本Wikiの執筆ルール上、PLAYISMからリリースされたSteam版の情報のみについて限定して表記し、それ以外の版については割愛しています。


ゆめにっき

【ゆめにっき】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Windows(Steam)
発売元 PLAYISM
開発元 ききやま
発売日 2018年1月9日
定価 無料
プレイ人数 1人
判定 怪作
ゆめにっきシリーズ
Steam版YUMENIKKI -DREAM DIARY-
※原作は同人ゲームのため執筆・取扱不可


概要

元々は2004年に公開された、『RPGツクール2003』で制作されたフリーゲーム。
当時のフリーゲームブーム絶頂期を代表する作品のひとつであり、その独特な世界観から国内外で多くのファンを生み出した。
2018年初春に、PLAYISMから突如Steamで無料配信が開始された。本項ではこのバージョンを解説する。
Steam版は2007年公開のver.0.10をベースに、新たに英語にも対応したバージョンとなっている。


特徴

  • 主人公の少女がベッドで眠り、その夢の中の世界を探索をしていくゲーム。
    • 本作にストーリーや目的はない。作者いわく「とても暗い雰囲気の、夢の中の世界を歩き回る」だけのゲームとなっている。
    • 夢の中では大広間に置かれている多数の扉から、様々な異なる夢の世界に旅立つことができる。
    • 夢の世界は非常に広大で、目印がない場所や上下左右がループしているマップ、確率で通れたり通れなかったりする場所も多数あるため迷いやすい。
    • 頬をつねることで目が覚めて、現実の部屋(スタート地点)に戻ることができる。
  • エフェクト
    • 夢の中で特定のキャラをチェックすると「エフェクト」が手に入る。
    • エフェクトを使うと主人公の格好が変わる。一部のエフェクトではアクションが行えるものや、特殊な効果付きのものもある。
    • エフェクトは夢の中の、扉の部屋で捨てることができる。

評価点

  • 独創的で奇々怪々な世界
    • 夢の中ということもあって、世界は扉ごとに多種多様で非常に独創的。
      • 不可思議な物体やキャラクターがマップの隅々まで設置されており、風景も幻想的なものや狂気じみたもの、サイケデリックなものなど多岐にわたる。 手足や目、口、血など人体の各パーツを連想させるオブジェクトや、得体の知れないデザインも非常に多く、全体的に暗くて不気味。
      • マップ上のギミックも踏むと音が鳴る床や、ランダムで発生するイベントなどよく作りこまれている。
    • エフェクトも「こびと」や「しんごうき」といったユニークなもの以外にも「なまくび」や「めだまうで」、「ほうちょう」など少々恐怖を感じるものも。
      • 特に「ほうちょう」はキャラに対してアクションを行うと様々な反応を示してくれる。
    • この奇怪な世界観はカルト的人気を誇り、多くの人々を魅了させた。実際に本作の二次創作が活発であり、影響を受けたフリー・同人ゲームが多いことからも明らかであろう。
      • これら世界観に関する説明が一切されていないことも、様々な解釈や考察ができるので二次創作が活発になった所以だろう。
  • ミニゲーム「NASU」
    • 現実部屋で遊べるファミコン風のゲーム。上から落ちてくる茄子を取るだけというシンプルなもの。
    • 判定がシビアなのもあいまって、妙に中毒性がある。
    • また、ハイスコアが記録されるのでやり込み要素にもなっている。
  • Steam版では英語に正式対応
    • 日本人のプレイヤーには関係ないだろうが、海外のプレイヤーからすれば嬉しい点だろう。

賛否両論点

  • ゲーム性はほぼ皆無
    • 前述したとおり本作は「奇怪な夢の中をただ歩き回るだけのゲーム」であり、目的やストーリー、謎解きといったものは存在しない。
    • 「特定のエフェクトでのみ通過できる」類の障害はあるので、これをもって「ゲーム性はある」と言い張ることはできる…かもしれない。
    • 他にゲーム性があるといえば前述のNASUくらいか。
    • 一応エンディング*1はあるが、外部の攻略情報が無ければ自力でたどり着くことはまず無理だろう。
    • 一方で下手なゲーム性が無いことによって独自の世界観にじっくりと浸ることができるようになっている。
    • 現在ではこのような世界観重視でマップを彷徨い歩くだけのゲームは珍しくなくなってきたが、2004年の発表当時はかなり挑戦的だったと言えよう。

問題点

  • マップが広く迷子になりやすい
    • 本作はマップがかなり広く、マップの繋がりも複雑になっている。おまけに独特な世界観故、自分がどのマップのどの位置にいるのが非常にわかりづらい。
      • 上下左右がループしている部屋があるのも迷いやすい一因だろう。
    • エフェクトの一つ「じてんしゃ」を入手すれば、移動速度が倍になるため、探索が楽になる。ただし、場所はノーヒントなので、探すのが大変。
    • 頬をつねることで、いつでもスタート地点に戻れるので、これによって詰むということはまずない。
    • 「つねる」が用意されているあたり、迷いやすいのは意図した作りであると思われる。そもそもゲームの目的自体が「あてもなく歩き回る」なので…
  • (エンディングを目指す場合)攻略サイト必須
    • 「夢の中を歩き回るだけ」というのが本作のコンセプトではあるが、エフェクトをすべて集めることや、エンディングを目指そうとした場合、攻略サイトが必須となる。
    • ゲーム中ではヒントはおろか、台詞や文章すらろくに出てこないため、外部情報に頼らず自力で攻略することはまず無理である。

総評

率直に本作を表すのであれば、究極の雰囲気ゲーである。
ゲーム性は殆どなく、目的も提示されず、ストーリーも存在しない。ただ奇々怪々な夢の中を歩き回るだけの作品である。
そのため、プレイヤーの感性に左右される部分も多く、万人受けするゲームかと問われた場合、答えは「NO」となるだろう。
人を選ぶゲームだが、この奇怪な世界観には大きな魅力があり、多くのプレイヤーを虜にして、後続作品にも強い影響を与えた。

余談

  • 2013年に株式会社サーファーズパラダイスから「Project Yumenikki」というメディア展開がされている。
    • 漫画版と小説版が刊行されており、原作では何の説明も無かった世界観に対して、それぞれ独自解釈が行われている。
  • 本作のSteam版配信直後より謎の新プロジェクトのカウントダウンが行われ、後にリイマジン作『YUMENIKKI -DREAM DIARY-』として発売された。
  • 2021年7月1日に、ゲーム投稿サイト「ゲームアツマール」にてブラウザ版が公開されている。
    • なお、ゲームアツマールは2023年6月28日をもってサービス終了。
  • コンビニなどで販売されるDVD付書籍のホラー系の100の怖い動画にて、このゲームが登場している。本編も大概なものだが、収録された内容は隠し要素。

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最終更新:2023年09月21日 14:20

*1 そのエンディングの内容も、何故か「主人公(窓付き)が玄関から飛び降り自殺をする」というかなりショッキングなものになっている。