MAX PAYNE 2: The Fall of Max Payne
【まっくす ぺいん つー じ ふぉーる おぶ まっくす ぺいん】
ジャンル
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TPS
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対応機種
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Windows 2000/XP Xbox(海外のみ) PlayStation 2(海外のみ)
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発売元
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Rockstar games
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開発元
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【Win】Remedy Entertainment 【Xb/PS2】Rockstar Vienna
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発売日
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【Win】2003年10月14日 【Xb】2003年11月25日 【PS2】2003年12月2日
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レーティング
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ESRB:M(17歳以上対象)
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配信
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Steamにてダウンロード販売中
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判定
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良作
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ポイント
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『MAX PAYNE』シリーズ第2作 操作性と難易度調整が改善 フィルムノワール調に
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MAX PAYNEシリーズ 1 / 2 / 3
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概要
スローモーションで銃を乱射するバレットタイム&シュートドッジシステムを多用し、美しいグラフィックと映画的演出が絶賛されたTPS『MAX PAYNE』の続編。開発は前作同様Remedyが担当。
メインの主人公は前作から引き続きニューヨーク市警のマックス・ペインだが、途中で相棒モナ・サックスを操作する場面も登場する。
クライムアクション寄りだった前作から一変し、犯罪と美女と陰謀の交わるフィルムノワール調へと作風が変化している。
ストーリー
俺に与えられた望みはひとつ。
振り返って立ち向かうことだけだ。
政府機関も関与した巨大麻薬組織を壊滅させ、殺された妻子や相棒の仇を取ってから2年後。DEA(麻薬取締局)を退職したマックスは再びニューヨーク市警へと戻り、刑事として犯罪に対応していた。
そのころ、ニューヨークでは清掃員に偽装してターゲットを暗殺する殺し屋集団「クリーナー」の報告が相次ぎ、マックスも組織を追って調査を進めていた。
工場での暗殺事件が発覚し、現場に急行してクリーナーと対峙した彼は、2年前に死んだはずの雇われ暗殺者モナ・サックスと遭遇。成り行きで共闘しクリーナーを排除するも、駆け付けた新しい同僚であるヴァレリー・ウィンターソンは容疑者として強引にモナを勾留してしまう。
ヴァレリーの不審な態度に不満を露にしつつも上司に窘められたマックスだったが、直後警察署は「クリーナー」の襲撃を受け壊滅的な打撃を受ける。
脱走を果たしたモナ・サックスと再び合流したマックスは、目的の合致した彼女と共に謎の組織「クリーナー」を巡る陰謀を追う。
ゲームシステム
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ニューヨーク市警刑事マックス・ペインとなり、ニューヨークに蔓延るギャングやその裏に潜む陰謀と戦うTPS。
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前作同様に背面視点を採用しており、シュートドッジを多用して敵を蹴散らしていく。
基本操作
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基本的には前作と同様。WASDで移動し、Eキーでドアやスイッチの操作、Rキーでリロード、数字キーで武器選択。
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左クリックで所持武器を発射、Shiftでシュートドッジ、右クリックでバレットタイムをそれぞれ発動。
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手に入れた鎮痛剤(ペインキラー)はBackspaceキーで使用でき、量に応じて痛みゲージを減少させる。
バレットタイムとシュートドッジ
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前作同様にマックスは周りの時間を遅くしての正確な狙撃が可能。前作同様にバレットタイム発動中は砂時計を消費するが、敵を倒すことで回復した前作とは異なり本作では時間経過で回復する。
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入力ボタンが共通で立っているとバレットタイム(スローモーション)、歩いているとシュートドッジという使い分けだった前作から、右クリックでバレットタイム・Shiftでシュートドッジという仕様に変更。さらに砂時計はバレットタイム中でしか消費されないようになり、シュートドッジの使用可能回数が実質無制限となった。
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演出面では新たに発動中は画面カラーがセピア色に変化し、またバレットタイム中にリロードを行うと高速かつ派手なモーションに変化するようになった。
