滅やばたにえん

【めつやばたにえん】

ジャンル パズル&アドベンチャー
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード
発売元 レジスタ
開発元 Yotalien Games
発売日 2020年2月27日
定価 1496円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
セーブデータ 3個
判定 良作
ポイント ドット絵による容赦ないゴア表現
死に覚えゲー(死ぬのは主人公ではない)
テキストのない物語


全員を助け出す事は、とても困難な事です。
それはパズルとしての難しさではなく、
あなたの精神にとって困難という意味です。



概要

2019年1月にリリースされたAndroid/iOS用の無料ゲーム『やばたにえん』の移植版と、続編である新作『滅やばたにえん』がセットになったダウンロード専売ソフト。
以下、本項目では『やばたにえん』を無印と、『滅やばたにえん』を『滅』と記述する。

なお、Android版の無印および後に配信されたAndroid版『滅』については、開発元にして配信元であるYotalien Gamesが法人であるのか同人サークルなのか不明。iOS版の両作品はYotalien Gamesの代表者Takeshi Nagahara氏の個人名義で配信されているためインディーズゲーム扱いとし、本wikiでは参考程度の記載に留める。

ゲーム内容

  • スーパーファミコン時代を彷彿とさせるドット絵で描かれた脱出ゲーム。舞台となる屋敷内には様々なデストラップに8人の女性が囚われており、選択を誤ると(あるいは意図的にトラップを作動させると)彼女達は無残に殺害される。その為、全編ドット絵でありながらレーティングは異例のCERO:Z(18歳以上のみ対象)となっている*1
    • プレイヤーの操作する主人公自身が死ぬことはない。何人の女性を死なせようが、いずれかのエンディングに辿り着くか詰み状態になるまでゲームは続く。
  • 状況を説明するテキストは最低限しか存在しない。後述のヒント箱を除けば、蝋人形を調べた時に「(救出対象の人間ではないことを示すためと思われる) 精巧な蝋人形だ」というメッセージが表示されたり、本来その場所で使えるはずのアイテムだが状況が異なるため使用できない際に特殊なメッセージが出たりする程度。アイテムの説明文もないため、使い方は名称と形状などから自分で考える必要がある。
    • 逆に言えば、テキストメッセージが出てくる状況・場所には「何かがある」と思っていい。
    • 救出対象の女性達には死亡時の断末魔と救出時の短いボイスが用意されているが、それ以外の台詞は本編内には存在しない。ちなみにボイスは旧世代ゲーム機の合成音声風だが、実は合成ではなくちゃんとスタッフが演じたものを加工した音声である。
  • マルチエンディング。単純な救出人数による分岐ではなく「誰を助けたか」「特定の女性を無傷で助けたか、負傷した状態で助けたか」「キーとなるアイテムを使っているか」などで結末が左右される。他のエンディングの条件を満たしていない場合は、救出した女性達が脱出する描写のみでスタッフロールが流れる「凡庸エンド」となる。
    • エンディング数は無印では凡庸含め5つ。行動によってはエンディングに辿り着けず詰んでしまうことがあるが、その際は見るからに禍々しい赤いヒント箱が出現し詰んだことを教えてくれる。つまり、できることがなくなったように見えても赤い箱に遭遇していなければまだ詰んではいない…はずなのだが(後述)。
    • 『滅』ではエンドリストに載る正規エンディングは凡庸含め5つ*2、詰みパターンは存在しない。さらに、条件を満たすことでリストにない隠しエンドへ辿り着くことができる。
    • 全てのエンディングを見ても特典はない。エンドリストが埋まって満足感を得られるだけである。

システム

基本システム

無印と『滅』の双方でシステムは同一である。

  • オーソドックスなポイント&クリック式の脱出ゲーム。左スティックでカーソル移動、Aボタンで調べる。所持アイテムを選択した状態でそれを使える場所を調べると使用したことになる。
    • 調べたりアイテムを使用したりできる箇所にはカーソルが吸い付くため、ちょっとしたヒントになる。
    • 調べるだけのつもりが、うっかりハサミを選択したまま切ってはならないロープに対しAボタンを押してしまい取り返しのつかない結果に…なんてこともある。ごく一部、詰みやエンディング分岐に大きく関わる場面でのみ「本当にする?」と確認ダイアログが出てくることもあるが、人が数人死ぬ程度のことでは確認してくれない。
  • アイテムは4つまで持ち運び可。一部のアイテムは元あった場所へ戻す、または特定の場所に置いておき後で回収することができる。

