リアルタイム SUPER STAR TREK
【りあるたいむ すーぱーすたーとれっく】
| ジャンル | SLG | 
| 対応機種 | PC-8001、MZ-80B/2000、FM-8 | 
| 開発・発売元 | 電波新聞社 | 
| 発売日 | 1981年 | 
| 価格 | 3,000円 | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
- 
様々なバリエーションがあったSLG『スタートレック』の一つ。
- 
元々は雑誌「マイコン」に掲載されていたものだが、それを別途発売した。
システム
- 
エンタープライズを操作し、一定期間内にクリンゴン艦を絶滅させるのが目的。基本的にターン制のSLGだが、接敵した場合に限りリアルタイム制となる。
- 
画面には全宇宙を示すギャラクシーマップと近傍の状況を示すクォドラントマップが常時表示されている。全宇宙は8×9のクォドラントから構成されている。
- 
グラフィックを一切使っていない点は従来のスタートレックと変わらないが、"E"、"K"などの一文字ではなくいくつかも文字の組み合わせでエンタープライズ号やクリンゴン艦、基地の形状を表現している。
- 
移動は、クォドラント内で角度を指定するだけ。停止指示で止まる。ギャラクシーマップ上では設定した距離だけ移動する。さらにコンピューターを使うと離れたクォドラントに、ワープができる。
- 
ギャラクシーマップでは、隣接したクォドラントの状況が自動で分かるようになっておらず、探索コマンドを実行しないといけない。
- 
シールドが用意されており、エネルギーを消費する事によりダメージを防げる。シールドに使用するエネルギーは変更できる。
- 
コンピューターコマンドでは、自動航行、自動攻撃、被害報告、ワープ、エネルギーの自己回復等様々な事ができる。
- 
エネルギーを消費した、コンピューターのみの自己修復機能あり。他は従来同様の時間経過や基地による修理が可能。ただし基地は一度使うと消えてしまう。
- 
攻撃は従来作と同様、フェザー砲と光子魚雷。
- 
クリンゴン艦からの攻撃は光子魚雷のみ。
- 
被害を受けてもシールド以外のエネルギーは減らない。ただしシールドがゼロになると、故障が発生する事になる。修理等でエネルギーを使用し、エネルギーがゼロになるとゲームオーバー。期間内にクリンゴン艦を全滅させられなくてもゲームオーバー。
 
 
評価点
- 
スタートレックとしては比較的多彩なゲーム性。
- 
クリンゴン艦が光子魚雷のみの攻撃なため、一般的なもの以上に位置取りが重要になる。例えば小惑星を盾にするなど。
- 
シールドのエネルギー使用量は、配分が考え所。
- 
各基地が一度ずつしか使えないので、使いどころが重要。またエネルギーは時間に余裕があるなら、基地を使わず自己回復という選択肢もある。
- 
隣接したクォドラントの状況を自ら確認しなければならない。
- 
コンピューターは非常に便利だが時間を多く消費するため、頼り過ぎると時間切れになりかねない。使用頻度を考えないといけない。
- 
攻撃を受けると故障はするが撃沈はしない。エネルギーの自己回復機能もあるので、ギリギリまで足掻ける。
 
- 
リアルタイム制による独自のゲーム性。
- 
一般のものと違い接敵時はリアルタイムとなるので、対応が変わる。
- 
攻撃が交互に行われる訳ではないため、相手が複数でも攻撃の間を与えず撃破できる。
- 
もっともこのため、複数同時攻撃が可能なフェザー砲の重要度が少々低くなってしまっているのだが。
 
 
問題点
- 
移動や攻撃の角度が設定しづらい。
- 
複数文字を使って艦船等を表現しているため、マップが横長。しかし角度はマップが正方形として計算されているので、見た目通りに設定すると狙いがズレる。
 
- 
クォドラント内の移動が使いづらい。
- 
一般のものは距離を設定して移動するのだが、本作は方向を設定するだけで停止指示するまで動き続ける。このため、微妙な位置取りが少々やりづらい。
 
- 
エネルギー表示がリアルタイムでない。
- 
戦闘はリアルタイムなのに、シールドやエネルギーの表示はコマンドを実行しないと変化しない。攻撃を受けた直後は、一々無意味なコマンド実行をして状況を確認しないといけない。
 
総評
リアルタイム要素を取り入れた独特なゲーム。その他の要素も、スタートレックとしては十分なもの。一味違うスタートレックとして楽しむ事ができた。
最終更新:2021年09月24日 10:52