New ポケモンスナップ
【にゅー ぽけもんすなっぷ】
ジャンル
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カメラアクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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株式会社ポケモン
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開発元
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バンダイナムコスタジオ
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発売日
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2021年4月30日
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定価
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6,578円
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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ポイント
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20年越しの新作 当然表現面は大幅進化 レア写真はかなり難しいものも……
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ポケットモンスターシリーズ
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概要
3Dのポケモン達の写真を撮ることを目的とした『ポケモンスナップ』の新作であり、実に22年ぶりの続編。
2020年6月17日の「Pokemon Presents 2020.6.17」において発表され、『ソード・シールド』までに登場したポケモンの内200種類以上が登場する。
特徴
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ゲーム開始後に主人公の見た目を決定し、名前を決める。
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本作の舞台は「レンティル地方」。主人公は自然科学研究所のカガミ博士の研究を手伝うべく「ネオワン号」という乗り物に乗ってポケモンの写真を撮っていくことになる。
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本作の鍵となるのはポケモンや草木が光る「イルミナ現象」であり、このイルミナ現象の謎を解明するというのがストーリーの流れである。
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基本的なルールは前作と同様であり、フィールド内の決められたコースを自動で移動しながら自然の中で暮らすポケモンを撮影することになる。
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ストーリーの進行に応じて撮影中に使えるアイテムや機能が増えていき、前作同様ポケモンの変わった反応を引き出すことが出来るようになる。
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「ふわりんご」は前作で言うところの「ポケモンフード」に該当する。ポケモンの好物であり、ポケモンによっては食べるものもいる。ぶつけた場合は嫌がるのも前作同様。
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また、ポケモンの興味を引くという性質から、「ふわりんご」を使ってポケモンを誘導するという使い方も出来る。
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「サーチ」はアイテムではなく、周囲を探索する機能である。分岐ルートを発見したり、隠れているポケモンを発見したり出来る。
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副次的効果として、「サーチ」は音と電波を発することから、ポケモンの種類によっては「サーチ」に特定の反応を示す場合もある。
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「イルミナオーブ」は強制的にイルミナ現象を引き起こすアイテムであり、当てたポケモンやフィールド上に点在する「クリスタフラワー」を一定時間光らせることが出来る。
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イルミナ現象を起こしたポケモンは生命力が活性化するようで、普段は見せない行動を起こすこともある。
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なお、「イルミナオーブ」は、その地域のイルミナ現象を起こしているクリスタフラワーを撮影することでアンロックされるため、他地域で「イルミナオーブ」を解放していたとしても利用出来ない。
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「メロディ」は文字通りしばらくの間音を流す機能である。当然周囲のポケモンがこの音に反応することもある。
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その他の機能として、ボタンを押している間「ネオワン号」を加速させるターボ機能も存在する。
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特別な機能としては紹介されないが、後方を向いている間は「ネオワン号」が減速する。
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コースを走り終えた段階でカガミ博士に撮った写真を見せて評価してもらう。
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1回の撮影において選べる写真は1種類のポケモンにつき1枚である。主役が映っていないと判断された写真は見せることが出来ない。
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基本的にポケモンが映っていない写真は見せられないが、例外的にイルミナ現象で発光しているクリスタフラワーは見せることが可能(評価対象にはならない)。