STEP

  • 時間の経過を示す概念。1回の移動、または装置の操作など時間を要する行動をするごとに画面右下に表示された「STEP」の数字が増える。
    • 費やした手数というのに近いが、調べるだけ・小さなスイッチのオンオフ程度の一瞬でできそうな操作だけではSTEPは増えない。
  • 屋敷内の仕掛けの中には、作動させてからの経過STEP数によって状況が変化するものがある。ストーブに点火すると一定STEP後に室内の氷が溶ける、モーターを動かすと次第にロープが巻き上げられるなど。
  • これにより、仕掛けが囚われの女性を殺してしまう前に救出しなければならない「時限イベント」と呼ぶべき状況が存在する。厳しいものでは一手でも無駄な行動をすると救出失敗になることも。
    • 状況の変化はあくまでSTEP数によるもので、リアルタイムではない。急いで操作する必要はない。
    • 時限イベントは全て「スイッチを入れてから一定STEP以内に救出用アイテムを持って戻ってこなければならない」といった形のもので、プレイヤー自身が仕掛けを作動させなければ発生しない。例えばゲーム開始後、何にも触らず移動だけを繰り返していてもその間に誰かが死ぬことはない。
      • もちろん初見ではどれが時限イベントのスイッチか、状況を解決するアイテムはどこにあるか、何STEP以内に戻ればいいかなどわかるはずもない。仕掛けを把握するまでは何度も断末魔を聞くことになるだろう。
  • STEP数が貯まると、特定の場所でヒント箱を出現させることができる。ヒント箱を調べると主にその場所の仕掛けについて文章でヒントが表示される。
    • 一度ヒントを見た場所で再度ヒント箱を出すと、より直接的な内容の「スーパーヒント」になる。
    • ただし見られるのはあくまで「その場所に関するヒント」であり、次にどこへ行けばいいか・現在持っているアイテムはどこで使えるのかなどは教えてくれない。

評価点

  • 脱出ゲームとしての歯ごたえ
    • 基本はオーソドックスな脱出ゲームではあるが、救出とSTEPという概念を加えたことでパズル的な面白さが格段に増している。不用意に調べ回れば死者が出るため総当たりでは解決できず、時限イベントでは無駄な行動を控えて効率的に動く必要に迫られる。初見プレイでは8人中せいぜい2人、うまくいって3、4人程度しか救出できないだろう。トライ&エラーの末に今まで助けられなかった女性を救出できた時の達成感はかなりのもの。
    • 調べられるオブジェクトはわかりやすく描かれており、一見何もない場所や極小のポイントを調べなければならないような状況は存在しない。脱出・謎解きゲームとしてフェアであるといえる。
    • 仕掛けの動作や救出の順番が重要になる局面もある。例えば、救出に用いるアイテムの中には「使える場所が複数あるが、一度使うと失われる」ものが存在する。考えなしに使ってしまうと救出できなくなる女性が出てくるため、先に助けないと手遅れになるのは誰かを意識しなければならない。
    • 一部の女性には救出方法が複数存在し、どの方法を採ったかが他の女性の生死やエンディング分岐に関わってくる。ある女性を特定の方法で助けた時に入手できるアイテムが、別の誰かを救うために必須である…といった具合。1つの助け方を突き止めたところで終わりではなく、他の助け方がないか再考が必要になることも多い。
    • 舞台となる屋敷は無印と『滅』で異なっているが、いずれも複雑でありながら構造を理解すると謎解きの助けとなる合理的なマップ構成をしている。こちら側からは開かないドアはどこから回り込めば開けられるか、上に続いているシャフトの先を調べるにはどこへ行けばいいか、この場所から下に落とした物はどこで見つかるか…といった答えに辿り着いた時はちょっとしたアハ体験が味わえる。困った時はマッピングしてみると道が開けるかもしれない。
      • 全体マップはYotalien Games公式サイトにて公開されている。どうしても謎が解けない時のヒントとして非常に有用だが、当然ながら大きなネタバレとなるため閲覧は自己責任で。
  • プレイヤーの心を抉る演出と仕様
    • 前述の通り、囚われの女性が死亡するのはプレイヤーが仕掛けを動作させた結果である。直接手を下した訳ではなくとも「自分のせいで死なせてしまった」という後味の悪さが残る。それが「次は絶対に救出しよう」というモチベーションにも繋がる。かの『慟哭 そして…』や『Revive ~蘇生~』などを彷彿させる要素である。
    • 判断ミスの結果として死ぬだけならともかく、エンディングの中には敢えて女性を見殺しにしたり、大きな怪我が残るような助け方をしたりしないと見られないものがある。エンディングコンプは全員救出で問題無くできる『慟哭 そして…』などよりもよほどプレイヤーの心を抉る仕様である。ドット絵の可愛らしさと死に様の悲惨さが相まって、罪悪感と背徳感をたっぷり味わえる。
    • 冒頭の文章は公式PVにある文言だが、まさに「あなたの精神にとって困難」なのだ。

