ハナヤマタ よさこいLIVE!

【はなやまた よさこいらいぶ! 】

ジャンル よさこい青春アドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
メディア PSV専用カード
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ガイズウェア
発売日 2014年11月13日
定価 5,219円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A
セーブデータ 60箇所
判定 なし
ポイント 多視点で文化祭を成功させていく
登場人物の少なさがネック
よさこいゲーとは言い難い
まんがタイムきららシリーズ


概要

『まんがタイムきららフォワード』に連載されている漫画『ハナヤマタ』のゲーム化作品。
情熱を燃やし、泣いたり笑ったりするよさこい部の少女たちの青春群像劇をベースに、本ゲームはよさこい部の面々の多視点から文化祭に挑む様子を描いたADVゲー(+音ゲー)である。

登場人物

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よさこい部2年生

  • ハナ(ハナ・N・フォンテーンスタンド)
    • 忍者とよさこいにあこがれ、日本文化に興味を持ってアメリカから日本に留学してきた。
    • あまり考えるのは得意ではない。天真爛漫でとにかく行動するタイプなため、時に停滞しがちなみんなの意見を突き動かす存在になる。
  • なる(関谷なる)
    • いわゆる普通な女の子。本人はそれを自虐的に認めており変わりたいと心の奥底で願っている。
    • 何にでも挑戦するハナの姿勢が内気ななるに少なからず影響を与えている。本人はあまり自覚がないが、彼女のひたむきな姿勢もまた周囲の人間の励みになっている。
  • ヤヤ(笹目ヤヤ)
    • 基本的に多才で面倒見が良い。実家が蕎麦屋でゲームでもこのことが関係してくる。
    • 自分がメンバーだった軽音バンドの空中分解を経験しており、拠り所となる存在を失うことがトラウマになっている。

よさこい部3年生

  • マチ(常磐真智)
    • 生徒会長。本編では文化祭の日程から費用分配の責任を背負っている。
    • しっかりものでハナのブレーキ役。クールな見た目をしているが感動屋で繊細。
  • タミ(西御門多美)
    • 生徒会副会長。おっとりとした性格で、真面目で自分を追い込みがちなマチと、周囲の人間との緩衝役を果たしており、彼女の心の支えにもなっている。
    • なるとは古くからの付き合いで、困ったときには頼りにされている。

よさこい部顧問

  • サリーちゃん(常盤沙里)
    • マチの実姉。2年生メンバー3人のクラス担任であり、よさこい部のメンバーの希望により顧問に就任している。
    • しっかりものな妹に対してこちらは奔放な性格。しかしよさこい部の面々をしっかり認識しようとしている。
  • ゲームのプロローグで先生視点となり、アニメでの活躍を含めたキャラの説明をざっくりしてくれるので、原作を知らなくてもそれなりに世界観はつかめる。

あらすじ

原作アニメ最終回にて、街で開かれたよさこい祭りをなんとか終えたよさこい部であったが、10日後に文化祭も控えていた。
よさこい部は大人気の演劇部の公演の裏側でよさこい公演が決まったが、多くの観客を招きいれ公演を成功させることができるのだろうか…。

