コロコロパズル ハッピィパネッチュ!
【ころころぱずる はっぴぃぱねっちゅ】
ジャンル
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体感傾けアクションパズル
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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メディア
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32MbitROMカートリッジ
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発売元
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任天堂
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開発元
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モバイル21
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発売日
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2002年3月8日
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定価
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4,800円(税5%別)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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1個(バッテリーバックアップ)
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備考
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動きセンサーカートリッジ内蔵 隠しコマンドでゲームボーイアドバンスSPでもプレイ可能
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判定
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なし
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WARNING!
この ゲームには
なぞの いきもの パネッチュが
ふくまれて いました!
ゲームボーイ アドバンスに
すみついて しまった ようなので
あきらめて なかよく してください
概要
『コロコロカービィ』でも使われている動きセンサーがカートリッジに内蔵されたアクションパズル。
GBA本体を前後左右に傾け、謎の生物「パネッチュ」を転がすような感覚で移動させて消していく。
GBAとGBASPではカートリッジの挿入場所が反対になっており、初期状態だとGBASPでは傾きが正反対になってしまうが、オプションメニューの「かたむきせってい」から十字ボタンの上+L+R+Bを同時押しすると傾きの上下左右が反転し、ちゃんと遊べるようになる。使うハードに合わせてあらかじめ設定しておこう。
操作方法
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パネッチュの消し方
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フィールドは10マス四方の正方形で、中央に2×2の固定ブロックがあるので、計96マス分の広さがある。
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パネッチュは赤、青、緑、黄の4色があり、GBA本体を傾けるとその方向に移動する。一度傾けると壁や他のパネッチュなどにぶつかるまで止まらない。
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縦か横に同じ色のパネッチュが3匹以上くっつくと「ハッピー!」と言いながら幸せになって消える。
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パネッチュはGBA本体を傾けながらAボタンを押すと補充されていく。補充することによってフィールドが完全に埋まることはない。
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連続でパネッチュを消すことをコンボと言い、コンボが続くと「超ハッピー!」「めっちゃハッピー!」「大ハッピー!」「サイコー!」と幸せの度合いも上がっていく。
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コンボをつなげていくにはGBA本体を一旦水平に戻し、次の一手を考えてから動かすとよいが、「おジャマバトル」と1人用の「ボムでノックアウト」では反則負けに注意(詳細はゲームモードの項にて)。
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ボムの操作
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パネッチュが消えるとボム置き場にボムがたまっていく。コンボが続くほどたまるボムの数も多くなる。
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ボム置き場にボムがある状態でパネッチュを補充すると一緒にボムも出てくる。このボムは2個以上くっつくと赤く光り、その状態でBボタンを押すといつでも爆破できる。爆破したボムは周囲1マスを巻き込んで消滅する。また、相手におジャマを送りつけたり、敵を攻撃したり、得点が入ったりする。
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ボムを2×2の正方形状にくっつけると大ボムに成長する。この大ボムを縦2つか横2つ並べると縦長ボム、横長ボムに成長し、同じ長ボム2つを正方形になるようにくっつけると最終的にキングボムにまで成長させられる。成長すればするほど、爆破時の威力や得点が高くなる。
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おジャマ
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一部のゲームモードではおジャマと呼ばれる灰色のブロックが出現する。
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おジャマ同士をくっつけても消すことはできず、ボムの爆発に巻き込むか、後述のダイヤを使うことでしか消せない。
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ダイヤ
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一部のゲームモードでは、12コンボを達成させるか、パネッチュの周囲8マスをボムで完全に囲んでしまうかするとダイヤが出現する。
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フィールド上に爆破可能なボムが無い状態でBボタンを押すとフィールド上のおジャマが全て消える。
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水平設定
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ゲーム中、セレクトボタンを押すといつでも水平設定のやり直しができる。GBA本体を水平にした状態でAボタンを押せば設定完了。
ゲームモード
IQチャレンジのみ1人用で、それ以外は1~2人用となっている。2人用は全て対戦形式となっている。
ゲーム開始時に名前を4文字までで入力するが、ボムでノックアウトとIQチャレンジ以外のモードではフィールド上に自分の名前が表示される。
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1人用のモード
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1人用のモード
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おジャマバトル