賛否両論点

  • ドット絵でのゴア表現
    • CERO:Zは伊達ではない。トラップが作動してしまえば、女性達はホラー映画さながらの無残な死を遂げることになる。
    • 例を挙げればギロチンの刃で両断、機械に巻き込まれてミンチ、圧死して潰れた頭から脳が飛び出すなど。血が勢いよく噴出する、死亡した後もしばらく痙攣しているなど演出が妙に細かくエグい。オプションで過度な流血表現はオフにすることができるが、それでもスプラッタ耐性のない人には勧められない。
      • とはいえ、死ぬ瞬間が描写される場面は意外と少ない。多くの場合「STEP経過や別の部屋での行動により死亡条件を満たして画面外から断末魔が聞こえ、心当たりのある場所に行ってみると死体になっている」という状況になる。ミンチになる過程や死の瞬間こそが見たいというような人やコアなリョナラーには物足りないだろう。
    • 等身の低いドット絵でのやや誇張されたグロ描写を「可愛いキャラが悲惨な死に方をするギャップがきつい」「やりすぎ」と感じるか、「シュールで笑えてしまう」「エロい」と感じるかは個人の感性によるところが大きい。また、独特の緊張感と背徳感はあるが、恐怖を感じられる「ホラーゲーム」かと問われると微妙。
  • 本編中にはBGMがない
    • BGMが流れるのはタイトル画面とエンディングのみである。探索中は基本無音であり、その中で物を動かした時の効果音と断末魔だけが響くというのが緊張感を増すが、やはり寂しいと感じる人もいる。
    • 数少ないBGMはフリー音楽素材サイトのものを使用しているが選曲は好評。せっかく助けた女性達が全滅する悲惨なエンドでRPGのボス戦ででも流れそうな格好良い曲が流れるのには初見では絶句するかもしれないが、ゲームの世界観に浸っている内に「こうじゃないと」と思えてくることだろう。
  • ゲーム内だけでは全貌のわからないストーリー
    • まず、ゲーム開始時のオープニング演出などは一切ない。プレイヤーの操作する主人公は何者なのか、なぜ女性達を助けるのかといった説明もなく、操作説明を読んだらそのままマップ内に放り出される。
    • 女性を救出した時の台詞から彼女達の人となりを何となく察せられたりはするものの、囚われるに至った事情は話してくれないし会話イベントがある訳でもない。主人公と面識がありそうな台詞を発する女性もいるが詳細は一切語られない。
    • 凡庸以外のエンディングではドット絵ムービーが流れ、ストーリーの一端を知ることができる。と言ってもテキストも台詞もないのでプレイヤーによって解釈が分かれる部分も多いが。
      • 無印には真エンディングと呼べるものがあり、それを見れば大体のストーリーは想像できる。それ以外のエンドはほぼマルチバッドエンドである。ゲーム的にはベストといえるエンドEも幸せな結末ではないし、むしろ何がハッピーで何がバッドかわからなくなるのだが。
      • 『滅』は複雑な背景を持つ物語であり、複数のエンディングを見て情報を繋ぎ合わせなければ理解は難しい。1つのエンディングだけではムービーに登場する人物が何者なのか、どういった関係かすらわからないだろう。断片的な情報を組み合わせて考察することをパズル的に楽しめる人ならば興味を惹かれるだろうが、明確な種明かしを期待しているとポカーンとすること間違いなし。
      • なお、無印と『滅』のストーリーは繋がっている。救出対象にも2作ともに登場している人物も。
    • そして、ゲーム内の全ての情報を集めても謎は大量に残る。Yotalien Gamesの公式Twitterおよびpixivアカウントでは不定期にキャラクター設定や物語の背景についての解説が公開され続けており、ファンの間では様々な考察が行われている。継続的に供給される新情報を材料に考察を楽しみたいファンには好評だが、ゲーム内のみで全て情報を出して完結させてほしいと考える人には消化不良感が残るだろう。
    • これは好みの問題だが、考察といっても現実的な推理ができるミステリー系の作風ではない。そもそもゲーム本編からしてゾンビやワープ装置といった非現実的な要素が堂々と出てくるカオスな世界観である。「なんでもあり」を楽しめる人向け。
    • また、悪意に満ちたトラップの数々から想像できる通り、ゲーム内外で判明するバックストーリーも陰鬱かつ陰惨なもの。登場人物のほとんどが何らかの闇を抱えており*3、エンディングにも手放しにハッピーエンドと呼べるものはない。人によっては胸糞悪いと感じたり、登場人物を嫌いになってしまうこともあるだろう。苦労して助けた少女が公式の人物紹介で「邪悪の権化」と書かれているのを見てテンションが上がる向きには好評であるが。
  • 一部のエンディング条件の難解さ
    • 到達する条件が複雑、かつヒントが少ないエンディングが存在する。
      • 無印では真エンド扱いのエンドEへの到達が非常に難しい。女性達を救出した後にある場所である操作をする必要があるのだが、それを示すヒントがさりげなさすぎて気付きにくい。ヒント箱を開ければ手掛かりが、スーパーヒントならほぼ答えが見られるが、ノーヒント縛りで到達するには柔軟な発想力が必要。
      • 『滅』においてはエンドⅡが鬼門。詳細を伏せて説明すると「キャラクターAを死亡させた上で条件を満たした時のみ入れる部屋があり、そこに特定方法で救出したBを連れていくことでアイテムが手に入る。そのアイテムを使用した上でC・Dも救出する。なおE救出のために取った行動によってはアイテムを使うためのフラグが折れる*4」といったもの。
      • A死亡時のみ入れる部屋、BとEに複数の助け方があることには試行錯誤の過程で気付く人も多いと思われる。問題はそれらの組み合わせのヒントが極めて少ないことである。このエンドのみ自力到達できずネットの攻略情報に頼ってしまった、という人も少なくない。
    • 前述の通りエンドEは特別扱いであり、また公式Twitter・pixivでエンドⅡの後日談エピソードが描かれているのを見るに、これらの最難関エンディングはシリーズの物語における「正史」にあたる結末である可能性が高い。そのため意図的に到達を難しくしてあるのかもしれない。

