Call of Duty: World at War
【こーるおぶでゅーてぃ わーるどあっとうぉー】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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プレイステーション3 Xbox 360 Wii ニンテンドーDS Windows
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発売元
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Activision
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開発元
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Treyarch
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発売日
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2008年11月11日
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価格
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59.99$
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レーティング
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ESRB:M(17歳以上対象) |
備考
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日本未発売
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ屈指の容赦ない暴力描写 戦争の生々しさを描く マルチプレイのバランスも良好
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Call of Dutyシリーズ
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概要
従来の第二次世界大戦路線を辞めて現代戦を描いた『Call of Duty 4: Modern Warfare』から一転し、再び第二次世界大戦を描いた作品。
今作のコンセプトはシリーズで最もダークな雰囲気であり従来の作品では存在しなかった人体破壊描写の他、負傷兵や投降兵といった戦闘意欲のない者を容赦なく殺害するソ連兵等が描かれている。
本作は日本兵が登場する等の理由から日本未発売の作品になっている。
また、本作は『Black Ops』タイムラインの最初の作品であり、次作の『Black Ops』にヴィクトル・レズノフやディミトリ・ペトリェンコといったキャラクターが続投する。
評価点
容赦ない人体破壊描写
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本作ではシリーズで初めて人体破壊描写が取り入れられており、ショットガンで頭を撃つと吹き飛ぶ、爆発に巻き込まれたら手足が千切れ骨が見える、火炎放射器に焼かれれば体が黒焦げになり、上半身と下半身が真っ二つになれば内臓も飛び出すとかなり激しいゴア描写を描いている。
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本作でこのゴア描写が好評だったのか『Black Ops』でもゴア表現は受け継がれている。
第二次世界大戦の雰囲気を盛り上げる作り
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キャンペーンでは実際の第二次世界大戦の映像と音声が交えて使用され、他作のブリーフィングに当たる部分では映像がフィルムのような効果が掛かっていたりと細かい部分でも雰囲気を盛り上げてくれる。
良質なBGM
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本作では上記の通り「最もダークな雰囲気」がテーマにあり、キャンペーンでは全体的に重苦しいダークなトーンのBGMである。プレイヤーが最も印象に残るであろうゲーム起動直後のBGMは極めてホラーチックで恐怖を煽るものになっている。
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今作以降はヒロイックなロックやダブステップが使われることが主流になり、ロビーの楽曲がホラー調なのはシリーズ通して本作のみである。
実力派有名俳優の起用
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本作ではアメリカ軍での味方NPCであるローバック役に『24』等で有名なキーファー・サザーランド、ソ連軍での味方NPCであるヴィクトル・レズノフ役には『LEON』などで有名なゲイリー・オールドマン等、有名なハリウッド俳優を起用しており、演技力も相まってさながら映画の雰囲気を醸し出している。
難はあれど良好なマルチプレイヤーのバランス
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『MP40』が突出して強くはあるがそれ以外の全体的なバランスは良好である。
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通常のFPSでは弱武器になりがちなボルトアクションライフルの性能が悪くないという点も大きい。
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忠実の第二次世界大戦の兵士に倣ったロードアウトに変更しても特に引けを取らずに戦うこともでき、いわゆる「戦争ごっこ」も可能な為に旧軍が好きなミリタリーマニアでも遊びやすい。
褒めて伸ばすNPCの良さ
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ソ連編のレズノフは従来の作品の上官とは違い、命令形ではなく盟友として接してくれる上、敵に弾を当てるとプレイヤーを褒めたりと斬新ながら不快感がない。
ゾンビモードの誕生
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本作で初めて後の『CoD』シリーズでは定番の要素となる「ゾンビモード」が実装された。
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シンプルながらも奥が深いゲーム性で人気に火が付き、DLCマップ発売のたびにゾンビモードの新マップも追加された。
問題点
日本人からすると不愉快な描写
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アメリカ視点のゲームである為に仕方がないが日本兵が悪役として登場し、上記のゴア描写も相まって日本人としてはご先祖様を殺す、というのはなかなか良い気持ちにはなれない。
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また日本兵の日本語はおおむね良好だが、「貴様は強くない」等に代表される日本人からすると一部おかしいセリフもある。
ジャガーノートやストッピングパワーといった必須PERKが『CoD4』から改善されていない。
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4では絶対につけなければいけなかったこの2つが本作でも必須となっている為、死にPERK問題が解決していない。
ソ連兵が英語を話している事の違和感
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本作ではアメリカ兵が英語、日本兵が日本語、ドイツ兵がドイツ語、と話しているのに何故かソ連兵は英語を話している。
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アメリカ向けのゲームであるため仕方ないところはあるが1つだけ浮いている。
総評
全体的に良好な出来で『CoD4』で加速した『Call of Duty』の人気をさらに底上げした。
また、開発のTreyarchは今まで微妙なゲームを作るスタジオ程度の評価しかされていなかったが、本作の登場で人気が一気に上昇し、次作の『Black Ops』にて不動の地位を築くことになった。
余談
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2000年代に発売された第二次世界大戦を舞台とした『CoD』は本作が最後であり、再び第二次世界大戦が舞台となるSledgehammer Games開発の『Call of Duty: World War II』まで9年間発売されなかった。
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なお、本作のタイトルである『World at War』と『World War II』は名前が似ている為、2017年に発表された際に本作の続編と勘違いするユーザーが続出した。
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ちなみに、2021年に発売された『Call of Duty: Vanguard』もSledgehammer Gamesが開発した第二次世界大戦が舞台の作品となっている。
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本作で初搭載された「ゾンビモード」は元々キャンペーンのマップを流用してスタッフが息抜きがてらお遊びで作った要素だったのだが、他のスタッフにもウケて実装されることになったという経緯がある。
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しかし実際には没になる寸前だったらしく、このことに関してTreyarchのMark Lamia氏は後のインタビューで「それは私のキャリアにおいて最大の過ちになっていたかもしれません」と語っている。
最終更新:2024年09月07日 20:16