記憶 Path to Mnemosyne
【きおく ぱす とぅ むねもしゅね】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | PlayStation 4 Nintendo Switch
 Windows(Steam)
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| メディア | ダウンロード | 
| 発売元 | 賈船 【Win】DevilishGames
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| 開発元 | DevilishGames | 
| 発売日 | 【PS4】2019年6月27日 【Switch】2019年7月4日
 【Win】2018年9月26日
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| 定価 | 【PS4】1019円 【Switch】1000円
 【Win】1,010円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ジワジワとくるシュールさとホラー要素 奥スクロールで流れていく謎世界
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概要
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スペイン南東部の街、ビリェーナを拠点とするインディーデベロッパーDevilishGamesによるナラティブ型アクションパズルADVゲーム。2018年のPC版が初出で、PS4/Switch版はそれの移植に当たる。また、CS機版移植の際日本語吹き替えが追加されている。
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奥スクロールアクションの要領で記憶を失った少女を移動させ、ゴールまでたどりつくことが目的。
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ジャンルはパズルに区分される。道中行く手を阻む仕掛けがあるので、地形をよく観察し先に進むための糸口を見つけることとなる。
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ストーリーはあまりない。少女の脳内に語りかける大人が2人いて、彼女をどこかへ導こうとしているようだが…。
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タイトルにもある「Mnemosyne(ムネモシュネ)」とはギリシア神話に登場する「記憶を司る女神」のこと。
システム
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操作する少女について
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概要の通り本作の骨子は奥スクロール式である。ワンピースを着た少女を操作し、終点を目指して奥へ奥へと進んでいく。
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基本、前進・後退するか前のめりジャンプのアクションをとらせるのみ。
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ジャンプは、対応したボタンを押すことで行われ、少女が向いている方向に少しの距離前のめりにジャンプする。
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激しいアクションが要求されるような一幕はない。道中に敵がいてダメージを与えてきたり、道から転落するといったこともない。
 
 
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少女が歩く道の構造
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道は平面になっているとは限らず、筒状になっているところもある。
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そういったところは少女を左右にカニ歩きさせることで壁歩きしたり、逆に筒状の地形そのものを回転させて少女が歩く道そのものをとっかえひっかえすることもできる。
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特定の場面では、壁歩きはるいは、筒状の地形を丸ごと回転させたり出来る。
 
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少女の足元には、踏んで作動させるボタンなどが登場する。場合によっては踏まずにジャンプで飛び越える必要がある(迂回は原則できない)。
 
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記憶
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道中では足踏み式スイッチを適切な順番や条件で押したり、地形に隠されたパズルを解くことで、どこかに「記憶」が生成される。少女が近づけばアイテムとして回収できる。
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どんなスイッチを押したり、マップをどう進めばいいのかは、道や周囲の背景のどこかにヒントが書いてあったりする。
 
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一定区画進むごとに道が扉でふさがれており、所定の数だけ集めた「記憶」をささげることでパズルゲームが遊べるようになる。
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このパズルをクリアすれば、さらに先の区画に進める。
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パズルの内容は様々。おおむね効率よくいけば2~3分程度の内容。図形を回転させて、図形の上の所定の点に「記憶」が乗っかるようにしたり、タイミングよく所定のボタンをおしたりなど。
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クリアのためのルールが説明されないので、プレイヤーが各自何をすれば先に進めるのか推察していく必要がある。
 
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パズルに行き詰った場合は、左スティックを手前に倒すことでミニゲームを中断可能。
 
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エンディング時の分岐
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普通にゴール地点まで直進して辿りつけるエンディングと、中盤以降のアイテム「記憶の断片」をすべて集めてからゴール地点を迂回してたどり着けるエンディングの2つがある。
 
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クリアまでに要する総プレイ時間は、3時間程度かとおもわれる。
評価点
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独特の不気味なデザイン
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奥スクロールの形式をとるゲーム自体が比較的珍しい部類といえる。
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ゲーム内の世界はごく一部を除いて終始モノクロでノイズが入っている。少女自体も無表情で気味が悪く、また少女があるく道を彩る背景も、人体のパーツだったり引き伸ばされた生物だったり幾何図形だったりと印象に残るデザインとなっている。
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背景を構成する「遠近法」の挙動も若干不気味。少女のゆっくりとした小走りをさしおいて、背景の絵は滾々と湧き上がるように変化していく。床と壁の区別もとくにないので、前後方向や上下方向の感覚がおかしくなるように感じられる。
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脅かし要素はあるものの、ホラー描写は基本ない。ゲームが苦手でも陰鬱な描写が好きな人には刺さるかもしれない。
 
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パズルゲームとして
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操作方法は簡単な部類。奥に進むか手前に進むか、左右に少し移動するかのみである。記憶をささげて操作する扉のパートで少し右スティックや別のボタンを使う程度。
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発想力もたしかに重要だが、少女の周りでめまぐるしく変化する背景の些細な変化を見逃さない観察力が試されるといったゲームバランス。
 
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音響での工夫
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メニュー選択時のBGMも印象に残りやすい。
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しばらく少女を一定方向に進ませると、奈落に吸い込まれていくような不気味なSEがなる。
 
問題点
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内容が文字通り一本道である
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謎自体がひどく難しいわけではなく、地形に隠されたヒントや特徴よく覚えるのもいいが、場合によっては総当りを挑んでも大体は先にすすめる。
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価格が安価なので仕方ないかもしれないが、寄り道できる余地はなく特にクリア後のやりこみ要素には期待できない。
 
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エンディングがかなり雑
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本作の道中で男女が脳内に語りかけてきて、少女をガイドする。その際に「記憶の断片」や「本作の世界観」などがわかるような意味深長なやりとりをするものの、エンディングで回収はされずそれらがどういう意味をなしていたのか分からない。
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「記憶の断片」を集めきってたどり着けるエンディングと、もうひとつの通常のエンディングがいずれもあっさりしすぎている。1~2分程度のテキストが表示されてそのままエンドロールに直行してしまう。
 
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ジャンプ操作が若干しづらい
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少女のジャンプに飛距離が大して無いので、ボタンを踏まずに飛び越えられるようにするには若干の訓練が必要。
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助走をつけているときに踏みたくないボタンを踏んでしまったり、逆にジャンプをあまりにも手前で出して着地時にボタンを踏んでしまうといったことはよくある。
 
総評
モノクロで生物や幾何図形がねじれて混在する不可解な道を進むというゲームデザインがなかなか個性的なゲーム。適度にパズル要素があるが難易度は高くなく、ホラーが多少苦手でもプレイできるといったところ。
最終更新:2022年05月12日 20:36