野球格闘リーグマン
【やきゅうかくとうりーぐまん】
ジャンル
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ベルトスクロールアクション
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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アイレム
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稼働開始日
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1993年10月27日
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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なし
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概要
スーパー戦隊っぽさのオマージュに加え、何故か敵味方共に野球の要素を取り入れた独創的な世界観のベルトスクロールアクション。
海外でのタイトルは『Ninja Baseball Batman』で、正に言い得て妙(ステージ開始時のポーズや超必殺技の動作が忍法をイメージしている。)。
ゲームシステム
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プレイヤーはゲーム開始時に「ホセ(レッドリーグマン)」「リノ(グリーンリーグマン)」「ロジャー(イエローリーグマン)」「ストロー(ブルーリーグマン)」の中から使用キャラクターを一人選択しゲームスタート。基板の設定により最大4人まで同時プレイ可能だが、同一キャラクターは使用できない。
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通常のベルトスクロールアクション同様、レバーによって上下左右の移動。ボタンは攻撃ボタンとジャンプボタンの2つとコンパクトにまとまっている。
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全7ステージ。各ステージの最後に登場するボスキャラクターを倒すとステージクリアになる。
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ステージはアメリカの主要地域で、シアトル→サンフランシスコ→ラスベガス→テキサス→フロリダ→シカゴ→ニューヨークと巡っていく。
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操作系統は同社のベルトアクション過去作「アンダーカバーコップス」と概ね共通。ボタン連打でコンボのほか、ジャンプボタンと同時押しで体力を若干消耗しつつ広範囲の緊急回避攻撃が可能。相手を掴んでいる時に同時押しを行うと「ダイナマイツ技」を炸裂させるが、こちらも少量の体力を消耗する。
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また、ボタン連打の通常コンボや掴んだ後の攻撃をレバー上・前・下を入れながら行うと、レバーを入力していない時とは異なる攻撃が出る。
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「超必殺技」は「ジャンプ中に左右(または右左)攻撃ボタン」で発動。微妙な性能差はあるものの、基本的には画面全体に高威力の攻撃を行う。1回で1/3程の体力を消費する。残体力が使用コスト以下だと使用不可。
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技を喰らってダウンしたり、潰されたりした際にレバーをガチャガチャ振るか、ボタンを連打すると「起き上がり攻撃」を出せる。威力は低いものの普通に起き上がるより長い無敵時間があり、一端雑魚を吹っ飛ばして切り返すことができるので重宝する。さらに…(詳しいことは後述。)
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ダウンしている敵に近寄り、攻撃ボタンを押しっぱなしにすると「オートボコボコ」が発動。要はダウン攻撃。ダウン状態にヒットする攻撃(スライディングなど)を自分で出すことでも追い討ち可能。
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ダッシュアタックも二種類あり、ダッシュ中にどちらの攻撃ボタンを押すかで使い分けられる。攻撃ボタンだと複数回ヒットのスライディング、ジャンプボタンだと単発ヒットのタックルになる。
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他にも、隠し技である「ダイナマイツ技」が各キャラに設定されている。キャラクターによって性能もコマンドも全く違う。
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デモ画面ではダイナマイツ技が紹介されている。ただし、コマンドのレバー入力方向・ボタンは?で伏せられている。
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独自の特徴として、攻撃ボタンを押しっぱなしにすることで「ホールドモード」に移れる。
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この状態ではキャラの構えが変わり、移動速度と掴み間合いが向上。投げを容易く決めることができるようになる。が、代償としてこのモード中に攻撃を受けると、カウンター扱いになり通常時の2倍の大ダメージを貰ってしまう。基本的には上級者向けの操作。
