Park Inc (パーキング・ロット)

【ぱーく いんく ぱーきんぐ ろっと】

ジャンル パズル
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 Pix Arts
発売日 2021年4月22日
定価 349円
プレイ人数 1人
セーブデータ なし
レーティング IARC:3+
備考 日本語非対応
携帯モード専用
判定 クソゲー
ポイント 終わり無き虚無
どう見ても体験版未満



Can you unpark them all?
「あなたはすべての駐車場を解除することができますか?」



概要

2012年からスマートフォン及びPC向けのゲームを開発し、Xbox One、Nintendo Switch、PS4へと 迷惑極まりない 移植を続けるインディーズデベロッパー「Pix Arts」がNintendo Switchで発売した携帯モード専用のパズルゲーム。 駐車場を舞台に、車を脱出させてステージを進めていく。

2019年よりMac OS向けに販売されている『Park Them Off』の移植作。本項ではSwitch版のみを扱う。


システム

  • 駐車場には車が縦または横方向に入り組むように駐車されている。壁と障害物が置かれているため、基本的に1台ずつ脱出させる必要がある。
    • 車は前進かバックしかできず、壁や障害物、他の車にぶつかる方向へは進めない。
    • 黒いフェンスは一定時間ごとに下がったり戻ったりを繰り返す。
  • 駐車場から全ての車を脱出させるとステージクリア。次のステージへと進む。
    • ミスや制限時間は無く、車は何回ぶつけても、元の位置に戻してもOK。ぶつけることで他の車を通せるようになるステージも多い。
    • ステージクリア時にコインが入手できる。

問題点

  • 難易度が低すぎる
    • 全体的に難易度が非常に低く、パズルゲームが苦手な人ですら速攻で飽きる事請け合い。
      • 開始時点でどの車も脱出させられる、ほとんど何も考えずにクリアできるチュートリアルのようなステージも少なくない。水増しに思えてくる。
    • 上下動するフェンス以外にギミックがないのも単調さに拍車を掛けている。
  • 無限ループ
    • 商品紹介ページでは150以上のステージを売り文句としているが、使い回しが散見される。
    • それどころか、本作には終わりが無い。ステージ160あたりでランダムでステージ1と同じチュートリアルに戻り、ステージ1からのループが延々と繰り返される。キャッチコピーに対する答えは残念ながらノー。
  • セーブ非対応
    • 大量のステージを売り文句としておきながら、進行状況が保存できないのは致命的。
    • Pix Artsのタイトルはセーブ非対応のものが多いが、よりによってパズルゲームでそれはあんまりである。
  • 操作性が悪い
    • 前後に連なっている車や壁の後ろの車の反応が悪く、タッチ判定が狭い上にゆっくりなぞらないと反応しない。
      • 低難度なのにテンポが悪いという苦痛な内容となっている。
  • オブジェクト消失バグ
    • ステージクリア時に表示される「Next」を早押しすると次のステージの障害物が全て消滅してしまう。
      • 真面目に遊びたいのならワンテンポ置いてからタッチする必要があり、ここでもテンポが悪化する。
  • その他
    • コインは手に入れても使い道が無く、累計額も分からない。
    • カメラワークもやや違和感を覚える。
      • 駐車場は前から見た視点だが、最前列の道路を走る車は逆方向から見たような構図となっている。真上から広角レンズを通して視るような感覚。
    • BGMも音量が小さくループの短い単調なもののため眠気を誘う。
      • BGMを大きくしようとしてもコインの効果音が大きくなりすぎで、音量バランスも悪い。

評価点?

  • 親しみやすいデザイン
    • 時々回転する道路標識やドーナツ状の看板などは、可愛らしく凝ったデザインをしている。
      • もっとも、デザイン面はあくまでアセット制作者の苦労によるもので(余談項参照)、本作メーカーの功績ではない。
  • ロードは無いに等しい。ゲームテンポ自体は前述の通りだが。

総評

値段不相応以前にゲームとして楽しめるポイントが皆無で、無料でもお断りと言って良いレベル。こんなものが商品として出回っていることには驚かざるを得ない。
価格の安さと可愛げのあるデザインによってつい手を出してしまう人も居るのかもしれないが、ゲームを買う際にはメーカーについても最低限調べておくべきだと改めて教えてくれる一作といえる。


余談

アセットフリップ

  • 本作はゲームエンジンとしてUnityを活用している。しかし、ゲーム全編を通してUnity製のアセットの『Park Inc』をサンプルのステージごと流用している。
    • このアセットを流用したゲームは他にもいくつかあるが、それらはどれもスマートフォン向けに無料で配信されている。
      • それら無料アプリの多くも何かしらの問題は抱えているが、どれもセーブには対応している。中には本作よりもよっぽど遊びやすく、コインで車の色を変更出来るものもあるため、本作の存在意義は限りなくゼロに近い。
    • サンプルの難易度の低さも、本来は開発者向けにこのアセットを使ってどういったステージを制作できるかを示す、いわば「ゲーム開発者に向けてのチュートリアル」であるためと推測できる。つまり、本作の最大の問題点は本来ゲームソフトとして作られてはいないものを販売してしまったこと。これでは全編チュートリアル級の難易度でも不思議ではない。

その他

  • eショップのスクリーンショットではリプレイ機能があるように見えるが、これはMac版のスクリーンショットを流用しているためで、Switch版にリプレイ機能はない。
最終更新:2023年03月31日 15:39