ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~

【ろろなのあとりえ あーらんどのれんきんじゅつし】

ジャンル 新約錬金術RPG
対応機種 プレイステーション3
発売・開発元 ガスト
発売日 2009年6月25日
定価 7,140円
廉価版 PlayStation3 the Best
2010年9月23日/3,990円
判定 なし
アトリエシリーズリンク


あらすじ

アーランドに住むロロライナ・フリクセルことロロナ。
突然ロロナの師匠が開いているアトリエが潰されることを知ってしまう。
潰されないためには、王宮からの依頼をこなす必要があるのだが、師であるアストリッドにアトリエの看板を無理矢理継がされてしまう…。


特徴

  • 国から一定期間の間に課題を出され、それを三年間こなしていくというシナリオ。ただ、この課題自体はかなりぬるめの設定であり、その間に仲間や国のクエストなどでお金を儲けたり武器を作って凶悪なモンスターを倒すなどのやり込み要素がある。
  • 戦闘システム
    • 最大3人のターン制となっている。スキルを使用する際はHPを消費する。
    • 戦闘時に味方からのアシストを受けることができる。
    • 本作独自の要素として場の属性がある。キャラ放った攻撃の属性によって、場の属性が変わり、同じ属性の攻撃が使われ続けると場の属性のレベルが上がる。そうするとより強力なスキルが使える。
  • ある程度期間が経つと国のお店に素材を登録できる「量販店システム」により、いちいち素材を取りに行く手間が省ける。ただし本作では、賢者の石という錬金術の最終目標アイテムまで武器屋のオヤジが99個単位で量産してしまう問題もあった。
  • ホムンクルスのホムちゃんを使うことにより、調合(残念ながらバグで正常に機能しない)やダンジョンなどの素材採集などを代行させることもできる。

評価点

  • キャライベントの充実。イリスのアトリエ以降、フルボイスが採用されなくなっていたが本作から復活した。
  • テキストの出来はそれなりに良好。
  • ガスト作品らしく楽曲は評判良好。
  • 従属効果の掛け合わせは面白いシステムと評価されている。「工夫すれば有用な従属を作り出せる」という調合の新しい試みだった。
    • 実は「イリスのアトリエ」でも採用されていたシステムだが、あちらは従属効果にほとんど意味が無い。
  • 鮮やかなデザイン
    • 原画に新たに岸田メル氏を起用。繊細なタッチと水彩系の淡い色使いは非常に評判が良い。氏のイラスト含め2D部分に関しては綺麗。

賛否両論点

  • 難易度の極端な低下。シリーズの中でも簡単といわれるマリーよりも低い。容易に金を稼げるが、使い道が無い。
    • 初期バージョンではゲーム序盤~中盤で作成可能なレヘルンという爆弾が終盤やっと作成可能になるテラフラムより強く、氷属性のドラゴン相手でもそれだけ投げてればいいという有様だった。さらにバグで正常に機能しない仕様が多数あったが、そんな内容でもパッチ後に比べればまだバランスが良かったとされる。バグありきで難易度を低めにバランスを取っていた可能性が高い。
    • パッチ後はいくつかの仕様が正常化したが、数値設定等はほとんどがそのままな為に、結果的にプレイヤー側が極端なインフレを起こしバランス崩壊した。あくまで難易度が低くなる方向でのバランス崩壊故、ゲームとしての手ごたえが無くなるだけで済んだのが幸いか。
  • 本作は三か月毎に依頼される王宮依頼をこなすことで次のステップに進む流れ。イベントやダンジョン、参考書が解禁されるのも三か月ごとである。そのため決まった流れでゲームが進行していく。自由度が低いがゆえに初心者向けである半面、遊びの幅は狭い。
    • とは言え、シビアな一面もある。上述のように難易度が極端に低下したとは言え、王宮依頼において(1回目の必須依頼を除いて)評価点が一定ラインを下回ると即ゲームオーバーとなってしまう。すなわち、一定ラインをクリアできない事が確定した状況でセーブしてしまうとハマる。何も考えずに適当にプレイして進めるほど甘い難易度ではない。ゲームオーバーであって、バッドエンドではないのでデータも引き継がれない。
      • なお、チュートリアルでアーランドに行けなかった場合もゲームオーバーとなる。こちらは意図して起こさない限りはまずそうならないのが救い。
    • 特徴の項に「やり込み要素がある」と書かれているが、この仕様と量的な問題により実際はやれる事が無くなり頭打ちの繰りしになる。量的な問題はリメイク版ではである程度改善されるが、質的には同じ問題を継承した。
  • 依頼の簡略化。指定が無い限り従属効果も品質も考慮されない為、粗悪品だろうが極上品だろうが依頼達成には関係ない。
    • アイテムの従属効果は多くが過去作から何も考えずそのまま導入されている為、その中には依頼の評価とお店販売にしか関係ない物が多々ある。本作では無意味となるそれらはダミー化しており、ここからも調整不足が読み取れる。

