怒りの要塞

【いかりのようさい】

ジャンル アクションシューティング
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対応機種 ゲームボーイ
メディア 1Mbitロムカセット
発売元 ジャレコ
開発元 K.K.DCE
発売日 1991年2月26日
定価 3,400円
プレイ人数 1~2人
レーティング 【VC】CERO:B(12才以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年6月15日/400円
判定 なし
ポイント 2人のプレイヤーキャラクターを切り替えつつステージ内を進む
難易度はかなり易しめ
怒りの要塞シリーズリンク
怒りの要塞 (GB) / 怒りの要塞2 / 怒りの要塞 (SFC)


概要

1991年にジャレコが販売したアクションシューティングゲーム。『怒りの要塞』シリーズ第1作目。
銃器を武器に、男主人公と女主人公の2人のキャラクターを切り替えながら、ステージ内を進んでいく。

ストーリー

敵陣の重要拠点に巨大要塞が完成した。しかも、その中では強力な秘密兵器が研究されているという。これを破壊するため幾度となく攻撃が行われたが、その防御力は絶大で、外からの攻撃ではびくともしなかった。そこで、秘密工作員を要塞内に侵入させ、内部から破壊するという作戦が立てられ数多い工作員の中から2名の男女が選ばれた…。男の名はマサト・カンザキ、女の名はミズキ・マキムラ………幾多の作戦を成功へと導いてきたプロ中のプロである。2人は夜の闇に紛れ、黒塗りのグライダーで要塞を見下ろす丘の上に降り立った…………。
(※説明書のストーリーより抜粋)

特徴・システム

  • 画面見下ろし型、1画面分の固定画面の端の方に行くと隣のマップと切り替わる、『ゼルダの伝説』のようなシステムを特徴としている。ただし、攻撃は『』や『戦場の狼』のように銃器をはじめとした遠距離攻撃系がメインである。
  • ゲーム中、サブ画面を開く事で、2人のキャラクターを任意に切り替える事ができる。男主人公・MASATOは様々な特殊武器(弾数制限あり)が扱えるが、動きがやや鈍くジャンプもできない。女主人公・MIZUKIはやや素早くジャンプもできるが、重火器を扱う事はできず、通常武器も2発までしか撃てない。
  • 2人のキャラクターで体力は個別に設定されている。両方のキャラクターの体力が尽きるとゲームオーバー。
  • 全4ステージ。ステージ最奥にいるボスを倒すとステージクリアとなる。パスワードを入力する事で好きなステージから遊ぶ事が可能。
  • 2人同時プレイが可能。さらに2人同時プレイでは、薬などのストックしたアイテムを2人の間でやり取りする事ができる。相手の復活も、倒れている相手に薬を渡すと復活させる事ができる。

評価点

  • ステージ探索要素とシューティングを融合させたゲーム性。
    • ステージ中には、体力を全回復させ更に体力満タン時に取るとストックする事ができる「薬」、取ると体力が全回復した上で体力の最大値が増える「体力値UP」など、ゲームを有利に進めるアイテムが点在している。また、扉の中にはカギがかかっており、それがないと開かないものも存在する。単なる1本道ではなく、これらを捜しながらステージを進めていくという探索の楽しさがある。
    • 画面見下ろし型、画面切り替え方式の『ゼルダの伝説』のようなシステムだが、こちら・敵側とも攻撃手段の大半は銃などの遠距離攻撃。小さい画面ながら、「撃つ・避ける」楽しみがある。
  • 2人のキャラクターを切り替えながらステージを攻略していく楽しさ。
    • 前述のように操作キャラクターはMASATOとMIZUKIの2人。普段やトゲ床・コンベアー地帯ではMIAUKIを使い、中ボスやボスといった相手には様々な特殊武器を扱えるMASATOを使う、といった戦略的なプレイが楽しめる。
  • ゲーム中の仕掛けはそこそこ豊富。トゲ床やコンベアーといったよくあるものから、「敵を全滅させるまで出られず、倒した側から敵が湧いてくる部屋」、「ミサイルや円盤が飛んできて、それらを全て撃墜するまで出られない部屋」、「十字キーの入力が上下左右逆になる装置」、「装置を破壊するまで画面が真っ暗で、手探りでマップを探索しなければいけない場面」、「一見行き止まりだが、実は通れる壁」など凝ったものもある。
  • 敵の種類、グラフィックは中々に豊富。ステージ1、2では主に人間兵が相手だが、ステージ3ではよく分からない奇怪な生物たち、ステージ4ではロボット兵と、ステージの特色をよく表している。
    • ステージ中には雑魚やボスだけでなく、中ボス級の敵もおり、ゲームを飽きさせない工夫がされている。
  • 簡易なものではあるが、オートマッピング機能が搭載されている。一度通った場所や、部屋と部屋との繋がりなどは自動で記録される。
  • 多和田吏氏によるBGM。ステージ1、2のようにミリタリー色の強い重めのBGMが多いが、ステージ3のようにノリのいい軽快なBGMも存在している。
    • ゲーム内には「サウンドボーイ」というサウンドテストの項目があるが、この中には「PROGRAM PLAY」という選んだ曲を順に演奏するという凝ったものも存在する。