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評価とは別に、撮った写真は明るさ等を加工してアルバムに保存可能。保存した写真にスタンプを付けることもできる。
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フィールドは全部で11+1箇所ある。無料アップデートでフィールドが2箇所、追加分岐ルートが1箇所追加された。
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フィールドによっては「昼」「夜」といった具合に異なるシチュエーションが用意されており、時間帯によって出現するポケモンが異なる。
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また、フィールドには調査レベルが存在し、そのフィールドで獲得したスコアに応じて調査レベルが上昇する。
調査レベルが上昇するとそれまで出現しなかったポケモンが出現したり、これまでと異なる挙動をとったりするようになる。
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逆に調査レベルが上がると見られなくなる行動を取るポケモンも存在するため、調査レベルは下げて調査することも可能となっている。
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イルミナスポットのフィールドでは、本作のストーリーの鍵となるイルミナ現象で発光しているポケモンが出現する。特に初回(調査レベル1)ではイルミナ現象を起こすポケモンしか出現しない。
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イルミナポケモンは、初提出時はイルミナ現象で発光している状態を写さないと評価対象外となる。
後半に登場するイルミナスポットではまずイルミナポケモンをどのようにイルミナ現象で発光させるかが重要となる、事実上のボスステージである。
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調査レベル2であればイルミナポケモン以外も登場するようになる。
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伝説のポケモンも多数登場するが、その多くはストーリークリア後でないと出現しない。
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スコアについては「ポーズ」「大きさ」「向き」「位置」「ボーナス」の5種類の合計点によって決まる。
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前作では撮影対象となるポケモンが中心に写っていない場合、中央判定以降の項目は評価をして貰えないという仕様だったが、本作では主役が映っていないと判断されない限りはしっかりとスコアを付けて貰える。
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ボーナスは、他のポケモンが映っていたり、特徴的な風景が映っていたりすると加算される。
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スコアが3000点未満だと銅の星が、3000点以上3500点未満だと銀の星が、3500点以上4000点未満だと金の星が、それ以上だとプラチナの星が貰える。
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イルミナポケモンと伝説のポケモンは常にポーズ点が2000加算されるため、プラチナ評価は取りやすい。
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また、本作では1種類のポケモンにつき4種類の評価があり、撮ったポケモンの仕草等によって自動で評価が分かれる(☆~☆☆☆☆で表記される)。
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同じポケモンでも評価が異なる場合は別の写真として登録される。つまり、ポケモン図鑑の完成を目指すなら、4段階それぞれの評価の写真を撮る必要がある。
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星の数は博士に見せる前には判別するため、星の数を見てどの写真を見せるかを決めることが可能。
なお、上記のスコアと星の数が意味する評価は全くの別物なので、「星4であるが、スコアは銅」ということも普通にあり得る。
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進行度に応じて、リクエストと題してポケモンのレアポーズ等の写真を求められるお題が出る。
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達成せずともクリア可能だが、リクエストによっては写真編集に使える装飾品が貰えることもある。
評価点
臨場感溢れるフィールド
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ハードの進化により、グラフィックはかなり美しく、その中で活き活きと暮らすポケモン達がしっかりと描かれている。
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環境音も主張しすぎない程度に臨場感を醸し出している。眠っているポケモンが居れば寝息が聞こえることも。
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昼は活動しているポケモンが夜は眠っていたりと、同じフィールドでも昼夜で活動するポケモンが変わるなど同じフィールドとは思えない程の違いが見られるようになっている。
躍動感あるポケモン達
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ポケモンも様々な動きを見せたり、アイテムによって異なった反応をしたりと本当にそこで暮らしているような雰囲気を出している。
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寝る、食べる、戦う、遊ぶ様々なポケモンが様々な動作を見れて、眺めるだけで楽しめる。
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ポケモン同士の行動が連動している場合もあり、仲良く一緒に遊んでいたり、はたまた争っていたりする。同種で遊んでたり、親子同士で居たり、全く別種類のポケモンと仲良くしてるなど
シリーズ作品でも他ではなかなか見られないポケモンの生態を見ることが出来る。
