バイナリースター インフィニティ

【ばいなりーすたー いんふぃにてぃ】

ジャンル シューティング
対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売元 Forever Entertainment
開発元 Ricci Cedric Design
配信開始日 2021年2月4日
定価 【Win】520円
【Switch】500円
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式
レーティング IARC:7+
判定 なし
ポイント シンプルな色彩の2Dシューティング
極めて大味なゲームバランス
やたら多用されるフラッシュ表現


概要

フランスのインディースメーカーであるRicci Cedric Designの開発によるダウンロード専売ソフト。発売元はポーランドのインディーゲームパブリッシャーであるForever Entertainment。

ジャンルは2Dシューティングゲーム。オプション設定により横スクロールと90度傾けた状態での縦スクロールのどちららに切り替えできるが、ゲーム内容の変化はない。
何者かに破壊された衛星「タリオス」を舞台に、2体の戦闘機が立ち向かうという設定。2人同時プレイ可能。


ゲームルール

  • ゲームモードについて
    • ゲーム開始時では「アーケードモード」のプレイが行え、オールクリアすると「サバイバルモード」と「BOSSラッシュモード」もプレイ可能となる。
      • アーケードモードは全8ステージのメインモード。サバイバルモードとBOSSラッシュモードはゲームオーバーになるまでゲームが続けられるモード。
  • 操作体系
    • 8方向移動とボタン押しっぱなしによるショットのみで戦闘機を操作する。ボンバーなどの特殊操作は存在しない。
  • アイテムについて
    • 頻繁に出現する「敵キャリア」を破壊すると以下のアイテムが出現する。キャリアはアーケードモードのボス戦以外において頻繁に出現する。
      • ショットアイテムの併用はできず、同じアイテムを取得するとパワーアップが行える。また出現したアイテムを放置するとすぐに消滅してしまう。
+ アイテムの種類一覧
SPD 戦闘機の移動速度UP。
ORB 戦闘機周りに敵弾をかき消すオプションを付ける。アイテムの連続取得で複数個のオプションが付けられる。
1UP 残機が1機増える。
ノーマルショット ショットアイテム。クセの少ないショットに切り替える。ステージ開始時及びミス後の復活時における初期ショットでもある。
レーザー ショットアイテム。攻撃判定が強いショットに切り替える。
リング ショットアイテム。攻撃範囲の広いショットに切り替える。
  • ステージクリアとミス条件について
    • アーケードモードは奥に待ち構えるボスを倒せばステージクリア。サバイバルとBOSSラッシュモードはクリアの概念はない。
    • 敵や攻撃に触れると一撃ミスの残機制。ミス後はアイテムの一部が放出された後にその場での復活となる。全モード共通で途中コンティニューは行えない。
    • アーケードモードに関しては一度到達したステージからのセレクトが可能。ゲーム終了後はハイスコアはモード及びプレイ人数別で記録される。

評価点

  • シューティングとして遊べなくはない
    • 好意的に解釈すれば「大きな演出やウエイト抜きでハイテンポに事が進むシューティング」といえる内容。
      • とにかくジェットコースターの如くさくさくとステージが進行し、目まぐるしく背景や敵の顔ぶれが変化する様はある意味小気味良さすらも感じさせる。
      • 問題点の件はともかく、ジャンル上の破綻はなく、ステージ数やモードもそれなりに用意されている点は評価すべきだろう。
    • 一風変わった特徴として「画面の縦横切り替え」「2人同時プレイにおけるフレンドリーファイアの有無」のオプション設定ができ、部分的に作り込まれている。

問題点

  • ゲームバランスは極めて大味
    • せっかちなほどにテンポが良すぎるがために、ゲームバランスという意味ではかなり大味なものに仕上がっている。
      • 敵の出現や攻撃の前兆というものがほとんど示されないままに連続で襲い掛かってくるため、訳のわからないままミスしてしまうのはお約束。
      • ミス後においてもワンテンポ置く間もなく復活するため、復活しているという自覚もないままに連続ミスとなりやすい。結果残機数が凄まじい勢いで減る。
      • ミスのしやすさを考慮してなのか、キャリア(アイテム)の出現率がやけに高い。1UPを含めたアイテムが大量取得できてしまい、波に乗ると残機が増え続ける。
    • こういう仕様なため、「死ぬ時は瞬殺、上手くいけば楽勝」という両極端なゲームバランスと化しているのが本作である。
  • 微妙気味なグラフィック
    • レトロさを表現したかったのか、全編通して「白と黒、アクセントとして赤」というシンプルな色彩でグラフィックが描かれている。
      • この少ない色彩の弊害として「戦闘機の位置が見極めにくい」という問題が発生する。慣れればそうでもないが、初見では視覚的な混乱を招きやすい。
      • グラフィック自体は良い意味でのレトロ感のある荒々しい外観といえるが、色彩の少なさゆえに見栄えはあまりよろしくない。
  • 謎の爆音フラッシュの多用
    • 外観に関するもう一つの問題として「フラッシュ表現の多用」が挙げられる。
      • 敵を破壊するたびに画面揺れと共に爆音付きフラッシュが響きまくり、画面が非常にやかましく疲労感がのしかかってくるのが困りもの。
    • BGMはなかなかの良曲なのだが、爆音SEのせいで音が聞き取りにくいのが難点。オプションでBGMや効果音をOFFにできるが音量調整は行えない。

総評

シューティングとしては遊べなくはないものの、「大味なゲームバランス」「グラフィックの微妙さ」「爆音とフラッシュがうざい」という三重苦が残念な一作。
雑なシューティングであるのは否定できない事実だが、やりすぎな位のハイスピードで迫るテンポの良さに魅力を見出せるのであればプレイの価値はあるかもしれない。

最終更新:2021年09月09日 01:03