ワケダス
【わけだす】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | フライハイワークス | 
| 配信開始日 | 2013年10月16日 | 
| 定価 | 300円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
ニンテンドー3DSを中心にダウンロードソフトを展開するフライハイワークスが発売した純粋思考型パズルゲーム。
様々な色のブロックをスライドさせ、タイトルの通り同じ色ごとに「分け出す」のが目的。
システム
操作方法
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操作はタッチ操作とボタン操作の2通りがある。
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タッチ操作では、スライドさせたい場所をタッチしたまま直接上下左右にスライドして動かす。画面右下にある矢印のアイコンを押せば一手戻すことができる。
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ボタン操作では、赤鉛筆のアイコンを十字ボタンで動かして動かしたいブロックを選び、Aボタンを押しながら十字ボタンを押すとブロックが十字ボタンを押した方向にスライドする。一手戻すにはBボタンを押す。
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しばらくボタン操作をしなかったら赤鉛筆のアイコンは消えるが、Aボタンか十字ボタンを一度押せばすぐ出現する。
 
 
基本ルールとクリア条件
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フィールドは3×3の「そら」、4×4の「うみ」、5×5の「もり」の3種類の難易度に分けられている。各難易度毎に100ステージずつあるので、合計300ステージ。
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フィールドにあるブロックは正方形をしていて、1色になっているものがほとんどだが、中には2色以上に分かれているものもある。
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ブロックをスライドして、赤は赤、青は青、といったように色ごとに1つのかたまりになるように「分け出す」のがクリア条件。スライドして外枠から押し出されたブロックは反対側から出現する。
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あと1回動かせばクリアになる状態になれば、「リーチ!」と表示される。
    
    
        | + | 例題 | 
例えば、図1のような問題があったとする。 この状態では白も黒も1つのかたまりになっていないのでクリア条件を満たしていない。
 
(図1)□■■
 □■■
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この状態から、一番下の行を左に1マス動かすと、図2のようになり、白は白、黒は黒でひとかたまりになるのでクリアとなる。
 
(図2)□■■
 □■■
 □■■
 
図1の状態から中央の縦列を1マス上に動かすと図3のようになるが、これでもそれぞれの色がひとかたまりになるのでクリアとなる。
 
(図3)□■■
 □□■
 ■■■
 
また、図1の状態から左の縦列を1マス下に動かすと図4のようになり、これでもクリアとなる。
 
(図4)■■■
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色ごとに1つのかたまりになってさえいればクリアなので、同じ問題でも手順やクリア時の形は様々。
特殊ブロック
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ブロックの四隅にカギ括弧のようなマークがあるブロックは「固定ブロック」で、このブロックがある行、列は一切スライドすることができない。
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ブロックの中央に○印があるブロックは「回転ブロック」で、スライドさせる毎に時計回り、もしくは反時計回りに90度ずつ回転する。
評価とステージのアンロック
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ステージをクリアすると、かかった手数によって★、★★、★★★の3段階で評価が下される。また、これまでの最短手数が自動的に記録される。
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各難易度の100ステージは20ステージ×5グループに分かれている。最初は「そら」の1グループ目しか選べないが、それぞれのグループ内で★を合計20個取得すれば次のステージグループがアンロックされる。
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「そら」「うみ」の難易度の最終グループで★を合計20個取得すれば次の難易度がアンロックされる。
 
その他
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ゲーム中、スタートかセレクトを押す、もしくは左下の一時停止マークをタッチすればポーズメニューが出る。ゲームのリスタート(最初からやり直す)、ステージセレクト画面に戻るのはこのメニューから行う。さらに、難易度「もり」がアンロックされた時点でポーズメニューからステージのBGMが選べるようになる。
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タイトル画面のオプションメニューでは、BGMやSEのボリューム調整、データの初期化ができる他、スタッフロールも閲覧できる。
評価点
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低価格高ボリュームであること。
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300円という低価格で問題数は全300問。価格の割にはとてつもないボリュームである。
 