システム

  • 10章(10日分)構成。プレイヤーはそれぞれの章を5人のキャラ(ハナ、なる、ヤヤ、まち、タミ)の視点になりながら過ごすことになる。
  • 1つの章を攻略するにあたっては原則として、キャラ選択画面→ADVパート→音ゲーパートとゲームが切り替わる。
  • 基本操作(ADVパート)
    • Rボタンから開けるメニューでいつでもクイックセーブ、ロード、オプション変更、およびフローチャートの確認が可能。
    • △でバックログを閲覧できる。閲覧できるログにジャンプすることで、物語を少し前からやり直すこともできる。
    • 既読の文章はStartボタン長押しで早送りできる。
    • □でテキストとボイスの自動再生モードに切り替わる。
    • キャラ選択画面で新たに遊べるようになった日にちはNewマークで教えてくれる。またゲーム中で新たに見たイベント区画に到達するとNew storyという文字が出てくる。逆に、一度見たシナリオであれば、好きに早送りもできる。
    • ADVパートでは所々に2択の行動選択肢が現れる。これは基本的に片方がStory評価を上げるもの、もう片方が評価を変動させないものである。
    • また他のキャラのストーリー展開と連動しており、操作したキャラの行動だけでは、一日のStory評価が良くならないことも多い。
  • 基本操作(音ゲーパート)
    • 1~2分の曲のリズムに合わせて△○×□をタイミングよく押す、方向キーをタイミングよく長押しするの2通り。
    • Perfect, Good, Normal, Bad, Poorの5段階。連続でリズムを正しくとるとコンボとなり、得点が高く計算される。Bad以下を取るとコンボが途切れる。
    • 章がすすむと難易度も上昇していく。難易度は音ゲー開始時の花のマークの数で表現されている。
  • 章の終わりに
    • 1日の終了時に、サリー先生がADVパートでの行い(Story評価)および、音ゲーパートでの成績(Yosakoi評価)を10点満点で採点し、コメントを踏まえて総括してくれる。
      • このときADVパートにおける最善の選択肢のヒントを言っていることがある。なかなかプレイヤー視点のメタ発言をすることもある。
    • サリー先生の講評を聞き終わると、その日がクリア扱いとなりキャラ選択画面に戻る。そして原則として次の日がプレイできるようになる。ただし選んだキャラ視点のものしか解放されない。
      • たとえば、ハナ視点で1日目をクリアすると、ハナ視点の2日目は遊べるようにはなるが、なる視点の2日目の解放条件とはならない。逆に、ハナだけ3日目、4日目…という具合に進めていくことも可能。
      • ハナでプレイした場合に、ほかのキャラでプレイできなくなるということでもなく、いろいろなキャラの視点になって選択肢を選び、5人の行動を終結させて物語をいい方向へ導いていくことになる。
  • 評価を高くするために
    • Storyで高評価をもらうには、キャラ選択画面で選んだキャラがベターな行動をするだけでなく、その他のキャラクターの適切な行動も必要になってくる。
    • Yosakoiは曲が終わる前に上のゲージを満タンにできれば評価点は10点になる。
      • ストーリー及びリズムの評価点がそれぞれ10点満点を取っている状態だと、(リズムゲーを全Perfectにする必要はない。)その日付区画にPerfectの表記がなされる。
      • 音ゲーは何度もやり直すことが出来るが、最後にやった時の成績が反映される。スキップすると最後にやった時の得点が反映される。一度も得点を出してない場合にスキップすると0点に。
  • シナリオ分岐
    • 5日目と9日目がシナリオの大きな分岐点であり、そこまでの選択肢や音ゲーの成績でPerfect(Story,Yosakoiともに10点満点)をとった日数が反映される。
    • 上記の日を遊んだ際、今操作しているキャラクターのいままでの点数の成績が悪いとバッドエンドとして物語が一度中断してしまう。このとき次の日は解放されない。
      • ひとりで進めることも可能だが、バッドエンド等でシナリオが中断されないようにするには、キャラの足並みをある程度そろえて進めていく必要がある。
    • 最終日10日目をグッドエンドで迎えられると、それぞれのキャラごとにおまけシナリオが用意されている。
    • また音ゲーの成績や、特定日数をクリアする事などが条件でサブシナリオを見ることもできる。

評価点

  • 心理描写への掘り下げ
    • 本編アニメでは見られなかった、各登場人物の心の声も聞くことができる。
      • 5人のキャラの視点をとっかえひっかえすることで、各キャラの行動の真意が分かるように作ってある。
      • 特になるの心の声は普段の姿とは想像もつかない動揺ぶりが描き出されていてなかなか熱演。
    • 新規層にもそれなりに親切なキャラ説明をしてくれるため、原作を知らなくてもある程度世界観には没入できる。
    • 不器用ながらも、互いに歩み寄ろうとするサリーちゃんとマチの関係が所々にある。
  • 終盤にかけての盛り上げ
    • なるのクラスでは、ハナのチャレンジ精神となるの気配り等がきっかけとなり、文化祭の出し物対してなかなか腰が入らなかった面々が、次第に手伝いに志願していく流れはなかなか熱いものがある。
  • グラフィックとボイス
    • メインの物語だけでなく、サブシナリオ、キャラの心の声、モブの発言等本編の隅から隅に至るまでフルボイス。
    • フローチャート、セーブデータの欄もPSVのデフォルトに依存しない独自のスタイルできれい。
    • アニメでも評価の高かったOPテーマ『花ハ踊レヤいろはにほ』が、TVサイズ、ノンテロップ版で視聴できる。
    • サリーちゃんの1日総括は、プレイヤーがどのキャラを選んだか、どんな行動をとったかで変化する。妹であるマチに対しては若干口調が変わるなど芸が細かい。
    • 音ゲーパートでは、本作のために新規に作られた曲、5人分のキャラソン楽曲が登場する。
  • 美術
    • イベントCG、などがアニメのはかなくも美しい印象を再現している。
    • セーブデータ欄もPSVのデフォルト形式から脱して独自のデザインを作りこんでいる。
    • 立ち絵は比較的豊富にそろえられている。定期的にまばたきをする、こちらに背中を向け振り返る姿があるなど、なかなか芸が多彩。
  • ゲーム初心者にやさしいシステム
    • Story評価についてわかりにくいという問題こそあるが、メニューが開ける機会が多く設けられており、中断セーブやフローチャートの確認ができる。

