Popeye

【ぽぱい】

ジャンル アクション
対応機種 Nintendo Switch
PlayStation 4
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 Sabec
配信開始日 【Switch】2021年11月4日
【PS4】2022年3月31日
定価(税込) 【Switch】1,499円
【PS4】1,210円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式*1
レーティング IARC:7+
備考 日本語非対応
判定 クソゲー
ポイント 久々の『ポパイ』アクションゲーム化
ステージ数たったの3つ
ゲームが詰む致命的な不具合
ポパイシリーズリンク


概要

クオリティの低さに定評(?)があるインディーズディベロッパー、SabecからリリースされたSwitch/PS4向けダウンロードソフト。

世界的に有名なキャラクター『ポパイ』を題材にしたゲーム。
『ポパイ』のゲームソフト化はiOS向けソーシャルゲーム『Popeye Slots』(日本未配信)以来の約9年ぶり*2。全体的に任天堂製を意識したであろう作りとなっており、公式ライセンスもしっかり取得している。

ジャンルはドットイート系のアクションゲーム。ゲーム自体は2D性の強い内容だが、グラフィックは3Dで描かれており視線調整もある程度行える。
ポパイがほうれん草を食べてブルータスなどの敵を吹き飛ばすという原作準拠な設定。ヒロインのオリーブはノルマアイテムをばら撒く役として登場。


ゲームルール

  • ポパイを操作しブルータスやハゲタカなどの敵を回避しながら、ステージに散らばる特定数の「ノルマアイテム*3」を回収すればクリア。
  • 全3ステージ構成のループ制。 ステージをループする度に敵の出現頻度が少しずつ増していき難易度が上昇。またステージの背景も変化する。
  • ステージ内には時折「ほうれん草」が配置されており、取得すると一定時間ポパイの攻撃で敵を吹き飛ばす事ができ、さらには移動スピードも少し上昇する。
  • 各ステージは高低差や壁が配置されているが、特別な効果の仕掛けは存在せず。また吹き飛ばした敵は一定時間経過で復活しポパイに襲い掛かる。
  • 残機3からのスタートで、ポパイが敵やその攻撃に触れるとミス。ミス後はそのままの状態で復活。残機をすべて失うとゲームオーバーでコンティニューは不可。
  • ゲームオーバー後はベスト5までのスコアランキングの記録がなされる(ネームエントリー対応)。スコアは「ノルマアイテム取得」「敵を吹き飛ばす」などで増えていく。
  • 左のアナログスティックでポパイの8方向移動、及び海を泳ぐ操作*4。攻撃ボタンで吹き飛ばし攻撃。右のアナログスティックで視線調整。