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ホールドモード中にジャンプボタンを押すことで、特殊な「カーニバル技」が発動。これもキャラによって性能が大きく異なる。
評価点
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非常に軽快でコミカルなサウンド、よく動く上どこか愛嬌のあるキャラクター、ステージによってがらりと変化する世界観は面白い。
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プレイヤーキャラの性能は一長一短あるが総じてかなり高性能で、充分にキャラ特性を引き出すことができれば誰を使っても痛快なプレイが可能。
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隠しコマンドで出せる「ダイナマイツ技」の後、イエロー以外の3キャラは起き上がり攻撃を出せる為、隙を小さくできる。超必殺技が暴発しないように、レバーを上下に振りながらジャンプボタンを連打するといい。
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イエローはダイナマイツ技の後に起き上がり攻撃を出せない代わりに、通常攻撃からキャンセルしてダイナマイト技に連続技にできるので火力が非常に高い。しかも掴み動作が通常攻撃並みに速い。コマンドと使いどころが難しいものの、使いこなせば他のキャラよりも破壊力のあるプレイができる。
問題点
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難しすぎるというわけではないのだが、ゲームバランスで一部首を捻る箇所がある。
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基本的に本作では敵のリーチが長い(加えてこちらのリーチもブルー以外は短い。)。攻撃力も中盤以降急上昇し、耐久力も上がっていく。
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ほとんどのボスに効果的な投げハメがあるものの、当然やり方を知らなければ意味は無い。投げハメを用いず、地道に正攻法で倒そうとすると撃破が困難な相手もおり難度が高く、時間もかなりかかる。
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ラストステージは長丁場な上に耐久力の高いボスと三度も戦わねばならないため、制限時間に余裕がほとんど無い。相当精度の高いスピードプレイができないとタイムオーバー必至。自機がやられる以外にタイム回復手段がないのも難点。
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道中で手に入るアイテムのうち「投擲武器」はあまり個性が無い。自爆の可能性があるダイナマイトを除けば威力の違いがあるだけ。
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見習いである「ピンクリーグマン」達を召喚できるアイテムがあるのだが、取った時の効果が基本的にランダム。「威力のある全体攻撃をする」「投擲武器をたくさん出す」「回復アイテムをたくさん出す」の三つのうち、「投擲武器をたくさん出す」のはあまり有用な効果でなく、出るとガッカリすることが多い。召喚アイテムは激戦地に配置されていることがほとんどのため、運次第で難易度が少し高くなる。
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このゲームの難易度は「ダイナマイツ技を使える」ことが前提に作られている(と予想される)ので、上記の問題点が露見するのは必然だったのかもしれない。
総評
移植されていないことを惜しむ声も高い作品であるが、単純に1ゲームとしてみた場合、投げハメが強すぎるなど決して手放しに褒められるバランスはしていない。にもかかわらず印象に残る人が多いのは、ベルトスクロールアクションの原点にある「プレイ中の楽しさ」を本作が持ちえていることの証左であろう。
みんなでワイワイ騒ぎながら、ひたすら敵を倒して進み、手ごわいボスに協力しながら四苦八苦する。そんな喜びを忘れてしまっている人にこそ、勧められる作品かもしれない。
余談
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プレイヤーキャラであるリーグマンの4人にはゲーム中には一切反映されていない裏設定が存在する。
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中でも特徴的なのは巨漢でカレー好きなイエローリーグマン。その正体は「ロジャー」という名前のパワードスーツ型ロボットであり、カレーを欲しがるのはカレーが動力源だから。
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ちなみにパワードスーツを開発・装着しているのは「天才セクシー小学生キャサリン」というもの。どこから突っ込めば良いのか分からない。
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後にアイレムのスタッフが設立したナスカの『メタルスラッグ』シリーズでお馴染みのデビルリバース・モーデン元帥の特徴的な笑い声のSEは実は本作が初出だったりする。
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ただし、初代時点では使用されておらず、実際は吸収合併後のSNKでリリースした『2』以降の作品から。
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ちなみにメタスラシリーズではモーデン元帥に限らず、多くのSEが末期のアイレム作品から流用されている。
最終更新:2024年06月24日 04:43