賛否両論点

  • 葛藤描写の多さ
    • ゲーム前半はよさこい部のメンバーの足並みがそろわず、そこそこの頻度でシリアスな雰囲気になる。
    • 原作は一見和やかな雰囲気なのだが、中学生の未熟さゆえの心理的葛藤を比較的強めに描写しており、キャラの感情の浮き沈みが激しい。
    • ある意味リアリティはあるので、プレイヤーの体験した学生時代によって印象も左右されるか。人によってはこういった物語運びを懐かしく感じられるだろうが、合理的に考えるのが好きな人には面倒くさい話になる。
      • ヤヤは真面目すぎて素直になれないという典型的なツンデレ。外面上はよく取り繕わんとする一方で、内面は几帳面すぎて物事を悲観的に決めつけてしまい、話をこじらせることが若干多い。
    • こういったわだかまりを投げたりすることはなくきちんと仲直りする面では、なかなか評価点といえるかもしれない。一方で、人によってはしょうもないことで喧嘩して即解決しているという印象を持ちやすい。
  • 結果論重視な選択肢
    • あまり"正答"となる選択肢に法則性がない。これ自体はADVとしての奥深さには貢献している。
    • ただし、仕事をとるか、情をとるかの2択なプレイヤーによって意見分かれるものもあるのだが、明らかに片方が理にかなってない選択肢なこともある。しかもその理にかなっていない方が正答なことも。

