ストライクウィッチーズ -蒼空の電撃戦 新隊長 奮闘する!-
【すとらいくうぃっちーず そうくうのでんげきせん しんたいちょう ふんとうする】
ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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DSカード
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発売元
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ラッセル
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発売日
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2009年11月26日
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定価
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5,229円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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12個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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多様なエンディングと分岐 SRPGは覚えゲーの側面が強い
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ストライクウィッチーズ 蒼空の電撃戦 / あなたとできること / 白銀の翼 / いやす・なおす・ぷにぷにする
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概要・あらすじ
原作は、艦これなどで知られる島田フミカネ氏とProjekt Kagonishによるアニメーション作品。
突如出現した「ネウロイ」なる敵に、領地を追いやられていた人類が、抱く唯一の対抗策・希望「ウィッチ」。
彼女たちは魔法力によって駆動する「ストライカーユニット」を装備し操りネウロイたちに挑む。
システム
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構成
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本作は第501統合戦闘航空団へ戦闘隊長の研修のために一時加入した「竹井醇子」を主人公とするオリジナルストーリーであり、全10話形式から成る。
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テキストを読み進めSRPGパートに突入、クリア後は再びテキストを読んで必要に応じて選択肢を選ぶ…といった流れで各話が終了する。
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周回プレイが導入されている。1~7話は共通ルートとなるが、8話以降は分岐となる。7話終了時点で最も好感度が度が高いキャラクターを含んだ小隊に分かれて行動することになる。
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10話終了時に最も親密度が高かったキャラ(ベストパートナーと表記される)とエンディングとなる。
ADVパート
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竹井醇子の目線でウィッチたちと会話。
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選択肢が発生する場合があり、回答によってウィッチたちの好感度が変動する。
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以下のSRPGパート終了時にも、ウィッチをひとり選んで1対1で面会することが可能。
SRPGパート
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戦闘画面
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真上から見下ろしたような航空写真を背景に戦闘することになる。敵味方ユニットはデフォルメ調のドット絵で描かれている。
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ターン制ではなく、敵ユニットも味方ユニットもリアルタイムで思考し行動する。
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地形から得られる恩恵や障害は特に無い。
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ストーリーによって、必ず出撃させなくてはならないユニットが存在する場合がある。
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勝利条件・敗北条件
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各話ごとのSRPGパートでは、勝利条件と敗北条件がそれぞれ定められている。
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勝利条件を達成すると、次のストーリーに進めるという構造。勝利条件としては、敵の全滅あるいは特定の敵を倒す、一定時間逃げ切る、一定時間拠点を守りきるなどがある。
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敗北条件は、特定の味方ユニットが倒される、防衛すべき拠点に敵が足を踏み入れる、指定された敵を倒せずに一定時間経過するなど。
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敗北した場合、経験値はもらえず戦闘の直前からやり直しになる。
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各ユニットの状態
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原則、各ユニットに対して、「目的地に移動しているか否かの2通り」×「敵をロックオンして攻撃待機しているか防御しているかの2通り」=4通りの状態を指示できる。
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移動の軌道は直線状。障害物さえなければ、指定した目的地に対して直行する。
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それぞれの状態は独立して判定されており、移動しながら攻撃、移動しながら防御、停止しながら敵をロックオンなどできる。
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「移動していない」かつ「防御中」の状態のユニットはゆっくりと体力が回復していく。
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プレイヤーのコマンド
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上記の指示を各ユニットにひとりずつ出していくか、全員に一斉に出すか選べる。
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パラメータおよび装備
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機動:ユニットの移動速度を示す。
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腕力:重い武器にどれだけ耐えられるかの指針を示す。腕力を超えた重い武器を持つと機動力が低下する。
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体力:0になると戦闘不能になる。撃墜されていてもSRPG1面をクリアすれば次のお話の時点で復活。経験値自体も入る。
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攻撃、防御
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命中、回避
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運勢
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視認:視認できる範囲内の敵はレーダー画面に赤い点で表示される。(視覚で捕捉してないネウロイが、こちらに攻撃してくることはある。)
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ストーリークリアすると攻撃、命中、回避が上昇したりする。
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武器
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長、中、短射程さらには近接武器がある。長射程の武器は近すぎる敵を攻撃できない。
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キャラに1人つき、武器は主武装・副武装の2つまで持たせることができるが、一度に装備できるのは1つまで。戦闘中持ち替えることも可能。
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パラメータとして攻撃、命中、効果範囲、最小射程、最大射程、発射数、次発が設定されている。なお弾薬は無制限である。
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各話をクリアすると、武器が1つずつ手に入るようになっている。
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長距離な武器ほど重い傾向。上述の通り、腕力のキャパを上回るような重い武器を持たせると機動力が落ちる。
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ストーリーをクリアすると、報酬として新たな武器を入手できる。
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固有魔法
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竹井以外のユニットは、体力を消費しつつ特殊効果をもたらす魔法を行使可能。
