タコタン:星のタコ
【たこたん ほしのたこ】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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Xbox One Nintendo Switch プレイステーション4
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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eastasiasoft
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開発元
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Joseph Calabro
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配信開始日
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【One】2020年9月9日 【Switch/PS4】2020年9月10日
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定価
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【One】820円 【Switch/PS4】700円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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【Switch/One】IARC:3+ 【PS4】CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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タコが自機の横スクロールシューティング 遊べなくはないが大味な作り ショットの種類は多彩だが使い道がほぼない
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概要
香港のメーカーであるeastasiasoft発売によるダウンロード専売ソフト。開発はイギリス出身のJoseph Calabro氏を中心としたスタッフが行っている。Steamからの移植作。
ジャンルはスタンダードな横スクロールシューティング。エイリアンに侵略された美しい大地を救うため、最後の希望のタコ型生物「タコタン」が活躍するという設定。
ゲームルール
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ゲームモードについて
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メインとなるモードとして「ノーマルモード」と「パニックモード」のどちらかを選択できる。
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ノーマルモードはHP&残機制。パニックモードはバリア付きの残機制。全8ステージ構成で双方共にステージ内容の差はない。
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先述のモードのどれかをオールクリアすると「カスタムモード」もプレイ可能となる。このモードのプレイ記録は対応していない。
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このモードでは「ステージセレクト」「ショット切り替えのON/OFF」「タコタンの移動速度・HPと残機数・初期ショットの選択」などの細かい設定が行える。
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アシストをONにする事により、ノーマル・カスタムモードにおけるタコタンのHPダメージを軽減できる。
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作中にてアシストはスタッフの想定しているゲームバランスの範囲外にあたり、公平なプレイを行うには好ましくないシステムだと解説がされる。
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操作体系
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移動とショット、及び2つの特殊操作でタコタンを操作していく。
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アナログスティック等で8方向移動。ショットボタン押しっぱなしで使用しているショットを撃つ(オートショット)。
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回避ボタンを押すとタコタンを一時的に無敵にする回避行動。一度使用すると1秒程度の間は使用できない。また使用中はショットが撃てなくなる。
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パワーアップアイテムをストックしている状態で切り替えボタンを押すと、タコタンのショットの切り替えができる。
ただし切り替え前のショットは消滅してしまうため、ショットを使い分けるという意味合いの操作は含まれない。
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アイテムとショットについて
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主に敵を倒す事で下記のアイテムが出現し、取得するとタコタンに何かの効果をもたらす。
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アイテムはすべて前方一直線へと落ちる。ダイヤモンドは他のアイテムと比べ落ちるスピードが速く、出現率も非常に高い。
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パワーアップアイテムでショットをストックしておくと、切り替えボタンでストックしたショットへと切り替えられる。
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ショットを切り替えると以前のショットは消滅する。ただし無敵化に関しては一定時間経過後に以前のショットへと戻る。
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パワーアップと銘打っているがあくまでもショットの性能が変わるだけで、性能そのものを強化するという意味でのパワーアップという概念ではない。
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アイテムとショットの一覧
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アイテム
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ダイヤモンド
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100~500点獲得のスコアアイテム。ショットを撃ち込むと変色し、獲得スコアに変化が生じる。
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パワーアップ
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後述のショットの何かがランダムでストックできる。カスタムモードでショット切り替えOFFにしている場合はスコアアイテムとなる。
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ケーキ
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HPが80ポイント回復。パニックモードでは出現しない。
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1UP
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残機を1機増やす。
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ショット
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ノーマル
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デフォルトでの初期ショット。攻撃範囲は狭いが連射が効き、クセがなく安定して扱いやすい性能。
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ビッグショット
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ノーマルに近い性能のショット。攻撃判定が大きい反面、連射力はノーマルに劣る。
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カッター
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カッター型のショット。連射力はそれなりで発射後にすぐさま後退する。
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ボーリングボール
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ボウリング型のショット。発射後に放物状へと落下する。連射は利きにくいが攻撃判定が大きく貫通性能がある。
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ニンジャシュリケン
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手裏剣型のショット。連射の間隔の隙間が発生しやすい以外はノーマルとほぼ同性能。
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ヨーヨー
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ヨーヨー型ショット。限られた近距離の範囲にしか攻撃できず、これといった強みも持たない扱いにくい性能。