問題点

  • ロードが頻発する。
    • 工房から全体マップに行くのにロード、全体マップから王宮受付に行くのにロード、王宮依頼の部屋に行くのにロード。工房から騎士に会いに行くだけでも3回のロードを挟む。もちろん工房に帰る際も同様。
    • 単体では1~3秒程度だが、繰り返し作業が基本となるゲームとしては頻度が多い為非常に辛い。当然戦闘開始ー戦闘終了でもロード。プレイ時間にも目に見えて違いが出てくる。
  • 依頼のアイテムを渡すには容量に限りがある籠にアイテムを入れておく必要がある。依頼を受ける事は本作の基本行動でその回数も当然多いが、その度に「依頼を聞く→工房に帰りアイテムをかごに入れる→依頼者に会う」の流れを挟まねばならない。ロード回数を無闇に増やす原因にもなった。
    • これは本ゲームのシステムのベースとなっているPS2のヴィオラートから何故か退化した部分。以前はコンテナから納品が当たり前に可能だった。
      • 一応、発売から1年3ヵ月後になって配布されたver1.3でようやくコンテナから直接納品可能に。
  • 町のマップ構成に難がある。町は複数のマップで分割されているが、その各マップに重要キャラが拡散して配置してあり(そしてそのマップはそのキャラと会う以外の役割が無い)、キャラクターが広いマップの奥地に配置されている等、ロード回数と歩行時間が増える要因になった。
  • 三か月毎の王国依頼を達成しないと即ゲームオーバー。そのシビアな仕様故に難易度が非常に低く設定されたと思われる。結果的に三か月という期間は長すぎて消化が面倒なものとなった。出来る事が少なく難易度が低い序盤において特に顕著。
  • シリーズ初の3Dだが、ポリゴンの完成度が低い
    • 前世代のPS2並…と言っても過言ではないほどに拙い。頭身が低く、デフォルメしたグラフィックとなっているのだが、それも却って完成度に足を引っ張る結果となってしまい、本作の評価の大半を占める事になった岸田メル氏のイラストを全く再現できていない。
    • また、歩きモーションはホバー移動と呼ばれ、実際地面から浮いているように見える。下り坂を移動中は落下判定になり(ほぼ平地に近い下り坂でも起きる)ジャンプ操作を受け付けない。ジャンプ前は一時停止しないと敵シンボルを避け損ない激突する事に。
  • フリーズ地獄。
    • 本作に於ける最大の問題点。特定不能なタイミングでフリーズ、もしくはゲームの強制終了が起こる。起きるときは開始数分で何度も繰り返し発生する場合もあるし、しないときはゲームクリアまで全くフリーズしない。法則性がないので、最新バージョンでも解決できない問題として残った。
    • 故にこまめなセーブ必須だが、工房以外の場所ではセーブできない。システムデータと通常データ2個分をセーブする仕様故に1回のセーブに時間がかかり、工房に戻るのに頻繁なロードを挟んだりと、こまめにセーブしやすい環境ではなかった。しばらく工房に戻らない事になるダンジョン探索中は特にリスクが高い。
  • デバッグ作業をせず販売したと揶揄されるほど大量のバグが存在する。
    • ガストがバグの情報を募集して修正すると約束した事もあり、2ch攻略スレはデバッグスレと化しバグ情報の収集と検証を行う場となった。
    • 実際、一度通しプレイすれば10人中10人気付くレベルのバグすら複数放置されている。多くのアイテムの効果が正しく発揮されない、チュートリアルでのシステム説明と実際の挙動が真逆である等、デバッグの基本的な部分すらまともに為されていなかった。
    • そして文字通りのユーザーデバッグの結果リリースされたパッチはバランス崩壊を引き起こしてしまう問題があり、多くの放置されたバグやフリーズ等、あまりにお粗末な内容だった。その一年後のベスト版やパッチver1.2においては特定条件でのフリーズ(特に通常版は特定EDで必ずフリーズする凶悪なもの)や、セーブ周りの仕様変更に伴う重大な設定ミスも追加されている。
    • 初期から指摘されていた簡単なバグだが、現在でもドナーストーンや地球儀といったアイテムは数値設定ミスで引き出せない効果があり、図鑑が埋まらない。