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ボムを爆破させることで相手におジャマを送りつけ、フィールドを埋めてしまうのが目的。送られたおジャマはGBA本体を傾けるとどんどん出てくる。対戦時間が経過するごとにボムの攻撃力はだんだん上がっていく。
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フィールドの約9割が埋まってしまうとDANGER状態となり、これが10秒間続いたら負け。また、フィールドにあるものを5秒間動かさなかったら警告が発せられ、その後5秒間動かさなかった場合は反則負けとなってしまう。
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相手の状況はフィールドの様子、たまっているボムの量、送りつけたおジャマの量がメーターで示されており、攻撃準備中なのか、追い込まれているのかなどが一目でわかるようになっている。
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子供からお年寄りまで全22人の個性豊かな対戦相手が待っている。最初は5人しか選べないが、勝利する毎にだんだん増えていき、全員倒せばエンディングとなる。
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ボムでノックアウト
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パネッチュたちの平和を乱す敵を倒す、という設定。中央の固定ブロック上にいる敵をボムの爆破で攻撃する。初期体力は100で、0にすれば勝ち。
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ボムを敵に隣接する位置で爆破すると敵にダメージを与える。ボムのサイズが大きいほど与えるダメージは多く、キングボムだと相手次第では一撃必殺となる。
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敵が時々黄色い魔法のおジャマで攻撃してくる。魔法のおジャマは通常のおジャマと性質はほぼ同じだが、大ボム以上の大きさを持つボムで敵にダメージを与えると全て消える。
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敗北条件はおジャマバトルの時と同じ。
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敵は8種類で、強さの段階が4段階あるので、全部で32ステージ。敵の形や名前も包帯に身を包んだ「ホウタイくん」や攻撃時以外ずっと寝ている長身の「ホーヒーくん」などかなりユニーク。
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IQチャレンジ
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いわゆるパズルモード。おジャマ以外の全てのパネッチュをできるだけ少ない手数で消すのが目的。イージー、ノーマル、ハードそれぞれ25ステージずつの計75ステージ。
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このモードではIQパネッチュという四角いパネッチュと、3匹以上くっつけるとその場で壁になってしまうカベッチュが出現する。また、フィールドは他のモードとは違い、様々な形をしている。
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失敗条件は次の通り。
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同色のパネッチュが2匹以下で残ってしまったとき。
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カベッチュの壁に囲まれてパネッチュが出られなくなったとき。
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99回傾けてもクリアできないとき。
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おジャマ以外の全てのパネッチュを消すことができればステージクリア。手数に応じて金、銀、銅の3段階で評価される。また、1回クリアしたステージは最短手数が何手なのか、「もくひょう」として表示される。
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ボムでハイスコア
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制限時間内にボムを爆破することによって入る得点を競う。制限時間は3分、5分、10分、20分の4つから選べる。
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得点はボムが10点、大ボムが100点、縦長/横長ボムが400点、キングボムが1600点。パネッチュはいくら消しても一切点数にはならない。
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時間切れの瞬間、フィールドに存在するボムはその場で全て爆破され、得点に加算される。
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ぜんぶふっとばせ!
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最初からあるおジャマを含め、一度のボム爆破でフィールド上のパネッチュ、ボム、おジャマを全て消すのにかかる時間を競う。全部で15ステージ+ランダム配置の?ステージがある。
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このモードに限り、ボム置き場にボムが1個でもある状態でAボタンを押すとボムだけが出てくる。その代わり、Bボタンで爆破するとボム置き場に置いてあるボムも全て消滅する。
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概ね30秒ごとにおジャマが追加される他、ボムを爆破したときにフィールド上に何かが一つでも残ったときもおジャマが追加される。
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一度のボム爆破で全てのものを消すことができればクリア。ステージ毎にベストタイムが記録される。
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2人用のモード
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2人用のモード
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ボムでノックアウト
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中央にいる対戦相手の横でボムを爆破させて攻撃する。1人用とは違い、おジャマは出現しない。
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勝利条件が1人用の時と若干異なっており、相手の体力が0以下になっている状態が10秒間続いたら勝ちとなる。フィールドに爆破できるボムが無いときにBボタンを押すと、ボムを1個消費して体力を1ずつ回復できる。
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体力が0以下になっても、10秒以内に1以上に回復できたらセーフなので、ボムを攻撃に使うか回復に使うか、よく考えて運用する必要がある。
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ボムでハイスコア
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制限時間内にどちらが高得点を取るかを競う。得点は1人用の時と同じ。
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2人用のこのモードに限り、ボムを成長させるとみちづれボムという青いボムが出現することがある。得点は通常と同じだが、爆破させると同時に相手のボムも道連れにして爆発し、ボムの成長を妨害することができる。
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ぜんぶふっとばせ!
