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【ぐろーばるふぉーくている】
| ジャンル | シミュレーションRPG |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | アイディアファクトリー | 
| 発売日 | 2001年10月25日 | 
| 定価 | 6,800円(税抜) | 
| 廉価版 | IFコレクション 2003年1月9日/3,800円(税抜)
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| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 劣悪なカメラワークと操作性 他にもストレスの溜まる要素多し
 遊べはするが全体的にはクソゲー
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| ネバーランドシリーズ | 
 
概要
アイディアファクトリーの看板タイトル『ネバーランド』シリーズの作品。
これまでの舞台であったネバーランド大陸を離れ、『愛しき邪悪』で存在が明らかになった別の大陸であるデュークランド大陸を舞台にしている。
ストーリー
広大な二つの大陸を有するデュークランド。
遥か昔、この地で人間と魔族の熾烈な戦いがあったという。
その戦争は、とどまることを知らず、「果てのない戦い」として、千年という年月を地獄に変えた。
しかし、その果てなき戦いにも変化が起きた。
急激に力を増す魔族から逃れるため、人間達は己の大陸に大規模な結界を張ったのだ。
その巨大な結界は双方の侵攻を許さず、長きに渡る二つの種族の戦いを終わらせた。
数百年の時が流れる。
平和が訪れるかと思われた二つの大陸では、同種族による争いが行われていた。
この生き物たちは、戦うことを止められないのであろうか……
結界に囲まれた人間の大陸、アウルス大陸。
この地でまた大きな戦いが起きようとしている。
アウルス歴1598年……
強大な国力を誇るガルヴァリア王国が、帝国を名乗り侵略を開始した。
標的にされたのは、結界を守る国…ロックアウル王国。
ガルヴァリアの属国であるゾディア王国は出撃を命じられた。
ゾディア王国のアレン王子は戦場へと出陣する。
そこには彼の人生を変える一つの出来事が待っている。
そのことに彼は、まだ気付いていない。(IF公式サイトより引用)
システム
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行軍パート
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戦闘を行う地域がいくつかの拠点や中継地で表され、それらを結ぶ道で結ばれているMAPで表現されている。
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敵味方の各部隊はこのMAP上をリアルタイムで移動して進軍していく。
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特定のキャラが編成された部隊で拠点などに到着するとイベントが発生することがある。新たな仲間が加わったり、アイテムを入手可能。
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最初に部隊が配置されている拠点を敵に占領されるとゲームオーバーのため、攻めだけでなく守りも考える必要がある。
 
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戦術パート
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敵味方の部隊が接触すると発生し、3Dで表現された小マップ上で敵味方のキャラがリアルタイムで行動して戦闘する。
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プレイヤーは自軍のキャラに対して移動や攻撃対象、スキルの使用を指示して勝利を目指す。
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勝利条件としては敵の全滅か敵部隊の大将を討ち取るかのどちらか。
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キャラを選択して□ボタンを押すとそのキャラを個別に操作することが可能になる。このモードのときは一般的な3Dアクションゲームのようなカメラ視点になる。
 
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S.E.S(スキルエディットシステム)
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キャラが装備している武器には最大で縦4×横6の穴があり、そこに属性のパネルをはめ込んでいく。
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パネルの配置によってそのキャラの使用可能なスキルが決まる。
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例えば火属性のパネルを横に2つつなげてはめれば「ファイア」の魔法が、水属性のパネルを縦に2つつなげれば「アイシクル」の魔法が使用可能となる。
 
問題点
システムの問題点
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わずらわしいUI
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UIが洗練されていないため仲間の装備や部隊編成、S.E.Sなどの管理が非常にやりにくい。
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仲間の人数が増えるに連れて不便さを感じることが多くなってきてしまう。
 
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中途半端なS.E.S
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パネルの配置によって使用可能なスキルが決まるが、各キャラには使用可能なスキルの属性が決まってしまっている。
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例えば火属性を使えないキャラに火属性のパネルを2つ並べてもファイアは使えない。
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この制約のためにキャラエディットの幅はとても狭くなってしまっている。
 
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属性の組み合わせがとてもわかりにくい。
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ゲーム中の解説・説明書では上記の火と水の魔法の説明で終わってしまい、他はプレイヤーが自力で探していくことになる。
 
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部隊制なのに1部隊対1部隊しかできない。
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複数の部隊での数で圧すやり方は行えない。
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一度交戦したら撤退できないので、数を頼りに波状攻撃も行えない。
 