総評

発売当時はPS3のRPGが少数かつ特殊なものが多かったことや、本作がオーソドックスなRPGであったこと、新型PS3の発売と近い時期に発売されたこと、アフィリエイトブログ等の新しいメディア戦略でガストの知名度が上昇したことなどの要因により、PS3の注目作として扱われたことがあった。
だが、実際は過去作のシステムを継ぎ合わせたデザインだったが劣化している点や何より致命的なバグが多かったこともあり、公式サイトでバグ報告を募集するという、コンシューマーでは異例の事態を起こした作品となった。

三ヶ月後にやっとパッチが配布されたが、それでも肝心な部分は直らずバランスも崩壊し丸一年放置された。後に海外版とベスト版をリリースしたが、そちらもフリーズ等の問題は抱えたままだった。
現在のバージョン1.4では破綻したバランスも多少落ち着きロード回数も多少減ったので、(フリーズを気にせず)キャラに興味があるなら遊んでみてもいいだろう。

実質的な有料βと言わざるを得ない状況な本作であるが、絵の人気が非常に高くキャラゲーとしての要点は(ゲームテンポとフリーズを除けば)おさえている作品なので、ゲーム性を重視するかキャラを重視するかで評価は大きく分かれる。


新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 ~アーランドの錬金術士~

【しん・ろろなのあとりえ はじまりのものがたり あーらんどのれんきんじゅつし】

ジャンル 新約錬金術RPG

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
発売・開発元 ガスト
発売日 2013年11月21日
定価(税抜) 【PS3】
通常版:6,800円
プレミアムボックス:9,800円
ダウンロード版:6,000円
【PSV】
通常版:5,800円
プレミアムボックス:7,800円
ダウンロード版:5,143円
判定 なし

概要(新)

先に発売された『トトリのアトリエPlus』『メルルのアトリエPlus』とは異なり『メルルのアトリエ』をベースにゲームシステムを再構築したもの。
一方でマップやモンスターオブジェ等の素材の多くは使いまわされており、延長戦以外は変わっていない部分も多く半リメイク半Plusといった作品。
PS Vitaとのマルチプラットフォームのためか、サウンドはPCM 2chのみとなった。
極めて不便であったインターフェースが快適になった反面、大雑把なバランスや自由度が低く窮屈である欠点等は継承している。
原作ほどではないがクリティカルなものも含め大小様々なバグもリメイクされた。(詳細は後述。現在はある程度修正。) 2018年9月20日に、本作をPS4、Nintendo Switchに移植した物が他2作と同時に発売された。但しタイトルは旧バージョンの物に「DX」を加えた物になっている。

主な追加・変更点(新)

