このページでは大別して3つのゲーム作品について記述しています。
原作は当Wikiの対象外であるボードゲームであり、原作そのものについてはルール説明や価格比較の対象として扱っています。

  • 『Ticket to Ride』(PCなど) - 通常版の移植作品
  • 『Ticket to Ride』(Xbox 360) - 通常版の移植作品、これのみ良作判定
  • 『Ticket to Ride: First Journey』 - 子供向けエディションの移植作品


Ticket to Ride

【ちけっと とぅ らいど】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Windows Vista, XP, 7-10
MacOSX 10.11以降
SteamOS
Xbox One*1
プレイステーション4(国内未配信)
発売元 Days of Wonder
Asmodee Digital
開発元 Days of Wonder
発売日 2012年5月25日
定価 980円
2,350円(Xbox One/Windows 10)
プレイ人数 1-4人(画面分割対戦,LAN対戦)
配信 Steam: 2012年5月25日
Microsoft Store:2019年12月10日(Xbox One/Windows 10版)
Epic Game Store: 2020年2月7日(Windows版のみ)
レーティング IARC:3+ (3歳以上)
判定 なし
備考 ネット対戦(クロスプラットフォーム)あり
日本語版なし

概要

  • Alan R.Moon作・Days of Wonderから発売されているボードゲームの移植版。
    • PC版はボードゲーム版の発売元でもあるDays of Wonder開発。

ルール(共通)

基本的にボードゲーム『Ticket to Ride』のルールそのままとなっている。
参考: ボードゲーム『Ticket to Ride』ホビージャパン製日本語版のルールpdf

下記にてざっくりとルールを説明するが、細かい点は上記の正式な説明書を参照いただきたい。

ツール

map
DLCを購入しない限り、北米mapの1種類のみである。
map上には北はモントリオールから南はエルパソ( どこ? )までの都市と、その都市を結ぶ路線が描かれている。
路線の約半分程度には色が付いている。
チケット
「N.Y. - L.A. 21」という形式で2つの都市名と、その都市を結ぶ最短経路での必要な列車カードの枚数が書かれている。
列車カード
単色の貨車のカードが8色分と、カラフルな動力車(デフォルトの北米マップでは機関車)がある。
列車コマ
路線の所有を表すためのコマ。各プレイヤーに45個ずつ配布され、路線取得時にその路線上に長さに応じて1~6個を置く。

ゲームの流れ

ここでは標準の北米mapでのルールを挙げる。

  1. 各プレーヤーにチケットが3枚配られる。
    • 配られたチケットは他のプレーヤーに見せないようにする。
    • プレーヤーはそのうち1枚をチケットカードの山の下に誰にも見せないように戻して良い。

  2. 各プレーヤーに列車カード4枚が配られる。
    • 列車カードは自分から捨てることはできず、後述の路線取得時に使用した分が捨て札に送られる。

  3. 山札の列車カードを5枚オープンにする。これが場札となる。

  4. 通常のターン - 以下のいずれかを行える。
    • map上の路線で指定された色および数(指定色のカードが不足している分を動力車で支払うのは可)の列車カードを支払い、その路線に自分の列車コマを置く。
      • グレーの路線は使用する色は任意であるが統一する必要がある(動力車併用は可)。
      • 2本並走している区間は4~5人プレーの場合2人がその路線を取ることができる。
      • 路線の開通に要した列車カードの枚数に応じてそれぞれ1/2/4/7/10/15点が加算される。
    • 列車カードを「山札、もしくは場札のうち動力車以外で計2枚」「場札の動力車1枚だけ」のどちらかで取る。場札の列車カードを取った場合は山札から補充する。
      • 山札がなくなった場合は捨て札に置かれた列車カードをシャッフルして山札とする。
      • 場札に動力車が3枚以上出た場合は5枚とも捨て札に移して5枚開き直す(ここでまた動力車が3枚以上出た場合は開きなおしとならない)。
    • チケットの山の上から3枚引き、その中から1~3枚を取る

  5. ゲームの終わり
    • 一プレーヤーがmap上に置ける列車コマの数に制限があり、誰かが残り2個以下になった場合、そこから1巡して終わる。

  6. ポイント集計
    • プレーヤーが獲得した路線を、その路線の長短に応じて得点評価する(これはプレイ中に逐次加算されている)。
    • プレーヤーが所持していたチケットのそれぞれにおいて表示されている数値分のポイントを、その都市間を結べた場合はボーナスポイントとして加算、未達の場合はペナルティとして減算される。
    • 各プレーヤーのうち、一筆書きで最長となるルートを作ったプレーヤーに、ボーナスとして+10ポイントされる。なおループしている分についてもそのループ全体の長さを加味して判定する。
    • これらのポイントを合計して順位を決める。同点の場合、成立できたチケットの枚数が多いほど上位であり、成立できたチケットの枚数も同じである場合は最長経路ボーナスを取ったプレイヤーが上位となる。