評価点
グラフィックの向上
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ベンチマークソフト発祥の前作から引き続き、グラフィックは当時最高級の品質。キャラクターモデルやテクスチャ、オブジェクトの物理演算、狙い撃ちが有効なしっかりとした当たり判定など、グラフィック周りの完成度は非常に高い。
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バレットタイムに影響する雨粒、燃える家屋、崩壊する地形など、演出面の強化によってよりドラマチックな映像を楽しむことができるように。
操作性の改善
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サブウェポンの入力キー分離やスローモーション操作の改善など、いくつかの操作性が改善されよりキーの誤爆なく遊びやすくなった。
難易度の軽減
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シュートドッジが無限に使用可能となり、また砂時計も無限に回復する仕様となったことで出し惜しみせず存分に乱用できるように変化。
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またセーブ回数が難易度に影響する内部処理は廃止され、通常難易度では死ねば死ぬほど難易度が低下し、反対にミスが少なければ高難度になるプレイヤーに合わせた親切仕様となった。
悪夢パートでの死亡が無くなった
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前作では悪夢パートの綱渡りシーンで足を踏み外すと落下死するという謎の仕様があったが、本作ではそういった理不尽な仕様は無くなっている。
賛否両論点
複雑かつ難解なシナリオ
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フィルムノワール調の作風を採用した結果、曖昧なポエムや入り乱れた時系列、複雑な人間関係などアクションゲームとしてはやや異質なほど緻密なシナリオとなっている。展開を読み解く難しさは前作以上であり、きちんと理解しないとプレイヤーだけ置いて行かれることに。
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主人公の精神的不安定さも前作からさらに悪化しており、時折感情に任せて常人には理解しがたいような行動を平気で取ったりもする。感情移入のしにくさも前作以上。
タフすぎるマックス
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主人公マックスは作中の演出によって複数回に渡り高所からの落下、複数回の銃撃、頭部損傷といった病院送りレベルの重症を負うのだが、作中ではまともに治療を受けることなくエンディングまで辿り着く驚異の耐久力を誇る。
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もっとも、本編でも大量の銃弾を食らっては鎮痛剤で誤魔化しているため、耐久力は大して変わらないのだが。
飛ばせないカットシーンが増加
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アメコミ調の前作では飛ばせたようなシーンも任意で読み進めたり飛ばせなくなる場所が増え、周回時はやや不便。
問題点
NPC随伴イベントが厄介
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モナ・サックス視点でマックスを援護射撃するシーンと、爆弾付き着ぐるみを着せられた重要人物を護衛するシーンの二か所ではNPCの位置取りを気にしつつ庇って先手を打たなければならず難易度が高い。
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前者は交戦距離が長く、後者は当たり判定の大きさと敵の量の多さが厄介。ただし一時的なものであり、1チャプター全てで終始護衛しなければならないというわけではない。
複数回の武器没収
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シナリオの都合上頻繁に武器没収イベントがあり、好みの武器を使い続けることができない。武器数は豊富なだけに残念な部分。
総評
より遊びやすい操作、より遊びやすい難易度、より緻密なシナリオ、より美しいグラフィックを引っ提げて帰ってきた『MAX PAYNE』の続編。
多くの部分で前作以上に高い完成度を誇っており、批評家から数多くの絶賛が寄せられ、2004年のゴールデン・サテライト賞や複数のゲームメディアによるエディターズチョイス賞を勝ち取った。
ザッピングシステムの鬱陶しさなど新たな問題点も増えてはいるものの、システム改善の恩恵もあり全体で見れば前作よりも親切な作風となっている。
現在はSteamで販売が継続されており、プレイの敷居は低い。前作を遊び終わったファンであれば、その出来には満足できるだろう。
余談
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高い評価を得た本作だが売り上げは思うように伸びず、大ヒットには至らなかった。
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前作と異なり日本語版は発売されなかったため、音声部分を日本語化したりといったことは不可能。グラフィックノベル部分のみ翻訳MODが存在する。
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マックス役は前作のサム・レイク氏からプロ俳優のティモシー・ギブス氏に変更されており、本作ではあの特徴的な笑顔を拝むことはできない。ただしサム・レイク氏自体は前作から継続して本作のシナリオを担当しており、開発には深く関わっている。
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この変更はより自然な演技を実現することには成功したものの、サム・レイク氏のファンからは不評を買ってしまうこととなった。
その後の展開
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2022年4月に本作と前作『1』のリメイクが発表された。
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対応機種はPS5/XSX/Winで、2作で1本のゲームとしてリメイクされるとのこと。
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ただし、2024年8月に本格的な開発に入ったとのことなので、発売は当分先になるものと思われる。
最終更新:2024年08月12日 21:00