ぎゃくたま
【ぎゃくたま】
| ジャンル | 逆玉系恋愛AVG |  | 
| 対応機種 | Windows 98/Me/2000/XP | 
| メディア | CD-ROM 1枚組 | 
| 発売・開発元 | DISCOVERY | 
| 発売日 | 2002年8月30日 | 
| 定価 | 8,500円(税別) | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| 配信 | 2007年11月28日/2,468円(税8%込) | 
| 備考 | 初回版にはディスカバリー主題歌集付き | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | ヒロイン皆お嬢様 | 
 
概要
タイトルの「ぎゃくたま」とは、いわゆる「逆玉の輿」の略称である「逆玉」。
その名の通り、本作はいわゆる「お嬢様キャラ」だけをヒロインに据えたエロゲーである。
ストーリー
生まれてこの方ずっと貧乏な主人公。スーパーのチラシを愛読書とし、一番初めに書けるようになった文字は「赤字」。
ろくに働きもしない甲斐性なしの父親と2人でやってこれたのは、記憶に残っている母親の笑顔と、残してくれた家のおかげ。
しかし、「担保」という無慈悲な制度のため、それすらも危うくなってきた。1ヶ月以内に借金を払わないと家が担保として取られる。
母親が残してくれたこの家は絶対に手放したくない。親戚からは縁を切られ、頼りにならない父親は当てに出来ない。
普通の方法では1ヶ月ではどうにもならなかった。
…そう、普通の方法では。
主人公は運動能力に優れ、学費全額免除の待遇で、日本でも超名門校に在籍している。
“超名門校”それはあたり一面金持ちだらけの場所。世間知らずの金持ちお嬢様がたくさんいるのだ!
期限までには時間がない。それゆけ『逆玉の輿』!
特徴
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登場するヒロインは以下の通り。
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長岑 流風
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日本でも有数の優良企業を抱える「長岑グループ」の令嬢。
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はっきりとした物言いで周りの人間を引っ張っていく、自身が起業家タイプのお嬢様。
 
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水瀬 菜月
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由緒正しき家柄に生まれ、庶民らしさは微塵も感じさせない、正真正銘のお嬢様。幼稚園時代の主人公の幼馴染でもある。
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強気で上からの物言いをするThe・お嬢様。
 
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篠生 藍
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学園内でもあまり目立たない、常に控えめな女の子。幼い頃病弱で家族以外の人と接する機会がなかった為コミュニケーションを取るのが苦手。
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箱入り娘タイプの静かなお嬢様。
 
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八重垣 かなで
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旧家のお嬢様で、その血筋は将軍家とも縁があったほどの家柄。賭け事が好きで白黒はっきりつけるのが好き。
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さばさばとした性格のお嬢様らしくないお嬢様
 
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柚原 美桜
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家柄自体は普通で、どこにでもいる女の子。彼女自身が莫大な遺産を相続したことにより、急激に知らない親戚が増え、生活が一変してしまった。
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金目当てで寄ってくる人ばかりで人間不信気味の元一般家庭のお嬢様。
 
 
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システムは場所を選択してヒロインとの好感度を上げるタイプ
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平日は「朝」「午前」「昼休み」「放課後」「夜」の5ターン(土曜日のみ「昼休み」ターンなし)に移動場所を選択する。
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各場所にはいるヒロインのアイコンが表示されている。
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日曜日は平日に行った行動でフラグが経てば、ヒロインとのデート等イベントが発生する。
 
評価点
シナリオ
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個性的なヒロイン
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「一般人とはずれまくった感性」「家柄に関わる問題」等、いわゆるお嬢様キャラのテンプレ的行動はしっかりと抑えた上で、ヒロインごとに個性や魅力をきっちりと出せている。
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全員お嬢様ではあるが、シナリオは個別にしっかり書き分けられており、誰も彼も似通っている…などという印象を抱くことはないだろう。
 
 
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シナリオも惹かれる内容
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「一発逆転するべく逆玉の輿を狙い女の子に近づく」というなかなか斬新…というよりド直球な設定の主人公で、その設定も上手くシナリオに盛り込まれている。
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基本的に「知り合って仲良くなる」「主人公の秘密と目的がばれる」「それを経てのED」という流れは共通だが、それぞれのルートごとに主人公もヒロインも色々な対応を取り展開も多彩な為、同じようでいてどのシナリオもしっかり書き分けられている。
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シナリオも王道から少し捻った物まで様々で読み飽きない。
 
 
賛否両論点
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シナリオは短め
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平日パートの水増しの為にある程度のプレイ時間はかかるが、総合的に見て各ルートのシナリオは短め。
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話の内容的にも長文でがっつりやる内容でもないので気軽に遊ぶにはいい程度の長さではあるが、シナリオの出来が良いだけにもっとしっかりとシナリオが欲しいくらいの短さでもある。
 
 
問題点
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グラフィック面
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エロゲーとしての平均レベルの出来ではあるが、同じ時代のゲームと比べても上手い絵柄ではない。
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立ち絵と一枚絵でちょっと別人のような印象を受ける子もいる。
 
 
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作業感のある好感度上げ
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平日パートは色々な場所を訪れてヒロインとの好感度を上げていくのだが、会話パターンが少なく何度も同じ会話を繰り返さなければならない。
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好感度が上がるごとに何パターンか会話は変化するのだが、発売時点ですら一昔前のやっていて作業感のあるシステム。
 
 
総評
とにもかくにもお嬢様キャラが好きな人にとっては最高のゲーム。
ヒロイン毎のシナリオの書き分けもしっかりしており、それに近づく主人公も共感しやすい事もあってタイトルとあらすじで惹かれた人には十分楽しめる出来。
核となるシナリオの出来は良いのだが、システム面ではちょっと残念な出来なのが惜しい作品。
その後の展開
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続編『ぎゃくたま2』が2005年7月22日に発売された。
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本作の未来が舞台であり、ヒロインは本作ヒロインの娘達となっている。
 
最終更新:2022年05月25日 19:34