問題点

シナリオ

  • 登場人物の配置
    • モブキャラの描写は全体的に手抜きされている印象。ボイスは確かにあるが、立ち絵はなく、苗字と名前を持っているのはヤヤをバンドに誘う下級生のみ。その他にもシナリオにからむキャラは複数いるが、そのキャラ達の名前が役職名や所属名(たとえば「○○屋の娘」、「○○部の部長」「○○委員長」等)で済まされている。
    • 原作は学園ものなので「文化祭」というテーマに話をつなげるのは自然な流れだったが、少な目の原作キャラクターが据え置きの状態で、運営する側の目線も交えながら多くの人と関わるようにするプロットを組んだのは少し無謀だったのではないだろうか。
  • 細部の人物描写がいい加減
    • キャラの心理描写に褒めるところはあるのだが、原作の設定と矛盾していると思しき分がある。
      + ネタバレ注意
    • ハナは日本文化に非常に興味を抱いており、忍者のようになりたいという願いも持ち合わせている。しかし本作ではひょんなことから「学校に忍者がいる」と勘違いし、よさこい部の面々に一日中かけて散々説明されてもこの誤解が解けない。総じて、日本に疎い描写が度を超えており、原作にある設定をより悪い方向へ強調してしまっている感が否めない。
    • 取材対象として普通な女の子に会いたがっている演劇部部長に、なるを「普通の女の子」として突き出すタミの行動理念もおかしい。アニメ本編では、普通の女の子から脱却しようと意気込むなるを暖かく見守ってきたはずなのだが。
  • ゲーム後半のシナリオが雑
    • 6日目以降になるととある理由で、作中には文化祭実行委員という役職が機能しなくなってしまったため、生徒会が主体となって文化祭を運営することになる。
    • それに関する周囲の人間が総じて不可解および無計画な行動が目立つ。そのため、費用の帳尻あわせと日程調整生徒会の面々が割を食っているようにしか見えない。この件に関しても登場人物が少ないことが祟っているのかもしれない。
      + 以下はその例。(詳細なネタバレにつき注意)
    • 文化祭実行委員がとにかく無能。文化祭が開けないレベルで予算オーバーするというありえない計画を立てている。それをマチに指摘されてもなおの事放置している。さらに怠慢なところを叱責されそうになると自分の役職をひけらかして逆ギレする委員長までいる始末。
    • マチとタミは各部活の部長に対して、予算削減交渉の行脚に出かけることになるのだが、(小道具等の購入はともかく)そもそも文化祭直前に、金銭を使わなくてはならない部活があるというのはおかしい。削減が必要なレベルで大きな額の金銭というのはもう少し前の段階で使うものではないだろうか。
      • 文化祭直前だというのに、キャラ付けの参考に必要な「何もかもが普通な」女の子を見つけるため、取材費を生徒会に要求するという奇天烈な方針を掲げる演劇部部長や、部費がないとワンダーフォーゲルの良さを伝えられないとゴネる部長等、どこか現実味のないモブが次々に登場する。
    • その他にも、体育館における有志バンドやOBの講演会が立て続けにキャンセルになり体育館のスケジュールに1時間以上の穴が開くという問題も解決しなくてはならなくなる。
      • この穴埋めのために部活単位で何か出し物をしてくれるかもしれないゴスペル部部長に対して、マチが「手伝ってくれたお礼のために部費として支給することも考えたい」と言った途端、「私たちが、金のためにやっていると思ってるのか!」とキレて追い返される。この部長はなるのクラスメイトであり、マチは曲がりなりにも上級生である。普通に考えれば、なるの面目も立たないし、いろいろな意味でこの部長の行動理念が分からない。
      • そもそもの話、ゲームのプロローグで「体育館を使う演劇部とよさこい部の発表とがブッキングしており、人気な演劇部の所に人が流れそうだ」という話が出ている。よさこい部が体育館のスケジュールを穴埋めすれば、ブッキングも穴の件も解決できるなかなか良い案なのだが、これがベストエンド扱いなのでもったいぶってる感が否めない。
    • なるのクラスの文化祭の出し物に至っては本番6日前に実行委員が部活の用事につき、計画そのものが頓挫(というか殆ど進捗しておらず白紙に近い状況だった)。結局立候補したハナたちが1から計画を練り直し3日前に決定。しかもその出し物が準備等にいろいろと手間取りそうな蕎麦屋など、現実と比較するといろいろとツッコミ所がある。
    • 生徒会・委員会の意見がまとまらないのは中学生ならではともいえるのだが、こういう運営関連に先生サイドが全く介入しようとする場面が見られないのは大問題。決して小さくない額の金銭が動くうえに、開始までに5日程度しかない時点で、計画が根本的に覆るなどシャレにならない状況になっているのに、これはどうなのだろうか。

よさこい関連

  • 音ゲーの操作
    • ボタン入力を受け付けるタイミングと、実際の音楽の拍とが一致していないことがある。前半はあまり気にならないが、後半になって難易度が上がってくるとむしろ曲を聴いていると失敗しやすい。
      • ベース音ではなく主旋律の拍メインで譜面が作られていると思われる。そのためか、パーカッションの目線からすると非常にさばきにくい譜面配置も多い。
    • ねらう意味はあまりないが、全部の譜をPerfectにするのは至難の業。
    • せっかくVitaで出しているのに、タッチで操作する部分はなくボタン操作しか受け付けない。さらにバリエーションも△○×□と方向キー(任意)の5つのキーを拍押しするか長押しするかしかないのはさすがにさびしい。
    • 総じて試みとしては決して悪いものではないが、ゲームとして殆ど機能していないと言わざるを得ない。
  • 音ゲーの演出
    • 音ゲーの時だけグラフィックのテイストが違い、よさこい部の5人はポップなデフォルメ調になって踊る。
    • 決して絵を単品でみればクオリティが悪いわけではないのだが、如何せんADVパートの背景画や立ち絵のデザインから比較すると浮いている。
      • ちなみに音ゲーパートに使われるアニメーションは、本作の特別版付録のミニアニメとして利用されている。
    • 振り付けもいくつかあるポーズやモーションのパターンを、ローテーションしているだけ。
      • OPテーマ『花ハ踊レヤいろはにほ』にはアニメーションからも分かるように、きちんと振付がある。にもかかわらず、こちらもローテーションのアニメーションが処理してしまう。
  • よさこい要素が弱い
    • 事実上、音ゲーによさこいらしさがあるとは言い切れず、また薀蓄が手に入るコーナーがある訳でもない。
    • よさこいのグッズをそろえるための拠点だったお店とそこの店主「大船勝」もまったくもって出番がない。彼自身なかなか立ちやすいキャラをしているのだが…。