探索要素がかなり豊富
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フィールドの色んな場所にポケモンがいるため、一度の挑戦で全容を掴むのはまず不可能と言って良い。
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意外な場所に意外なポケモンが居る、ということももちろんある。
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「サーチ」によって分岐ルートが見つかることもあり、ルートごとに異なるポケモンを見つけることができる。
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ポケモンの写真も評価が4段階に分かれるため、図鑑を埋めるには様々な仕草を探す必要がある。
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アイテムによる反応も一筋縄ではいかず、単純に「このアイテムを使えば良い」という安直な仕様にはなっていない。
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同じアイテムであっても状況次第で異なる反応を示すこともある。
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ただ、特に評価星4となるポーズやリクエストを探そうとするとかなり難しいこともある。
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また、場合によっては運が絡むことさえある。この二点については賛否両論点として論ずる。
写真は共有可能
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インターネット接続ができる環境であれば、作品内で撮った写真をゲーム内でアップロード可能。
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エフェクト加工を行ったり、スタンプ等でデコレーションしたりも可能であるため、こだわりがあればいくらでも楽しむことが出来る。
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ゲーム固有の機能ではないが、Switch本体の機能を使えばTwitter等SNSへのアップロードも容易。
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気に入った写真には「りんごメダル」を贈呈することが出来る。本編におけるメリットはないが、モチベーションに繋がる。
スコアが分かりやすくなった
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前作と比べると評価基準が明確になっているため「自分では良いと思っていた写真のスコアが散々だった」という事態は起きづらくなっている。
賛否両論点
レアなポーズやリクエストがひたすら手探りになりがち
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星の数が多い評価を撮ろうとすると、単純にアイテムや機能を使うだけでは撮れないものも多いのだが、ゲーム内で基本的にヒントは出ないので手探りとなってしまいがち。
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場合によっては対象のポケモン以外のポケモンを用いなければならなかったり、運が良くなければ出会えなかったりする場合もあるため、試すべき手段はかなり膨大となってしまう。
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リクエストは星の数が多い評価と被っているものも多く、こういった場合、ヒントになっていることもなくはないが、それでも「どのようにして撮れば良いか」に言及されていないケースが多いのでやはり難しい。
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特に難しいのはメレシーが対象になる「宝石の王国」。
手順が複雑な上に見えない場所にあるオブジェクトにイルミナオーブを当てる必要があり、ネット上でもなかなか攻略法が確立されなかった。
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ただ、クリアだけを目指すならば、図鑑を埋めることは必須ではない。良い写真を求めて何度もプレイを重ねる中で偶然見つかるポケモンの珍しい姿を狙うという遊び方も楽しみ方の一つである。
前作と比較した場合のプレイヤーがポケモンにアイテムを投げたときの反応について
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ステージ中でプレイヤーが投擲できるアイテムに関して、前作ではAボタンがリンゴの形をした「ポケモンフード(今作での「ふわりんご」に該当)」、Bボタンがむしよけスプレーを利用したポケモンが嫌がるガスを発生させる「イヤイヤボール」となっており、それぞれポケモンをおびき寄せるだけに留まらずポケモンに直接ぶつけて軽いダメージを与えた状態の写真を撮る目的にも使うことが出来た。
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一方今作は「イヤイヤボール」のかわりに「イルミナオーブ」が実装された。前述の通りイルミナ現象を能動的に発生させるためのアイテムであるが、「イヤイヤボール」と異なりポケモンに直接ぶつけてもポケモンが嫌がる仕草をとることはない。
さらに今作の「ふわりんご」は、前作の「ポケモンフード」と異なりポケモンに直接ぶつけてもリアクションを起こすものは非常に少なくなっている。
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ポケットモンスターシリーズの立ち上げ期に発売された前作と長い年月が経ってから発売された今作ではブランドの規模が異なるため、ポケモン自体に対する扱いも異なっているはずである。
ポケモンが嫌がる描写であったり少しでも暴力的ととられる表現は今の時代では規制されても仕方のないことかもしれないが、前作でポケモンフードをぶつけられて目を回すピカチュウがかわいかったとする声もあるため、その点から物足りなさを覚えるプレイヤーも存在する。
問題点
同じポケモンの写真を2枚以上同時に見せられない
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前作も同様であったが、本作でもポケモンの種類毎に1枚の写真しか見せることが出来ない。
