【ろろなのあとりえ あーらんどのれんきんじゅつし】
ジャンル | 新約錬金術RPG | ![]() |
対応機種 | プレイステーション3 | |
発売・開発元 | ガスト | |
発売日 | 2009年6月25日 | |
定価 | 7,140円 | |
廉価版 |
PlayStation 3 the Best 2010年9月23日/3,990円 |
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判定 | なし | |
ポイント |
初期作品に近い作風に回帰 自由度は低め バグ・フリーズは多い(パッチである程度修正) |
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アトリエシリーズ |
アーランドに住むロロライナ・フリクセルことロロナ。
突然ロロナの師匠が開いているアトリエが潰されることを知ってしまう。
潰されないためには、王宮からの依頼をこなす必要があるのだが、師であるアストリッドにアトリエの看板を無理矢理継がされてしまう…。
発売当時はPS3のRPGが少数かつ特殊なものが多かったことや、本作がオーソドックスなRPGであったこと、新型PS3の発売と近い時期に発売されたこと、アフィリエイトブログ等の新しいメディア戦略でガストの知名度が上昇したことなどの要因により、PS3の注目作として扱われたことがあった。
だが、実際は過去作のシステムを継ぎ合わせたデザインだったが劣化している点や何より致命的なバグが多かったこともあり、公式サイトでバグ報告を募集するという、コンシューマーでは異例の事態を起こした作品となった。
三ヶ月後にやっとパッチが配布されたが、それでも肝心な部分は直らずバランスも崩壊し丸一年放置された。後に海外版とベスト版をリリースしたが、そちらもフリーズ等の問題は抱えたままだった。
現在のバージョン1.4では破綻したバランスも多少落ち着きロード回数も多少減ったので、(フリーズを気にせず)キャラに興味があるなら遊んでみてもいいだろう。
実質的な有料βと言わざるを得ない状況な本作であるが、絵の人気が非常に高くキャラゲーとしての要点は(ゲームテンポとフリーズを除けば)おさえている作品なので、ゲーム性を重視するかキャラを重視するかで評価は大きく分かれる。
【しん・ろろなのあとりえ はじまりのものがたり あーらんどのれんきんじゅつし】
先に発売された『トトリのアトリエPlus』『メルルのアトリエPlus』とは異なり『メルルのアトリエ』をベースにゲームシステムを再構築したもの。
シリーズ初のリメイクだがマップやモンスターオブジェ等の素材の多くは使いまわされており、延長戦以外は変わっていない部分も少なくない。
PS Vitaとのマルチプラットフォームのためか、サウンドはPCM 2chのみとなった。
極めて不便であったインターフェースが快適になった反面、大雑把なバランスや自由度が低く窮屈である欠点等は継承している。
原作ほどではないがクリティカルなものも含め大小様々なバグもリメイクされた。(詳細は後述。現在はある程度修正。)
元々『ロロナのアトリエ』は未完成な面を多く持ち合わせていた作品であり、ディレクターもそれを承知していたためか(*1)汚名返上に意欲を見せており、問題点を解消した完成版に期待を寄せた人も少なくなかった。
しかしふたを開けるとリメイクと呼ぶには中途半端な内容で、土台からの改善に至っておらずバグも続投…と、「キャラに頼ったゲーム」からは抜け出せなかった。
インターフェイスこそ改善されているが、延長戦は真剣に作ったものの本編は追加要素に合わせて真面目に調整する時間が無かったちぐはぐな形跡が窺える。
とはいえ、旧版からの追加点や改善点も確かに存在し、バグもかなり少なくなり完成度が高まっているのもまた事実である。少なくとも純粋なゲームとしてもそこそこ楽しめるようになっている。
『ロロナのアトリエ』に興味を持ったならば、こちらを手に取ることをオススメする。
*1 後のインタビューで「極めて低い完成度だった」と明言している