃前に兵装を決め、戦闘中は変更不可。装備品は兵装に応じて固定。高性能な兵装ほどOPMを多く消費。ストーリーの進行に応じて兵装が増える。
  • レベル制からランク制になった
    • ランクEから始まりSまで昇格する仕様で、前作のように頻繁にレベルアップというわけにはいかない。
    • 経験値は後払い
      • 戦闘中に行動毎にEXPが入らない。
      • 前作では均等に入っていたが本作では活躍に応じて上昇。100毎にランクアップも同様に。
    • 1ミッションにつき10あたりが目安、最初のランクアップが早くても2章中盤あたりになる。
      • レベルアップの回数というか段階は減った、しかしながらランクアップに応じて従来は数値面だけの強化だったのに対し本作では新技を習得。
    • 偏ったキャラだけを使っているとSレベルにカンスト、他は低ランクになりがち。パラメータが極端に違うわけではないが良い事ではない。
  • HP、MPは2桁から3桁になった
  • 戦闘不能
    • 前作では軽いペナルティだったが今作ではキャンプ内の野戦病院に収容。完治には数日かかる、また軽傷でも出撃出来るが能力は当然下がる
    • 完治するまでOPMを消費して部隊を待機させる事も可。前作のように日数をかけすぎたために村が襲撃されるという事はない。
  • 状態異常が厄介になり、例えば毒はターン毎に現在HPの1/3を削られる。

評価点・改善点

演出

  • 声優陣
    • キャラクターに声優陣による声が付いた。各章始めには銀河万丈ナレーション、更には色々な登場人物の語りも色々と用意。
    • なお、他のキャラの声もなさっている。
  • 音楽も非常に良い、前作をプレイした人に対するファンサービスのフレーズも嬉しい。
  • アニメーションは健在。格闘ゲームを彷彿させるとある通り高品質である。
    • 構図は全体像で表示されるようになっている。
    • 立ち位置は、行動する側が右で攻撃を食らう側が左に表示。

ゲーム性

  • ヒットアンドアウェイ
    • 従来は移動した後に行動するだけだったが、本作では行動後に移動距離が残っている際に移動出来るようになった。
  • 攻撃目標
    • 空白の地点も指定出来るようになった
      • 例えば十字の範囲の攻撃で●〇●を狙うと片側のみだったのが、両者に当てる事が出来るようになった。
  • 選択した行動の種類
    • 属性に応じて色分けされるようになり分かり易くなった。氷属性なら青い範囲。雷なら緑。他にも自分を基点にした場合なども用意。
    • 広範囲回復の際には余計な演出がなくなり短時間で済むようになった。
  • マップ上でダメージ表示
    • 攻撃属性に応じたエフェクトが出るので食らった攻撃の属性が分かり易い。
  • ミッション内容
    • 勝利条件「護衛」が追加
    • 他にもソードマン、ゲド、オペレーターなどと共闘。前作では邪魔をして来るだけだったが協力する事で愛着がわく。
  • 中断セーブの実装
    • 前作ではノーセーブで3連戦というものもあり長時間を要したが、本作では1戦闘毎に中断セーブが出来るようになった。

賛否両論点

  • シナリオ
    • 一本道のシナリオ、今回は称号も意味をなさないので本当に一本道
    • 前作で仲間だったキャラと敵対
      • ダーク卿:前作では解放軍の一員として色々サポートしてくれていたが本作では牙を剥いて来る。
      • フィクス:7章始めではフィクスから前作で共に戦ったよしみで投降を求められる場面もなお前作ではフィクスには邪魔された思い出しかない
      • 複雑な戦争物である以上こういう状況が生じるのは仕方のない事である。
  • 難易度
    • 主に敵の攻撃力が高いなど前作よりも明らかに上がっている。攻略本によると更に高難易度にする予定だったらしい。

問題点

  • 実写ムービー
    • あまりにも安っぽい作りのムービーで出来が良いとは言い難い。最後にはミネルバの乗っている獣シェルファーが忘れられている。
  • 称号の意味
    • 前作では戦い方で変動、それに応じて展開も変わって行ったが、本作ではOPMのやりくりの評価で変動するのみで、お飾りと化してしまった。確かに称号と言う意味で間違っているわけではないが。
  • 音楽
    • 曲がループ再生でなく定期的に一旦終了する。特に敵とぶつかる前のBGMが目立つ。
    • ラストバトルの専用BGMが無いのも従来と同様。章の最後の交戦BGMは専用のものがあるが、それ。
  • カメラワーク
    • ミッション開始のカメラワーク動作は毎回全く同じ。
    • カメラの高さが地形に応じて変動、つまり凹凸の激しい地形を進むとカメラの高さもブレて見辛い。
    • 視点を回転させたりする事は出来ずに3Dにした意味は薄い、2Dのままでも良かったのではという意見もある。
      • イベントでも3Dマップが用意されているのだが、視点が動かないので静止画と同等。
    • 攻撃技を敵に指定した際に切り替わる演出が、当事者を除いて奥へ縮小するというもの、これは一部のキャラ達だけが上昇したようにも見えて不自然。
  • スタッフロールでは声優のクレジットも出るが、兼役までは表示されていない。

総評

称号システムや3Dポリゴンなど不満点も確かにあるが、SFCからPSに移り演出面は非常に良くなり、長丁場では中断機能もついて遊び易くなっている。
その一方、全体的なレスポンスの悪さはそのまま。戦闘アニメーションなどは劣化している。
前作ファン向けのファンサービスは色々盛り込まれて好評。

これまでにアニメや実写などあらゆる形で壮大な世界観を表現して来たFEDAシリーズ。だが本作以降、ストーリー半ばにしてシリーズは長い停滞期に入ってしまった。


余談

  • シミュレーションRPGツクール95』との繋がりもあり、スタッフの方々によるサンプルゲームも入っている。
  • 本作発売から数年後、やのまんはゲーム事業から撤退した。
    • 現在も続編FEDA3が強く望まれているが、開発の望みは薄いのが残念。

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最終更新:2021年07月02日 16:11