問題点

無印と『滅』で共通の問題点

  • セーブ・ロードを誤爆しやすい
    • セーブ画面・ロード画面がそれぞれ独立しておらず、データ管理の画面を開くと同じセーブスロットに対するセーブとロードの項目が横に並んでいるという独特のUI。このためセーブしようとしてロードしてしまう、またはその逆といった事故が発生しやすい。
    • このゲームのプレイ時間の多くは試行錯誤に費やされるものであり、進め方を覚えてしまえば1プレイの時間は短いため、誤操作でデータを失っても一度進めたところまでのリカバーが容易いのが救いではある。
  • スマートフォン版と比べると割高
    • スマートフォン版の無印は無料、『滅』は490円(税別)である。実にSwitch版の約3分の1。
      • ただしスマートフォン版はセーブスロットが2つ、画面を直接タップする形式のためカーソルが吸い付くことでのヒントがない、無印はヒント箱を得るための条件がSTEPではなく広告閲覧、といった差異があり、価格を考えなければSwitch版の下位互換である。1000円の差をどう見るか…。
    • 『滅』のスマートフォン版は2020/9/18配信開始。前述の通り考察を楽しむ側面が強いゲームなので、Switch版を早期に購入したユーザーはいち早くプレイしてネタバレを気にせず公式の新情報を追うことができたと考えれば元は取ったといえるかもしれない。今から購入する場合はそのアドバンテージはなくなっているが。