評価点

  • 安価である
    • 一般にアナログボードゲームはコンポーネント(俗にいう「コマ」やプレイヤーボードなど、遊ぶために必要な物品)の製造コストなどの事情もあり、本作を含む「大箱」とカテゴライズされる作品は高価になることが多いが、デジタル版はそれらを介さないために非常に安く手に入る。
      • 参考までにボードゲーム版の定価は原語版が$49.99-、ホビージャパンが発売する日本語版は5,600円(税抜)。
    • ネット対戦ゲームだが課金要素はなく、安心して遊べる。
  • 対戦機能が充実している
    • ソロプレイ、ネット対戦、LAN対戦、画面分割対戦が用意されている。
    • PC版のネット対戦はクロスプラットフォームであり、スマートフォン版のプレーヤーともマッチングするため、即マッチする。
  • チケット絡みの戦略性
    • 自分の持っているチケットの組み合わせによっては、一部区間を重複させたり、一方のルートに他方のルートを完全に含ませたりループを作って最長経路狙いをしたりといった戦略性が生まれる。
    • また、相手の路線の取り方から持っていそうなチケットを推測してその妨害に走るという戦略性もある。

問題点

  • グラフィックが非常に地味である。
    • 特に『First Journey(後述)』を見てしまうと、がっかり具合が大きくなる。
  • チュートリアルが不十分
    • UIの使い方は教えてくれるが、ポイントの付き方などのルールに関しては教えてくれない。
  • 未翻訳
    • 文字通り。特にXbox Oneの場合は後方互換機能によるXbox 360版(後述)がきちんと翻訳されていた点を考慮すると……

総評

本体だけではルールが分かりにくいのと、本当にエルパソってどこ?という地理の不案内さ、日本語がない点などで、ややとっつきにくさはあるものの、チケットの運ゲーさを実力でなんとかしたり、他のプレーヤーのカードの引き方を見て目論見を潰すなどの読み合いなど、ある程度の奥行きのある、魅力的なゲームである。

余談

  • Xbox One/Windows 10版はXbox Game Pass Ultimateに含まれている。
  • DLCとして、アナログ版にも存在する別バージョンや拡張セットを収録したアドオンが1セット当たり205~410円で販売されている。日本では発売していないものも多くラインナップに入っている。

Ticket to Ride(Xbox 360)

【ちけっと とぅ らいど】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Xbox 360
※Xbox One後方互換機能対応
発売元 Playful Entertainment
開発元 Next Level Games
発売日 本体:2008年6月25日
DLC「Europe」:2008年8月1日
DLC「USA 1910」:2008年9月17日
メディア ダウンロード専売ソフト(Xbox Live Arcade)
定価 本体:800MSP(1000円相当)
DLC「Europe」:600MSP(750円相当)
DLC「USA 1910」:400MSP(500円相当)
※現地通貨移行後の価格は税5%込み*2
プレイ人数 1~4人(ローカル対戦*3)
2~5人(オンライン対戦)
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 良作
ポイント きちんと翻訳された解説(ただし数字の後ろの扱いに難あり)

概要(360)

  • 上述のPC版からさかのぼること4年、Xbox 360のXbox Live Arcadeタイトルとして配信されている。
    • LAN対戦は不可だがオンライン対戦は可能。
    • DLCとしてヨーロッパmapとUSA 1910エキスパンションが配信されている。
    • Xbox Oneの後方互換機能にも対応しているため、Xbox Oneでもプレー可能。
  • 画面上部に列車カードの山札および場札とチケットの山札、画面下部に自身の手札である列車カードが種類ごとの所持枚数として表示され、右下に手持ちのチケットが表示される(LB/RBで切り替え、マップ上で両都市の位置を確認可能)。
    • 自ターンではまずXで路線取得、Yで列車カード取得、Bでチケット取得を選択する形。この時点でのAボタンは一部の画面情報表示のON/OFF切り替え。

評価点(360)