戦術パートの問題点
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キャラクターの初期配置
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何の説明もなく自軍のキャラが分断配置されていたり、敵と目と鼻の先ぐらい接近した状態から始まることが多い。
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分断されていれば敵に各個撃破されやすくなり、いきなり接近していると指示を出す間もなく交戦するのでプレイヤー側を不利にしようという意図がかなり強く感じられる。
 
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カメラワークが悪い。
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各戦場ごとに開始時カメラの向きすら一定していない。ある戦場では初期は北向きでも別のところでは西向きなどという有様。
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建物などを避けるようにカメラが上に回りこむため、味方のキャラの判別が難しい。
 
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出撃するキャラ人数に対して戦闘マップが広すぎる。
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どうにも物寂しさがあり、敵と接触するまでの移動時間もかかってしまう。
 
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キャラ個別操作時の操作性。
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最悪の一言に尽きる。キビキビ動くことはできず、攻撃ももっさりしている。
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さらにこの状態でもカメラワークの悪さは健在。
 
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弓兵の攻撃
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弓の攻撃は単純に直線距離で攻撃可能かどうか判断しているためか、壁を貫通して攻撃できてしまっている。
 
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死にかけの敵の挙動
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HPがなくなりそうになった敵は基本的にその場から離脱しようとする。
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しかし移動速度は変わらず、プレイヤー側のキャラも移動速度は大差ないためMAPの端まで延々と鬼ごっこを続けてしまう。
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敵のボスを倒せばクリアの勝利条件であれば無視できるが、敵の全滅を求められるとこれがイライラの原因になる。
 
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戦闘中のカーソル移動が精密動作性に欠ける。
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細かい移動箇所の指定や密集しているキャラの中からの選択の際に特に苦労する。
 
その他の問題点
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BGMについて。
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種類が少なく、戦意高揚するような盛り上がる曲もない。
 
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キャラグラフィックの質が低い。
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キャラをリアル頭身に近い3Dモデルで表現しているが、キャライラストとの乖離やPS1レベルの低質さから違和感・不気味さを醸し出している。
 
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序盤のセーブできるタイミングが悪い。
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今作のセーブはMAPへの出撃前か、MAPで移動などをするときのメニューでしか行えない。
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このためMAP上での部隊単位の戦闘のない1章と2章冒頭まではセーブ不可能。ニューゲームから1時間近くセーブできないので不親切。
 
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セーブ&ロードにかかる時間が長い。
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データの読み書き自体は普通の速さなのだが、メモリーカードのチェックが非常に長い。
 
賛否両論点
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主人公のアレンのキャラクター
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彼は一国の王子ではあるが、非常に口が悪い。
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キャラクターを立てていると見ることができる一方で、チンピラの会話を見ているようでいい気分にならないという意見がある。
 
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無限湧きする敵増援部隊の存在
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大して強くないのでキャラのレベルアップに使えるという難易度面での肯定的見方ができる。
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一方で、あからさまな待ち伏せ戦法殺しであり戦略を狭めてしまっている。出現頻度が高めでありウザさを感じやすいのも問題。
 
評価点
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ゲームの難易度自体は配慮されているほうである。
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設定から難易度を「簡単」「普通」「困難」と切り替えられる。ゲーム開始時限定でないところは良いところ。
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「簡単」では被ダメージが半分に、与ダメージが倍になる。「困難」はその逆。
 
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MAPでの戦闘開始前に味方キャラからその章の戦闘方針に関する助言を聞くことも可能。
 
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味方のAIが無能ではない。
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魔法使いや僧侶系のキャラのスキル使用などはけっこう的確でありプレイヤーの負担軽減になっている。
 
総評
今作は決してゲームとしてまともに遊べないほどひどいという代物ではない。
しかし、多くのIF作品が抱えているようなあちこちに目に付くストレス要素・不親切さがプレイヤーにひたすら波状攻撃を行ってくるゲームである。
1つ1つは大げさに取り上げるほどの問題ではなくとも数を積み重ねることでゲーム全体の不快感を形成しているのである。
ゲームのストレス要素に強いという自信のある人なら楽しめるかもしれないので、その点は覚えておいて欲しい。
余談
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今作はIFゲーの中でもマイナーの部類に入り、攻略本どころか個人開設の攻略サイトすら存在していない。
最終更新:2024年05月31日 15:15