無印で固有の問題点

  • 進行不能バグの存在
    • あるエンディングへの到達直前のセーブデータをロードすると、一部フラグがリセットされているのか通常この段階ではできない行動ができてしまう。これを行うとエンディングへの移行条件を満たせなくなり詰み状態になる。バグによるものなので赤いヒント箱も出ず、予備知識がないと詰んだことにも気付きようがない。

『滅』で固有の問題点

  • 隠しエンドの存在に気付きにくい
    • エンドリストの存在が仇となり「リストにない隠しエンド」の存在に思い至らないプレイヤーは少なくないだろう。しかも、この隠しエンドで判明する情報は『滅』の物語の核心ともいえるもので、これを見ているか否かで他のエンディングの理解度が雲泥の差となる。
      • ある場所でヒント箱を出現させることで、隠しエンドの存在を示唆するヒントを見ることはできる。しかしその場所は特に難しい謎解きのない、普通ならただ通過するだけの場所であり、そこでヒントを見ようという発想にはなりにくい。ヒント箱を出せる場所では箱アイコンに色が付くので、鋭い人は「何故こんな場所でヒントが出せるんだ?」という観点から気付ける可能性もあるが。
      • また、隠しエンドの条件には無印のあるエンドの条件と近いものが含まれている。「今回はあの条件のエンドはないのかな?」と疑問に思って試した結果、首尾よく辿り着ける人もいるだろう。ただ、無印での条件の他に別のフラグも関わっているため、試しても見付からないということも十分有り得る。
        + 隠しエンド条件について中程度のネタバレ 隠しエンド到達には「あるアイテムを取得する前に特定の条件を満たすこと」が必要である。無印の経験者ならば「特定の条件」には容易に察しが付くものの、「アイテムを取得する前に」の部分はヒント箱に頼らなければまず気付かないだろう。そのアイテム自体も物語上重要なものでも何でもなく、「主人公が入手する前に別人がそのアイテムを入手・使用したことで展開が変わる」というだけなので、先に入手してはいけないというのは結果論に過ぎない。if展開の隠しエンド条件としてはアリだが、知らないと他のエンディングを理解できないレベルの重要情報をここまで厳重に隠す必要があったのか…。

総評

ふざけたタイトルで全編ドット絵のグロゲーという一見イロモノな作品であるが、その実は練りに練られた謎解きを楽しめる高難度の脱出ゲームである。演出・ストーリーは強烈に人を選ぶが、頭を使う楽しみ、そして謎が解けた時の達成感は出色のもの。
グロ描写について行けるか不安な方は、体験版代わりにスマートフォン版の無印をプレイしてみると良い。開始数分で流血の惨事が見られることだろう。
全エンディングを制覇し物語に興味を惹かれたら、是非とも公式Twitter・pixivへ。ゲームそのもののインパクトにも劣らぬクセの強さを備えた「やばたに娘」達に魅了される人は後を絶たない。

余談

  • タイトルの「やばたにえん」とは2013年頃から若者、特に女子高生の間で流行したとされるスラングである。「やばい」を意味する「やばたん」の進化系として、お茶漬けで有名な食品メーカーの名前をもじった「やばたにえん」が用いられるようになったらしい。件の食品メーカーの株価に影響が出たとか出なかったとか。
    • 2018年、某人気漫画家がこの言葉を題材として「危機的状況に陥った女子高生が『やばたにえん』と呟く」というイラストを発表。この女子高生は「やばたにえんちゃん」の通称で呼ばれ、多くのイラストレーターにより彼女が様々なピンチに陥るイラストが描かれるというファン活動(?)が行われた。生命の危機に曝された少女というモチーフを考えると、本作はこの「やばたにえんちゃん」に着想を得て制作されたのかもしれない。
    • なお、女子高生の言葉という印象が強い語であるが、実は本作の登場人物には女子高生と呼べる人物はほとんどいない。学生と兼業のアイドルや、高校生か大学生かわからない「苦学生」がいる程度である。あとは社会人だったり境遇的に学校に通っていそうになかったり、そもそも人間じゃなかったり…。
  • 公式Twitter・pixivでは製薬会社のラボが舞台と思しき次回作『やばたにえん酸(仮)』が開発中である旨も発表されている。プラットフォームは不明。ストーリーは無印と『滅』で繋がっており、続投キャラもいる模様。
最終更新:2020年10月27日 23:21