  • キャラクターモデリングが一新された。また一部のポリゴンモデルは『メルルのアトリエ』のものに差し替えられている。
    • 『トトリのアトリエ』以降で導入された、モデリング鑑賞も行える。
  • イベントスキップが追加。
    • メッセージスキップとイベントスキップのフラグはシステムデータにセーブされるため、一度イベントを見た状態でセーブすれば、ゲームをクリアしなくても既読イベントをスキップ可能。
    • 一部のイベントはスキップできない(メッセージスキップのみ)
    • ネットワークロードの際は、一度セーブしロードし直さないと適用されない。
    • コスチューム変更を利用し、システムデータだけをセーブする事も可能。
  • コスチューム着せ替えの追加。
    • 追加衣装を着せ替えたり小物を組み合わせたりと、キャラクターの見た目を変える事ができるようになった。
    • ロロナ・クーデリア・ステルク・リオネラ・トトリ・メルルが行える。
    • アーランドシリーズ&黄昏シリーズとのデータ連動で手に入るものもある。
      • 全ての連動特典を入手するには、PS3版とVita版の両方のソフトを所持し、ネットワークセーブでデータを共有する必要がある。
  • 王国依頼に任意依頼が追加された。任意依頼の達成で引換券などのボーナスをもらえる。
    • ホムの調合レベル・採取レベルは、この任意依頼でのスタンプ報酬でアップする。
  • フレンドクエストの受注場所が王宮受付に変更。街中でキャラに話しかけてもクエストは発生しない。
  • エンディングが『アーシャのアトリエ』の選択式に変更された。フラグが成立しているエンディングから選択可能。
    • 選択したエンディングからさらにED条件を満たしたキャラも選択できる。
  • 延長戦の追加。
    • 3年間の課題をクリア後、クリアデータを読み込むと延長戦に進むことができる。
    • この追加シナリオではタイムスリップ的な要素があり、トトリやメルルが登場する。
  • 新規ダンジョン(「マキナ領域・変異」「深淵の古塔」)・新ボスを追加。
  • エスティ、アストリッド、トトリ、メルルを仲間にできるようになった。
    • それに伴いエスティには新規のイベント・エンディングが追加された。
    • トトリ、メルルは上記の都合上、延長戦限定キャラである。
    • 基本スペックはアストリッド以外は『メルルのアトリエ』をベースに作られており、アシストガード時のSEが他キャラと違う。
      • 元々戦闘スキルがなかったメルルに関しては新たに戦闘スキルが作られた。
      • 戦闘自体がなかったアストリッドは全てが新規に作られている。
  • アイテムが大量に追加された(主に『メルルのアトリエ』から逆輸入されたもの)。
  • 調合システムや調合時のUIが『メルルのアトリエ』とほぼ同じ仕様になった。
  • 戦闘システムの変更。
    • 『メルルのアトリエ』ベースの戦闘システムに変更された。コストターン制になり、MPの追加、場の属性の削除が行われた。
    • スキルは武器依存ではなく、レベルアップで修得するように変更された。
    • 『メルルのアトリエ』以降と同じように必殺技でトドメをさすと専用BGMが流れる。
    • アシストゲージはパーティで共有、9本まで溜められる。
  • BGMの追加。
    • 上記のトドメBGMや新規ダンジョン、新規隠しボスにBGMが追加。中には『トトリのアトリエ』『メルルのアトリエ』のアレンジもある。
      • サントラも発売されており、ディスク3に新曲が収録されている。そちらには未使用BGMも収録されている。
    • 『トトリのアトリエ』以降で導入された、BGMを変更できるシステムが追加された。場面毎に1曲選択できる。
      • 当時最新作だった『エスカ&ロジーのアトリエ』のBGMも収録されている。
  • 家庭菜園が追加された。
    • ゲームが進むと、アトリエ横の花壇に種を植えて育てる事が出来る。 基本的に種の名前のカテゴリに属する採取アイテムが実る。
    • 仕様上「種を植えた時点で収穫物は決定する」ため、セーブロードを繰り返しても同じものしか収穫できない。
    • 最初に手に入る種以外は採取地で拾うか、ボスのドロップなのだが両方に問題あり
      • 採取地の場合、手に入る確率が極端に低い
      • 採取地に一定確率で出現する?マークのアイコンを調べるとさらに一定確率で拾える
      • 普通にプレイしていた場合、クリアまでに1個拾えるかどうかくらいの確率である
      • ボスドロップの場合、種を調合するためのレシピが手に入らない
      • 種を調合することで家庭菜園で手に入るアイテムの品質と特性を調節できるので、種だけあってもイマイチなアイテムしか手に入らない
      • 家庭菜園は普通の採取では考えられないアイテムを作れるシステムなのだが、上記の問題で最初の種以外からアイテムを手に入れたい場合途方も無い時間を種とレシピに費やすことになる
  • タイムカプセルが登場。
    • 延長戦でのみ使用可能なシステムで、アイテムを入れて未来に送ることが出来る。後日、違うアイテムが送り返されてくる。
    • 『トトリのアトリエ』・『メルルのアトリエ』でのアイテムレシピに沿ったアイテムを送ると、それに応じたアイテムが送り返されてくる可能性がある。
    • これによるイベントがあり、『トトリのアトリエ』・『メルルのアトリエ』は連動しないとイベントが見れない。
  • アトリエの模様替えができるようになった。
  • PS3版とPSV版の違いは一部コスチュームが異なる、PS3版には『Plus』シリーズの特典画像ギャラリーを再収録している、など。

バグ

  • フリーズ・C2エラーが起きるバグがある。Vita版での発生報告が多い。旧ロロナでユーザーに多大な迷惑をかけた事をまるで反省していない。
    • 頻繁に発生する人もいれば、全く発生しない人もいる…と、発生状況まで旧版のそれを引き継いでいる。
  • 参考書が手に入らなくなる、フレンドクエストが出現しなくなる、ジオの必殺技を出すとフリーズするバグも確認されている。特に最後の物は誰でも確実に気付くバグで、承知の上で発売強行したとしか思えない。(現在では修正)

総評(新)

元々『ロロナのアトリエ』は未完成な面を多く持ち合わせていた作品であり、ディレクターもそれを承知していた為か*1汚名返上に意欲を見せており、問題点を解消した完成版に期待を寄せた人も少なくなかった。

しかしふたを開けるとリメイクと呼ぶには中途半端な内容で、土台からの改善に至っておらずバグも続投…と、「キャラに頼ったゲーム」からは抜け出せなかった。
インターフェイスこそ改善されているが、延長戦は真剣に作ったものの本編は追加要素に合わせて真面目に調整する時間が無かったちぐはぐな形跡が窺える。

とはいえ、旧版からの追加点や改善点も確かに存在し、バグもかなり少なくなり完成度が高まっているのもまた事実である。少なくとも純粋なゲームとしてもそこそこ楽しめるようになっている。
『ロロナのアトリエ』に興味を持ったならば、こちらを手に取ることをオススメする。