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タッチ操作、ボタン操作両方に対応していること。
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タッチ操作を強要されたり、ボタン操作でないと動かなかったり、ということはなく、自分の好きなプレイスタイルで操作できる。
 
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じっくり考えられるゲームデザインであること。
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制限時間は一切無く、ゲームオーバーもないので、好きなだけ考え、好きなだけ動かして試行錯誤することができる。
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また、失敗したな、と思ったら1手単位で戻すことができるので、わざわざ最初からやり直す手間がかからない。もちろんポーズメニューからリスタートして最初からやり直すこともできる。
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クリア評価後、すぐにそのステージにリトライすることもできるので、★が2個以下だったときに★3個を目指して何度も挑戦できる。
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★3個でも最短手数とは限らないので、理論上最短手数を目指してやり込むこともできる。
 
 
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グラフィックに温かみがあること。
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動かすブロックの角が丸まっていること、ノートに手書きしたかのようなフォントやグラフィックなど、見た目は非常にほのぼのとした雰囲気の画面になっている。
 
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リーチ宣言があること。
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あと1手でクリアとなるときにかかるリーチ宣言。これがなければ残り2手以上ということでもあるので、パズルを解く上でとても参考になる。
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リーチがかかると、上画面の背景にちょっとした変化が現れる。「そら」であれば風船やクジラ雲が飛ぶ、「うみ」であれば海から首長竜が現れるなど。
 
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クリアまでの自由度が高いこと。
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同じ色がひとかたまりになってさえいればクリアなので、どんな形でクリアするかを試行錯誤する楽しみがある。
 
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自由度の割にやり応えがあるパズルであること。
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3×3の「そら」でも、最初の方は形がわかりやすく、適当に動かせば2~3手でサクサククリアできるが、後半になってくると最短でも5手、6手と一筋縄ではいかなくなるものも出てくるため、見た目以上に歯ごたえのあるパズルとなっている。
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ヒント機能は無いので、難しい問題でも自力で解いていく必要がある。それだけに試行錯誤の末に難問が解けたときはたとえ評価が★1個でも達成感はひとしお。その後は最短手数を目指して再挑戦するも良し、次のステージへ進むも良し。
 
問題点
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チュートリアルが無い。
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基本的なルール説明はゲーム内で全く行われず、固定ブロック、回転ブロックが初めて出現しても、それに関する説明は一切ない。
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とは言っても、動かしているうちにルールや特殊ブロックの性質はわかる。もちろんこれらのことは電子取扱説明書にも載っているので、わからないことがあればホームメニューからそれを参照すれば済む話である。
 
 
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いきなり難しいステージに挑戦することができない。
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最初から遊べるのは「そら」の20ステージしかなく、遊べるステージを増やすには★を集めてアンロックするしかない。
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各グループで★を20個集めさえすれば次がアンロックされるので、アンロックのためには必ずしも全ステージをクリアしなければならないわけではなく、最短で20ステージ中7ステージをクリアすればよい。
 
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悪くいえば地味なゲームであること。
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クリア時に一枚絵が出てくる、キャラクターが場を盛り上げるなどといった要素は一切無い。演出といえばリーチ時に上画面にちょっとした変化が現れる程度で、悪くいえば非常に地味である。
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とはいえ、300円という価格を考えればそこまで求めるのは酷だろう。
 
 
総評
色ごとにかたまりを作って「分け出す」という、他に例があまりないタイプのパズルである本作。
簡単操作やパズルの自由度、ほのぼのとしたグラフィックとは裏腹に、見た目以上に歯ごたえがあり、ヒントなどの便利機能は一切無いのでパズルが得意な人でも少々手こずるかもしれない。
それだけに難問が解けたときの達成感は何物にも代えがたいものがあることは間違いない。
300円で収録問題数は300問とコストパフォーマンスは抜群なので、じっくり考えるパズルが好きな人は挑戦してみてはいかがだろうか。
最終更新:2020年07月28日 14:01