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基本的なルールは1人用の時と同じ。先にフィールドにあるものを全部消した方が勝ち。
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この他、これまでの記録を閲覧できる「きろくをみる」、操作方法やルールの説明をしてくれる「あそびかた」、登録した名前の変更や傾きや水平設定、サウンドテストも選べる「オプション」といったメニューがある。
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ゲーム起動時にL+R+A+Bを同時押ししておくと、バックアップを初期化するかどうかを聞いてくる。はいを選択すると名前やプレーデータが全て初期化される。
評価点
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操作方法やルールの説明が懇切丁寧。
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基本的なパネッチュの動かし方から大ボムを作るところまではお手本の通りに操作しながらじっくりと説明してくれる。
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各モードのルール説明も実際にパネッチュを動かしながら説明してくれるので、取扱説明書無しでもゲームのルールは十分理解できる。
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さらにコンボの続け方やサイズの大きいボムの作り方など、上達に必要なテクニックもデモつきで解説してくれ、練習もできる。
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簡単操作でコンボを続ける快感とボムで一掃する爽快感。
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GBA本体を傾けるという直感的な操作でコンボが次々つながっていくとそれだけで快感である。適当に動かしてもある程度はコンボがつながってくれる。
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ボムは大きくなればなるほど効果が高くなる上、爆破したときに鳴る効果音の迫力も増す。大きいボムほど作るのは大変だが、それに見合うリターンと爽快感が得られることは間違いない。
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ゲームモードやステージが豊富。
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1人用ゲームが5種類、2人用ゲームで4種類のモードがあり、各モードのステージも豊富にそろっている。
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上達を実感できる演出が多数。
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例えばおジャマバトルでは、初勝利時や次の対戦相手が解放される毎に上達したことを祝ってくれるメッセージが流れる。その後、威圧感あふれるBGMと共にパネおうから「精進あるのみ」と、ありがたい(?)アドバイスもいただける。
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また、ゲーム内で具体的な条件は示されないが、達成した項目に応じてタイトル画面にトロフィーが増えていく。
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おジャマバトルでラスボスのパネおうを倒すと、タイトル画面の名前が称号つきで「パネおう ○○○○」となる。その一方、おジャマバトル選択画面のパネおう本人には「もとパネおう」と表示される。王者になったことを称える粋な演出である。
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パネッチュや対戦相手のリアクションが豊富。
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パネッチュが消えるとき、対戦相手の攻撃時や被弾時に発せられるボイスはもちろんのこと、パネッチュが見せる様々な表情、ボムでノックアウトの敵の動きなど、見どころは多い。
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おジャマバトルで勝利したときの対戦相手のメッセージも「もう一回だけやらせてくれよ」とか「イカサマだな」など人間味豊かである。
賛否両論点
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良くも悪くもコンボありきのゲームバランスであること。
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このゲームでは、一度にパネッチュを3匹消そうが20匹以上を同時に消そうが同じ1コンボである。一度に大量の同時消しをしてもゲーム上は一切有利にならない。 ゲームモードにもよるが、ボムが効率よくたまるのは概ね6~8コンボ目からなので、同時消しはなるべく避け、コンボが続くように操作することが求められる。
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また、ボム同士は一度くっつくと大ボムに成長させない限り切り離せないので、何も考えずにボムをくっつけていくと次第に動かしづらくなってしまい、思うようにコンボをつなげられなくなる。また、ボムが成長しないままなので思うようにボム爆破の効果を得られなくなる。
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そのため、適当に動かしているだけだと前半の相手に何とか太刀打ちできても、後半の相手には全く歯が立たなくなってしまう。どう動かせばコンボが続くか、効率よくボムを成長させられるか、よく考えて動かすのが上級者への道である。
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とは言え、運次第ではどうしてもコンボが伸び悩むこともある。そんなときこそ、少ないボムでいかに効率よく立ち回るか、腕の見せ所と言えるだろう。
問題点
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傾けるという物理的な操作であるため、動きが暴発しやすい。
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水平にして次の手をじっくり考えようとしたら、思わぬ動きをしてしまってコンボが途切れたりIQチャレンジで失敗をしてしまったりするのはゲーム性から考えても大きな問題点と言える。
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どれほど傾けたら動き出すのかについてはオプションの「かたむきせってい」で3段階から選べるので、自分の操作に合わせてあらかじめ調整しておきたい。また、水平設定は机の上に置くなどして確実に行うことが大切である。
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IQチャレンジで成功・失敗したときにその場でリトライができない。
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失敗したときのやり直し、成功したときに最短手数を目指して再挑戦をするときはいちいちステージ選択画面に戻されるので、若干不便である。
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失敗したと思った瞬間、即座にポーズをかけて「やりなおす」を選べばすぐやり直すことはできるが…。
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セーブデータは1つしか作れない。
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そのため、最初からやり直すときはデータを初期化するしかない。また、家族同士などでセーブデータを1つずつ使ってソフトをシェアする、ということもできない。
総評
本体を傾けて遊ぶ、新感覚のアクションパズルである本作。
傾けるという直感的な操作のため、最初のうちは適当に動かすだけである程度コンボがつながるものだが、それだけではやがて壁にぶつかってしまい、動きの暴発しやすさも相まってなかなか前へ進めずに投げ出したくなるかもしれない。
それでも、あらゆるテクニックを身につけて思うように操作やコンボができるようになると、コンボをつなぐ快感や、ボムを一気に爆破させてフィールドを一掃する爽快感を得られ、数多くのパネッチュを幸せにすることで自分も幸せになることは間違いない。
良作と言うにはどうしても操作性の面で今一歩とならざるを得ないが、パネッチュの「キモかわいい」姿に惹かれた人、一風変わったアクションパズルをやってみたい人は是非とも手に取ってみてほしい。
傾けるという簡単な操作でありながら、その奥深さに気がつくはずだ。
最終更新:2021年06月03日 08:53