ゲームシステム

  • 作業的なシナリオ設計
    • 10日分に分割された物語、好きなキャラの目線で、好きな時点でみられるというのは実際快適なプレイ環境となりそうだが、結果論からいえば、テキスト自体が多いだけで、似たような話を延々と遊ばされている感覚に陥りやすいと思われる。
    • 選べる5人は基本誰かと会話しているため、物語の場面もたいていはハナ、なる、ヤヤの「2年生サイド」、マチ、たみの「3年生サイド」の二つしかない。舞台も一中学校の部活に精を燃やす女子中学生たちなので、良くも悪くも王道的な展開も多い。5人のうち誰かでプレイしてしまえば、他のキャラでプレイするモチベーションが低下しがち。
      • 言い方を変えれば、10日間に起こる出来事を5人の視点で見ていく形になる。よって5人の視点といった事象を考えずにイベントの絶対的な数を考えると、本作は昨今のADVの中では非常にスケールが小さい部類になる。たしかに操作するキャラの心の声や選択肢をきちんと反映するので、多視点で見返した時の物語の奥深さはあるのだが。
    • 物語の分岐にかかわる選択肢は存在するが、(システムといったメタ要素には確かに影響をもたらすが、)物語の根幹を直接覆すようなことは前半は特に起こらない。結局、過ごした日にちのStory評価をよくするための正答を選ぶ意味合い以外があまりない。
    • フローチャートをいつでも見ることができるので、選択肢が「正解」か「不正解」かをいつでも答え合わせ出来てしまう。またバックログに表示されている会話にジャンプで戻ることもできるので、不正解を選んだ時にこれでなかったことにもできてしまう。
    • また新章を攻略する際、まだプレイしてないキャラは必ず不正解の方の行動を選択してくるため、そこからも間接的に他キャラの分の正解行動を推定できる。
  • サリー先生の裁量
    • あくまでADVパートを「総合的な点数」として評価しているため、直前の雰囲気が良いにもかかわらずダメ出しが来たりすることが十分に起こりうる。
    • 一日の総括が満点評価でなかったりすると、時折「こういう行動をしてみたら?」というヒントがきたりするが、場合によってはあまりに露骨だったり、メタ視点が強すぎたりといままでの流れから浮いていることがある。
    • 5日目のバッドエンドによる中断の流れも、ゲーム性を作るためのメタ的な措置の域を出ていない。物語としてみようとすると、この中断の必要性は特に語られておらず超展開になっている。
      • 一人のキャラでどんどん章を進めるプレイをしていると、よさこいの踊りに関してはベタ褒めが続くことも珍しくないなか、「みんなの息があってない」と唐突な流れでシナリオを切られる。
    • 午前中に総括されるにもかかわらず、背景が夕方になっている部分がある。
  • システムのわかりにくさ
    • Storyの点数システムが初見だといまいちとっつきにくい。フローチャートを見てなんとなく覚えていくことになりがち。
    • 一度プレイした章をもう一度プレイした際にStoryの点数に変動があると、それを反映させるか否か選ぶことができる。しかし、そのときにとったキャラの行動の変更点は質問もなく必ず反映されてしまう。
      • 気づきにくいが、このフローチャートの法則は章を中断しても応用される。たとえばとあるキャラでフラグとなる行動をとった後すぐキャラ選択画面に戻ってもその行動はきちんと記録されており、再度さきほどとは違うキャラで章をすすめるときちんとその行動の影響を受ける。
      • 「10日目にノーマルエンドを見たいがために点数を悪くしたい」等の場合、最後までプレイしてStoryの点数をあえて悪化させるといったプレイは若干行いにくい。

総評

音ゲーは添え物程度の存在。またADVゲーとしては、独特なシステムこそ打ち立てているものの、実際ルート分岐も作業感が強いためいまいちゲームとしての価値は弱い。純粋なゲームとしてプレイしたいならあまりお奨めできない。
しかしながらシステム周りボイス等の演出は丁寧に作りこんであり、キャラゲー、読み物としての体裁はきちんと守っているといえるだろう。原作が好きでかつ本作に興味をもてたならやってみて損はないか。

最終更新:2022年02月18日 20:32