Superliminal
【すーぱーりみなる】
| ジャンル | パズルADV |  | 
| 対応機種 | Windows(Steam, Epic Games Store) プレイステーション4
 Xbox One
 Nintendo Switch
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| メディア | ダウンロード | 
| 発売元・開発元 | Pillow Castle | 
| 発売日 | 【Win(EGS)】2019年11月12日 【PS4/One/Switch】2020年7月7日
 【Win(Steam)】2020年12月11日
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| 定価 | 2,050円(税込) 【Win(EGS)】2,080円(税込)
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| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 目の錯覚と遠近法を用いた1人称パズルADV ボリュームや自由度は少なめ
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概要・特徴
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プレイヤーはとある実験の被験者となり、夢の世界を探索することになるが、研究者の手違いで夢から覚められなくなってしまう。
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夢の世界ならではの仕掛けを解き明かし脱出を試みる内容。
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1人称視点で3Dのマップを探索する、遠近法や視点の変化を使ったウォーキングパズルADVとなっている。
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1本道構造の内容。寄り道はできるものの先に進む道順は固定されている。
システム
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プレイヤーができるアクションはいたってシンプル。「歩く」、「ジャンプする」、「物体をつかむ/置く」のみができる。
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ジャンプではある程度の段差をよじ登ることができる。
 
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物体に関するトリック
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夢の世界においてある物体には遠近法が適用されず、現実の世界とは異なる挙動をする。
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たとえば、遠くに見える物体をつかんでプレイヤーの足元に運ぶと小さくなってしまう。また近くにある物体を遠景にかざすようにして放すと巨大な物体に変化する。
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また視野の中央に捉えている物体が「つかめる物」であれば、どんなに遠くにあってもつかんで持ち運べる。
 
評価点
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騙し絵を体験できるゲームであること
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扉だと思ったらただの絵だったり、壁に描かれた「絵」を特定の角度から見つめることで本当の物体にしてしまうこともできる。
 
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展開に富んだステージ
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序盤に登場するホテルや美術館を思わせる室内など、心地よさそうだがどこか空虚なステージは印象的。
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プレイヤーが物体を動かすことで地形が変わったりする。プレイヤーがとった何気ない行動がきっかけで床が抜けたり、上下左右が倒錯した部屋の壁面を歩いてみたり、二つのワームホールを鏡合わせにして、無限の回廊を探索できるような一幕もある。
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ゲーム終盤は盛り上がりを見せる。プレイヤーがあたりを転々とワープさせられ、不思議なステージがたたみかけるように登場する。
 
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物体の拡大・縮小に関する演出
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光を放つ物体を拡大・縮小させればきちんと、物体によって照らされる範囲も拡大・縮小される。
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物体を巨大化させて空から落とすと、ズシンといった効果音がつくようになる。
 
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奇抜さ
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1人称視点と遠近法を用いて、物体を巨大化・縮小化させるというゲームシステムを採用しているゲームはあまりないだろう。
 
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BGM
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ジャズピアノのイージーリスニングが主体のBGMは聞いていて心地よい。
 
賛否両論点
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中盤のホラー要素
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中盤の一部ステージで、闇に包まれた気味の悪い場所を探索することになる。
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幽霊が出てくるような直接的な恐怖演出は一切存在しないのだが、ただ錯視やパズルを楽しみたい人にとってはやや邪魔なギミックである。
 
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3D酔い
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ゲームのコンセプト上どうしようもない点ではあるのだが、非常に3D酔いしやすい。強制的な視点移動や目を凝らす場面が多いこともあり、他の一人称視点ゲームでは酔った経験がないプレーヤーでも酔いやすいようである。
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幸い、時間制限があるゲームではないので(実績除く)、落ち着いてから再開することはできる。
 
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エンディング
    
    
        | + | ... | エンディングはやや予定調和的であり、人によってはストーリーの途中から予想できてしまう可能性もある。 |  
 
問題点
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ボリュームの薄さ
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人にもよるが初見でも3~4時間でクリア可能と思われる。
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クリア後のやりこみ要素として、最小手順で問題を解くチャレンジやシークレットの収集が存在する。
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機種によっては「35分以内にクリア」というトロフィーがあることからボリュームが察せる。
 
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試行錯誤の余地が特にない
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進むための解法が決まっている。その解法に気づくまでが本作を楽しめるピークであり、2周目以降の楽しみが目に見えて減ってしまう。
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物体のほとんどは飾りであり、実際につかめる物体はごく一部。結局つかめるオブジェクトを使ってなにをすべきか思いつけてしまえば先に進めることが多い。
 
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取れるアクションが少ない
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ゲームに対するとっつきやすさにもなってはいるが、結局のところ物をつかんで移動させることしかできない。
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遠くに置いた物体が大きくなることに気づけた瞬間は楽しいかもしれないが、それ以外の発見に乏しい。
 
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日本語ローカライズの問題
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誤字や語句の不統一が散見される。
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例として「緊急脱出プロトコル」と「非常口プロトコル」という語句の不統一がある。
 
 
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ゲームパッドにおける操作感
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元がPCで発売されたゲームなのでマウスではなくパッドの場合操作がやや厳しい。特にタイムアタック系の実績で顕著に効き、マウスで出来るPCと比べかなりの難易度となる。
 
総評
錯視・遠近法を利用した一人称ADV。ステージがもたらす演出効果が多様で、中盤はややホラーであり、終盤からステージの変化がめまぐるしくなる。しかし不思議な挙動を示す物体を動かして、先に進むための道を切り開くという、良くも悪くもシンプルなゲームシステムで一貫されている。
余談
2007年頃に開発されていたValveの未発売ゲーム『F-STOP』は本作に類似したシステムだったと言われている。
最終更新:2024年06月05日 18:55