ふぁいなりすと
【ふぁいなりすと】
| ジャンル | ADV |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | プリンセスソフト | 
| 発売日 | 2006年1月26日 | 
| 定価 | 通常版:6,800円(税抜) 初回版:7,800円(税抜)
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| レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ヒロインごとに異なるキャラデザ担当 商業レベルに満たない背景画像
 最初の設定だけ奇抜で後は平凡なシナリオ
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概要
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プリンセスソフトから発売された恋愛ADV。
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主に名前が原因でただ1人女子校に入学するハメになってしまった主人公と、学生寮に同居するヒロイン達の恋愛を描く。
 
メインキャラクター
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白鷺 美樹
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主人公(男)。名前は「よしき」と読むのだが漢字のせいで女性だと勘違いされてしまいがち。過去にも名前のせいで苦労してきているが、その集大成がストーリーの端緒になる女子と勘違いされて女子校への入学である。
 
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沢良木 珠萌
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気が強く、口が悪いツンツンタイプのヒロイン。着替えをしているところで美樹に遭遇するという最悪の出会いをしているため、彼の前ではほぼ憎まれ口のたたき合いになる。
 
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芹沢 炎夏
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典型的おっとりタイプのヒロイン。名前は「ほのか」と読む。美樹同様に名前で苦労しているため彼のよき理解者でもあり、学校生活でも何かと美樹は彼女に助けられている。
 
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薄野 真沙穂
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明朗快活でノリのいい先輩ヒロイン。入学式の日に偶然知り合い、後に美樹を体育祭の応援合戦のサプライズとして参加させようと勧誘してくる。
 
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迫井 和奏
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12歳だが飛び級で高校生になった天才児。一方でその多才ぶりから周囲から孤立している。ただし性格は年齢相応の明るく素直なタイプ。
 
評価点
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タイトル画面のシステムボイス
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ゲームを起動した時間帯に合わせて様々なボイスが用意されている。システムボイス担当のキャラを変えればいろいろ聴くことができる。
 
賛否両論点
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本作はキャラデザインを複数の人間が担当しており、絵柄が統一されていない。顔の描き方などは大分異なっており、違和感を拭い去れない人も居たらしい。
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今でこそ別に珍しくはないが、当時はそんな作品は多くなかった。
 
問題点
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背景・一枚絵の描きこみが甘い
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背景はやや立体感に欠けたものになってしまっている。一部の背景画像にいるモブキャラの顔は商業レベルに達していないほど酷いものがある。
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ヒロインらの一枚絵に関しても顔のパーツ配置が奇妙なものになっているものがあり安定していない。
 
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シナリオ面の問題
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強引な初期設定。学校側の責任者も担任もその場のノリとしか言えない勢いで主人公の女子校通いを認めてしまう不自然さ。
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「女子校の中のただ一人の男子」というシチュエーションがあまり掘り下げられていない。初期の双方の戸惑いこそあれどそこからシリアスな問題への展開がないため、通常の学園ADVと大差ない感じになっている。
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共学部への編入試験を突破することで主人公は事態の解消を目指すのだが、早期に上記のシチュエーションに適応してしまっているため、なぜ必死になっているのか感情移入できない。
 
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ボリューム不足気味のシナリオ
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全体的に起伏に欠けて安っぽい内容が続く。長さとしてもそう長いものではない。
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ヒロインが4人と少ない。エンディングはバッドエンドなどを含めれば12種類だが水増しした感じが否めない。
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そのエンディングに関しても「これで終わり?」という不完全燃焼さが残るものがある。
 
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全体的に良くないシステム面
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スキップ中の速度の問題。既読スキップでもやや遅く、立ち絵の切り替わりのときに読み込みが入るため一般的な同ジャンル作品と比べてこの点でも遅い。
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セーブ&ロードの時間が長め。特にセーブは一般的な紙芝居ADVと比較すると緩慢だと明らかに気が付くぐらい遅い。
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ゲームのセーブ時にセーブデータにつけるアイコンを設定するという謎の機能がある。ただし、初回セーブだけでなく上書きセーブのときにもいちいち選択させられるためセーブ時のテンポを削いでいる。
 
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高めの難易度
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攻略の糸口が掴みにくい。この選択肢は好感度アップやルート分岐に関わっていそうだなということを察せない選択肢が多いことが原因。
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個別ルートに入ってからの選択肢は良さそうなもの、そうでないものがある程度分かりやすくなっているのが救い。
 
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OPムービーがいまいちの出来
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ヒロインの立ち絵などの静止画と、荒っぽい造形の3Dで構成されており見所がない。曲も印象が薄い。
 
総評
設定はやや奇抜であるがシナリオは蓋を開けてみれば凡庸な美少女ハーレムADVであった。
CGも低水準であり、これといって褒めるところはキャラボイスぐらいである。
クソゲーと断じるほど酷くはないが、内容に期待してプレイするのはおすすめできない一作。
余談
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今作はタイトルから察せられるが『Φなる・あぷろーち』の系譜である。
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シナリオ担当は両者共に三浦洋晃氏であり、キャラの名前遊びが引き続き行われていたり、合言葉として『Φなる・あぷろーち』が使われる小ネタがあったりする。
 
最終更新:2023年09月19日 05:00