最低限のことは理解できるチュートリアル

  • ゲームの基本的な流れをチュートリアルで説明してくれる。ちなみにチュートリアル完了の実績もある。
    • 内容は「カルガリー - ソルトレークシティ」のチケットを取り、ヘレナ経由でこの路線を成立させるというもの。
      • ソルトレークシティ - ヘレナ間はピンク3、ヘレナ - カルガリー間はグレー4。手札にはピンクがもともと2枚ある状態で始まり、オープンになっているピンク+任意の1枚を取り前者を取得→任意の列車が4枚集まるまで列車カードを取り後者の路線を獲得という形になっている。
      • 路線の長さに対するポイント配分はヘルプを含めて説明されていないが、画面左下のプレイヤー情報では0→4→11と変動している。

きちんと翻訳されている

  • ゲーム解説などがきちんと翻訳されている。

問題点(360)

訳文の表示に難あり

  • 数字の後に改行された上で続く表示になっている部分が多く読みづらい。
    • 例としてヘルプ冒頭の2文目を挙げるとこんな感じである。

      離れた 2
      つの都市を結んで目的地チケットを完成させたり、連続した最長の鉄道を建設した
      プレイヤーには追加ポイントが与えられます。鉄道建設と冒険を楽しんでくださ
      い。

メニューのBGMは壮大だがゲームが始まるとほぼ無音

  • 文字通り。ゲームプレー中のBGMは環境音レベルである。

総評(360)

ヘルプにおける訳文の表示に難はあるものの、きちんと翻訳された解説や基本の流れを説明してくれるチュートリアルがあるため、プレー品質は上々のものとなっている。


Ticket to Ride: First Journey

【ちけっと とぅ らいど ふぁーすと じゃーにぃー】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Windows 7-10
Mac OSX 10.6以降*4
発売元 Days of Wonder
Asmodee Digital
開発元 Payoff Technologies
発売日 2017年9月27日
定価 498円
プレイ人数 1~4人(ターン分割)
配信 Steam: 2017年9月27日
ゲームエンジン Unity
判定 なし
備考 日本語版なし

概要(First)

  • 2016年にボードゲームとして発売された子供向けエディション『Ticket to Ride: First Journey』の移植版。
  • ルールは大まかには『Ticket to Ride』の通りだがやや異なる(後述)。
  • なお、mapは基本1枚で、発売元のAsmodee Digitalのオンラインサイトのアカウントでログインすればヨーロッパmapが開放される。
    • ヨーロッパmapは、大半の路線が列車カード1枚分となっているため、運要素が強くて実力差が出にくく、更に早く決着がつく

変更点

  • map
    • 都市同士を結ぶ路線の過半において、ラインが2本用意されている
    • 都市同士を結ぶ路線を結ぶために必要な列車カードの枚数が少なくなっている
    • 反して、どの色のカードでもOKなルートは1本もない。
  • 得点制ではなく、先にチケットを6枚開通させたプレイヤーが優勝となる。
    • チケット開通ごとに、そのチケットの内容が開示される。
    • チケットにランクはなく、どんな距離でも1枚開通したという処理となっている。
    • チケットを開通させると、新たにチケットが配られる(選べない)。
    • 列車コマ(北米マップでは初期40個、欧州マップでは20個)のうち6個を犠牲にしてチケットを1枚破棄することが出来る。
  • 車両カードは場に出されている札から選ぶことはなく、常に山からドローする。

評価点(First)

  • 絵柄が子供向けのポップな感じとなっている
    • 開通時の演出もコミカルな感じになっており、相対的に原作が地味に感じる。

賛否両論点(First)

  • 都市同士を結ぶルートを結ぶために必要なカードが少なくなっている
    • このため1ゲーム当たりの時間は短く、ちょっとのスキマ時間に遊べる一方でじっくりやるには物足りない。

問題点(First)

  • 対戦機能の簡略化
    • ネット対戦、LAN対戦機能がない。
    • ターン分割対戦は1台のPCでプレイするため、本来は他のプレーヤーに開示されない手札の内容が丸分かりとなる。
      • PC版原作の画面分割対戦でも他プレーヤーの部分を見るかどうかはモラルに任されているだけで、表示されていることには変わりがないが。

総評(First)

絵柄がポップになっているものの、ルールは大きくは変更されておらず、どちらかというとmapの変更によって難易度を調整しており、決して子供だましとは言えない作品となっている。
早く決着がつく点も、集中力が続きにくいお子様向けと言える。
未翻訳ではあるが、原作のルールを知っている人が居ればルールはすぐに理解可能であろう。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年08月05日 17:06

*1 Xbox Play Anywhere表記はないがWindows 10版とのセット

*2 MSP表記時代の価格を換算すると本体:1200円/Europe:900円/USA 1910:600円であった

*3 CPUを加えての5人プレーはローカルでも可能

*4 Intel Macのみ対応