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ただ、問題なのは、本作では4段階の評価があるにもかかわらず、評価段階にかかわらず同種ポケモンにつき2枚以上の写真を一度に見せることは出来ないということである。
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つまり、同じポケモンの星3と星4の写真を両方撮れたとしても一度に見せられる写真はどちらかのみであり、選ばなかった段階の写真は改めて撮ってくる必要がある。
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また、リクエストについても達成する為にはリクエスト達成に関わる写真を博士に見せる必要があり、選ばなかった場合には達成扱いにならない。
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評価については結構アバウトな部分もある為、同じような仕草であってもちょっとしたタイミングの違いで評価が変わってしまう場合もある。
特に星3、4だと運良く撮れた際にはかなり悩ましい問題と言える。
探索ルートにランダム要素があるフィールドがある
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該当するのはベースキャンプと樹海の2つであり、これらは進行に際してランダム要素がある。
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ベースキャンプはそもそも一定条件を満たすと2つのスタート地点の内どちらかからスタートすることが出来るようになるが、これはランダムで決定される。
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樹海も同様であり、調査レベルが上がると道中で4つのフロアのいずれか1つに移動することが出来るが、これもランダムである。
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実際にはどちらもランダムではないものの、ゲーム内ではそれらに関して言及されない。
「ふわりんご」等を狙ったところに飛ばすのが難しい
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「ふわりんご」等は円弧状に飛ぶため、特に遠方になってくると狙ったところに飛ばすのが難しい。高低差があるフィールドだと尚更。
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いわゆる誘導性能等は全くなく、落下点の予測等のサポートもないため、遠方から早めに「ふわりんご」を使ってポケモンの行動を制御して写真に備えようとすると投擲技術が問われてしまう。撮影とは別の技術に関して慣れを求められる点に関しては問題視される。
背景とオブジェクトの区別がつきづらい
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昨今のゲームではよくあることだが、背景とオブジェクトの区別がつきづらいため、ポケモンをよく知らない人は風景の中からポケモンを探すことが難しい場合がある。
酔いやすい
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前作をやりこんだ人もそうでない人も酔うという意見が多い。
マスターボリュームが小さい
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ゲーム内設定でマスターボリュームMAXにしても音量が非常に小さく、適切な音量で聞けるようスピーカーを調整した後に他のゲームを起動すると爆音になる。
総評
実に22年ぶりに発売された新作は、自然の中で暮らすポケモン達の動きや表情を写真に収めるというコンセプトを継承しつつもしっかりと現代のゲームとして生まれ変わったといえる。
レアな仕草もたくさんあるため、写真を撮っていくうちに新たな発見があり、ハイスコアを目指していくというやりこみ要素も豊富である。
シリーズ全体から考えると登場しないポケモンも多いものの、それでも多数のポケモンの活き活きとした姿を見られる唯一無二の作品であることは間違いないため、ポケモンファンであれば十分オススメすることが出来る一作である。
余談
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前作の主人公である「トオル」はゲームを進めると登場する。
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ローソンプリントで本作で撮った写真をシール等に印刷できるサービスが行われていたが、このサービスは2021年9月30日に終了した。
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なお、前作でもゲームソフトを持ち込むことでゲーム内の写真を印刷するサービスがローソンで行われていた。
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本作の発売と同時にスマートフォンプリンタ「instax mini Link」(富士フイルム)でNintendo Switchのスクリーンショットをプリントできるアプリが配信された。
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登場ポケモンの一体であるビビヨンは地域によって翅の模様が異なる設定があり、本編でも18+2種類の模様があるのだが、本作にはこれらの模様のビビヨンが全て出現する。
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図鑑番号1番、星の数が模様で判定される、リクエストがないなど、他のポケモンとは一線を画した扱いをされている。
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出現条件の難易度はピンキリだが、中でも「モダンなもよう」はあるエリアの分岐ルートにしかいない上に長らく出現条件が不明瞭なレアポケモンだった。
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売上本数は国内約34万本(パッケージのみ)、海外240万本(DL含む)。
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国内のDL数は不明だが、同年同価格帯の任天堂ソフトのDL率を参考にすると、DL込で前作の50万本に匹敵している可能性も考えられる。
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近年のポケモン外伝作品にしては売れた方…なのだが、何故か初回出荷本数が異様に強気であったため、比較的早い段階で値崩れを起こしてしまった。
最終更新:2023年07月26日 21:17