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ニードル
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ニードル型のショット。攻撃範囲が狭く連射も利きにくいが貫通性能あり。
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ショットガン
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ショットガン型のショット。攻撃判定が大きく貫通性能を持つが、近距離にしか攻撃できず非常に連射が効きにくい。
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スキャッター
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ノーマルの3方向版といえるショット。ノーマル並に連射が効き、作中屈指の攻撃範囲を誇る高性能。
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プラズマ
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プラズマ型のショット。性能的にはニードルとほぼ同じ。
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火炎放射器
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バーナー型のショット。ショットガンとほぼ同性能だが、連射が効きやすい点が異なる。
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レーザー
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レーザー型のショット。貫通性能を持つが連射が非常に効きにくい。
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無敵化
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一定時間タコタンが無敵となり、体当たりで敵を倒せる。ただし無敵中はショットと回避行動が行えない。
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ステージクリアとミス条件について
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一般的な横スクロール同様、ステージ奥に待ち構えるボスを倒せばクリア。なおステージ7はボス撃破の後にとある行動を要する。
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敵を連続で倒すと段階的にスコア倍率がかかるボーナス。しかし一定間隔を置いた後に倍率はリセットされるため、長期の継続倍率は行えない。
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ゲームを終えるとノーマル・パニックモード別でベスト10までのハイスコアが記録される(ネームエントリー対応)。
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タコタンが被弾や敵もしくは壁接触をするとダメージ。ミスまでの経緯はモードによって異なる。
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ノーマルモードでは初期1000ポイントのHPがあり、すべて失うとミス。ダメージによる消費HPは1回あたり50~100ポイント前後だと推測される。
ミス後の復活及びステージクリア後はHPが全快する。またステージクリア後は残りHPに応じたボーナススコアが入る。
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パニックモードでは1回ダメージを受けるとバリアが剥がされ、その次のダメージでミス。バリアはタコタンが復活するたびに回復している。
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ミス後は戻り復活で初期ショットに戻る。初期残機数は各モード共に4機からのスタート。残機をすべて失うとゲームオーバーでコンティニューは不可。
評価点
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シューティングとしては普通
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シューティングとしては割と普通で、完成度の面はともかく遊べはできる内容となっている。
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販売価格の割に8ステージのボリュームがあり、各ステージの背景やボスすべてに差別化が図られている。もっともこのボリュームが問題点に結びつくのだが…。
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移動とボタン押しっぱなしのショットというシンプルな操作に加え、無敵効果のある回避行動を定期的に使用していくのが主となる。
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回避行動中はショットが撃てず、約1秒の間を置かないと連続使用できないリスクも伴う。回避行動をしないと確実にダメージを受けてしまう場面も数多い。
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ノーマルモードではHPが多いため回避行動さえきちんとしていればミスになりにくいが、2回ダメージでミスのパニックモードの難易度は極めて高い。
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シュールでシリアスな雰囲気
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タコが主役という謎のシュールな設定ながら、シリアスさが強調されたコミカル色控えめな雰囲気となっている。
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タコタンやボスの多くはコミカル寄りな外見だが、「救世主がエイリアンから大地を救う」という大真面目な設定が作中で描かれている。
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終盤ステージの展開はさらにシリアスが強調された雰囲気となり、他のゲームではあまり見られないであろう何ともいえない味わいを感じさせる。
問題点
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タコタンのダメージの受けやすさ
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タコタンの当たり判定が非常に大きく、他のシューティングと同じ感覚で操作しようものならダメージの連鎖は避けられない。
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回避行動をしたはいいが、当たり判定の大きさが災いして回避後に即ダメージという状況と化しやすい。特にパニックモードではこれが死活問題となる。
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一部の壁と背景が溶け込んでいる場面も多く、初見では「何が壁で何が背景なのか」という混乱を招きやすく、結果ダメージの洗礼を受けてしまう。
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使えないショットが多すぎる
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ショットの種類が異様なまでに多いが、そのほとんどは使い物にならない(使うまでもない)微妙な性能である。
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極端な話、順調に攻略をしたいのならば、クセの少ないノーマル(初期ショット)があれば事足りるため、切り替えボタンに触れる必要性は薄い。
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後は無敵化とノーマルの上位性能のスキャッターが役立つ位で、他のショットはノーマルの劣化版か実用性に乏しいショットしかない。
特にヨーヨーの性能は射程距離が短すぎる上にこのショットならではの強みが全くなく、何の取柄もない縛りプレイ専用ショットである。
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そもそもパワーアップアイテムで何のショットがストックできるかはランダムなため、自分の意思でショットの数々を使い分ける楽しみも行い辛い。
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無駄にショットの種類が多く、それでいて何がストックできるかは運なので、「扱いやすいノーマル一択で固定」という攻略が最も安定という結論に至る。
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ステージの冗長さ
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各ステージの構造が全体的に冗長で、シューティングの重大要素の1つであるテンポ感がいまいち悪い。
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敵同士の間隔に間延びが発生しやすく、ボスまでの道のりが妙に長ったらしく感じる。敵の種類も少なく先のステージで同じものが何度も使い回される。
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オールクリアまでの時間はノーミスでも40分以上だと推測され、他のシューティングと比べて長期戦と化しやすいのも面倒に感じる。
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モード数は多いものの、そのどれもがミス条件やカスタムの有無の差しかなく、ステージ全体の難易度の変化性というものがないのも批判となる。
総評
シューティングとしてあるまじき致命的な欠陥は特に見受けられず、とりあえずは最低限の楽しみは堪能できるであろう一作。
しかし、いまいちこなれていないゲームバランスやシステムの調整不足感は否めず、シューティングとしての完成度は著しくない。
最終更新:2022年04月23日 15:18