賛否両論点

  • かなり易しめの難易度。手軽に遊ぶにはいい難易度といえるかもしれないが、ゲームとしてやや大味なものになっているのも確か。
    • 本作では体力を全回復するアイテム「薬」をストックする事ができ、体力が尽きると自動で薬を使用するが、それを最大8個までストックする事が可能。各ステージにいる固定砲台が薬をよく落とすので、これを利用して稼げば物量に任せたゴリ押しが可能であり、ほとんどゲームオーバーになる事がない。
      • さらに言えば、各ステージに落ちている薬の量も少なくない上、敵が薬を落とす確率も低くないため、意図的な稼ぎを行わなくてもある程度のゴリ押しは可能になってしまっている。
    • 片方のキャラクターの体力が尽きた場合、そのキャラクターは使用できなくなるが、もう片方が体力満タンの状態で薬を捜してくれば復活する事ができる。前述のように、薬の量は少なくないため、復活やリカバリーは容易。
  • 全4ステージ、全ステージクリアまでは約30~40分というボリューム。短時間で遊ぶにはいいかもしれないが、ややボリューム不足とも感じる。

問題点

  • キャラクターは前述の通りMASATOとMIZUKIの2人だが、ややMIZUKI偏重のバランス。動きがMASATOに比べ素早いので移動が楽かつ敵の攻撃を避けやすく、さらにトゲ床やコンベアー地帯をジャンプで移動できるため、必然的に通常の探索はMIZUKIで、ボスなどの要所要所ではMASATOに切り替えるというプレイングになってくる。
  • 通常弾の威力が2倍になる「パワーUP」というアイテムがあるが、これはステージ1にひとつだけしか落ちていない*1。取ったキャラクターにしか適用されないため、MASATOかMIZUKI、どちらに取らせるか悩む事になる。
    • ここでMIZUKIにパワーUPを取らせると、相対的にMASATOの攻撃力が下がり、ますます出番が少なくなる。
  • MASATO用の特殊武器で役に立たないものがある。高威力の手榴弾、威力は低いが射程最大で障害物を貫通する火炎放射器は使えるが、威力の低い3連弾を放つマシンガン、同じく威力が低くしかも1発ずつしか撃てない3-WAYはほとんど役に立たない。
  • パスワードで再開した場合、体力の最大値や薬のストックといったものは初期値に戻ってしまう。先に難易度は低いと述べたが、後半ステージをパスワードで始めた場合は、少ない体力&薬のストックがないという状況で敵の高い攻撃力に晒されるというかなり厳しい状況に置かれる。
    • そのため本作は、ステージ1から開始してそのままクリアしてしまうのが望ましい。
    • さらに、パスワードはゲームオーバーにならないと表示されないため、ステージ2以降のパスワードを得るにはわざとゲームオーバーにならなくてはならない。
  • 詰みポイントが存在する。具体的には、ステージ4、カギの入った箱を壊す事で部屋が明るくなる場所があるのだが、ここでカギを取らずに画面を切り替えると、カギが消滅し詰んでしまう。こうなるとゲームオーバーになるしか方法が無い。
    • なお、カギを箱から入手する場所はここだけである。他の場所ではカギは中ボスが落とし、なおかつカギを取るまで扉が閉まって他の部屋には移動できないようになっている。
    • なお、続編の『怒りの要塞2』では、箱を壊しカギを取らなかったとしても、消滅する事はなくなった。
  • 敵の挙動が若干おかしいものがある。敵の横や後ろから弾が飛んでくる場合がある。

総評

  • 探索要素やキャラクター切り替えなどが目に付く本作。しかしキャラクター間のバランスや難易度など、無視できない問題点も存在するもの確か。
    難易度の低さを許容し、手軽かつ気楽に遊べるゲームだと割り切れば、いいゲームと言えるかもしれない。

その後の展開

  • 翌年の1992年に続編である2作目『怒りの要塞2』が発売、1993年にはプラットフォームをスーパーファミコンに変え3作目『怒りの要塞*2が発売されている。

余談

  • パスワード画面でキーワードを入力すると、無敵&特殊武器が無限になったり、MIZUKIが2頭身キャラに変化するなどの裏技があるが、このうち無敵&特殊武器が無限になる裏技は、ある同じアルファベットを4つ入力するというかなり安直なものとなっている。
最終更新:2025年05月10日 16:49

*1 ただし、ステージ2以降の雑魚敵がやや低い確率で落とし、画面切り替えによる敵の復活を利用すれば何回でもチャレンジ可能。

*2 本作と同じタイトルだが、ゲーム内容は全くの別物となっている。