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体力が一定値を下回ると使用できない。
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継続で発動するタイプのものは体力が一定値を下回ったタイミングで自動で使用を中止する。
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固有魔法一覧
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宮藤:近くにいる味方ひとりの体力を回復させる(回復魔法)
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リーネ 発動中、自身の命中率を大幅に上げる(弾道安定)
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ペリーヌ 近接した敵にダメージを与える(雷撃)
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バルクホルン:発動中、主武装と副武装を2丁持ちし、2倍の攻撃力を発揮できるようにする(怪力)
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ハルトマン 近くの敵にダメージを与える(疾風)
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シャーリー 自身の機動力をあげる(高速)
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ルッキーニ 近くの敵にダメージを与える(光熱攻撃)
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エイラ 自分の回避を上げる(未来予知)
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サーニャ:マップ全域にわたって敵の位置を観測できる (魔導針)
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坂本:近くの敵ひとりの防御力を大幅に下げる(魔眼)
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ミーナ:発動中、自身の視認範囲を増加させる(空間把握)
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評価点
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キャラゲーとして
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竹井醇子の台詞も含めほぼフルボイスとなっており、ウィッチたちの会話を楽しめる。
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イベントスチルの数は80種類以上、エンディングは11種類と多めである。もっともイベントスチルはキャラの表情や背景がさし変わっただけのバージョン違いも存在するが。
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ペリーヌや坂本の副武装として、それぞれレイピアや扶桑刀を持たせることが可能である。
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各キャラが使える固有魔法も原則、原作の再現である。
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ストーリーのボリューム
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10話分のストーリーが収録されているが、竹井が選んだ選択肢に応じてさまざまなシーンに細かく分岐する。また各キャラごとにエンディングが存在する。
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既読のストーリーであれば早送りも可能。
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戦略性のあるRPGが楽しめる
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ただ敵を倒して味方が倒されてはいけない、という状況だけではなく、特定の拠点を守りきる必要があったり、時間内に特定の敵を見つけて倒しきる必要がある。
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RPGパートの勝利条件・敗北条件も戦闘中に細かく変わるので、一種の緊迫感は醸し出せている。
賛否両論点
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SPRGとしてのゲームバランス
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覚えゲーとしての側面がやや強い。2周目はこちらの装備も整ってくるので、難易度が低くなる傾向にある。
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中盤移行は敵の戦力が圧倒的にこちらよりも高かったりする場合が多い。無策に突っ込むと呆気なく自ユニットを失うことも。
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SRPGとしてのやりこみはあるが、一手間違えたりするとミッション失敗に直結するような局面もそこそこ多い。
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逆に、勝利条件・敗北条件、敵の沸き方はほぼ固定。敵の出現パターンや行動パターンを覚えて攻略するゲームという印象も強い。
問題点
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UIまわりの不親切さ
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戦闘前準備にて、装備の付け替えがしにくい。
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現在何を装備しているのかを確認するには、必ず武器の付け替え用の画面に行く必要がある。主武装・副武装を一度に付け替える必要がある。
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戦闘のテンポが悪い
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各ユニット射撃時には時間が止まる。2体以上のユニットが同時に攻撃したりはできないので、敵味方密集している場所だと銃撃の順番待ち・渋滞が発生しかねない。
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移動速度も全体的に遅めであり、上記の射撃中だとユニットの移動も一時的だが止まってしまう。
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戦闘時のグラフィックがショボい
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キャラクターの描き分けはできてはいるものの、やはりデフォルメ調のデザインなのであせっているとどのユニットがどのキャラなのか判別がつきづらい。
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攻撃のエフェクトも簡素なので、攻撃が効いているのかが分かりづらい。
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キャラバランス・武器バランス
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キャラクターの育成が十分ではない1周目だと顕著だが、敵の集中砲火を食らうとあっけなく撃墜される味方ユニットがちらほら存在する。そのため打たれ強いキャラを見繕って盾にするといった工夫は必要。
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話数によっては一部ユニットに出撃制限がかかり戦闘に出せなくなることがある。その分育成が出来なくなるため、出撃頻度の少ないキャラが弱くなりやすい。
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固有魔法の性能もバランスが良いとは言いがたい。
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自分自身のパラメータに影響を及ぼすタイプは使いやすいが、敵に近接して攻撃するようなタイプの固有魔法が使いにくい。そのような魔法を持っているキャラに限って打たれ弱いケースも多く、敵に十分に近づいてから魔法を使用させるといった対策が必要。
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遠距離射程をもつ武器がどうしても強い。敵から狙われにくい、あるいは気づかれにくい距離から先制攻撃を仕掛けられることが多い。
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遠距離武器は重く近くの敵に攻撃できないというデメリットこそあるものの、あえて副武装を空にしてしまえば解消する。
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周回で発生するバグ
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周回プレイでは能力値や武器を引き継ぐことになるが、この武器が蓄積していくことが原因でフリーズして必ず進めなくなる。おおよそ7周目あたりで発生する。
総評
多数のキャラのEDを備えるADVゲーの側面があり、キャラゲーとしての価値は十分にある。
またADV以外でも、ストライクウィッチーズ独自の空中戦がSRPGとして描かれている。リアルタイムで進行・変動していく戦闘状況に対応する必要がありよい意味での緊迫感につながっている。
周回することで良さを発揮していくゲーム内容とはなっているが、多数周回した際のフリーズバグはやや残念である。
余談
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キャッチコピーが有名になったようにそちらの方面での話題もある「ストライクウィッチーズ」であるが、本作のレーティングはゲーム内容を抑え目にしたこともあってCERO:A (全年齢対象)となっている。
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その後『あなたとできること』ではCERO:B、『白銀の翼』および『2』ではCERO:Cまで上がった。
最終更新:2021年11月17日 19:17