Autonauts
【おーとのーつ】
| ジャンル | シミュレーション |  | 
| 対応機種 | Windows 7/8/8.1/10 (64bit) | 
| 発売元 | Curve Digital | 
| 開発元 | Denki Games | 
| 発売日 | 2019年10月18日 | 
| 定価 | 2,050円(税込) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ロボットに動作を覚えさせるビジュアルプログラミングゲーム 難易度は易しいがゲーム進行が遅く中だるみしがち
 | 
 
概要
- 
入植者として未開の地を訪れて様々な事象を自動化するといったコンセプトのシミュレーションゲーム。
- 
木を切ったり、石を採掘したりしながらいろんなアイテムを作成していき生活を充実させていくのが目標となる。
- 
もっとも、入植者として登場するのはプレイヤー1人のみでありすべての作業を自分自身で行うのは途方もない時間がかかるため、本作のウリでもある「自動化」を行うべくロボットを作成し作業を自動化していくのがゲームの流れとなる。
- 
ゲームを進めると、コロニストが登場する。コロニストに充実した生活を送らせるとハートを落とす。このハートは研究に用いることができ、研究することで作成できるアイテムが増えたり、ロボットを高度化したりできるようになる。
- 
本作には明確な目標はない。また、プレイヤーである入植者はライフ、空腹度等も存在しないため、ゲームオーバーの概念もない。
- 
ちなみにデベロッパーのDenki Gamesはイギリス北部のスコットランドに拠点を置き、古くはDirecTVやOpenTVといった衛星放送配信向けのカジュアルゲーム開発が中心で、近年はHTML5やiOS/Android向けのゲーム開発にシフトしている。
ビジュアルプログラミング
- 
本作ではロボットが登場し、ロボットの動作はビジュアルプログラミングのスタイルで記述される。
- 
ビジュアルプログラミングに詳しい人であれば「Scratch」(外部リンク)を思い浮かべるとわかりやすい。
 
- 
もっとも、自分自身で命令を当てはめていくのではなく、基本的にロボットにプレイヤーの行動を見せることでその行動に対応される命令がセットされていくスタイル。
- 
ロボットの行動自体はプレイヤーが行動を見せて覚えさせていくが、それとは別に簡単な条件式等を挿入することも出来る。
 
- 
ロボットが覚えられる命令の数は決して多くなく、複数の行動をとらせようとすると容量オーバーとなってしまう。一方でロボットの作成コストは比較的軽いので必要に応じてロボットを量産し、ロボットごとに命令を与えていくのが本作のスタイルである。
- 
ロボットはプレイヤーが行うことが出来る行動であれば基本的に行うことができ、自然に壊れるということもないため、完全に自動化することも可能である。
- 
ただし、ロボットはプレイヤーと異なりゼンマイ式であるため、ある程度動作すると動きが止まってしまうため、こうなるとゼンマイを巻き直さないと再度動かなくなる。
- 
もちろん、ゼンマイを巻く、という動作もロボットに模倣させることは可能。
 
 
評価点
- 
プログラミング初心者にもわかりやすいシステム
- 
本作ではロボットに命令を与えて自動化するというコンセプトであるため、コンセプトに反するようなプレイをしない限りプログラミングは必須である。
- 
しかしながら、本作では例えば「木を切ってほしい」ということであればロボットに対して実際に「木を切る」という行動を見せれば良いだけであり直感的にプログラミングをすることが可能である。
- 
ループなどの命令については序盤のチュートリアルで説明があるため、プログラミング未経験者であってもすんなりと理解できる。
- 
また、プログラミングの結果も実際にロボットがわかりやすく行動をしてくれるため、理解しやすい。予想外の動作(あるいは停止)をした場合にはロボットを調べればどのような命令実行がされているかを確認することも出来るため修正もやりやすい。
- 
ループ等の条件は簡単なものしか設定できないものの、逆にいうと難しい条件等が存在しないため理解しやすいメリットもある。
- 
そもそも、本作は一つのロボットに色々なことをさせるのではなく、役割ごとにロボットを量産するようなスタイルになっているため条件等が簡単なものしか使えないのは当然といえば当然ともいえる。
 
 
賛否両論点
- 
低い難易度
- 
本作のスタイルとしては『Factorio』に近いとされているが、同作と比べてもかなりの低難易度である。
- 
先述のとおりプレイヤーにはライフや空腹度といった概念は一切ない。敵対者も存在しないため、プレイヤーの開拓を邪魔する者はおらず、やられてゲームオーバーになるといったことはない。
- 
資源についても基本的に無限サイクルができる。例えば木については伐採→伐採で得た種を植える→再度生える、といった具合に延々と繰り返される。石材等も特定の地面を掘ればいくらでも手に入る。
- 
ロボットについてはゼンマイが切れて動作が停止することはあるが、ゼンマイを巻けば再度動く上、ゼンマイを巻くためのロボットを生成しておけば完全に自動化が出来る。
- 
結論として、放置しておいても(完全自動化が途切れることはあっても)ゲームオーバーになる心配は一切無いバランスであり、緊張感に欠ける。もっとも、サバイバル要素を気にすることなく拠点拡充や、プログラミングに没頭出来るというメリットもある。
 
問題点
- 
一部アイテムの使い方が説明されない
- 
序盤のチュートリアルは充実しているのだが、それ以降の研究で手に入るアイテムについての説明がほとんどなく使い方が分からないものもある。
- 
その最たる例がフロッピーである。これはすでに命令を与えたロボットの命令を別のロボットにコピーさせるためのアイテムなのだが使い方の説明がされていない。
- 
ほかにもコロニストに服を着せる方法等もゲーム内で説明がない。
 
- 
中だるみするバランス
- 
コロニストが出現し、研究が解禁された後は研究を行っていくことになるのだが、研究に必要なポイントが膨大であり、とにかく時間がかかる。
- 
こうなると、そもそもゲームオーバーになる要素がないこともあって中だるみしがちである。
 
- 
何もしないコロニスト
- 
本作のコロニストはコロニストとは名ばかりの何もしない存在である。
- 
コロニストも空腹等で死ぬといったことはないが、ご飯を与えたりすることでハートを落とす。これがないと研究が始まらないので完全に放置するわけにもいかない。
- 
感謝の気持ち=ハートなので感謝はしてくれているのだろうが、本当に何もしないので結構腹の立つ存在ではある。
 
総評
プログラミングという取っつきにくいジャンルにおいて非常に遊びやすくデザインされている一作である。
ビジュアルプログラミングを分かりやすくゲーム化したという意味ではプログラミング初学者の小中学生であっても楽しむことができるだろう。
もっとも、ゲームデザインそのものはやや荒削りであり、ゲームバランスもお世辞にも良いとはいえないのが残念なところである。
余談
- 
続編ともいうべき『Autonauts vs Piratebots』が2022年7月28日にリリースされた。
- 
自動化がコンセプトであるのは本作同様であるが、タイトルに「vs」と入っていることからも分かるとおり戦闘要素が追加されている。
 
最終更新:2022年07月30日 08:48