問題点

  • ボリュームが薄すぎる
    • 1,500円の販売価格にしてステージ数がたったの3つ。どう考えても価格と見合っていないボリューム。
      • その3つのステージがループするだけの内容であり、少しプレイするだけでも底が見えてしまう。複数のモードといったものも用意されていない。
      • ループをすると敵が申し訳程度に強くなったり、ステージ背景が変化していくものの、その程度では焼け石に水のボリュームの差でしかない。
      • 1ステージあたりのクリア時間は3分超程度。各ステージにこれといった作り込みもなされておらず、特にステージ2は移動範囲が極端に狭い。
  • ゲームそのものが浅い
    • 純粋なるアクションゲームとしてみても奥が浅く、何度でも挑みたくなるような面白みが感じにくい。
      • ステージ中にやる事といえば「ただ無造作に移動しながらノルマアイテムを淡々と回収」という作業がメインで、プレイが虚無と化しやすい。
      • 「ほうれん草を取得して敵を吹き飛ばす」といったアクションも行えるが、敵の移動スピードが遅いためいちいち相手にする理由は薄く、アイテム回収に集中した方が手っ取り早い。
        敵を吹き飛ばした時に入手できるスコアは高いものの、そもそもほうれん草の出現箇所が極めて少ないため、実用性に欠ける点に変わりはない。
      • 「ドットアイテムを一斉回収」「敵を複数同時になぎ倒す」などの爽快感がまるでなく、ちまちまとアイテム回収をするだけの地味な作業を強いられる事に。
  • 無駄にシビアな難易度
    • カメラワークがあまり良いとはいえず、突発的な敵の出現によるミスを招きやすい。
      • 普通に移動しているだけでも死角から敵が現れる事態が多々あり、視線変更を頻繁にしないと初期のステージすらもクリアできないおそれがある。
      • 特にステージ2は移動範囲の狭さも相まって、逃げ場のないところに敵が出現してミスという理不尽な場面に陥りやすい。全ステージ中における最難関といえる。
      • 敵に触れるだけで即ミスという過酷さな上に、3機の残機がなくなると問答無用でゲームオーバーとなってしまうのが非常にきつい。
  • 致命的な不具合の数々
    • ステージ3では地形にはまるバグが随所に発生し、はまってしまうと何もできないままにゲームそのものが詰む
      • はまった先には敵が出現しなくなるため、自爆ミスすらもできない。もうこうなってしまうとリセット以外でゲームを抜ける方法はない。
    • 以下、稀に発生するバグ。
      • 射程圏外のブルータスに攻撃されるバグ。
      • パワーアップ時に移動速度が低下し8方向操作以外の操作が効かなくなるバグ。一度発生してしまうとゲームオーバーになるまで続く。
    • これは不具合と呼べるのかは微妙だが、目の前のほうれん草が突然に消失する現象がある。単なる時間経過による消失の可能性もあるが真相は不明。
  • 盛り上がり皆無な演出
    • 『ポパイ』らしさや派手な演出に乏しく、ただでさえ虚無なゲーム内容が悲しい位に盛り上がらない。
      • グラフィックはDLソフトである事を考慮しても簡素で、ポパイ達の見栄えもあまり良くない。
      • ポパイがほうれん草を食べてムキムキになるのはいいが、演出はその場で行われるだけ、演出が終わったら元ののんきなBGMに戻ってしまう、と迫力に欠ける。
      • ステージクリアをしてもご褒美的な演出はなく、素っ気なく次のステージへと進むだけ。誇張抜きでこれがゲームオーバー(もしくは詰み)になるまで続く。
  • その他の問題点
    • ゲーム開始時のロードが微妙に長い。
    • BGMと効果音の音量バランスがかなり悪い。
      • BGMは本体の音量を大きく上げないと聴こえない程小さいが、キャラが吹っ飛ばされた際の効果音は本体の音量を小さめに設定してもうるさいレベル。死角から現れた敵に触れてミスしたときは特にびっくりする。
      • オプションで音量調節が可能だが、BGMと効果音を別々に調節することが出来ない為本体側の音量調節と変わらない。

評価点

  • アクションとしての土台は保たれている
    • アクションゲームとしての根本は保たれており、全く遊べないほどの出来ではないのが救い。もっともそれが当然であるのだが…。
      • ドットアイテムを回収するだけの分かりやすいルールで遊びやすい内容ではある。操作性に関しても視線変更が忙しい事を除けば軽快な部類に属する。
      • スコアアタックとしての一面を持つため、運が絡みやすいのはともかく高嶺を目指す目的はある。なおデフォルトでのランキング上位のスコアは妙に高い。
      • とはいえゲームが途中で詰む不具合が頻発するため、いくら土台が保たれているとはいえ商品としては欠陥品と言わざるを得ない。
    • セーブ非対応がデフォルトのSabec作品としては珍しくセーブ対応なのは地味な進展と言える。もっともそれが常識的な仕様なのだが…。
    • ゲームルールの説明もある。例によって日本語非対応なのが勿体無い。

総評

『ポパイ』のゲーム化作品としてもアクションゲームとしてもあまりにも残念な一作。致命的な不具合もあり、この辺はいつものSabecクオリティといえる。
1,500円クラスとなればハイクオリティ・ハイボリュームなアクションゲームが多く存在するため、わざわざ本作に触れる理由はないだろう。


余談

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最終更新:2023年07月01日 07:54

*1 任天堂eshopではセーブ非対応として扱われているが実際にはセーブに対応しており、スコアランキングの記録がなされる。ただし、Switchのバックアップ機能には非対応。

*2 日本で発売されたものに限定すると、1994年8月12日発売のスーパーファミコン向けソフト『ポパイ いじわる魔女シーハッグの巻』、ゲームギア向けソフト『ポパイのビーチバレーボール』以来(何れもテクノスジャパン開発・発売)の約27年ぶりとなる。

*3 ステージ1と3は「ハート」、ステージ2は「文字」がノルマアイテムとなる。

*4 海にはノルマアイテムが配置されておらず、操作を行う理由はない。